Arxさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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地獄の逃避行(1973年製作の映画)

4.2

19歳の男と13歳の少女が起こした「スタークウェザー=フーゲート事件」を元にした癒し系シリアルキラー映画。ちなみにこの頃受けた監督の数少ないインタビューでは「お伽噺」のような映画を作りたいと語っていた>>続きを読む

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

4.3

映画開始直後、公園のカップルに狙いを定める主人公は厳格な盗聴のプロフェッショナルといった趣だ。しかし、話が進むにつれそれだけではなく、彼の中には罪の意識や孤独感、盗聴されることの恐怖といったものが潜ん>>続きを読む

ドラゴン危機一発(1971年製作の映画)

3.2

良くも悪くもコミカルなシーンを要所に挟んでくる。正直映画としてはあまり面白くは無い。ブルースリーを見る映画か。

ヌンチャクも登場せず、截拳道が確立する前だが足技や投げナイフ、組技等は既に使用していて
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.6

キューブリックのような左右対称の画面と色彩感覚による美しい画面は、同時に「シャイニング」のように主人公の若妻がだだっ広い建物や人間関係などの環境に飲まれている事を表している。

なんらかのコンプレック
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.9

すげー変な映画だ。そして2回は見た方がいい。

前半は作り物感満載なUFOや古臭いトランジションワイプなど意図的なのか天然なのかよく分からない演出が満載でひたすら困惑。(ただ、2回目に見ると町医者が目
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摩天楼を夢みて(1992年製作の映画)

4.1

半沢直樹みたいだなと思ったが、この作品は資本主義社会での競争における虚しさを描いているところがいい。オフィス以外の舞台が殆ど無く、車で移動するシーンさえも外の景色が見えないことからもウンザリするような>>続きを読む

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

3.0

「トゥザワンダー」等とは違い、神への問いかけといった宗教的なモチーフを大きく削っており、良く言えばストーリーが(比較的)理解しやすいと言える。悪く言えば、「こういう恋愛ってあるよね...しんどい事もあ>>続きを読む

ウォーク・ハード ロックへの階段(2007年製作の映画)

3.3

ある程度ロック史を知っていると結構笑える。主人公は伝説的なロックスターのエピソードをバッチワークして作ったような架空の人物で、50年代のデビューから00年代の死までを描く。細かいマニアックなネタ(ペッ>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.1

大学の時ぶりに見返した。
作品のテーマは、「レイジングブル」や「キングオブコメディ」が引き継いでいるが、それら2作品の方が暴力や人間の虚栄心についてよりスリリングに描けていると思うので、そっちの方が好
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トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

2.9

前作「ツリー・オブ・ライフ」までは良いのだが、これはちょっといただけなかった。カップル同士がくっついて離れてみたいな話が個人的にどうでもいいわとしか思えなかったのと、脚本がポイントを絞り切れておらず抽>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.4

同時代のフィルム•ノワール的だが、ローキーライティングを殆ど使っていない所や、登場人物の情念的部分を排除している点で、他のそれらに比べてかなりドライに、ストーリーを機能的にドライブさせることに集中して>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.7

高校時代に一回見た時は全く理解できなかったが、10年ぶりぐらいにみるとドラマ部分含めて素晴らしいと思ったし、同時に昔の感想の理由もよくわかる。

汚ったない路地裏の上を空飛ぶ車が走り、日本語のネオン看
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.7

最後にサメが姿を現すと作り物感になんだかなとなるけど、それまでは本当に面白い。

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.2

ずっとBGMもなく、笑えるところは結構あるのだがオフビートなテンポが続くため、2時間40分はやはり長いなと思ったが不思議とそれが不快には思わなかった。

それは、この「間」こそがこの映画のキモで、大人
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アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

3.9

作中でも言及されているが80年代版「オズの魔法使い」なブラックコメディ。
NYの(おそらく)アッパーサイドに住むサラリーマンがダウンタウンのソーホーで体験する奇妙な一夜。カフカ的な不条理さがあるが、分
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キャット・ピープル(1942年製作の映画)

3.9

影の使い方が素晴らしい。後景に手すりや窓枠の影を当てることでまるで主人公も同じように檻の中に囚われているかのように見せたり、画面の一部しか見せないことで恐怖を掻き立てたり、逆に「いる」ことを暗示するな>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.5

見たことない有名作をきちんと見るシリーズ。

エンタメとしては普通に面白い。脚本がきちんとしていて未来に帰る、両親を再びくっ付けるという2つの目標に対してサスペンスをうまく作り上げている。

いじめら
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カリートの道(1993年製作の映画)

4.2

いとこが殺されるシーンのサスペンス(少し空いたドア、ビリヤード台で回転するカメラ)、鏡越しに見る女、電車内での限定空間によるチェイスシーン、駅での長回しなど、デパルマの映像的技巧を駆使しながらきちんと>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.3

主人公のマークは女性を殺害し、その様子や表情を映画に撮る事を趣味?としている。
その主人公の演技が、まずは素晴らしい。カメラを持っていない時は大人しく、感情を見せないのだが、映画の話になると急にイキイ
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戦慄の絆(1988年製作の映画)

4.1

一般的な解釈とは違うかもしれないが、自分はこれを一卵性双生児兄弟のラブストーリーだと思っている。確かに、兄弟はどちらも明確に異性愛者として描写されている。だが、兄のエリオットは多数の女性と関係を持つが>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.7

ヒッチコックの「サイコ」をオマージュした作品で、確かに一人の人間に二人の人格があるという設定では同じだが、「サイコ」では否定されていた性的錯綜者としての二重人格がテーマになっている。

欲求不満な人妻
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孤独な場所で(1950年製作の映画)

3.5

人に理解されない孤独な部分(暴力癖)から逃れようとする男の話。

ヒロインは一般的にフィルムノワールで出てくるファムファタールではなく、男が堕ちていくのは結局のところ自分の性格によるものだったところが
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

4.6

一家の親子関係と宇宙の成り立ちを同一として見るというテーマにはあまりしっくり来ていない。「シン・レッド・ライン・」も似たように人間と自然を同一として見ていたが、ガダルカナル島を舞台にしてどちらも語られ>>続きを読む

ハード・ターゲット(1993年製作の映画)

3.5

香港時代のジョンウー映画に良くも悪くもあった爆発力、やり過ぎ感は減退しているが、ジャン=クルード•ヴァン•ダムの身体能力でないとなし得ないようなバイクの上に立ちながらの銃撃シーンなどは見ていて楽しい。>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.9

最近、シリアルキラーものの「ヘンリー」を見ていたのでそれと比較しながら見ていた。

「ヘンリー」は主人公は感情を表に出さず何を考えているか分からないことが緊張感を生み出していた。
それに対し、この映画
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サムライ(1967年製作の映画)

3.7

主人公は孤独な殺し屋でセリフも殆どない為、画作りや小道具などで人物像を表現している。小鳥の使い方や家を出る時に毎回帽子の被り具合を確かめたりするところは用意周到な性格をよく表している。
まあ、悪く言え
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ヘンリー(1986年製作の映画)

3.6

実在したシリアルキラー、ヘンリー•リー•ルーカスをモデルにした映画。
まず最初のシークエンスが凄い。ヘンリーが単に車で移動している所とヘンリーが殺した後の死体を交互に見せていく。また、死体を見せながら
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.5

ゾンビ自体は素手で退治できるほど弱いので余り驚異には感じないのだが、閉鎖空間の中での人間達の対立の方がスリリングだった。

あんまり撮り方とかに感じるところはなかったが前述したようにゾンビが余り強くな
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

4.0

吸血鬼と西部劇を合体させた映画。どちらのジャンルにも明るくないので、ここで言及はしない。

主人公はナンパした女の子に噛まれたことにより吸血鬼となる。血を調達するために人を殺す事はできないながら、マン
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天国の日々(1978年製作の映画)

4.3

基本的に三角関係の恋愛話なんだが、第3者の妹のナレーションが入る事で観客は客観的な視点から映画を見る事ができる。

最後に今まで頼りにしていた恋人や兄を失った女性たちがそれぞれのやり方で自分の力で生き
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赤い影(1973年製作の映画)

3.8

ホラー映画だという前触れで見ると余り怖くは無かったが、ある意味それは20台後半の自分が何をリアリティを持って怖いと思うかを反映しているのかもしれない。かなり大人の映画だと感じた。身内の喪失と男女の隔絶>>続きを読む

テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)

4.0

投身自殺した女の部屋に住み始めた主人公は、近隣住民からの騒音への過剰反応に悩まされる。その上、自殺した女と同化させようと面白半分でさせてくる事に病んでくる。

YouTubeでの考察では、同じアパート
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薄氷の殺人(2014年製作の映画)

3.2

色彩感覚と引きの固定ショットの美的センスは素晴らしい。また、トンネルの出口からいきなり時系列が飛ぶという斬新な演出もある。

全体的に上手くまとめているとは思うが、あまりこの映画から監督や製作者のエゴ
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バスケット・ケース(1982年製作の映画)

3.4

80年代B級ホラーは今見て、「1週回ってアリ」かそうでないかがかなり分かれる印象だが(アリな方は「ビデオドローム」など)、これはナシの方だなーと思いながら見ていた。しかし、単なるB級映画と切って捨てる>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

2.7

「ある時間まで戻ってから現在(未来)へ進む」のではなく「現在から過去へ逆進する」という点の捻りはあるが、基本的にはタイムリープもの。

脚本はかなり捻っており一見で完全に理解することはほぼ不可能だが、
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