かつての上流階級の母娘は夫からの一方的な離婚通告を経て、極貧の中グレイガーデンと呼ばれる一戸建ての家ーというかゴミ屋敷で世間の目を避け暮らしていた。彼らは残念ながら?仲睦まじいというわけでは全くなく、>>続きを読む
ラース・フォン・トリアーの苦手な所は余りにも「作品=自分(監督自身)」という所が近視眼的に直結しているところであるが(それが魅力だと思う人の気持ちもわかる)、知的障害者のフリをするサークルというトリア>>続きを読む
元々ローリングストーン紙で音楽ジャーナリストをしていたキャメロンクロウが、当時距離の近かったシアトル音楽シーンを元にした恋愛コメディ。実際、グランジバンドであるパールジャムやサウンドガーデンが出演して>>続きを読む
これは「業」の話である。スピルバーグといえば未だに世界で最も有名な映画監督であり、それは言い換えると個人的なビジョン(見せたいもの)によって世界中の観客を動かしてきたと言える。しかし、今作では母親の不>>続きを読む
この映画には多くの不公平・矛盾がある。
人種差別(白人と黒人はもちろん主人公の出自であるユダヤ人種)、レーガンを嫌悪するリベラルでありながら息子をドナルドトランプも通っていた名門私立に行かせる父親。>>続きを読む
自分が見た映画館では、音量設定ミスってない?と思うほどスピーカーからの音がデカく特に序盤はそれで気が散ってしまった。そのせいもあるかもしれないが、この映画で一番気になった所は幼馴染の関係をもっと時間を>>続きを読む
日本の「大御所アニメ作家」、まあアニメをやめて実写映画を撮っている庵野が一番良い例だが彼らにとっての成熟とは大雑把に言えば現実から乖離したファンタジーではなく今を反映したリアリティに移行する事だと言え>>続きを読む
なんじゃこの映画???
街中でのボーイミーツガールものとして始まり、彼ら二人がカフェで落ち合う約束をしているにも関わらず容姿が一晩で変わってしまったことでお互いのことに気づかず・・・といったストーリー>>続きを読む
すみません、全く乗れませんでした。久しぶりにエンドロールでさっさと退出した作品です。
本作は多くを語らない作品であるという。確かに明確な筋書きが無いという意味ではそうなのだが、むしろノスタルジーと不>>続きを読む
この映画を「面白かった」とうっかり口にしてしまうと色々と語弊がありそうなので「感心した」という言い方にしておこう。
前半はまず展開のうまさというか、サスペンスを途切れさすことなく物語を自然に二転三転>>続きを読む
一言で言うと「グッドフェローズ」のホワイトカラー版。
これは褒め言葉としていうが、とにかく金・ドラッグ・セックスと騒々しく下品で長い(3時間)映画なのに見た後には一握りの虚脱感しか残らないというのがあ>>続きを読む
デニーロやレイ・リオッタの役は作中で説明されているように純イタリア系では無いためマフィアの幹部になれることはない。いくらデニーロが冷静沈着マフィアの役を演じていようが(かっこいいけど)、結局彼らは一生>>続きを読む
確かに本作をキャンセルカルチャーやwokeに対するリアクションとして論じる事は全然間違ってる訳ではないが、その1点で全肯定/否定に近いような感想を見るとそれだけじゃないような...と思っていたが、作中>>続きを読む
熊に魅了され最終的に捕食されることになったティモシーは、普通にこの映画を見ていればイカれた愚かな人間であると誰もが思うだろう。しかし、ティモシーが撮った映像に映る彼の弁に対し制作者(監督)がナレーショ>>続きを読む
ダルテンヌ兄弟の作品はその作風も相まってハードな身に置かれた主人公が見終わった後もどこかで生きているような気にさせられる。今作は巷で言われているように監督作で最も救いがないラストの衝撃に言葉を失ったも>>続きを読む
正直全てが好きすぎて具体的な感想を言いづらいのだが・・・
映画自体は主人公2人(ギャングと警察)を軸にして進んでいくわけだが脇役にもそれなりの時間を割いていてそれが全く無駄だと感じない。例えば、銀行>>続きを読む
冒頭、主人公が娼婦を殺害しバイクで走り去る中カメラが上がっていき、イマームレザー寺院を中心として蜘蛛の巣のようになっているマシュハドの夜景を映しながらタイトルが出るところが最高にキマってる。
あとラ>>続きを読む
ダルテンヌ兄弟の映画は社会の下層に置かれた人々を映しているのだが、そこに過剰な肩入れや美化をせず人間としてあくまでドライに、汚い部分も当たり前のように撮っているところが好きだ。
主人公ロゼッタは「ま>>続きを読む
アルジェント作品にストーリーとかメッセージ性を期待してはいけない。不気味なイメージや殺しのアイデアをビジュアルで見せてくれれば、伏線が繋がってなかろうが性差別的だろうが映画としての満足感は後から付いて>>続きを読む
この映画を好きとは言い切れ無いところはある(いくつかの下品なギャグはNot for Me)ものの、傑作と呼ぶことに躊躇いはない。
<インターネットによる自分の人生への影響>
① 他の人生を気軽に覗き>>続きを読む
前作もだが、リューベン・オスルトルンド監督は作品の中で自己批判を入れるのがお好きなようだ。前作はその批判が作品自体のアイロニーと合致していたし、ラストは少し希望のある終わり方だった。しかし今作はその辺>>続きを読む
例えばあなたは電車に乗っている。周りの乗客は静かに自分のスマホを見ている。そうしたら、一人で奇声をあげる「ヤバい人」が乗ってきたらどうするか?まあ、大体は見えてないフリをするでしょう(私もそうする)。>>続きを読む
「スターシップ・トゥルーパーズ」「ロボコップ」のポールバーホーベンの新作だが、最も近いのは「ショーガール」だ。バーホーベンらしい明け透けな下品さや体制への皮肉は相変わらずだが、第3幕ではかなりストレー>>続きを読む
ロードムービーだが、寝台列車の相乗りという逃れることができない状況下によって、途中まである種のサスペンスを生んでいるところが面白い。
付き合う人は主体的に選ぶことが理想的な人生である、と世間又は多く>>続きを読む
最近、アメリカの現代音楽家であるポーリン・オリヴェロスのアルバムを色々と聞いている。彼女は「音」というものが聴取者の周りの空気の可聴域が振動しているだけでなく、宇宙全体に存在する多くの振動エネルギーの>>続きを読む
ほぼポルノと変わらないほどドギツい性描写が多い(無修正の色んなちんこを見ることができます)にも関わらず、湖のほとりで行われる性行為はそこにある日常として描かれている。このフラットは特徴的で、当事者であ>>続きを読む
ナレーションなし、カメラを意識していない(ように見える)被写体、風景ショットの編集のテンポなど、フレデリック・ワイズマンのスタイルを踏襲したドキュメンタリー。もう1つワイズマンを参照するなら「ニューヨ>>続きを読む
暴力装置としての警察という面では「デトロイト」の様な強烈な映画があり、SNSで現実の行為が可視化されている中、この映画はそれが50年前から変わらない点を示していることについては価値がある。
妻と離婚し一人暮らしをしているラザレスク氏(重度のアル中)が体調を崩し救急車を呼ぶが病院をひたすらたらい回しにされる。ラザレスク氏は次第に失禁したり意識が朦朧としていくのだがこの映画がすごいのは人が死>>続きを読む
クローネンバーグにはやはり変態的なビジュアルを求めてしまうものの、暴力と性が人間社会に不可分であることをテーマに「普通の」夫が主人公の家族の物語である本作は、その点で現在までの監督作で最もメインストリ>>続きを読む
映画批評家であった監督がフランス映画の現状をメタ的に批評した作品というとかなり小難しい、身内向けのサークル映画になるのではと思っていた。もちろん映画界に対する相対的な視点はあるが意外と下世話で、活気が>>続きを読む
現存する映画監督でロマンチストさにかけては右に出るものがいない王家衛の、最も抽象的でムードを押し出した映画だ。雨、二人乗りのバイク、ネオン煌く香港の夜、ジュークボックスの輝き...それらのロマンチック>>続きを読む
良い点:主演の高畑充希は頑張っていて、観客が応援したくなるキャラになっていた。
悪い点:ミュージカル映画を完全に舐めている。演者が歌って踊っていれば成立するだろという傲慢さが何の工夫もない正面で固定さ>>続きを読む
古典小説『エマ』の背景にあった階級社会をスクールカーストに翻訳した今作は、観客の誰もが主人公シェールに好感を持つだろう。
最後シェールは義理の兄と結ばれることになる。それはアリなのか?と思わなくも無>>続きを読む