たかっしさんの映画レビュー・感想・評価

たかっし

たかっし

映画(258)
ドラマ(0)
アニメ(0)

グロリア(1980年製作の映画)

5.0

さよなら、ジーナローランズ

死してこの世から存在はなくなっても、フィルムの中での貴方の格好良さは永遠に残ります
求む追悼上映🙏

大いなる不在(2023年製作の映画)

3.6


自分を捨てた父が認知症になり、行方不明の義母を探す中見つけた日記。
最初はミステリー的展開だか、徐々にラブストーリーとなり、同時に親子の物語となり、最後に認知症の怖さを伝える。
藤竜也の鬼気迫る演技
>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.7



絵を描くことの喜び、苦しみ。漫画という同じ花を2人で愛でる喜び。同じ花でも別の美しさを見出した2人の別れ。そして永遠の別れ。
藤野は京本の死を自らのせいにしたが、もう一つのifの世界で貴方のせいで
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

5.0


一癖二癖ある世代、立場を超えた登場人物が時には反目しあいながらも、お互いを理解して家族以上の友情を築きあげるドラマ。
この映画のインスパイア元であるさらば冬のかもめからグラントリノまで良質なアメリカ
>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

3.5



河合優実が絶望のどん底から希望を見出し、そしてコロナによる断絶によってまたその希望が絶たれてしまう過程を、精細に演じているので見入ってしまう。
日記を記し文字を書き覚えることの喜びを表す一方、後半
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.7

今まで見てなかったことを激しく後悔。
少年の殺人事件の有罪無罪を12人の陪審員が一室で論議する。簡単に言うとそれだけの映画だが、客観的事実に基づいて殺人の有無を検証する描写がスリリングだ。

差別、個
>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます


地方在住者にとっては憧れ半分、妬み半分の若者の街下北沢。実際見たら「愛がなんだ」と同様愛することに不器用な若者たちの今泉力哉監督ワールド全開の映画だった。

彼女に振られて風俗に行ったけど、風俗のお
>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.4


精神的にダメージを受けそうで避けていた関心領域。ようやく鑑賞しました。

舞台はアウシュビッツ収容所の隣。所長の一家の豪邸の平和な暮らしが中心。
しかし隣からはホロコーストの虐殺による叫び声、銃声、
>>続きを読む

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

2.0

分身とか呪いとか破廉恥な妄想とかしょーもないと思ってだけど、同窓会的でサービス満点のギャグ映画と思って見れば良いのねと後半割り切ってみました。

ゴジラ-1といい、本作といい人バンバン殺すのに真面目じ
>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます


フュリオサを鑑賞後に久々に見直す。

目指していた故郷、緑の地が既に汚染されて存在していない事実に1人砂漠で慟哭するフュリオサ。それを憐れみと共鳴の目で見つめるマックス。フュリオサがここに辿り着くま
>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.1


大傑作の怒りのデスロードから9年。
フュリオサの前日譚が見れるとは。
正直前作のようなノンストップアクションを期待すると肩透かしを喰らう。
しかし前作の楽園を失い戻るだけの話に神話性を感じる人は、こ
>>続きを読む

パリ、テキサス 2K レストア版(1984年製作の映画)

4.8


サミュエルフラー、ニコラスレイらのアメリカ映画をこよなく愛するヴィムヴェンダース監督。アメリカ映画への思いをテキサスとロスアンゼルスを行き来するロードムービーして結実させた。
ロビーミュラー撮影監督
>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0

そういえば1って見たことないと思い空いた時間に鑑賞。
北斗の拳の元ネタでもあり、様々な映画、サブカルに影響を与えた世紀末の荒廃した世界観はマッドマックス2で確立していて、1はまだ低予算の映画だったのね
>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.0

ここでの高評価を受けて見てきたのですが、思いのほか刺さりませんでした。

後半アミの側でストーリーが語られるけどここが美談過ぎるのと、とある名作映画が途中出てくるのですが、この作品にこの映画が依存しす
>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3



冒頭の森を見上げるシークエンス。
森を扱う映画(暗殺の森、ミラーズクロッシング)を愛する私にはたまらないシークエンスだ。
その森で暮らす人々にずさんなグランピングの計画が持ち込まれて、説明会が紛糾
>>続きを読む

ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

5.0



アメリカと日本を心の故郷とし、漂流する魂を描き続けているヴィムヴェンダース監督が、ほぼ唯一出自であるベルリンと正面から向き合い、唯一無二の美しい叙事詩を作り上げた。

ここでの主人公である天使ダミ
>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0



村の狂人と言われるドミニコと共鳴して、ドミニコの焼身自殺と合わせて蝋燭の火を絶やさないように歩く場面とラストシーンは四半世紀前の初見の時と比べて数段に訴えくるものがあった。この四半世紀で世界はより
>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

5.0


音楽も作為的な演技もほぼなく徹底した引き算の世界。しかし圧倒的ダイナミズムで描かれる拝金主義。
金が全ての社会に投げ込まれた偽札。偽札の負の連鎖で善良な人間が殺人鬼になっていく過程を、人間的視点を徹
>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.3


やっぱり特撮は着ぐるみと精巧なセットじゃないと。
懐かしい四半世紀前のススキノが旧ロビンソン百貨店を中心にボコボコにされ、狸小路もニッカが看板のビルもぐしゃぐしゃにされる醍醐味はCGでは絶対味わえな
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

久々に家族全員で見て笑った😄

コメディなんだけど、変声期で歌えない少年の成長記でもあり、カサブランカや自転車泥棒などのクラシックな映画を見ながら大人への不満と青春の葛藤を呟く場面が最高に良かった。(
>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.7


訳あって最近ネトフリに加入しようやく見れました😅

メキシコ生まれのアルフォンソキュアロン監督。幼少期過ごしたコロニアローマでの日々を家政婦のクレアを中心に描いた。

クレアは受難の日々を送ることに
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2


ようやく見れたクリストファーノーラン最新作。

同胞であるユダヤ人を迫害するナチスによる世界の蹂躙を防ぐために原爆開発に全てを捧ぐオッペンハイマー。広島への投下成功後の罪の意識を表すスピーチでの幻影
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

5.0

初恋が逃れられない苦い思いであり、一方でこの上なく美しいものであることを丁寧に繊細に描いた作品。

この映画に出会えた「イニョン」を大事にしたいと思う。

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版(1966年製作の映画)

5.0

マカロニウエスタンの最高傑作。
加えてサムペキンパー、ロバートオルドリッチ、ジョンカーペンターらからクエンティンタランティーノまで所謂B級ジャンル映画から、とてつもない怪作を創作する監督たちの原点と言
>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

そりゃ主人公の2人が一緒にいるために東京の半分を海に沈めちゃった「天気の子」よりはこの映画は断然良い。
鈴芽が震災という過去と向き合い、乗り越えて行く過程は日本人が経験している3.11後のこころの空洞
>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0


思慮深いが偏屈な黒人作家セロニアス。
自身の作品が出版出来ず、皮肉を込めて描いたBボーイな小説がバカ受けしてしまい大変なことに…。

姉の急死とその姉が面倒を見ていたアルツハイマーの母。ゲイでドラッ
>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.2


オッペンハイマーを見る前に再度見ておきたかった作品。
夢の中の夢。何層も奥に潜る発想は今敏監督の「パブリカ」が元ネタでクリストファーノーラン監督自身も認めている。
しかし「パブリカ」がキッチュでユー
>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0


まずこの映画がドキュメンタリーだという事実に驚く。
ロシアの反体制リーダーナワリヌイが、国内で毒殺。ベルリンに運ばれてノブチョクが原因と判明。一命を得たナワリヌイ自身がネットを駆使して犯行グループに
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6


素晴らしい2時間30分の予告編と言っていい前作から2年と少し。
待望の続編。

20世紀後半のSFサプカルチャーの礎であるフランクハーバート著のDUNE。
デザインチームはその後エイリアンで成功。ス
>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.5

高校生の娘がお爺さん(デニーロ)がとにかく可愛いとオススメするので鑑賞。

デニーロが仏のような理想的な老人役で、この前見たキラーズオブフラワームーンを思い出すと相当混乱する💦
極悪人役でも、今回のよ
>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

-

これは非常に辛い作品。

あみ子は天真爛漫だけど、人の気持ちを汲まないから周りに誰も居なくなってしまう過程が淡々と描かれて見ていて本当に辛くなってしまった。
前に見た、さかなのこのリアルにうまくいかな
>>続きを読む

青い春(2001年製作の映画)

4.0


チバユウスケ追悼。

これを見て、虚無や刹那と言う言葉を押し付ける時点でもうそれは大人側の論理なんだろう。
粗暴で脆い青春にはミッシェルのドロップとブギーが余りにも合いすぎている。
松田龍平の憂いも
>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.6

私的内的宇宙的映画の原点。

昨年「君たちはどう生きるか」を見て8 1/2
に通ずるなと思ったものの映画の細部を忘れていたので再見。
自らの出自と今思うことを整理しないでぶちまけるという点ではこの二作
>>続きを読む

ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-(2009年製作の映画)

-

チバユウスケの死後2回目の劇場鑑賞。
何とか亡くなったという現実を受け入れます。
解散して20年経ったけど、こんなワイルドで且つ男の汗を色香に変えるバンドはミッシェルとブランキーぐらいだ。

アベフト
>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.6


文化祭前日のわちゃわちゃ感。
学生当時はこの祭りがずっと続けばいいのにと一瞬思うのだが、本当に続いてしまったら…。

夢の世界が現実になって抜け出せない展開はその後影響を受けた作品を多数生み出す。
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます


お互い違う種類のこころの病を抱えた男女が恋愛、友情を超えて支え合うこころ暖まる物語。
という大筋は間違ってない。

しかしこの映画にはもう1人の主役がいて、それが光石研演じる社長の早逝した弟である。
>>続きを読む