パンナコッタさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

パンナコッタ

パンナコッタ

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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.3

うーん。楽しめなかったかな。冬の光観て見直そうっと。

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.7

 油断した。バンバン走りまくるクライムサスペンスかと思ってたらニューウェーブ系装飾な洒落た映画でした。役者の雄弁な表情に陰りを与えてオーバラップ。ひかせて魅せるバイオレンスも嫌味なくてクールです。

別離(2011年製作の映画)

3.8

 車線や裁判所、病院の種種雑多というか落ち着かない画面と比べ感心してしまうほど内容は上手い。足らないピースを各々が信仰心や虚栄心で見失い尻拭いをさせられるのが無垢な子供達だっていう。子供同士の睨みの絵>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

3.4

 テーマに贖罪を据えながら登場人物は極めて観念的な見立てにすぎない印象。演出の奇妙さもそうであえて肉体性というか人物の奥行きを排除している、そんなふうに感じた。

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.9

これはタイトルが意外と秀逸で対立構造がフォードvsフェラーリからビジネスvs愛と最後には私へとシフトするんだけど製作者の視座が散々主人公の車への野性味溢れる熱狂ぶりというかカッコよさを煽っといて終盤が>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.8

映画という虚構にリアルタイムの映像を流し現代的に再編集する眼を孕ませた挑発。「パリ行き」の先に見立てた事件はアトランタオリンピックまで遡る。だって前半はほぼ同じだもの。
 イーストウッドはいつだって英
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.5

 期待の裏切りで繋げているので観させるけど「裏切り」までの過程と後処理の粗さよ。ただ将棋でいう飛車角以外のスポットの当て方ええと思いますよ。レイとかあんま活躍してるような気がしやんかったし、英雄碑から>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

 凄え。今をイマジネーションへと変換させる豪傑さよ。結核の物的証拠だとタバスコぶっ掛けたティッシュが停止し音楽がドーンってm1の和牛かよってぐらい見事で笑っちまった。高台の高級住宅と半地下、雨水が上か>>続きを読む

「A」(1998年製作の映画)

3.6

社会から離れて教団の教義から解脱へ向かっても社会に反映させようとするなら、社会のルールに屈服する。皮肉にも荒木さんは教義を通じて社会を知ることになった。

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.4

前に身を乗り出しながらみた。物凄い完成度。デフレの影響下、相対的に弱体化する労働者の権利。そこに目敏く付け入る資本家との図式。介護職のやりがい搾取や日本でいえば某コンビニのフランチャイズ化。そして>>続きを読む

一人っ子の国(2019年製作の映画)

3.6

まさにディストピア。中央集権的な情報統制に公権力の濫用。国益という姿形をとったのは欺瞞でしかなく、それに「仕方なかった」と頷く市民の心境は想像し難い。事実を認識するのはとても困難で、時が経てども残>>続きを読む

i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

3.6

望月さんのジャーナリズム精神は中々真似出来るものでなく物凄くハートがタフなんだろう。なにより、本人の強烈さだけでなく取材元に籠池さん、家計学園はじめインパクトのある事件、人物の数々。
彼女は「K
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.1

監督はかなり若いのに渋い。が、偏愛するのに充分な一作。なんというか、思い出し笑いしてしまうときに脳裏に浮かぶようなそんな小さな可笑しみが劇画にぎゅっと詰まっている。
企業のチェーン展開、区画整理
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

おもろい!ニクソン政権下におけるウォーターゲート事件に至るまでの経過。国民の知る権利に奉仕する報道の自由、会社の存続と報道機関の矜持に揺れ動き権利を守り抜く熾烈極まりなさを刮目。
にしても、ケイ
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.5

自己反省がないといえばそれまでだろうけどデニーロの「語ることはない」という一言にスコセッシを重ねないわけにはいかない。彼の職人気質が前面に出ていてこないだのタラちゃんの作品がまだ可愛げタップリなんだ>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.8

人類の証左であるということ。作品を創造するのも人類子孫繁栄の歴史だって変わらずもっといえば何気ない会話にもそれは宿る。リベラルやらリバタニアリズムやら左やら右やらいがみ合い国家を掲げて分断しあっ>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.9

面白かった。初めは冒頭からあまりにも悲劇的過ぎるし、音楽も妙に大仰だなあって乗れなかったけど。社会、家族、友人といくつもの自己が複合化するSNS時代にピッタリな作品だなと思った。

冒頭のア
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許されざる者(1992年製作の映画)

3.8

イーストウッドは父性だなと改めて思った。やっぱり引き受けて背負っていくのは最新作の運び屋同様だ。
ホルスターから手早く引き金へと。ガンマン(被写体)がアップされると、相手側の表情が交差されるか
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

タランティーノ流のフェアリーテイルであり、レクイエム。
劇画のように、ディカプリオがポランスキー宅に招待されていたら?
つまり、時代と時代が手を繋いでいたらどうだったのだろう?
古き良きアメリカ、シ
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誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

3.7

流れるような冒頭30分、パーティでのタッチの書き分けがうまい。今回の劇薬は?といえば、たしかに全体卒なく纏め切った印象だが、バビエルのベッドに寝転びすっかり安堵したショットと、ペネロペクルスとの対>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.3

この映画も何回も観てるけど好き。普通の青春映画じゃないよね。カツアゲしてる時にシンジとマサルの二人の顔が均等に並ぶとことか、居酒屋でヤクザに呼びかけられ二人で同時に振り返るとことか。水を置くタイミン>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.8

2回目。役者がめっちゃいいよね。臼田あさ美のあのちょい痩せこけたダメ女感も、ヒモでなんともはっきりしない太賀の猫背も、言わずがなオダジョーの感じも。特に長回しで清水くるみとこの三人が一つの部屋で顔を合>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.4

映画好きになったきっかけの一本。存在自体が半ばフィクションを生きているトラヴィス。思い込みが現実化したり、今の時代だったら逆に内部化された情報が現実に作用したりするのだろうなと。バランス感覚っての>>続きを読む