Yukiさんの映画レビュー・感想・評価

Yuki

Yuki

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

5.0

“過去を生きるとは失ったものを生きることなのだ。そこに、どんな幸福があるだろう”

対比の割合こそ、主人公の母の目線が多く描かれ続けてるのにも関わらず、ラストの娘の目線から見える景色に解放感を感じたの
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Here(2023年製作の映画)

5.0

“世界の中にあなたが存在しているのではない。
あなたの中に世界が存在しているのである。”

2人の目の前で交わされる事象、それだけでありありと映し出されてる余白あるものに、観想の姿勢で鑑賞できるから、
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スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

3.8

テーマパークみたいなハリボテすぎるセットと、ダサい会話劇とショットの連続で、このディストピアを小気味いいテンポ感で描ききってくれるおかげで、アメリカに対する、ある側面の”愛国心”をひたすら嘲笑的に描い>>続きを読む

セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)

5.0

『孤独や怒り、そして大きな悲劇に陥る可能性は誰しもに平等にあることは、なにかに取り憑かれたように信じる行為に出てしまう危うさの種をみなが秘めていることと同義である。』

“環世界”その概念さえあれば、
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

-

瞬間瞬間の解釈と輝きを受け取ったのにも関わらず、長尺の冗長的なカメラの長回しのおかげでもう何もないところに置いてかれてしまう感覚のシーンの連続が本当に辛かった。それでもってopの高揚感と一体感(それで>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

『故郷という”場所”でなく、原点に帰郷を求める』

神の所在をひたすらに求めて、自身の幻想の中に縛られ続け、顧もせずに足掻き続ける未完の3人の登場人物を”ストーカー”とは真逆にジョークに描き続けてるよ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

“団結するには神話が必要”

1人に集約されるほど、人は神を越えることはない。
戦争を終わらすための聖戦のはじまり。この階級構造の分解のための一時的な偶像にポールは総てを視えたうえで受け入れ、悪魔にな
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.5

語りすぎさと見せすぎさが見辛くて、
自分の中でテーマも離散してしまった

ミツバチ恋しい

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

“現れては消えるもの、
それは幻想だ。
思考は幻想だ。
存在そのものは決して消えることがない。
『生きてることが大切なんだ』”

観念や認識で、この世界はどんなようにも見えるその危うさを、アナの目線か
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしかった
映像表現も、”原爆の父”を抜かりなく残酷すぎるほど、切り取られた3時間だった

共産主義は歪んだ人間観に基づいていると認識していたし、それは支配体制が批判されるのと同じように支持できる
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D. Wade: Life Unexpected(2020年製作の映画)

5.0

Basketballをsanctuaryとして映してくれる一貫してる構造に求めてたもの全部魅せてくれた🔥
人生の予期せぬ複雑な問題全てを切り抜けて、その度に自己を変容していったWadeに、年齢とともに
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王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスター版(1987年製作の映画)

3.2

キャラクターの心情の変化に追いつけず、アニメーションもある部分でしか座り直すことなかった。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

5.0

「今こそ黒人の声に耳を傾けるべきだと白人が言う」

黒人文化の表層だけすくいとって
ネガティヴな部分に共感したところで
本質的な問題はそれとともに、どんどん複雑になっていってる。
マイノリティがマジョ
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

5.0

『苦しみも忌避するのではなく活かす』
そんな気づきと情熱の概念をずっとぶつけられた気がして
エナジーもらった気がしてる
濃密な20分で想像を遥に越えてきて満たされた

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

血筋は
呪縛なのか自由意志の余白はあるのか
継承なのか断絶するべき対象なのか
呪いなのか祈りなのか
もはや言葉遊びに近いような、言い方なんて無限にあって、環境によって答えは折々だし、中庸なんだろうけど
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.6

アスペクト比のおかげで、常に2人が弱々しくも親密に寄り添っていて、容易にこの土地から離れることはできないイメージを常に突きつけられてるようで凄い良かった🐄
相変わらず台詞を喋らせなくても切り取る画の組
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.7

クリスマスっていう団欒の日に疎外されてるセックスワーカー達の1日の脚本は秀逸だった
移民や貧困地区に住むマイノリティの人達に付随するネガティヴな悲劇全部を喜劇で隠すわけじゃなくてむしろダイナミックにあ
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

5.0

何か製作するときに
その対象と一体化していくのは
健全な創作物をつくる為には、健全な過程なんだと。
それがどれだけ残酷で、狂気に近いことかを改めて強く感じた。

「独善的になってしまうこと
それを懸念
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ブリタニー・ランズ・ア・マラソン(2019年製作の映画)

4.8

自己愛の欠如によって、自己中心的になってしまうから、
“自分を受け入れること”と”他人を受け入れる”ことを分割することはできない
だからこそ”自分に責任を持つ”ために走らなきゃって

コメディ求めたつ
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.7

孤立の不安から逃れるための唯一の手段で、結局は孤立感を深めてしまう。そんなループにハマってるブランドンを見て、

この社会で”同調”するという一点のみの理由で溶け込んでいくことは、惰性的でなにより孤立
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ここまで”科学”が根付いた映画のテーマだと思わなくて頭からめちゃくちゃ興味深く観入ってた🔥
けど、ゴッドの科学者としてのというべきか、単純な”不誠実”さゆえの罪の深掘りが物足りない気がしてしまって
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

5.0

どうやったらこうなるののシーンの連続で
こんな映像を撮れる神がかり的な描き切りの全てに衝撃を受けながら見続けてた🤯
完璧すぎるほどカメラに映り込む全てに妥協もなければ、エネルギーが凄まじかったし、
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マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

5.0

ジェニファーローレンスの存在感だからこそめちゃくちゃ素晴らしいバランスで画が続いていって、クオリティあるものになってた🔥

父親の所在を簡単な形でバラさないで、前に進んでく脚本が大好き。
この2人で完
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冷たい水(1994年製作の映画)

4.8

人生を信じているなら、瞬間に身を委ねることが少なくなってく

ジルが一瞬躊躇ったのは、理解を示さない大人の苦悩に理解をし始めてしまったからなのかと。何も信じられず待つことができないクリスティーナの刹那
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

5.0

監察医のおっちゃんの逆効果のティモシーの最期の凄惨さの伝え方だったけれど、ひたすらクマに至近距離に近づいている映像には緊迫感を覚えたし、ティモシーの人物像が徐々に明らかになっていくドキュメンタリーの構>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

4.8

記憶をなくして、社会に放り出され独りぼっちにされた男はそれまでの社会的な地位の安定にかからず、自らの努力に安定はかかっていくようになる姿を示していった🔥
優しい映し方で、資本主義社会でのsurvive
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

5.0

ポスターのこのシーンが、西武開拓に感じるライカートの表象そのもののように感じた
珍しくわかりやすい構図を見せつけられたけど、それだけ強いメッセージを受け取った気がした
力強くて、素晴らしい作品だった👏
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イディオッツ(1998年製作の映画)

3.7

「“何もしない”っていうのは心の中でなされるものであり、社会から1時離脱しつつも、世界への責任を忘れない、混成的な姿勢が大切となる。」

自分自身に対しても欺瞞で満ちたこのグループは嫌悪するものだと強
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.5

コカベアカワイすぎる🥹
悲劇をひっくり返した復讐劇🧸
登場人物のそれぞれのパートがちゃんと立ってて、ずっと楽しんだ🔥

TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

こんなに緻密な映画が2023の劇場で観れなかったの悔しいけど、配信で何回も巻き戻して観れるおかげで味わっちゃってる。これが本来の楽しみ方なのかはわからんけど😇


“権力者からの脱却”

この映画、T
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時の支配者(1982年製作の映画)

5.0

どこを切り取ってもずっと見たくなるメビウスの画にずっと惹き込まれてた。メカニックのデザインは素晴らしくて、ずっと見れる画の連続とアニメーションも躍動感あって楽しかった詩的で哲学的なセリフも、全部好き

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0

昔の時代の作品に触れるとたまに生まれる
“違和感”は必然なことだと思うけれど、この時代にも現代にもある”不変なもの”の素晴らしさを噛み締めマシタ。歳重ねるにつれて観る度にワンワン泣きそう

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

5.0

怖さよりドライブ感を最高に楽しんだ
この頃の多感な時期の自分を省みるととてもじゃないけど全否定できないけれど、ひたすらドラッグやなにかその時の”実験”を繰り返して見えない自分のダークな側面を覆い隠すつ
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.2

ファンタジーなくらいのディストピアな世界と、カメラのショットや満面の笑みのウォンカと、紅茶で煮詰めたくらいの黄ばんだ歯で想像以上にカワイくて楽しかった
ラストのやりすぎなくらいな暖かさで一気にモッテカ
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

4.2

牧歌的なフーシを好きにならずにいられない

ここからシャイな性格故の重い一歩をどんどん重ねていって欲しい

最後の笑顔にネガティヴな状況突破する勇気貰えた🔥

95分で余すことなく楽しめた

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