BONさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

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監督の発言で散々炎上した時に、一緒に観るはずだったフェミニストの友だちが怒りで消えてしまったのでやっと1人で観た。サイバーパンクで救いのない地下世界だけを想像していたので、ギャグ漫画のようなユーモアさ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

キートス、カウリスマキ。
人生の灯火を見せてくれて。

この悲惨な同じ世界のどこかで生活し、すれ違う男女。貧しくて、もう若くもなくて、問題を抱えたままだけどキラリと小さく光る希望さえあれば生きていける
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水で書かれた物語(1965年製作の映画)

4.0

『煉獄エロイカ』(1970)、『エロス+虐殺』(1970)ぶりの吉田喜重。この時から既に女性の肌の柔らかさや艶やかさが描かれていたなんて。物語が単に暗いからか、テーマが禁忌だからか、岡田茉莉子という美>>続きを読む

少女(1961年製作の映画)

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女の子がキャットファイトするのはどんな映画でも良い。全編キャットファイトで良い。スケコマシって言葉が聞けるのも時代を感じて良い。

素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

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幻覚キノコ目当てで観たら、菌糸体が地球の長い歴史の中で生命を繋いできたという壮大で割とスピッてる話だった。キノコはかくれんぼの名人、菌の言葉を見つけるという言葉に詩人の血を感じた。素人キノコ研究者が1>>続きを読む

くたばれ愚連隊(1960年製作の映画)

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威勢の良いハイティーンが大暴れ。白昼堂々阿波踊りの最中ドンパチが繰り広げられるかと思いきや、西部劇かのような岩場アクション。鳴門の渦潮に飲み込まれていく舟は空撮でよく撮れたなあと思った。びよんびよんに>>続きを読む

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

4.2

底をひっくり返すような、陰惨でドロドロとした極彩色の寺山修司の世界をまた観たくなったから借りた。映画で脳天直撃したのは久しぶりで食らってしまいしばらく動けなかった。寺山修司の言葉選びは抜群のキャッチー>>続きを読む

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬(2018年製作の映画)

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流れる時間を自然に、被写体を大事に、不変的で野性的な写真を撮る柔らかい人だった。撮り続けることについて考えさせられる。

ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ ア・トライブ・コールド・クエストの旅(2011年製作の映画)

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ドキュメンタリー映画を久々に観て、伝えるべきもの撮るべきものを押さえるという画に囚われないまっすぐさを感じた。トライブはhip-hopでジャズで青春で好きな曲が多すぎてトラックが流れる度に血が騒いだ。>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

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思い出フィルムみたいな懐かしい質感。でかいアトムの風船にびびる。

天使の影(1976年製作の映画)

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戯曲が下地だから当然なのだろうが、操り人形で舞台を支配した演劇だった。死を考えることは贅沢だ、死に憧れるのは生より易いなどと主人公を一蹴する冷酷な台詞や、底辺で彷徨い続ける娼婦たちに僻まれる長回しに苦>>続きを読む

写真記87(1987年製作の映画)

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さりげない生活の一部を切り取っていたり、節目に撮ったであろう家族行事の写真群を見て、ごく個人的な家族や恋人との写真とか、商業写真や、スナップや、写真の役割や尊さについて考えたり、自分は自分のためなのか>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

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どうやら本当に体調が悪いらしい。熱が上がっていく中で、音響効果が金槌の如く三半規管を叩いてきて頭かち割れそうだしグラグラした。今観ているのは夢か現か何なのか分からず何度も繰り返し巻き戻してやっと観終わ>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

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まず眠亭で大好きなゆきのさんがラーメンを啜っているシーンを観れて良かった。ゆきのさんが座った右側に先日座った私は、眠亭と言えば街の上だよと教えてもらったので、僭越ながらこの歳になって初めて今泉力哉作品>>続きを読む

(2023年製作の映画)

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白地に力強く漲る「首」の筆字がドンと現れ、青地の赤字に切り替わり、そいちが斬り落とされるファーストカットがATGっぽくてカッコ良かった。他は全編諸行無常の男色痛快コントで場内はドッと湧き上がっていた。>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

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人間は矛盾する生きものなのだと思い知らされる。愛と孤独のちぐはぐさに共感性羞恥心を煽られて何だか直視できなかった。

BOX(1981年製作の映画)

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伊藤高志の作品はどれもアートギャラリー鑑賞してるみたいだ。とんでもなくかっこいいな。

美しき結婚(1981年製作の映画)

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外見は中身の一番外側とはよく言ったもので、ロメールの画でパリに住む若い娘というだけでどんなにヒステリックお母さん予備軍の思考回路の持ち主でも最後まで観れてしまうし、こんなにも恋愛に対して自己中心的で貪>>続きを読む