eigaさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

去り際をどう美しくするか。

男は、去るために生きている。


小津の影響をうけたというカメラアングル。

一枚絵の構成。
ガラス越しの対話のシーン、重なる顔。

ラッキー(2017年製作の映画)

4.1

真実は、物である。

それがなくなれば空が残る。

そのあとには微笑みがある。


死への恐怖、
その克服。

色即是空。

バイス(2018年製作の映画)

4.5

私は、謝らない。

劣等感という原動力。

釣りのインサートと、
シェークスピアのくだり。

エンドロールの、釣り針。

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.2


友情とは?

人がわかり合うのに必要なのは勇気。


「黒人でも白人でも人間でもないなら、私は何なのか」


「この世は複雑だ。クラブに勤めていたから分かる」

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

ラストシーン。
うさぎ、女王、アビゲイル。
孤独の重なり合い。

もともと奇異な歴史を描いたら
こうなりました、と。

女性が裏で歴史を動かしていたイギリス。

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.1

STORY NEVER DIES.

物語を作り続ける意味。

忘れられないために。
生き続けるために。

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.8

知的な振る舞いと、食べる時のワイルドさのギャップ。

ゆらぎによる生物感。

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

男はロマンを求める。
女はリアルを求める。

台湾という日常からの逃避のエネルギー。

男は出世を求め、
女は危険に憧れる。

拡大写真を構成する一枚一枚が、はためく。
昼かと思ったら夕方。
キスする
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We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.8

不在なことで存在している。

ファッション業界で歳を取りたいか?

マルタンは実は嫌々仕事をしていた?という衝撃。

服が服を作る。
服を見て次の発想をする。

民主的なやり方では作れないもの。

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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.9

低所得者と高所得者はどこまで近づけるのか。

子供は親を見る。

プライドの高さをいかに改心させるか。


猿男のシーン。
集団の無関心と炎上。

障害者のシーン。
冷笑と正義。

SNS文化と欺瞞性
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アイ・ウェイウェイは謝らない(2012年製作の映画)

4.6

敵の次の動きを待っている
チェスプレイヤーのようだ

古いもの壊し
新しいものを作ろう
(毛沢東)
への反抗として古い壺を割る

自由は体験するとずっと心に残る
そしてそれを体験した個人は国家より強く
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KIDS/キッズ(1995年製作の映画)

4.6

奇人の描き方。
気持ち悪い笑顔。
弱いものへの嫌悪。

力と欲望への憧れ。

「あーあ」感。

若いってこういうことか。

最後に、突きつけられる。

ビルマの竪琴(1985年製作の映画)

3.5

どっちだろう。

表面的なところに惑わされて、
単なる戦争反対映画、ではなく。

(むしろ、その逆かもしれない感じすら)

魂はあるのか?

という問い。

ルビー。日本刀の輝き。菅原文太。


と思
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.5

余白。

男は不器用で退廃的。
繊細で純粋ゆえに。


景色のトリミング。
風景に意味を持たせる。


時代に翻弄される人と街。


全部同じだ。僕が設計したことなんて誰にも関係ないんだ。

ビール、
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Love Letter(1995年製作の映画)

3.8

篠田さんのカメラワーク。
脚本監督一緒だと置いてかれることがある。
それも心地よい。

手紙/メールという、フィルターを隔てたコミュニケーションという主題としての岩井俊二。

ヒューマン・フロー 大地漂流(2017年製作の映画)

4.5

祖国は地獄。
避難先も劣悪。

どこに行けばいいのか。

「シリアは好きよ。ただ、好きな時によそに行けるようになりたいだけ」と笑うシリアの女性は美しかった。

俯瞰の視点。

宇宙からの目線で考える。
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カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.9

じゃあどうすればいいのか
を提示しない。

社会とはこういうものである。


飛行機が墜落するとは思わなかった。

宮台真司
映画は、社会をダメにする悪を成敗する展開の代わりに、
社会がだめなのをデフ
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.7

淡水でも生きられるクラゲのように。
ふつうの世界に溶け込む人間になりたい。

でもそんなクラゲは長生きしないし、
海に戻りたい。

父親の演技が、いらっとする。

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.0

運がない街。
意志と強さだけがすべてを決める。

殺された二人もまた、
意志が弱かったのではないか。

という視点で、
そもそもなぜあんな環境で暮らさねばならないのか。という社会批判。

「10キロも
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来る(2018年製作の映画)

3.6

沖縄の霊媒師が気になったのと、
柴田理恵がかっこよかった。

こんな時代に、
リアルに生きるとはどういうことか。

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.8

終わりかた。

カメラワーク。
カフェでの、左右に揺れる。

街の背景が写真。

「映画の限界への自己言及」

ビューティフル・ルーザーズ(2008年製作の映画)

4.0

僕にとってはすべてに意味がある絵
ストーリーを語り出すくだり
クリスヨハンソン

意味がないものに豊かさを感じる
マイクミルズ

みたい映画がないから自分でつくる
ハーモニーコリン

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0


−同じことを繰り返すのは、
時間の無駄だ。

こういう映画を見て、「孤独」って一言で片付けてしまいがちだけど、そこはもう少し見つめなければいけないと思う。


ボヘミアンラプソディーがオペラだっ
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アヴァ(2017年製作の映画)

3.9

文学ぽい感じ。
ボリスヴィアン的な。

影と光。
楽しいことの後に訪れる暗さ。

だんだん暗くなっていく絵作り。
グラデーション構成。
最後の方はほぼ闇。

頽廃していく中でそれでも生きる拠り所となる
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

一瞬しか分かり合えることはなくて
その一瞬のために
すべてを捧げている


趣里以外は全員脇役に思える。

自分だけしかいない感じ。
居場所がない感じ。

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.4

すべてが監視され管理されている
ソーシャル社会ならではの。

時代とシステムに依拠する新たな表現。

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

父親があっさり自殺する冒頭。
すべてが淡々と過ぎていく。

空気として、
ソ連支配下の戦時下の日常ってあんな感じだったのかもしれない。

ナイフを構えるシーンとか
タバコを投げるシーンとか
仕草に間が
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.2

子役の演技。
空の青さのせいで引き立つ残酷さ。

是枝さんとは違って
今ひとつ感情移入できなかったものの、
ハッピーエンドじゃないところがよかった。

子供だけは未来。

ヨコハマメリー(2005年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

愛にすがる人の純粋なエネルギー。

まっすぐな強さ。

+
まさか最後に本人出てくるとは。
構成の妙。

永登元次郎にメリーさんを重ねる。
ドキュメンタリーの背骨を作る。