スラバヤさんの映画レビュー・感想・評価

スラバヤ

スラバヤ

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恐怖の背景(1943年製作の映画)

4.5

アンカラという言葉を言い終わる前に現地に着いてしまってる性急さ。手榴弾、警棒、それを止める拳銃、はたき落とされる拳銃、隠されていた拳銃、不意打ちをするためだけに存在する背後の扉、作られて一瞬で叩き壊さ>>続きを読む

脅迫者(1951年製作の映画)

5.0

凄まじい傑作。剃刀の受け渡し、車の音、被害者の靴、肉斬り包丁。ジャック•ランバートが車の運転をする際の手前に一人、奥に三人の構図や、反射を利用しての銃撃、沼地など、単純に画面の構成が上手い。組織が結成>>続きを読む

暗黒の命令(1939年製作の映画)

4.2

ウォルター•ピジョンの顔があまり良くない。それ以外の馬に乗っての銃撃戦や、燃える馬車、ゲリラアジトの狂騒、異様なほど重なるオーヴァーラップは素晴らしい。ジョン•ウェインが可愛い。

夜までドライブ(1940年製作の映画)

4.5

酒場で取り立て人の道を塞ぎ、放り出す際の滑らかな動き。値段交渉時のボガートの可笑しい身振り手振り。線を越えること。電柱に阻まれた会話、ガードレール、白線、センサー。ひとりでに動く扉に恐怖。アイダ•ルピ>>続きを読む

白熱(1949年製作の映画)

5.0

再見。列車の強奪や母の追跡、車の天井に隠してある銃での反撃、食堂での暴走、ドア越しの銃撃、タンク爆発。どこまでも無駄なくそれでいて荒々しい暴力。工場での包囲時に、クロスのマークが示されているさりげなさ>>続きを読む

ブレーキ・ダウン(1997年製作の映画)

3.5

カーチェイスが雑すぎる。バットも使わないし。取ってつけたようなチェーン、目の切り返しも物語上行われて然るべき決着を示すもので、大してすごいとは思わず。犯人の仲間が典型的な田舎馬鹿なのも面白味がなく、処>>続きを読む

パスポートのない女(1950年製作の映画)

4.5

部位のみで表現する戦闘(加藤泰的な空間の圧縮→解放のカタルシス)や空撮での銃撃、霧など見どころはある。しかし、ラストの霧への銃撃で誰も死なないというのは楽観的にもほどがある。

復活(1915年製作の映画)

4.0

ウィリアム•シアーの投げたタバコが引火して船上が火だらけになる滅茶苦茶さ。復讐するは我にあり、幽霊。モンタージュの距離が離れすぎているのに、簡単に繋ぎ合わせてしまっているのに驚き。ラストの乱闘の階段落>>続きを読む

路上のライオン(1953年製作の映画)

4.2

群衆が一斉に祈る瞬間と、マッキンタイアの死体を持ち上げて運ぶ行動の途切れなさ。暗闇の中結集する人々の不気味さ。ラジオから流れるノイズ。ギャグニーの唸り。白熱とどっこいどっこいのサイコ野郎でびびった。最>>続きを読む

私の彼氏(1947年製作の映画)

4.0

アイダ•ルピノの背中から入る歌唱シーンや、クラブでのクラッカー、階段でのサスペンスは良い。オーナーがタバコを投げ捨て、バーテンが退いて、手下の老人が入る一連の行動の滑らかさ。映画的には臨界点不在の緩さ>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

5.0

映画という制限された中で、張り詰めた遅さと、一瞬の決着をどうやってつけるか。

廃墟の群盗(1948年製作の映画)

4.5

ロングで撮られた馬の隊列がどんどんと横へ広がっていく際の興奮。映さない銃撃戦も良い。ちょっと丁寧に撮られすぎていて、魅力的な悪役も居ないのが不満。ウィドマークは夢を追っているだけだし、さほどの悪党では>>続きを読む

女ガンマン・皆殺しのメロディ(1971年製作の映画)

5.0

ロバート•カルプとラクウェル•ウェルチが並んで砂浜を歩く際の夕焼け、素晴らしい。燃える家とのショットや海岸を走ってくる敵、ロングのショットの的確さ。クレジットの演出。

モホークの太鼓(1939年製作の映画)

4.5

この陰惨さ。ギデオンの殺人鬼といい、ジョン•フォードは不穏だ。

怒りの河(1951年製作の映画)

4.5

インディアン襲撃の矢や、賭博場での机返し、銃の叩き落としなどのいきなり始まる暴力描写が凄い。ジェームズ•スチュアートの幽霊化や、アーサー•ケネディの度が過ぎる暴力(パイプ撃ち落とし、逃走者追撃)も素晴>>続きを読む

シャロン砦(1955年製作の映画)

4.0

確かにシネスコで撮られるインディアンの包囲やヴィクター•マチュアの縄投げ、国旗を追ったパンアップからの隊列など素晴らしいんだけれど、それが活劇として面白いかは微妙なところ。籠城戦なら流血の谷の方が洗練>>続きを読む

馬上の男(1951年製作の映画)

5.0

アレクサンダー•ノックスがカッコ良すぎる。暗闇での銃撃戦、牧場での位置関係の明瞭さ、画面手前で弾け飛ぶ物体。全員が転がり落ちる殴り合い、全壊する小屋。

ハッスル(1975年製作の映画)

4.5

レイノルズとドヌーヴが喧嘩する際の荒々しい揺れ、あんなに禍々しい争いは滅多にない。ポルノムービーを観て泣くベン•ジョンソン、生きるための浮気を告白する妻、善も悪もないと言っておきながら私情に逆らうこと>>続きを読む

脱獄の掟(1948年製作の映画)

5.0

クレア•トレヴァーのモノローグが劇伴も相まって呪詛のような響きを獲得している。ライトに照らされるトレヴァー、森での焚火とロングで警官を捉えたショット、包囲網を影そのものとなって組み立てる警官、湖を背に>>続きを読む

パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

5.0

ロングショットからの爆破→アップ→引きの繋ぎがぎこちないなぁと感じていたら、カットを割る、と言う行為自体の不穏さを暗殺者適正検査映像で見せつけてくる凄さ。飛行機内での分裂的に揺れるカメラ、その後の揺れ>>続きを読む

悪の対決(1955年製作の映画)

5.0

逮捕命令での控えめな撮影は何だったのかと思わせるほどのジョン•アルトン。脅迫者の影、テッド•デ•コルシアの影。アーレン•ダールのライター炙りや銛、姉が絶体絶命になってる際のニーソ投げ。テッド•デ•コル>>続きを読む

ララミーから来た男(1955年製作の映画)

5.0

ジャック•イーラムが屋根から襲撃する所も凄いし、とんでもないカス息子であるアレックス•ニコルとの銃撃戦で手を撃たれる所も凄い。親父が耄碌しかかっていて、夢を恐れて追い返そうとするという反オカルト的な要>>続きを読む

ジャッカー(1988年製作の映画)

5.0

風車、工場の回転機械と生々しい物質の存在感。暗闇の中稼働音のみが響き、ロイ•シャイダーの耳はそれすら通さなくなる。アダム•ボールドウィンの動物を轢き殺す感触についての話や、車に当たって死ぬ虫の話、警察>>続きを読む

裏切りの密輸船(1958年製作の映画)

4.0

冒頭の警官刺殺の小気味良い編集から、居酒屋でのキス、ボートを差し押さえられて苦難するオーディ•マーフィーとやって来るエヴェレット•スローンを同時に捉えたショットや、ボートを動かすマーフィーとギータ•ホ>>続きを読む

A Time for Dying(原題)(1969年製作の映画)

5.0

蛇を撃ち抜き、まるでその怨霊が取り憑いたかのように不運に会うリチャード•ラップ。自らの銃の腕を披露するためにボブ•ランダムのポスターを撃ち抜き、死神を呼び寄せる。帽子が飛び交う中店の女たちが出迎えるシ>>続きを読む

逮捕命令(1954年製作の映画)

4.5

長机を蹴り上げて盾にし、銃撃を防ぐ鮮やかさ。それまで殆ど大きな移動をしなかったカメラが突然逃げるジョン•ペインの身体を追って走り出す。ダン•デュリエが納屋の中で自分の情報を売ろうとした手下を撃ち殺し、>>続きを読む

コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

5.0

物を投げ、恋人を追い出し、刑務所から追い出されるスタンリー•ベイカーがついには液体を口の中から出し、現世から追い出される。天からの視点からも追い出され、刑務所がその行き先として示され、輪になって続く隊>>続きを読む

ジュデックス(1963年製作の映画)

5.0

鳥の仮面で毒殺したり、異様に車のスピードが速かったり、壁をよじ登る遅さだったり、うっかり転落死したりと面白い。資産家がジュデックスの背後を取って殴りつける意外性なんて堪らないし、父さん、なんて笑わない>>続きを読む

夜歩く男(1948年製作の映画)

4.5

 リチャード•ベースハートのぬるっと滑り込む動き、内面が全く描写されず、目を開いた死体となるまで突き進む。2回に渡る住宅侵入のシーンも素晴らしい。すでに顔を知られているはずの雇い主に声のみで呼びかけ、>>続きを読む

高い標的(1951年製作の映画)

4.5

凄まじい蒸気。切符売り場に辿り着けるか、列車に飛び乗ることができるか、銃を盗めるか、気付かれずに撃てるか、足払いをできるか、敵に追いつけるか、距離のサスペンス。敵のキャラは弱い。美容師は嬉々としながら>>続きを読む

ベルリン特急(1948年製作の映画)

4.0

怪人マブゼ博士を想起させる爆発、撃ち、当たる銃撃戦。ピエロ、首吊り、車窓から見える暗殺、ラスト、杖をついて歩く男が横切り、不穏さは決して解消されない。

13号待避線より その護送車を狙え(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

水島道太郎が女を追跡する2つのシークエンスはどちらも道筋のハッキリした正確なものにはならない。芦田伸介の事故的な死、その漂う不穏さを予見している。

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

5.0

桜町弘子に掛かる後光。3度行われる結婚式、橋での対峙、目線が画面の外に弾かれ、そのまま内田良平を映す。大木実は初登場から瓶を叩き割り、内田良平の額を叩き割る。足元の動きのみで乱闘を示す特有の画面も健在>>続きを読む

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

4.0

面白いし、樽やダイナマイトでの破壊、深夜の銃撃戦と金塊探しのクロスカッティングは良いんだけど、敵役がしょぼすぎてなぁ。鞭打ちは見たかった。

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

4.5

長すぎるカーチェイス。化け物みたいな室田日出男。

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

4.5

黒沢清顔負けの暴力。雪原での執拗な包丁。アパートでの銃撃戦。飛び散る羽毛と血。岸谷五朗は顔と声からして幽鬼のような存在感を出している。大沢樹生の顔はあんまり好きじゃないんだけど、最後の薔薇を見つめる姿>>続きを読む

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