スラバヤさんの映画レビュー・感想・評価

スラバヤ

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バレー・オブ・バイオレンス(2015年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

 会話が長すぎるし殺人までの溜めも長い。アビーの墓にAの文字を付ける馬鹿馬鹿しさとトラボルタの死に様。西部劇では無く西部劇を装ったコメディ。とにかく会話をし続ける。決着の際も会話、籠城する際も会話。イ>>続きを読む

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

4.7

 駅でのスリシーン。バレないわけがないのに手付きと受け渡しの滑らかさだけで納得させてしまう潔さ。

ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)

4.8

 カート・ラッセルがあまりに気持ちの良い奴すぎる。カーター・ウォンに対して名乗りを上げるシーンで口紅を付けたままなのが最高。別れのキスはしない潔さ。

 ヴィクター・ウォンの作った薬を飲んでサークルノ
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ダージリン急行(2007年製作の映画)

4.8

 エンディングへの入り方が素晴らしい。丁寧に役者を動かしすぎて面白みが無いところもなくはないがエイドリアン・ブロディが助かろうとしてボートに乗り転倒してしまう荒さやオーウェン・ウィルソンの包帯を外す際>>続きを読む

猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

4.7

 デフォルメと野生動物の仕草が両立されている。子猫の小ささなんてありえないのに「キャラクター」にならない。あざとさがない。

劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!(2003年製作の映画)

4.8

 話の速度も凄いがハムクックがハム太郎を投げて優勝させる際の痛快さが飛び抜けている。クックとハム太郎が走りながら夢と友情について語るシーンの詩情。会話全体が散文的だからこそ不意に感傷を差し込むことがで>>続きを読む

ミッシング・チャイルド・ビデオテープ(2025年製作の映画)

3.0

 喋らせすぎだし画面の撮影がこんなに整っていては闇すらも怖くはならない。骨壷を映す際二人の背中を入れてしまう感覚。

眠狂四郎 無頼剣(1966年製作の映画)

4.7

 当然ながら部位のクローズアップの差し込み方が格好良い。月の光で薄く照らされる刀身。

無法松の一生(1965年製作の映画)

4.8

 人力車のタイヤが時計を表していることは明白だが、だからこそ太鼓を叩いても自ら時を進めることは出来ない勝新太郎(忘れられた祇園太鼓の技術)、そして印鑑、水の波紋とやがて消えゆく円に変奏されることの悲劇>>続きを読む

野獣捜査線(1985年製作の映画)

4.6

 マフィア側にも強力な武器が欲しかった。散弾銃から排気される煙が白く漂うのが良い。

ストリートファイター(1975年製作の映画)

4.7

 試合後襲撃もなく淡々チャールズ・ブロンソンと別れるのが返って感傷的。ニック・ディミトリにジャケットがかけられてロバート・テシアに肩ポンさせる優しさ。

赤い暴行(1980年製作の映画)

4.8

 カットバックが異常。高橋不二夫が轢かれずに車と平行に歩いてストップモーションのラスト、カットバックと連続パンによる紗貴めぐみとの繋がりを切り離す情の無さ。

キス・オブ・ザ・ドラゴン(2001年製作の映画)

4.8

 シリル・ラファエリとジェット・リーのハンドサイン対決に感動する。その後ディディエ・アズレが首を振って怒る際にも切り返しで対決を再開させる演出の丁寧さ。肩越しの切り返し(厳密にはイザベル・デュホーベル>>続きを読む

獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)

4.6

 凄い作画だが今一つ熱に欠ける。鬼門八人衆の扱いはもう少し凝っても良かったのではないか。

ドールハウス(2025年製作の映画)

4.6

 田中哲司が良い。瀬戸康史が自転車に乗って自宅へ向かうパンや長澤まさみが叫んだ後の後退など節々に映画的だと思える撮り方がされているが、スローモーションや説明の連続は現代的で観客への安心を与えるためだけ>>続きを読む

南へ走れ、海の道を!(1986年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 片桐竜次を死なせるタイミングからして少し下手というか、安田成美に人を殺させておいて殴り込みに同行させない典型への固執が駄目。室田日出男と安田成美の切り返しに距離がある中途半端さを見ればわかる通り、銃>>続きを読む

座頭市血笑旅(1964年製作の映画)

4.8

 壺斬りのカット割の見事さ。アクションは隅から隅まで面白いし照明と撮影による影も素晴らしい。勝新太郎があやし道具を加藤嘉に渡そうとして仕舞う静かな動作にも情感を行き渡らせる徹底した動作への信頼。高千穂>>続きを読む

暗黒街の女(1958年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ダンスシーンのカッティングは素晴らしいがロバート・テイラーのキャラクター造詣がつまらないし、リー・J・コッブの死に方も適当で良くない。シネマスコープもダンス以外では電車くらいにしか有効的でないのが残>>続きを読む

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる(1972年製作の映画)

4.8

 躊躇いなく身体を切り飛ばしていく爽快さと残留する死体。露口茂との一騎討ちは類の無い素早さと決着だと思う。

ヌードの夜(1993年製作の映画)

4.6

 天使のはらわたのセルフオマージュをしなくてもと思う。『赤い眩暈』ほど登場人物を絞っていないため魂が動き出すラストに驚愕出来ず。

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.7

 武士道ではなく任侠道。フォレスト・ウィテカーが何発撃たれながらもジョン・トーメイに歩み寄る動きを見ればそれは明らかだが、『藪の中』を渡すことにより時代劇、ギャング映画、殺し屋ものなど他ジャンルへの敬>>続きを読む

高原の情熱(1943年製作の映画)

4.7

 事故後のポール・ベルナールが髪を乱して吸血鬼じみた姿になり、否応なく悲劇的な結末を予感させる。落石の反復や投げられて落下する投げテープ、高速バイクからの主観ドライブ、狙いをつける主観ショットなどの転>>続きを読む

FARANG/ファラン(2023年製作の映画)

4.6

 アクションが重く丁寧に人体が破壊されていく心地良さ。ショットガンが誤射のように放たれて頭が吹き飛ぶ呆気なさや、ナシム・リエスも多数に囲まれたら簡単に手傷を負わされ這いつくばる緩急が一方的な演舞ではな>>続きを読む

デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日(2021年製作の映画)

4.0

 役者の運動神経が悪すぎるのと劇的だかリアリスティックだかどちらにも振り切れていない構造が良くない。あの走り方だと死ぬだろう。

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

 時間を飛ばしてからの切り返しと画面に残る赤い傘。血や写真集ではなく単に赤いだけの傘がストップモーションの契機となってしまうのが泉じゅんと阿部雅彦との断絶を表す。非倫理的な関係でもなく、倫理的な関係で>>続きを読む

わたしのSEX白書 絶頂度(1976年製作の映画)

4.8

 益富信孝の顔が怖すぎる。ラスト付近の顔フレームアウトフレームインや廃墟破壊の上下運動、心電図などの異様な性的暗喩が連続し滴る液体に繋ぐ悍ましさ。村国守平が窓を開けたら飛び降りを期待してしまうがそこを>>続きを読む

快楽学園 禁じられた遊び(1980年製作の映画)

4.7

 丹古母鬼馬二パートが恐ろしい。雨と風の音が煽る怪奇、テントに映る丹古母鬼馬二の影。しかもそれが小規模に映される寒々しさ。

溶岩の家(1994年製作の映画)

4.8

 この映画が単に気取った映画にならなかったのはイザック・ド・バンコレの存在に依る所が大きい。自身が仮死状態にあったことを逆手に取った死んだふりやよろけ、楽器を弾こうとして弾けず返す可笑しさ。最初に目覚>>続きを読む

(1989年製作の映画)

4.7

 ルイス・ミゲル・シントラの右耳にガーゼを付けるキャラクター造形からしてアメリカ映画的なのに、中途半端に高尚ぶって画面外やら引きでのアクション、切り返しの制限をする嫌らしさ。陰影は凄いがそこにも輪郭へ>>続きを読む