黒沢清顔負けの暴力。雪原での執拗な包丁。アパートでの銃撃戦。飛び散る羽毛と血。岸谷五朗は顔と声からして幽鬼のような存在感を出している。大沢樹生の顔はあんまり好きじゃないんだけど、最後の薔薇を見つめる姿>>続きを読む
画面の中で物体が動くことを制限し、それ故に浮き上がるそれぞれの輪郭が特権性を帯びる。まあそんなことは置いておいて、とんでもなくやるせない気持ちにさせられる映画。安藤昇も小池朝雄も環境が違うだけでどちら>>続きを読む
石井輝男がやくざ刑罰史でオマージュしてたコインの早撃ち。ダン•デュリエが夫人の夫を追い込んで射殺する一連のシーンはまさしくサスペンス。ジェームズ•スチュアートが兄を射殺し、顔を俯ける余韻、人を殺すこと>>続きを読む
もはや心霊的と言ってもいい人が消える描写。マシンガン、無音、霧。補聴器を利用した拷問、時限爆弾と簡潔に暴力を映し出す。リチャード•コンテの常軌を逸したサディスト演技も素晴らしい、あのパッと現れる不気味>>続きを読む
夫人が夫を窓越しに見る、クロード•レインズが夫人を窓越しに見る、記者が群衆を窓越しに見る。断絶の窓。列車の悍ましい走行、弾き飛ばされる布袋。クロード•レインズが本物のカス野郎を好演。被害者のドレスを高>>続きを読む
序盤と終盤の銃撃戦。椅子を盾にした戦闘。警察を異常に嫌悪するジョン•アイアランド、目撃者を社会が騒ぐから殺した、と言ったり女を躊躇なく撃ったりとアンソニー•マン作品に於ける精神病質者、極めて攻撃的で、>>続きを読む
敵のキャラが滅茶苦茶薄いこと以外は完璧。ジャンプ力凄い。終盤全員が銃を持ち出してから陰惨さがパッと消えて娯楽にシフトする。ネヴィル•ブランドが出てきたからこれはやばいぞ、と思ってたんだけど、あっさり消>>続きを読む
ウォード•ボンドの突然の襲撃、男女区別なく殺される襲撃といい素晴らしい。尋常じゃなく赤い空。酒場の喧嘩も相手が怪物のような男だからか瓶を頭に叩きつけたり椅子で殴りつけたりと半端じゃない。でも、普通に卑>>続きを読む
夫を殺す婦人、不気味なトラックドライバー、悪趣味な冗談しか言わないボス、脱獄を朝礼だけで示してしまう簡潔さ。最後の顔、トゥーフェイスじゃない? 鏡に映るグリフィス•ジョーンズの顔がマジで怖い。
酒場に入り、ルイス•カルハーンに横槍を入れられる緊張感。意味のわからない悪意に晒される居心地の悪さ。喧嘩、流れ落ちる酒。集団戦の流れるような推移。ダイナマイト、ナイフ、あらゆる殺人の為の道具。無垢な子>>続きを読む
死体を隠すはずの川が正常な役割を果たさない。この機能不全という現象が映画を覆う。出版されるはずの原稿は送り返され、葛藤を描写されるはずのルイス•ヘイワードはそれを欠いている、そもそも2階の水道は修理さ>>続きを読む
銃撃、逃げる人々、銃撃、逃げる人々のカッティングからして無茶苦茶。完全に西部劇な酒場のセットでお約束を全部済ませてしまう大胆さ。いきなりすぎる殴り合い。野呂圭介、江幡高志、郷鍈治の三人組ももちろん良い>>続きを読む
菅井一郎の倦怠感の生々しさ。そんな身なりでばんばん人を殺すもんだから驚く。池反射、轢き殺し、投げ込み、死体と景色の放り出されてしまった禍々しい存在。終盤の工場での銃撃戦はまんま白熱だけれども、命中率は>>続きを読む
省略の連鎖、川地民夫との対決はその結果すら飛ばされ、どこか分からぬ民家にて行きなり扉を破り飛び込んでくる。単色の背景。決着との連鎖。江角英明のサングラス、凶暴な赤。
全然勝利してない。まるで繋がってない駅の追跡シーン。芦田伸介は楽器を叩いたり、花を食べたりナイフを喉元に突きつけたり、催眠術をかけたりとキモすぎて凄い。競馬シーンのオーヴァーラップ。見つかっているはず>>続きを読む
画質がとにかく悪くてちょっとショック。見れるだけ嬉しいのだけれど。位置関係がまるで無視された水島道太郎と白木マリの追いかけっこ、照明が割れまくる銃撃戦、近藤宏の狂気。芦田伸介が一瞬にして人質にされるさ>>続きを読む
誰もいないホーム、マダムの顔に掛かるパーテーションの影、暗転と残される楽器、目線ショット、揺れるカメラ、劇伴の皆無さも合わさりとことんまで不気味。マシンガンのシーンの撫でるような射撃、崩れ落ちるボス、>>続きを読む
セットに人間を歩かせるんじゃなくて、人間を歩かせるためだけのセットを作る。顔のアップは時間を跨ぎ、電車を見送る人間は消える。富田仲次郎と江幡高志のコメディチックな空気感から外れた不気味さ、2人は目線や>>続きを読む
赤と青の照明、妻のアザ、異常な夫、酒場の気狂い、娼館の夫人、辺りを破壊する大鎌、閉じ込められ続ける2人、床下のネヴィル•ブランド。ネヴィル•ブランドの意味をなさないボヤきと同じように、そのほとんどが物>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
擬態カメラの真骨頂。羽が落ちる際に90°動かしたり、観客の周りを浮遊、犯人、カラス、出鱈目に動き回って全く俯瞰していないのが素晴らしい。Steel Graveの音楽、ラストの追いかけっこまで突き抜かれ>>続きを読む
現代映画のテンプレート、顔のアップ、高頻度のカッティング、心境に沿ったBGM、抱き合う2人の表情ショット、モノローグを差し込みながら、明らかにその解体をやってのけた映画。例えば声、モノローグの演出から>>続きを読む
視点ショットの擬態、カメラを明らかに生物として扱っている。犯人の顔、素晴らしすぎてびっくり。
あんなにも乗客が乗り込んでいるというのに、まるで生気を感じさせない運転席の空間。ラストミニッツレスキューなんざ起こるはずもない隔絶された空間。殺人が警察に追及されることもなく、ブロデリック•クロフォー>>続きを読む
レオーの切り返しやばすぎ、完全にイカれた人間の目。レコードに合わせて口笛、社会構造をバカにして、死とセックスをする。元カノを殴った話をする時の真正面カット。ガラスに写って登場するラフォン。レオーは4度>>続きを読む
リップ•トーンの動作が乗り移るベッド•ミドラー、痺れる。
最高に面白い。マシュー•マコノヒーが異常。おうむ返しのシーンめちゃくちゃ笑った。轢き殺す時の車のライト。静かな頭部破壊。レッカー車、キャンプカー、飛行機の並び。リモコン勝負。しつこすぎる追いかけっこ。>>続きを読む
最初はあんなにそっけなかったのにノリノリの起床を見てから思わず笑っちゃって仲良くなるのが微笑ましい。窓越しの暗闇、停電の黒、歌が終わるまでの黒。窓越しに盗み見る視点で2人がお互いの本を盗み見るのを観る>>続きを読む
妻があれやこれやこき使われていた際には鬱陶しかったヤカンや食事の小道具が夫への仕返し、切り取られた手紙に繋がる素晴らしさ。覗き見する妻をパンアップで素早く捉え、それをマッスが叩いて閉める。夫と娘の手の>>続きを読む
本当に最初はまるで何が起こってるか分からないんだけど、吸血鬼に関する文章が紐解かれた瞬間影の兵士や農民、貴族が踊る廃墟じみた家のイメージが繋がる。鎌を持った吸血鬼。これ以降登場はしないが、錆びついたや>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ポール•ムニの生気が失せた目を初の銃売りから正面で二度見ることになるが、その目の輝きはヴィットリオ•マヌンタとの交流を通して取り戻されていき、同じ輝きを持ったもの同士の奇跡的な切り返し、お父さん、に繋>>続きを読む
日常動作でどんどんフィルム内の世界を広げていっている。廃棄品を捨て、食器を捨て、酒瓶を捨てる。ベンチにかかる枯葉、落ちたタバコ。最大限まで広がったらあとはアクセルかけるぜ!とばかりに音楽鳴らしまくる。>>続きを読む
車上での狙撃。序盤の殺人シーンの緩慢さも良い。犯人当てもクソもなくて凄い、アクションだけが映画を繋いでる。