KojiTakeuchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

KojiTakeuchi

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21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.0

随所に人間臭さを感じる刑事ドラマ。といっても人情とかではなく、非情さと醜さが滲むという意味でのそれ。
ところどころ溢れ出てくるおかしなシナリオも、人間社会の「あれこれどっかで見たこと体験したことあるな
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街の上で(2019年製作の映画)

4.9

初めての今泉力哉監督作品。
間が素晴らしい、大好きな間だった。
下北沢が舞台だけど、どこにでもある、どこかにあって今もあるはずの町の映画だった。既体験感。
一箇所「なんでこんな演出したんだろ」ってとこ
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夢みるように眠りたい(1986年製作の映画)

4.8

想像よりよかった。
登場人物の声はないけど、印象的な映像と音声が効果的に使われていた。
何より物語が素晴らしいのと使われている道具がよかった。とにかく無駄がない。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

今回は寝ないでみれたけど、やっぱりよくわかんなかった。
と思いながらも、けっこうちゃんとケリを着けたなあという感じがする。
最後は幽白の終盤や「しんぼる」を思い出した。
個人的には都市でのある格闘シー
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恋するけだもの(2020年製作の映画)

3.8

判断に困る作品😮
「恋クレ」を見た人にとっては登場人物の素性がさらに知れて嬉しいような、ホントは知りたくなかったような。
ただ、ラストにはこの人たちの続きを見たいと思わせた。
途中アクションやバイオレ
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JUST ANOTHER(2020年製作の映画)

4.8

90分と思えない濃密さ。
監督の姿勢が非常に映像人類学的に正しい。というのは、こういうドキュメンタリーってよそ者が興味本位で率直に追いかけるほうが面白いんだよね。それが完全に遂行されてる。
カリスマ的
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

5.0

90年代半ばの空気、日本とアメリカで細かくは違っても大まかに言えば同じ空気が流れていたことが嬉しく思えた。
郷愁と言えばそうだけど、スーパーファミコンがあって「ストII」が流行っていて90年代ロックが
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プラネティスト(2018年製作の映画)

4.7

小笠原諸島のネイチャードキュメンタリーと見せかけて、現地の人とそこを訪れたアーティストたちの人間ドキュメンタリー。
「破壊の日」と同様音楽が素晴らしく、GOMA、窪塚洋介親子、中村達也らが島と海と自然
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

アクション映画としては面白い部類。SFとしてはベタな感じがするし、敵役の目的も今更感ある(いずれもドラゴンボールやドラえもんや名探偵コナンで見てきたもの)。
逆行と順行のシーンをもっとバラバラにしてフ
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破壊の日(2020年製作の映画)

4.6

作品中ずっと、下手な話ゴジラのような低音で映画館が唸りをあげていた。
自分はオリンピックに批判的ではないし商業的なのも構わないと思う。それよりもこの映画に漂っていたのはもっと根源的な怒りなのではないか
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AI崩壊(2020年製作の映画)

4.8

すごいすごいすごい*n;
今ある未来が舞台だけど、劇場版かまってちゃんのときに好きだった、群像の中で各人の想いを確実に捉えていくような入江監督の人への想いや人間関係を丁寧に描く軸は変わってない。
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.5

新・京都みなみ会館の音響がヤバくてすごい。どうなってんのあれ
ハリウッド版前作も好きだったけど、今作はさらに素晴らしくて、シューティングとか格闘とかいろんなゲームをやりまくった感じ(誉めてる)。
怪獣
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漫画誕生(2018年製作の映画)

5.0

大満足の傑作。時勢に捉われず、自分がおもしろいと思うものを描いたりつくったりしていいんだと思える映画だった。
構成が巧みで、バラエティに溢れる内容もあり楽しめた。さらに篠原ともえの予想外の名演はうれし
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阿吽(2018年製作の映画)

3.8

8ミリフィルムの質感に加えて無声映画のあじわいでありながら、題材はITの発達した現代のディスコミュニケーションという意欲作。
メディアの断片を切り取りながら話を紡いでいく感じは個人的にものすごく好み。

メランコリック(2018年製作の映画)

4.2

不思議なおもしろさに引き込まれる快作。
和彦とその家族の醸し出す牧歌的日常のあるあると、サスペンスやアクション、ヤクザ映画で見られるようなあるあるが、銭湯という砂漠のオアシスと出会うことで舞台設定を違
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ビル・エヴァンス タイム・リメンバード(2015年製作の映画)

4.2

全編に渡ってメロウ、時折ヒップ!なジャズに溢れた84分。
劇場の音響がよく、普通の映画館のそれよりもベースがより響く生音に近い音を聴くことができ、エヴァンス・トリオのインテグレーションはヴィレッジ・ヴ
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センターライン(2017年製作の映画)

4.8

前例のない傑作。脚本の素晴らしさ、映像センス、技術リテラシー、人/物の機微の切り取り方や裁判のリアリティ等すべてに卓越した作品。
ソフトウェア技術者の悲哀を痛切させる部分は共感できる。
主演・吉見茉莉
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アイドル(2018年製作の映画)

4.2

@シネマスコーレ。民放らしい社会的視点から見た、SKE48という家族の記録。
松井珠理奈がSKEであり続けることと全国的なAKBのイメージとのギャップからくる悔しさで壊れていってしまう姿は震わせるもの
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グリーンブック(2018年製作の映画)

5.0

気高きアフリカ系ピアニストと仕事がなくなったことから彼の運転手になった粗野なイタリア系男の不思議な交流を描く、1962年の実話を元にしたロードムービー。
人種の違いに加え、家族や故郷に対する境遇、品位
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セブンガールズ(2018年製作の映画)

4.8

人によってはこれを「どうしようもない人生の映画」と見るかもしれない。
でも自分は、バイトの昼休みに食堂で吉本新喜劇を見ているような「日常」を思った。

戦後の動乱期、男性を相手にして生計を立てている女
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SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD(2018年製作の映画)

5.0

ただのハイスタの音楽映画じゃない。彼らをよく知らない上の世代、下の世代にも見てほしいそんな映画。
今やインディーズシーンはメジャーレーベルを脅かすほどの影響力を持っているけど、ハイスタがそういった現在
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教誨師(2018年製作の映画)

4.4

丁寧な脚本。端的に映画としての醍醐味を言えば、誰が死刑になるのか、である。辛い。
しかし、話は複雑だ。ニュースで悲しい思いや悔しい出来事に出会ったとき、それと同じような苦しさを覚える。
ある死刑囚はい
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太陽の塔(2018年製作の映画)

4.0

太陽の塔を思想的に掘り下げる内容で興味深かった。あの姿形にも繋がるものがあったとは。
完成形の太陽の塔が時間を超越するものだとしたら、犬山の若い太陽の塔はより人に近いものなのではないか。得体の知れない
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.8

限られた条件下でのフラストレーションの爆発が、かつてない心地よさを蔓延させる。
「シアターの傑作」。

ザ・ビッグハウス(2018年製作の映画)

4.9

何よりもこのタイミングで公開されたことが奇跡。日大アメフト部もびっくり。
日本人にとって、サッカーでは人気後進国、野球のイメージの強いアメリカだが、それよりも人気を集めるアイスホッケーやアメフト🏈。そ
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いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち(2017年製作の映画)

3.5

3部作の2作目ということで細かい説明は省く。主人公と妊娠した妻のやりとりの天丼が、うまいこと次作への転回へと繋がっていく。
音楽が好みなのと映像表現の自由さにグラスをあてる。

恋のクレイジーロード(2018年製作の映画)

3.8

初めて見る白石監督作品。
落語の三題噺のように状況・配役・小道具がバランスよく配置されていて、それらの間がストップウォッチで計られたみたいにジリジリとした肌感覚で展開していく。
ホラー映画の差し迫るよ
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ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命(2016年製作の映画)

3.5

地域経済論の文脈から彼女のことを知った自分にとって、この映画にある話はまさに「市民ジェーン」のエピソード1。

いち記者から都市運動家の面をつける過程となった、ニューヨーク再開発計画を巡る論争を詳細に
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ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)

4.5

教条主義的な話はほぼなくて、ただただ戦闘に懸ける思いと戦術の妙味、そして戦場の凄まじさ・悲惨さ、その中での勇敢な姿勢に心奪われる映画。
9.11後のアフガン戦争下であった秘密作戦の顛末を描く。全体の8
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ニッポン国 vs 泉南石綿村(2017年製作の映画)

4.8

大阪・泉南地域のアスベスト訴訟原告団の活動を追う中で、幾多のインタビューを記録し、その生き方にある根本を求める。
運動体がない中で始まった訴訟はようやくこの問題を広めるきっかけとなった。国にもメディア
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COCOLORS(2017年製作の映画)

3.5

輪郭があれば、彩り得る。灰の世界の寓話だけど、インスツルメンツにやさしく息が吹き込まれたような映画。