一つの町で怒った事件と、3つの立て看板に象徴される怒りの連鎖。メディアは象徴だけを取り上げるが、しかし、その下には泥臭い人間の想いがあるのだ。この映画はそこに目を向けない人々を嘲笑うように終わる。>>続きを読む
誰もが思春期に感じる学校や家庭や社会に対する違和感を、内戦の狭間にあるグルジア(ジョージア)に描く。
状況は旧ソ連崩壊後の混乱期という、日本の今から見れば思い入れしにくいものだが、この映画には思い入>>続きを読む
琴線舞う力学のメディア・フィルム。
坂本は日本のエレクトロニック・ミュージックの先駆者であるが、それと共に触れ合うはずの物音をメディアに封じ込めた、一人の犯罪者であったと思う。
しかしそれが、高齢者>>続きを読む
カウリスマキは冷徹だ。
ブレない視座と乾いた笑いで、シリア難民の「希望の裏側」を描き出す。
物語を編む音楽と詩がピリッと利いた快作。
伝えたいことと伝わらないことへの葛藤、その火花のなかで私たちは、何処かにその感情を焼き付ける。
今回は映画だった。
映画とは、映像であり目に焼き付いたまま感情に捕らえて離さないものである。
また題>>続きを読む
4K版で初めて見た昭和ゴジラ。平成版がオリジナルの自分にとって迫力不足な点は否めないが、やはり楽しい作品。
キングコングとゴジラのそれぞれにスポンサーが付くという設定は今でも新しいのではないか。「大日>>続きを読む
今までこの映画の感想をどう表現したらいいのか困ってたけれど、一つ言えるのは、
「日本という国もまた、まだ戦争という幻想の中にいるのかも知れない」。
残念ながら後編しか見られなかったが、完全版でも切れ>>続きを読む
映画として幾分厚みの増した今作。人類とオートボットの関係性がより濃く描かれ、ラストに向かって両者が力を合わせていく過程が深みを増している。その分トランスフォームシーンが少なかったり詰め込みすぎな感はあ>>続きを読む
英監督が見た、震災とそこから立ち上がるベガルタ仙台…地域の記憶。筋書きのないドラマより、思い続けた上に咲かない奇蹟だから、語ることに意味がある。
言葉のパスワークが緊張のゴールを演出する旋律に、高らか>>続きを読む
まさに映画の狂人であり妖精である。
名駅のミニシアター・シネマスコーレ副支配人の坪井篤史さんを追ったドキュメント。
東海テレビの番組で見かけたときはしゃべりの面白い人だと思ったけれど、実際の彼は想像以>>続きを読む
キリシタン弾圧の長崎、密航した宣教師とすんでのところで彼を裏切り続けた隠れキリシタンの話。
自分は彼との共通項は少ないが、彼に思いを馳せなければ自由はないと思える。
P.S. イッセー尾形の存在感がこ>>続きを読む
特殊メイクありきとは言え、各年代を演じ切った岡田准一が素晴らしい。声の出し方はどれだけ練習したのだろうか。
カットつなぎの編集は小気味良くVFXが冗長に感じられない。これはシン・ゴジラと違い監督の巧さ>>続きを読む
パキスタンのルーツ音楽集団「サッチャル・スタジオ」の面々がNY公演を完遂するまでの記録。 伝統音楽と対峙するとき、僕はいつも名駅・花車の二福神車のお囃子隊のことを思い出す。それは卒業制作で密着させても>>続きを読む
手放しで「良い」といえるゴジラではない。
冒頭からの自己満足な政治芸とちゃちなCGが最大の魅力である恐怖性を削ぐ(まるで「大日本人」かと笑)。
それでも中盤からの見応えは圧巻。ゴジラの存在意義に立ち返>>続きを読む
「資本主義の孤独」ということがある。ゲスの極みは乙女というほどに、大衆は虐げられた純粋さを求めるものでもある。藤田は、エコール・ド・パリの画壇の中心でピカソも羨むほどにフランス人たちを誘惑した。一方で>>続きを読む
絵画的な画の作り方がとにかく印象的な作品。
描かれる物語がけっこうシリアスなのだが、それと対比させているのであろうポップさや上っ面のコメディ・センスがところどころ鼻につき後半少し飽きてくる。
個人的に>>続きを読む
これ以上なく胸に震える。聴いたことのない曲でも、聞いている人に向けて描かれた歌だからすっと届く。桜井さんは、小林武史と離れて、より聴く人やバンドメンバーを信頼せざるを得ないと感じているのかも。ライブフ>>続きを読む
同じ池脇の出演作で「ジョゼ」は女性原作、男性監督。この作品は、男性原作の女性監督だ。
どこか共通のテーマを描きながらも、「ジョゼ」は最後に断絶してしまうが、この作品では円環していく物語りをしている。男>>続きを読む
映像は素晴らしいが、活劇としてのスペクタクルがなく、退屈な作品。ただし、宇宙で会話劇・独白劇 をやってみた、という点で実験的な面白さはある。 でも普通の人には、テーマパークのアトラクション を体感なし>>続きを読む
大泉洋がとにかく素晴らしい。彼がいなければこの世界観は出せなかったと思う。
「三谷だからコメディ」と思う人もいそうだけど、今回はそれをリアリティを与えるために使ってる感じ。もちろん映画としての見せ方は>>続きを読む
正直わけがわからない笑。事前情報だと過激な面がクローズアップされてたけど、ふたを開けてみて出てきたのは「しんぼる」と対になるもの。それでも意外に映画らしいところはあって、「しんぼる」にもあった「サイン>>続きを読む
いーいドラゴンボールでした。月並みで言えば、「3.11後のドラゴンボール」。そして20年経ってやっと気づいたのは、「怒りとは人への想い」ということ。あの人とあれの言葉づかいとか、アイツまだドラゴンボー>>続きを読む
がっつり立川談志の落語を見たのは初めて。「芝浜」は「笑いの帰着は、不条理な涙」という発見があった。
SKE48 は終わらない。そう思えるドキュメンタリーだった。
語り部としての桑原みずき、被写体としての矢神久美にハッとさせられ、江籠裕奈の凛として前を見つめる表情に繋がるものを感じた。まるで再デビュ>>続きを読む
チューリングのバック・ストーリーを全く知らないまま見たので驚きの連続だった。よくぞこの情報量をこのプロットにまとめあげたものだと思う。ヒューマンドラマと青春ラブストーリー、プロマネものとスパイもの、サ>>続きを読む