地元が嫌い。都会に憧れる。でも、都会の人とは、趣味が合わない。ぜんぜん違う音楽を聴いている。やっぱり地元には、慣れ親しんだ文化があり、居場所がある。家族がいるし、友達がいる。
2回目。住む土地の高さを用いて、経済格差が生む「階級闘争」を、比喩的に映し出した作品。洪水でトイレが溢れているなか、便器の蓋に座りタバコを吸うシーンが、たまらなく美しい。パク・ソダム。
アメリカンホラー。前半でメンタルを削いで、後半で治療してくれる感じ。
まず、職業訓練校に通う人々の、どこにも羽ばたいていけないという諦めと、閉塞感。ただただ、日々を生きることの絶望がコミカルに描かれる。ひたすら見ていて苦しくなるのだが、激烈なリアリティに引き込まれる。
煙草を燻らせながら、タイプライターを叩くサリンジャーがひたすらに格好いい。そして、戦争でのトラウマ体験や青春時代の失恋など、ネガティブなライフイベントが次々と語られ、映画に引き込まれていく。ライ麦畑の>>続きを読む
ディパーテッド、死んでいった奴ら。生きるために、自らの魂を葬った奴ら。香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク。
キャスティングの妙と、無骨なアクション。アカデミー賞も頷ける、スコセッシの見事な演>>続きを読む
クリント・イーストウッド監督の戦争映画。イーストウッドらしい、保守的な主人公カイル。男たちに囲まれ、マッチョ的に生きてきた彼。彼が初めての戦場で、スコープの先に見るのは、女と子供。マッチョと対偶のもの>>続きを読む
マーゴット・ロビーが、本人役で登場。
「第四の壁」を越えてくる映画は、面白いものが多い。
「僕はジャックの脳の延髄です。」
自己破壊・暴力への賛歌。ドーパミン垂れ流し映画。
随所に、違和感があり、蓄積される。それが、終盤、怒涛の勢いで回収される。なんと気持ちがいいことか。
アラン・チューリングという天才の、孤独と苦悩が描かれている。学生時代の壮絶なイジメ、恋焦がれた友人との死別、同性愛者として生きる難しさ。そして何より、エニグマを解読するという使命。荒野を走る彼の表情や>>続きを読む
トーニャが狂ってて格好いい。口を開けばFワード、トーニャにナイフを投げつける母親、エキサイトして弾丸を打ち込む彼氏、妄想の世界に住む実家暮らしの童貞ボディーガード。本作のプロットは、スケートの才能に恵>>続きを読む
作中で直接的には告げられないが、フェリックスは、おそらくゲイだろう。根拠は、随所で見られる「彼が妻を必要としていない」という旨の発言だ。ゲイとは、すなわちマイノリティーである。彼は、白人であるという側>>続きを読む
拝金主義者 vs 文学を愛する者たち
本作に登場する人々は、相対する2つの立場に分けられる。1つは、文学への敬意を失い、金儲けの道具として扱う立場。もう1つは、文学を愛し、その価値を守ろうとする立場>>続きを読む
「ロビー活動は、予見すること」
一人のロビイストを中心に据えた、社会派サスペンス。何より、元弁護士ジョナサン・ペレラによる、練り込まれた脚本が圧巻である。
終盤の、怒涛の伏線回収には唸らされる。「>>続きを読む
とにかく映像が美しい。コーヒー農園の澄み切った景色。名バリスタの洗練された所作。コーヒー農家の人々のクラフツマンシップ。そのどれもが、瑞々しく、繊細に描かれる。
随所で、日本人がフィーチャーされるの>>続きを読む
「砂糖を摂るのは、ほどほどに」というシンプルなメッセージ。『スーパーサイズミー』の系譜。
いくつか印象的な描写があった。特に記憶に残ったのは、2つ。アボリジニの描写と、マウンテンデュー漬け少年の描写>>続きを読む
『新しき世界』や『楽園の夜』で知られるパク=フンジョン監督作品。血で血を洗うノワールであり、同時に、サイキックアクションでもある。お互いを食いかねないこれらの2つの要素を、フンジョン監督が巧みに調合し>>続きを読む
ルイーザ=メイ=オルコットによる不朽の名作『若草物語』を、『レディ・バード』のグレタ=ガーウィグが映画化。自分らしく生きようともがく、少女たちの成長物語。
希望に溢れる少女時代と、歳を重ねて実感する>>続きを読む
セックス・暴力・ギャンブル。ハイになれる要素てんこ盛りで、終始楽しい。ただ、それが下品にならず、スタイリッシュに仕上がっているのが本作の魅力。
ダブルオーに昇格したばかり、まだまだ青二才のジェームズ>>続きを読む
「孤独が狂気を生み、狂気が芸術を生む。」
アルコール依存症に悩まされ、画家として評価されないまま、37歳という若さでこの世を去ったフィンセント=ファン=ゴッホ。この映画は、そんな彼の生涯を、独自の視点>>続きを読む
監督は、『The Witch』のパク・フンジョン。「追い詰められたヤクザが、南の島で最後の時を過ごす」という北野武『ソラチネ』によく似たプロット。逃げた先の島で、余命いくばくかの女と出会う。無骨だが、>>続きを読む
大学生たちが旅行先で災難に遭うという定番のフォーマット。窓やドアを巧妙に使った演出。芸術的な映像が美しい。
家族にも恋人にも理解してもらえない主人公ダニー。彼女がカルト信仰によって救済される話。「メ>>続きを読む
ブラーのベーシスト、Alex Jamesが進行を務める、ファストファッションの問題点を描いたドキュメンタリー。
ウールの機能性は素晴らしいと思うが、少々贔屓にしすぎでは?と感じた。いくらウールが天然素>>続きを読む
リタ・ヘイワースの有名な言葉に「男たちはギルダと寝て、私と目覚める」というものがある。『ノッティングヒルの恋人』でも引用されていた。本作がずっと気になっていた。
舞台上で「Put the blame >>続きを読む
ポルノの世界に足を踏み入れる女性たちを描いたドキュメンタリー。「ポルノの出演を決めたのは彼女たち」と、自己責任論で片付けられている現状。しかし、18歳になったばかりの彼女たちの前に大金をチラつかせる。>>続きを読む
マジックと映画は、相性がいい。クリストファー・ノーラン『プレステージ』もそう。映画は、映像によるマジックだ。映画は、映像の編集によって、観客を驚かせる。
例えば、アトラスが雨を操作するマジックショー>>続きを読む
※ネタバレ
秘密を抱えて生きる苦しみに、思いを馳せる。
マリアンヌは、二重スパイであるという秘密を抱えている。マックスは軍人であり、彼女がマックスに対して秘密を打ち明けたら、彼をも巻き込んで、危険>>続きを読む
パッケージはポルノっぽい。でも中身はシリアス。
舞台はアメリカ・フロリダ州のビーチ。春休みにビーチを訪れる学生たちを描いたドキュメンタリー。前半は彼らのパリピ描写が続き、不快だった。後半、作風が代わる>>続きを読む