hさんの映画レビュー・感想・評価

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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

地獄のロードムービー。
戦争たるものを見せるのに戦場カメラマンという中立のキャラクターとD.C.を目指して横断するロードムービーの構図をとったのが素晴らしい。
基本はリアルを描きながら所々映画的なアプ
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

監督、演者、素晴らしき傑作。
もっと映画界の話題を掻っ攫うべき。
ハッピーエンド3作。
無意味な神と無意味な生と無意味な死。

毎度ながら大胆かつ繊細な映像が良い。本を読んでいるようなカットの気持ちの
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晩春(1949年製作の映画)

4.8

幸せを語る場面は偉大な名シーンであり、一世一代の嘘をつく父の強さと孤独に涙流さずにはいられない。
他作よりも少し暗い風があるが、愉快な会話もあり、原節子さんはどの作品よりも恐ろしい程に美しく映っている
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

キューブリックが好むようなズームから始まり序盤、事実は小説よりも奇なりとよく言うが、それをまさに体現したかのようにリアルよりも面白くないリアルを忠実に嫌という程見せられる。これほど退屈なのはいつぶりか>>続きを読む

ヒットマン(2023年製作の映画)

4.1

1人のモデルがいるだけの題材の扱い方と物語の落とし方が素晴らしい。
自己理解に長けたグレン・パウエルとアドリア・アルホナの美しさ、2人の魅力が無ければ勿論完成しない。
全体のリズム感、気持ちのいい裏切
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きみの色(2024年製作の映画)

3.9

突き抜ける青春!創造力からの自然発生的な歌詞と音楽が最高!アニメーションも美しい!

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

3.9

柔らかくてシュールな映像が退屈させない。
グレーで暗い東京が美しい。

砂の女(1964年製作の映画)

4.3

原作の映像化と映画的演出の完成度。
岸田今日子によって視覚化した艶めかしさが映画としての価値を何倍にも底上げする。
映像の真新しさは安部公房作品がどれだけ時だ経とうとそうであるように、令和の今見ても新
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白い朝(1965年製作の映画)

3.8

美しく不愉快な夢のような現実
クリエイターの意思で殴られる

モンキーマン(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

心地良くエキサイトできる所に映画のお決まりの重要さが際立つ!
壮絶な過去もある、金持ちの悪もいる、裏流通の武器屋もある、薬に女もある、主人公は復活する、サンドバッグは破壊する、フロアごとの戦闘もある、
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箱男(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

やはり石井岳龍監督と永瀬正敏、役者面々でなければ考えられない、現代エンタメに昇華された流石の映画であった。
近距離のモンタージュや痺れるような音響は安部公房映画作品へのリスペクトを当然ながら感じとれ、
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デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

映画としての内容はほぼ無いけれどもとりあえず盛り上がるf※※kin go映画!!
名作の墓荒らしから始まった時点でこの映画の見方が一瞬で決定された。あの序盤はクール。BGMの選曲もナイス。一回しのアク
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

4.3

辛く長い人生を歩んだLoganの最後。
どうしたって愛のために生きて希望を残していくかっこいい男だった。ありがとう。

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これが映画であると魂に訴えかける映画だ。

時代に揉まれた情熱と愛がエンツォ・フェラーリの混沌に満ちた人生の欠片をみる。
レースに一筋ながらも私生活は複雑に畝る。彼の矛盾がこの映画の肝であり、人間その
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宗方姉妹(1950年製作の映画)

4.5

序盤から漂わせた死の影が知らずのところでずっと傍にあることを終盤にやっと気づかされた。
異なる時代を生きる姉妹は服装も考え方も違えど姉妹であり、絶対的に変わりゆく時代と人生に向き合う2人は現代にも通づ
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小早川家の秋 デジタルリマスター版(1961年製作の映画)

4.4

4Kとはこれほどまでに凄いのか!
今までもいくつか4Kレストア等を見てきたが、始まった途端驚愕した。
やはり自分は日本人であるからに映画館にいながらまるでタイムスリップしたようだった。(綺麗すぎてセッ
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.4

愉快で感動的で恐ろしく残酷な現実をこうもまとめられるのは小津安二郎しかいない。
時代の結婚観を描きながら、家族の無関心と愛情、死生観まで網羅してしまう。
あっけない人生に溢れた生と死と愛がこれからも変
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

これは面白い!
ありふれた教室は生徒と教師の教室にも、職員室にも、社会の1幕にもなり得る。
法社会と個人間の本質的な問題との乖離が見れるこの箱庭感がとても好きだった。
思い返せばルービックキューブも箱
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

大胆且つ緻密に呆れて物が言えなくなるほどの終末をコメディで描いてしまうキューブリックは異常。
下着姿の女1人以外は全て男。欲に正直でもはや清々しく、水爆にすら股がり使命を全うする。
どうしようも無いも
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

レイモンドとレディーが賭博台で向き合うシーンがあまりにも美しくこれだけでも見る価値のある映画だと感じる。
豪華で儚い時代と滑稽な人々を映すが、主導は一人の男の物語であるから見ていられる。その一人の男が
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