8さんさんの映画レビュー・感想・評価

8さん

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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.5


『大人になって知るあの日の念い』


たっぷりの愛情を注がれるはずの年代で、人生の闇と痛みを与えられたオーティス。表向きは華やかだが見えない所で苦悩する姿が、切なく優しさを分けてあげたくなってしま
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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

3.8

『抑制されない穏やかな場所とは?』


社会から見放され生きていく術さえ見当たらない行き場を無くした彼等の人生に、陽は当たるのか?
突きつけられた現実に心が痛むが、誰かのために手を差し伸べる事でやり甲
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ヴィランズ(2019年製作の映画)

3.6


『推し量れない悪さ』


若さと勢い溢れる薬物中毒カップルが不運にも出会すサイコパス夫婦とのかけ引きを描いたホラーコメディ作品。冒頭シーンから終盤まで、仲の良すぎるカップルの計画性の無さに心配は絶
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.4


『世界は見ている。』

何が真実で、どこが脚色なのか?台詞ひとつとっても言葉足らずでガラリと印象が変わってくる訳だが、いまいち乗りきれなかった印象。元々リーガル系の作品を好まないのも影響したのかも
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フェアウェル(2019年製作の映画)

4.0


『人生観の違いが生む死生観』


家族や親戚というごく少数の集団の中で、偶然知る他者の人生。その人の生きてきた証は、その人自身を形成する人生観で、何物にも変えられない。葬式や法事で出る故人とのエピ
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UFO真相検証ファイル Part1 戦慄!宇宙人拉致事件の真実(2018年製作の映画)

3.2


『これは偽証か、妄想か、事実か。』


世界各地で起こるUFO遭遇・アブダクションの真相に迫る74分。世界を騒然とさせた不可解な事件に注目した意欲作。多くの謎を抱えたオカルトの様な体験談を裏付ける
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

3.2


『言葉に価値がある』


妙な展開と移り行く時間の変化に、頭は混乱してしまう。知らなければ良かった、知れたから良かったと様々な思いはあるが、掴めそうで掴めない難解な作品の流れに居心地が悪くならない
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.6


『人生は冒険だ』


確執のある親子が歳を重ね時間の経過と共に、理解し擦り合わせていく関係性がリアルで作品の時間の流れにどっぷり浸かってしまう。人生はいつも複雑で面倒臭くてややこしいが、視点を変え
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ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

3.2


『我らの元へ来たれ、我らに宿り、我らの体で感じ、我らを満たしたまえ』


中南米で広く知られる怪談ラ・ヨローナを題材にした触れる機会の少ないグアテマラ映画。綺麗ごとだけを並べて保身を貫き通す将軍の
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パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

3.9


『神は人に声を与えた。使うか、黙るかだ。』


現代の格差社会や貧困・人種問題など様々な社会情勢を、図書館という公共施設を舞台に公共性の高いメディアを通して高い公益性が発揮されていく状況にハラハラ
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事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.5


『生きるなら抗え』


事故物件での怪奇現象や霊障など映像化の段階で恐さの緩和が大きく、実際の現場での恐怖は図り知れないだろう。10年の下積みを経て手にした明るい未来へのきっかけは、誰しもが出来る
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.6


『誠実であれ』


浅く・狭く・低く養われてきた感情や感性が、あるきっかけを境に暴走する。遺伝的なのか?突発的なのか?閉塞感で息が詰まる田舎町で、真っ当に生きている人への厄災はきつく並じゃない悲愴
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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵(2020年製作の映画)

3.6


『難攻不落の刑務所を攻略せよ!』


理不尽な社会に対する反旗で収監されてしまった塀の中。絶えぬ使命感とやがて来るその日を夢見て暴れる創意工夫。あらゆる感覚を研ぎ澄ませ、持ち合わせの技術力を注ぎ込
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.6

『連鎖する戦争を海は知っている。』


時代が流れていくにつれて薄れていく過去の記憶。数々の記録を基に蘇った時間は、両国への敬意が感じられ好感が持てる。戦闘機パイロットを追体験させてくれる監督らしいア
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リズム・セクション(2019年製作の映画)

3.1


『どうして…』


家族を失い癒えない傷を抱え堕ちていく女。目的こそはっきりしているものの、脳裏に焼きつく家族との思い出を邪魔する良心の呵責。哀しみを復讐で拭い取るも、消え去る事はなく降り積もって
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ファナティック ハリウッドの狂愛者(2019年製作の映画)

3.7


『Holy Fuck! Holy Fuck! Holy Fuck!』


奇抜なヘアスタイルに拘り臭満載の柄シャツ不安定な精神性、様々な映画や俳優を溺愛するムースのオタク度は超特級だ。そんな彼が住
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.6


『ゾッとする幸せ。』


静寂で不気味な雰囲気を放つリトルジョー。人を惑わし虜にしていく赤い花の効果に、強烈な違和感を感じてしまう。喜びから恐怖へ変化していく鳥肌は、日常を知らないと味わえない感覚
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ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.6

『人生すべてバランスだ』


冴えない少年と孤独な老人が交わす魂の交流。ぶれる事なく社会を力強く生きていくための稽古に疑問を感じ、課題の意味を理解し探求し始めてからの期待感が止まらない。ミヤギの過去と
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ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.8


『あなたにとっての本当の人生とは?』


繰り返される悪夢の誕生日。偶然ではなく必然だった18日の月曜日がカムバック!前作からの教訓を胸にスケールも魅力もアップした物語は、没頭しない理由が見つから
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.7


『今日は残りの人生の最初の日』


繰り返される忌まわしき誕生日。自らの死と向き合い真相を探っていくツリーの心境の変化や成長に、気づけば応援している自分がいる。人生は選択の連続で、その先に待ち受け
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.0


『ひとつの出会いが起こした奇跡とは?』


慈愛に満ちた包容力と、心に語りかけてくる彼の人間性に胸がこみ上げてくる。特別なものは何もいらない。自問自答し心の在り方を見つけ出す事で、僕の心の奥の声が
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ウソから始まる恋と仕事の成功術(2009年製作の映画)

3.4

『嘘って何?』


嘘という概念が存在しない世界。腹の内に留めておく事はなく、全て吐き出される肯定と否定。あらゆる言葉に対する表情とリアクションの違和感が気になってしまう。思いのまま生まれてくる言葉に
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

3.5


『後悔するなら、クソを漏らせ!』


フィンランド北部の田舎村で暮らすメタル愛溢れる4人の男達。攻撃的な音楽性と容姿からは想像出来ない程の、ヘヴィな癖の強さに思わず顔がにやけてしまう。疾走感と重圧
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ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

3.2


『今、憎しみの連鎖を断つ。』


デンマーク市街地の夜の帳を潜り抜け出会す偶然。たった1つの過ちが生んでしまった返らない存在。偶然が招いた悲劇の裏で暗躍する影。オレンジに照らされた赤がもどかしさを
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.6


『人生で1度きりの特別な旅。』


誰もが抱えるハンデの傷に塗る薬はなく先入観が心の温度を下げてしまう。レールに敷かれた人生からの脱出の先に見えるのは、知らぬ間に心に染み入るバリアフリーな優しき世
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プロジェクト・パワー(2020年製作の映画)

3.6


『その5分間は、希望か、絶望か。』


たった1粒のカプセルに秘められた神が与えし神秘の5分間。何かを得るために掴まなければいけなかった諸刃の剣。欲望と願望が相反する時その先に必要なのは、所望に打
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.2


『放たれてしまった危険な幻想。』


人を殺したい衝動に駆られ血湧き肉躍らんばかりに熱狂していくK。高揚感を表現した独特のカメラワークに、観ている者の脳天を揺さぶり倫理観を奪っていく。時折垣間見え
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マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.6


『この"マー"、何かがおかしい…。』


どこか謎めいた雰囲気を持つ獣看護師のスー・アン。常に何かに取り憑かれ探し物をしている様な眼差しに潜む孤独感。些細なきっかけが生んだ高校生との出会いが、偶然
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.8


『たった今、権力の闇の中へ…』


正義とは何か?悪が何なのか?
同調圧力に賛同する傾向が強い民主主義国家日本で、明らかになる政府内部の不透明さ。臭いものに蓋をする作り上げられた真実に唖然としてし
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ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.7


『心をさらけ出すんだ』


天性の才能を持ちながらも職を失い家族に愛想尽かれたカントリー歌手のローズ。どの様な環境下であれ、夢を捨て切れずにもがき苦しむローズの心の葛藤に注目してしまう。時代の流れ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8


『抗え、生き残れ。全面戦争勃発。』


広島から外れた昭和末期の造船の町。そこに住む男と女の魂の熱量が蝉の鳴き声と相まって、狂熱な人間ドラマを見せてくれる。生かさず殺さず飼い殺しにした人間の所業は
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海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

3.5


『恐怖は、底なしに深化する。』


シャークウォッチングのケージから古代遺跡の水中洞窟へ変更した続編。面白半分ノリ全開で潜る危機管理能力に欠けた女性達。そこは太陽光の届かない水没した古代遺跡が眠る
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ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

3.7


『街のすべてが彼女の敵となる。』


昔の面影はなく政府に見放された故郷に帰ってきた新米刑事。タイミングの悪さなのか運命なのか。居てはいけなかった場で光る警察官のバッヂ。バッヂに込められた正義とい
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グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

3.8


『今でも神を信じる?』


神に仕える聖職者が幼き子供を欲望の生贄にする吐き気を催す行為。決してあってはならない真実の物語に、現在進行形だと知り宗教の闇を知る。常識的判断が明確に出来ない隙間を狙っ
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インシディアス 最後の鍵(2018年製作の映画)

3.6


『そこに、誰かいる…。』


トラウマになりつつあったお仕置きの原因は、抑えられない第6感。見えないものが見え知りたくない事まで知ってしまう。便利な様で生き辛い体質。しかし心の哀感を感じ取れるエリ
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