タニジリさんの映画レビュー・感想・評価

タニジリ

タニジリ

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

4.0

荒唐無稽に見えるストーリーの割に伏線回収や構成やメタファーの説明がやたらしっかりしててテーマを適切に感じられるし、この手の映画で有耶無耶になりがちなオチまでちゃんとついてて(しかも懲罰バランスが的確す>>続きを読む

#つぶやき市長と議会のオキテ 劇場版(2024年製作の映画)

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スーパー老害集団vsイキリ大学生みたいなメンタルの市長+少数のまともなおじさん(だが、少数であるために市政に対して何の有効打も持たない、かなしいおじさん)

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

共産主義思想や反ファシズム、女性関係、名声、物理学への純粋な好奇心などさまざまに「揺れて」いた彼も根は素朴なマルクス主義者のように感じた。
被曝当事国民として戦争に思いを馳せていたら後半はフォロイング
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.1

EDのグネグネ動く東京タワーのモノマネできます
登場人物みんな愛くるしくてよかった
ありがとう神の子、そういう奇跡の話

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.2

最終上映に滑り込み
柳楽優弥の杉元が観たかった気持ちは消えないが、どのキャラもコスプレにならず、原作の多すぎる闇鍋要素を一つも落とさずによく映像化してくれたと思った‼️あとめちゃくちゃ開拓の村だった
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.4

マッチョイズムの蔓延るティピカルな黒人コミュニティでは「強さ」に流されずに弱いままの自分で生きることの方が難しい
母親はじめ人物の造形が複雑でリアルなだけにいじめっ子の舞台装置感がすこし気になった

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.9

社会と離れてる側なので友達が普通に社会生活してるときに感じる断絶感とかうっかりスピりかける感じに覚えが…。生き方に貴賎をつけるというよりかつて確かにあった友情と、でも生き方違うからすれ違っちゃうねみた>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

藤井にキリスト教観点からの考察を頼まれてみた映画なので気づいたことをしっかり書いてみるぞ

●全体のテーマ
夫婦の最序盤の会話で「時間旅行」「過去に戻れたら」という話が出てくることから過去への逃避とそ
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天才スピヴェット(2013年製作の映画)

3.1

めちゃくちゃ良い映画〜と思って観てたら最後30分でよく分からなくなってしまった😢

農耕・狩猟IQの必要な地域に学術方面の才を持って生まれてしまった、「遠い空の向こうに」的なプロットを感じさせつつ、そ
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

プロットはよく出来てて見入ってしまったんだけど、殺人を愛の証左にするのはヤバくないか?というのがチラついて作中のエモ描写と自分の感情にズレが出てしまいアレだった。どう考えてもホームレスの人が一番可哀想>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.1

ジョークが信じられないくらい鋭利で引き攣り笑いが出てしまう。
デリカテッセンといいRAWといいフランス映画はカニバリズムやら肉食vs菜食になんかあるのか?
コメディでも充分読めるけど根源的欲求と倫理と
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(1954年製作の映画)

3.8

ザンパノが自己愛強すぎるモラハラ男の割に塵ほども魅力感じなくて厳しかったんだけど、ジェルソミーナの足りなさと自己肯定感の低さだと着いていくしかないのかなあという寂寞感があった。
現代でもこういう組み合
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ズートピア(2016年製作の映画)

3.9

機内でみた②
キャラの顛末采配に凄まじいバランス感覚を感じ敬服したが、それだけに駐禁取締はカスの仕事みたいな貴賤つけてるのだけ気になった

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.0

登場人物みんな自分救われたさに死人を利用しており、感情移入先が全く分からんかったが、まあ嘘から出た真みたいなのは、あるのかね…。にしても10代の感性の掘り下げを全然せずに「君は独りじゃない」とか言われ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

世界はもっと帝国列強をボコボコにする映画を作ろう‼️アフリカも続こう‼️東南アジアも続こう‼️

とはいえインド、さすがに核兵器持ってる国の価値観でしたね

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

戦士にヘルメットをかぶせろでマジで60分くらい笑い転げてたんだが、あの家族がそれぞれ抱えている疎外感をわずかながらも感じることが出来る終盤の演出がすごく良かった。
なんかいい雰囲気のまんまいろんな問題
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.8

ウンウン唸りつつ時に故障しつつ真っ直ぐ進んでいくトラクターがおじいさんの人生そのもののようで良かった。
兄弟姉妹もいなければ血縁至上主義者でもないので具体的なテーマそれ自体は響かなかったけど、本人も周
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.4

拾うと思ってた話が明確には拾われず不完全燃焼感。あれ結局何やったんを考えると面白いっぽいが、二項対立の一つくらいはもっと明示的にしてその場で合点がいく快感が欲しかった。画の仰々しさから話がバチっとハマ>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.0

リリィシュシュが合わなかったのであまり期待してなかったけど、3時間全くダレずに観られた
搾取され裏切られ形式的な幸福を見失った2人のロマンシス的な関係性が痛く響く。自分を愛せないから幸せを買う。何も自
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悪の教典(2012年製作の映画)

3.5

伊藤英明がちゃんと気持ち悪くて楽しいエンタメ映画❗️

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.0

金ローでたまたまやってたので
そもそも細田守がかなり苦手なんだけど、それ以前に脚本がヤバすぎる
設定が穴だらけなのは置いといて、メインストーリーの感情の動線も敵役の造形も雑すぎるし、モブや大衆はアホみ
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スキン~あなたに触らせて~(2017年製作の映画)

3.7

宿命論をヤギ(悪魔)として扱う冒頭からして、被害から守るための持物が一角獣なあたりからして、プロテスタント教国には絶対に出せない迫力があり、身体障害者に愛と慈悲と憐れみを持っていたカトリック改革期のス>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.1

顛末もオチも相当好みだったけど、意図的としてもそれは無能が過ぎるのでは…に度々なり、短気なのでオチが見えるまで登場人物に大分イラついた(追記: これ実話なのかよ!納得…)。ウインドリバーを思い出す鬱鬱>>続きを読む

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

4.0

途中ダイナミック火葬したりバイオハザードになったりで笑ってしまったけど最後はかなりゾッとする瞬間もあったし謎への解答も割としっかりしてて面白かった

日本だったらすぐ元に戻して謝るみたいな発想になりそ
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.0

めちゃくちゃ怖いと思って構えてたからあんま怖くなくて萎えた

どこだって遡れば誰か死んでるやろみたいなのは日頃考えるので発想として新鮮味がなかったのがデカそう
そもそも前に事故物件住んでたし…

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.0

企画と設定を変えずにどうやったらこの映画がちゃんと面白くなるかを考える会したらとてもタメになりそう

ダニエルラドクリフが好きな仕事して楽しそうなのは良い

リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

3.9

話はシンプルながら応援できるものになっていたし、トンデモジャポネスク含めてクソしょうもない演出いっぱいあって楽しかった

日本語下手すぎて1人だけ字幕つけられてるの笑った、がんばったね

Viewers:1(2021年製作の映画)

3.9

タイトルの時点でオチが察せられてしまうものの世界観と感情の積み重ねがとても丁寧で140秒と思えない濃密さがあった

Curve(原題)(2016年製作の映画)

3.2

短編ならではの状況設定と説明なしで乗り切る迫力があったが10分やるならもうちょっと一捻り欲しかった

追記: メタファー考察みた、なるほど…

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.5

公開当時しんのすけと同い年で何も分からず一緒に観に行った母親が号泣してたのが解せなかったのだけど、大人になってから改めて見ると全くひろしと同世代である母の涙の意味を完全に理解してしまいボロ泣き不可避だ>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版(1968年製作の映画)

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教科書に載るような作品として観る感じだったけどオチは現代的でよかった