終盤のゴールシーンの哀愁といったらなかった。それこそ、アウグスト・ザンダーの写真『舞踏会に向かう3人の農夫』のような象徴性を感じずにはいられないラストだった。
タラのワンスアポンやイーストウッドの運び>>続きを読む
これだけ強烈に、ある種露骨に社会的なテーマを扱っているのに、それらが完全に映画的なエンタメに昇華せれていることに圧倒された。つまり、理屈抜きに面白い。
今年一ぶっ飛ばされた映画かもしれない。
色彩、演出、カット割、セリフ、映画を構成するあらゆる要素に山戸監督の作家性が爆発していて、みていてクラクラした。
特に、東京の切り取り方に関してはここ(コレ)>>続きを読む
今まであまりみたことのない素朴なタッチのアニメーション。とても良かった。
高畑勲の『おもひでぽろぽろ』を想起した。
シリーズ最終作(おそらく)そして主人公ヒックの成長譚として、とてもよく出来ていたと思う。
まずこのシリーズ特有の爽快感のある飛行シーンがふんだんに盛り込まれている時点で自分としてはスクリーンで見る価>>続きを読む
シリーズの最終作としてあるべき、前作から引き継いだ伏線を畳むことで生じるカタルシスをほとんど感じることが出来なかった。
作劇においても、旧三部作のキャラにおんぶに抱っこかよ、と思ってしまった。前作が>>続きを読む
フェス会場にゾンビが発生するという超常的な設定を使って、繰り広げられるのが非常に凡庸なミステリ劇なので、細々としたトリックの説明など心底どうでも良くなってしまった。(よく作中の人物はみんな正気を保って>>続きを読む
娯楽映画としても『シャイニング』続編としても普通に楽しめた。
が、キングの原作未読の自分からすると、キューブリック版があえて全てを語らないことによって獲得した魔力のようなものが、丁寧に解かれていってい>>続きを読む
予告編をみて想起されるストーリーを超えるものがなかった。ただ、みていて楽しくはあった。
序盤の不倫に踏み込んで行くまでのシークエンスで一気に引き込まれた。主人公の息づかいが聞こえてくるような演出とカメラワークだと思う。エレベーターという舞台装置の使い方も最高。
脚本もよくて、終盤奥さん>>続きを読む
娯楽映画としてシンプルに面白かった。主役二人のバックグラウンドに韓国の世相も反映されていて、感情移入もしやすかった。
長回しの俯瞰で撮られたダンスシーンが、どこか顕微鏡で微生物の交尾を見ているように思われ、この映画の「実験的な」視点を象徴しているように思えた。
どいういうことか。
登場人物は、プロットを追従するので>>続きを読む
冒頭、フランクは出会ったばかりのルーカスに軍役していたときを思い返して言う。
「──いまだに謎なのが、捕虜の連中が殺されるのわかってて自ら墓穴を掘ること」
本作は、その答えを3時間半かけて丁寧に描い>>続きを読む
出てくるクリーチャーのキャラデザがいちいちツボだし、脚本もシンプルで良かった。
お堅い女流小説家の奔放な白昼夢のように解釈。シャーロット・ランブリングが夜中のプールに反射する青い光に照らされるシーンをはじめとした、水面や鏡面を利用した巧みな撮影が話の曖昧さとの相乗効果で際立ってい>>続きを読む
近年の園子温監督作の中では一番好きだ。椎名桔平演じる詐欺師の一方的なコミュニケーションで他者を洗脳する様は非常に誇張されてはいたが、真に迫るものを感じた。