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とんでもないものを見せつけられて、しばらく何も言えない状態が続いた。すごい映画。
まず舞台演出の斬新さに驚かされた。浅学のせいもあるだろうが他の映画にも類を見ない演出だった。(そのせいで正直最初は>>続きを読む
今この時この場所に、確かに生きているという実感はあるか?
男のための映画…かな。国は経済成長に成功し、戦争も恐慌もなく、物質的に豊かになったが、どこか満たされない空虚な心。それを満たしてくれるのが>>続きを読む
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全体的に調和がとれている映画はもちろんだが、この映画のようにワンシーンで爆発するような映画も妙に印象に残る。正直あのプロレスシーンでストーリーなどどうでも良くなった。ストーリー上重要なサングラスをか>>続きを読む
シュールな展開と間が好き。この監督の作品に一貫している(と思う)「侘しさの中にある諧謔」が色濃く現れていて、心地いい映画だ。他の方のレビューにも散見されたが、きったない宿に泊まって、きったない風呂に>>続きを読む
リアリズムの宿、苦役列車と見てきたが、やはり今作も同様にダメダメな主人公と、監督独特のゆるーい「間」が設けられている。あと登場人物がずっと漫画読んでたり、漫画的な演出のシーンもあったりして、シュール>>続きを読む
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血塗れ覚醒シーン最高。ウザい同級生たちはみんな倒してしまうので爽快なホラーと言っていいだろう。ただ…
個人的にキャリーの不憫な境遇が、あの元総理襲撃の犯人と重なる。外にも内にも落ち着ける場所がなく>>続きを読む
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傑作。この映画には派手なアクション、場面転換などは一切ない。十二人の男たちが蒸し暑い部屋で、ある少年の運命についてディベートをするだけだ。言ってしまえば本当にただそれだけの内容なのだが、そこに人間の>>続きを読む
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単純な解釈だが、この映画はドッペルゲンガーや、自分の中で抑圧したもう1人の自分への根源的恐怖を描いていると感じた。
『ゲットアウト』の場合、形としては一つの身体に二つの人格を同居させたけれども、今>>続きを読む
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物語の序盤に示される違和感の正体が、徐々に明らかになっていくことで同時に恐怖も高まっていく。あの女性の使用人が涙流しながら「NO,NO,NO.」って言うシーンが妙に印象に残っている。あの自我のせめぎ>>続きを読む
当事者視点の楽しいゾンビ映画だ。この臨場感は、もはやアトラクションと言っていいかもしれない。個人的に終盤の暗闇のシーンは特に怖かったので、ここだけでも映画館で見てみたい。
モキュメンタリー形式の撮影であり、そんな当事者目線だからこそ分かる、生物の巨大さや破壊の規模が伝わってきて楽しめた。ただ、その臨場感ゆえに目線がぐわんぐわんと揺れて、酔いそうになるので注意が必要かも>>続きを読む
ツッコミ所のある楽しいホラーだった。それでいて、ゆっくりだが着実に近づいてくる死のような存在に恐怖させられる。
人生そんな甘くねーんだよ、このやろー。
北野武による青春映画。やはり北野映画の特徴である、バイオレンスや抜群のユーモアセンスが盛り込まれている。基本的に下り坂の物語だが、勧善懲悪な側面もあるので気>>続きを読む
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人間の暴力性の本質に迫る傑作。主人公アレックスはなんでも好き放題やって暮らしている。不良仲間とつるんで、敵グループと乱闘したり、ホームレス蹴ったり、作家の家を襲撃したり、女の子二人を家に連れ込み何時>>続きを読む
ナタリーポートマンが演じるバレリーナが、舞台「白鳥の湖」の黒鳥役の選考に勝ち残るため努力を重ねるも、黒鳥という本来の自分とは違った悪のキャラクターを演じる中で現実の感覚が徐々に乖離していく(役に飲ま>>続きを読む
ヒトラーをイマジナリーフレンド(想像上の友人)とする、ナチ党大好き少年のジョジョが戦争の中で、あるユダヤ人少女と出会い奇妙な同棲を始める。
そうした少女との交流だったり、ジョジョの現実の友達であ>>続きを読む
シンプルでいてちゃんと怖いSFホラー映画。そりゃ虫と合体したからってみんながみんなスパイダーマンみたいになれるわけがない。この映画にはこれといった戦うべき敵もいないし、爽快なアクションもない。そこに>>続きを読む
ストレス社会に生きるオヤジが腐った世の中に憤懣をぶつけまくる、という映画だ。主人公と同じような不満を持っている人はスカッとできるだろう。実際、広告より明らかに不味そうなあのハンバーガーの件はすごく共>>続きを読む
世の不条理を描き出す古典。最初、主人公は仕事に必要な自転車を盗まれた、完全な被害者だったのだが、それをどうにか取り戻そうとする過程で強引になって周囲に迷惑をかけてしまい、段々と加害者側の人間になって>>続きを読む
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柔道映画。三四郎が乱暴狼藉をはたらいて、矢野師匠に怒られるシーンあたりが一番好きだ。池に入って、悟りを得るまで出ないと何時間も池に浸かっていた三四郎がその苦しみの中で、泥濘に咲く一輪の花を見てはじめ>>続きを読む
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オーストラリアで実際に起こった銃乱射事件がベースとなっている映画。個人的な意見だが、この主人公は本当にどうしようもないやつだ。事件に至るまでに恋人の事故死や、父親の自殺もあったが、はっきり言ってどち>>続きを読む
天才マークザッカーバーグが頭の回転も舌の回転もノンストップでFacebook開発から世界的展開まで疾走する映画だ。ノンストップな上に、経営者、発案者たちのドロドロの闘争が入り込んでくるので結構疲れる>>続きを読む
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地球に飛来した黒い楕円形のUFO?に乗り込んでいた異星人と会話をするため、言語学者、物理学者がどうにかして異星人の言語を解読していく話。異文化とのコミュニケーションの難しさを異星人との会話だけでなく>>続きを読む
鑑賞したのは結構前だが妙に印象に残っている。個人的に響いてきたのが人の「怒り」の力強さ、愚かさ、虚しさだ。主人公をはじめ警察も町の住民もみんな、何かに怒りを感じたままにぶつける。そうした英雄的行為、>>続きを読む
戦争映画とも言えるが、火薬てんこ盛りの激しい戦闘シーンなどはほとんど無い。主人公アランチューリングの戦場は、異質な者を排除しようとする「空気」、「社会」だったり、計算用紙の上だったりする。そこは一見>>続きを読む
ある意味心を深く傷つけられた作品。戦争それ自体は勿論だが、「その後」の悲しみも描かれている。戦争は終戦の宣言をしたり戦場から退けば即座に抜けられるものじゃない。その強烈な体験は大きな爪痕となり、病理と>>続きを読む
理屈抜きで好き。笑えるくらいのバイオレンス描写と美しい沖縄の自然、北野武のユーモアが調和している。「人生は死ぬまでの暇つぶしだ」というシニカルな言葉があるが、まさにそれを体現しているような雰囲気の映画>>続きを読む
アメリカンニューシネマらしい映画。病院内は精神病者が集まってるというのもあって本当に多様な人々が混在している状態、ある種自由のメタファーとなっていて、それと対照的なのが支配的な婦長はじめとする病院側>>続きを読む
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ホラー映画の開祖的存在だが、個人的にはもはや笑って観る映画だった。まずあんな風態の男を車に乗せないだろ、クレイジーなのに上下関係はあんのかい、とか細かいとこにツッコミながら観た。…それも恐怖に飲み込ま>>続きを読む
オムニバス形式。世界各地の色んな人々がタクシーに乗り込んで、その個性がタクシーの中で化学反応を起こしたり、はちゃめちゃやったりするのが只々楽しい。また観たい。
彼は預言者でありヤクの売人、本当と嘘が半々の、歩く矛盾。
これほどアウトサイダーの孤独や人間の二面性を的確に描いた作品を知らない。個人的オールタイムベスト。
友達、恋人はいない。学歴も教養もない>>続きを読む
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この監督の映画は本当に置いてけぼりにされることも多々あるが、本作は比較的とっつきやすい。物理学の要素が満載の中にも、人間のエゴ、家族の愛といった普遍的なテーマが軸としてあるからだろう。桁違いの潮汐力が>>続きを読む