細谷しゅうへいさんの映画レビュー・感想・評価

細谷しゅうへい

細谷しゅうへい

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

この映画はあらゆるテーマが含まれているから、個人映画としても戦争映画としても、または原爆を作るまでのビジネス映画としても、政治映画としても解釈できると思う。

僕は特にオッペンハイマーが自己矛盾に苦し
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

-

みんなが美しいというものを美しいと思えない自分が嫌になってしまった。
映画の中に流れる空気や温度が、現実よりもリアルに感じて
その生々しさに眩暈がしてしまった。
映画を否定する気持ちは一切無いけど自分
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.8

時系列シャッフルの面白さは大体想定通りではあるんだけど、
冒頭から話動きだすまでのテンポの良さがガチで気持ち良すぎてやばかったですねぇ……
全然あのままコミカルなバディ映画にしてくれても楽しめたと思う
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.7

『オッペンハイマー』のより理解を深める為に。
結果論にはなるが、ドイツの核開発が成功しないと分かっていれば彼は大統領に核開発を急ぐ手紙を送らなかった。
結果的にそれがマンハッタン計画の成功と広島長崎の
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

4.5

元々、大好きな作品だけど映画館で観ると
「あれこんな凄かったっけ!!?」と本気で驚いた
まだ間に合うので劇場で是非!!!!
後期のピクサー作品では断トツで一番好きです。
キャラクターが溌剌と動いて画面
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ちょっとびっくりする位に面白かった…‼︎
最も自分と遠い存在だと思ってた上司に
これ程までに自分を重ねてしまうとは…
(自分が漫画を描いて夢を追いかけてる人間なので)
最後、連載も掲載も決まってないけ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

ゆったり雰囲気邦画かと思いきや、
空気感こそ優しいものの挑戦的な映画だった…‼︎‼︎
従来の作品であったら恋愛やら絆などの安直なワードで乗り越えそうなものを避けて、現実的に理性的にそして優しさを持って
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.1

うーーーん前半がシンプルでノスタルジックな青春物語としてよく出来てた分、後半の急展開についていけなかったな。
2人の立場が変わり本当の意味で互いを理解し合い愛し合うドラマは好きだったけど、ミスリードが
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

かなり好み別れる映画だと思うけど、ハマった人はもうこの映画を観なかった人生には戻れない
IMAXの轟音と迫力、縦の画面をうまく使った立体的なカメラワーク
絶対IMAXで観るべき映画だと思う

ポスター
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

徹頭徹尾、批評をし続ける映画だった。
登場人物の誰かに感情移入して熱くなったり悲しくなったりするのではなく、
ひたすら第三者目線から映画内で語られる情報を資料に批評をし続ける。
そういった意味で、夫婦
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.8

filmarksの試写会に参加させていただきました。ありがとうございます🙇‍♂️

サッカー映画の皮を被った文化人類学映画だった。
凄い面白かった!
ストーリーは弱小サッカーチームにかつての凄腕監督が
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

社会で生きる人々が無意識で得た「常識」を、ベラというキャラを通し分解して、
観客が0から思考する。そんな作品だった。

物語の中でベラは、支配とその脱却を繰り返し、特に性欲と愛情の善悪について取り巻く
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千年女優(2001年製作の映画)

3.8

ミニマムで無駄のない作品で非常に楽しめた。
パーフェクトブルーに続いてリバイバル上映で鑑賞したので映画館で体験できた事を幸せに思う。
現実と虚構のオーバーラップの手法は
手法こそパーフェクトブルーに似
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.7

IMAXリバイバルを鑑賞。
IMAXマジですげぇぇ〜〜〜〜
アトラクションすぎる

あまり内容が無くてストーリーはやや退屈だったけど多分これはシリーズ一作目で仕方ないことなんだろう🤔
面白さは二作目で
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.4

『哀れなるものたち』の予習でみた。
90年前の作品に現代の作品と同じ基準で評価できないけど
ホラー描写はむしろ現代の過剰な演出の映画よりも恐ろしい所もあった
特に花嫁の部屋に後ろの窓から這い寄るシーン
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.3

凄まじい映像だった
再現映像は一切なく全てが実際に撮られたもの。
この作品は、既に脱北をし外国で暮らす人、脱北をしている家族、北朝鮮にいる息子に脱北を促す母など様々な視点で映像が紡がれる。
観客が最も
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スティング(1973年製作の映画)

3.5

渋い作品かと思いきや娯楽性があって
思ったよりもエンタメしてた。
さすがに脚本も演出も今と比べると平坦だけど、ちょうどいい塩梅で心地よかった。

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

半端ないほど面白かった
化物語の前日譚となるから観客としてはこの映画の結末は分かっているはずなのに
それでも、いやだからこそ引き込まれた

事実が明らかになる順序が巧みで
よりキャラに没入し前のめりに
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彼方に(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞実写短編ノミネートされてたので。
正直もっと説明を求めてしまうけど、あえて説明をせずに淡々と進む所が本作の詩的な魅力なんだろう

「大切な人を理不尽に失い、その悲しみと向き合う話」
テーマ
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.7

ブラックユーモアだらけのとんでもない映画
公開された時期(キューバ危機から2年後)を考えると差し迫った危険であるはずの核による世界崩壊の危機を扱っておきながら、ここまでブラックユーモアとして描き切るの
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

凄まじい映画だった。
ホロコーストの残虐さが痛い程伝わった。
大袈裟な演出に頼らず本能的な恐怖を感じさせるカメラワークにはこの作品に対する覚悟と気品さを感じた。
実際に行われた虐殺はこの映画では表しき
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

本当に素晴らしい価値のある作品だった。
原作未読で事前情報入れなかったから展開は分からないのに、最初に校長先生がトットちゃんを抱きしめて君は本当は良い子なんだよって言ってくれた時、なんだか分からないけ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.6

決して面白いとは言えないけど、
強く残る画はそれなりに多かった。
最小限の情報で最小限のセリフだけで紡がれる物語は、今年初の映画としては中々に渋めなスタートを切れた。
こういう映画も良いなとは思いつつ
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.8

人間ドラマを必要以上に描かずに戦争の悲惨さ、戦場でいかに命が無駄に扱われていたかを淡々と凄まじい迫力の映像で表していた。
第一次世界大戦から新兵器として使われ始めた毒ガスや火炎放射器、戦車。
それぞれ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

 台詞が限りなく少なく役所広司の演技のみで映画が進んでいくので
彼はどんな人なんだろう、何に幸せを感じているんだろう、どんな人生を送って今の職に辿り着いたんだろう
と、前のめりで思考しながら見る事がで
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.9

評判が高かったので観た
かなり骨太な物語で楽しめたし、今だからこそ作る意味も感じた。
一方で割とドロドロとした人間ドラマと大味なバトル描写のギャップが大きくて
作品から身が離れてしまった
昨今のアニメ
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.6

ネイティブアメリカンの迫害の歴史を扱った社会派作品ではあるが、作品の根幹はそこで起こるサスペンスなので
社会問題を考える比重は低くエンタメとしても楽しめた。
銃撃戦のところのジェレミーレナーがかっこよ
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

見たことあるようで今まで見たことのないような不思議な映画だった。
多くの映画は訴えたいメインテーマや見せたいシーンがあって、そこに収束する形で映画を構築するものだけど
この映画はあえて作為的になること
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

1.0

本当に酷かった
ディズニー映画の中で最も酷い出来の作品だと思う。
キャラ、世界観、テーマどれも興味の湧かない無味無臭な凡作だった。
何一つ新しい試みがなく、かつての作品の水準を大きく下回る長編映画を作
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.6

今まで見た事ないような不思議な映画。
個人的にはとてもとても好みで大切にしたいと思える作品だった。

イーニドの行動は破滅的な衝動に突き動かされていて危ういけど、人に愛されたいというピュアな心も持って
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

14歳下の弟がいるので、弟と過ごしてきた日々を思い出しつつ観た。

子どもは大人が思ってるよりもずっと世の中の本質を見抜いていて大人が隠してるつもりの色んな事に気が付いていて、9歳ともなれば立派な一人
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ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

4.6

音楽、脚本、絵の力どれをとっても最高峰。
ディズニー2Dアニメーションの最高傑作と言っても過言じゃない。
中学生の時に見てから時間を置いて見たけれどいかに当時は理解できてなかったかを痛感した笑

『ポ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.6

画面の作り込みは物凄かった。
戦争の見応えがかなりあって
そこで何が行われてるのか
どんな作戦で、どちらが有利なのか
少ないセリフで分かりやすく描かれていて非常に好感持てた
一方で、人間ドラマが薄味で
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.0

とにかく展開の早い映画自体がドラッグのような作品。
序盤の何もない所から成り上がっていく所はとにかくめちゃくちゃ面白かったな
良くも悪くも最初に出会ったあの先輩が彼の人生を大きく変えたんだろう。

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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.6

全ての原動力は彼女に振られた雪辱を晴らす為っていうのが情けない男のリアルな感情で
めちゃくちゃ面白かった

エドゥアルドはいつまでも大学のクラブ、フェニックスに執着していて、それが妬みの対象になったと
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