べーぐるさんの映画レビュー・感想・評価

べーぐる

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ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア(1987年製作の映画)

4.7

2時間の映像にみる溥儀の数奇な運命も、あのしなやかなラストで全てが救われたような気がした。

人類は常に時代に翻弄されてしまう。そうした幾つもの人生の連なりのうえに我々は生きているのだということを、や
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

知るということ。それは悦びであると同時に哀しみや絶望と隣り合わせだ。世界のあらゆる美しさを知れば、必ずその裏側にも気が付いてしまうのだから。

きっと私たちはどこかの誰かから見れば、皆誰しもが哀れなる
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

4.4

ハオの元を去った後の静寂が印象的。ヴィッキーにとっての2001年は、きっと忘れたくても忘れることの出来ない記憶の欠片なのだろう。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.7

ぼんやりと遠くから見える誰かにも、近づいてみれば、見えていなかった何かを抱えていることを知る。ひとや物事へ向ける倍率を変えることで、きっと新たな景色が目に映る。それはまるで望遠鏡で星を覗いた時のように>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.4

掴めそうで最後まで触れさせてくれない、杉咲花の佇まいが印象的。あのラストで終わらせてくれてよかった。

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.7

主人公ヨンホが歩んだ過去20年をダイジェスト的に逆行してゆく構成は、さらながら彼の走馬灯を見てるかのようだった。
始まりと終わりの場所であるピクニック。光と闇が交差するラストが素晴らしかった。

爆裂都市 BURST CITY(1982年製作の映画)

4.3

オープニングアガる。ライブシーン全て最高。揺れまくりのカメラと素早く切り替わるカットの連続による躍動感のある映像の上に叫び声、爆発音、ザ・ロッカーズの音楽が乗った、最強にカオティックな暴動シーンは天才>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

役者、演出、美術、脚本あらゆる面に置いて桁違いのクオリティの高さ。それらひとつひとつが完璧なまでに折り重なって、途轍もない大傑作が生まれている。何度でも観返したい。

小説家の映画(2022年製作の映画)

4.5

ゆるやかな会話劇から浮かび上がる人々の心底。ホンサンスの映画にはその瞬間の愛おしさも残酷さもそのどちらもが共に同居しているから堪らなく好きだ。
誰かの会話に耳を欹ててみれば、それはもう、1つの映画の始
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浮草(1959年製作の映画)

4.7

夏の小津安二郎がすごく好きだし、小津映画の中村鴈治郎がたまらなく好き。

トニー滝谷(2004年製作の映画)

4.6

ひとりの男の人生をナレーションと横スクロールで見せてゆくという形式はさながら本のページを静かに捲るような感覚で、村上春樹作品を映像化することの1つの正解を見たような気がした。

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.4

まひろとちさとが再びスクリーンに帰って来たという喜び。それに尽きる。続編的な云々はあれど2人への愛おしさは止まらない。

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.7

人を喰べるという欲望の極点。傷だらけな孤独の果てに辿り着いたふたりの邂逅は、最高のロードムービーと、美しくて血生臭い、真の愛の姿を見せてくれた。

エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

4.7

どうして人は上辺だけの演技をしてその場を取り繕ったり、誰かを出し抜いたりして生きてしまうのだろうか。我々は豊かさや安寧を手にする事と引き換えに何か大切なものを見失っているのかもしれない。
裸のままで抱
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.8

世界は常に微妙な均衡で保たれていて、それはいとも簡単にある日突然崩れ去る。

知らないこと。目に見えないもの。理解出来ないこと。

こちらがどれだけ問いかけても、誰も答えなんてまともに教えてくれない。
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アネット(2021年製作の映画)

4.1

OPとEDめちゃかっこいい。父カラックスな映画。割と好き。

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.5

街を抜けどれだけ遠くの場所へ向かっても電話のベルは鳴り続け、人は皆通り過ぎる。誰もが孤独で誰もが行き場を探し彷徨い続けてる。

ロープ(1948年製作の映画)

4.4

映像かっこいいし、サスペンスとしてシンプルに面白い。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.7

異様なまでの長回し、台詞も極限までに排除された不思議な緊張感の中で鳴り響く生活音。初めてこそそれは心地良く響いているようにも思えたが、次第に鋭利で不穏な騒めきへと少しずつ変化を遂げてしまった。
冒頭か
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.6

他者と混じり合うことは途方も無い永遠の旅路で苦悩や葛藤があり、逃げ出してしまう事だってある。だからこそ人々がひたむきに向かい合い傷つき合いながらも理解し合おうとする姿は気高くて美しくて尊い。
互いに苦
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お早よう(1959年製作の映画)

4.6

付き合い、建前、偏見、噂、大人達の生きる息苦しい世界と相対するように子供達は純粋で自由奔放。いつから人は彼らの様な素直な心を忘れ無駄な事ばかりに感ける大人になってしまうのだろう。

街の上で(2019年製作の映画)

4.6

変わっていく街。久し振りに降りた下北沢の街は僕がかつて愛していた姿とどこか装いを変え、少しばかりの居心地の悪さとそれに付随する一抹の寂しさを覚えながら向かった下北沢トリウッド。
もうあの頃の下北沢はど
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

過去、現在、未来の映画を繋ぐ。映画が死ぬほど好きな人が創った、死ぬほど映画が好きな人達の物語。好きに決まってるよ。

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

4.4

画面に映るすべてがかっこいい。それはとてつもなくすごい事だ。
一見ストーリー性は薄いように感じてしまうけれど、他人からみた人の人生なんて案外そんなものの様な気もする。何となくで生きてそう奴も実は内側で
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

-

デヴィッドバーンめちゃくちゃかっけー。劇場で大音量で観れてホント最高だった。

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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生きる悦び、人生の素晴らしさ、全人類肯定的なデヴィッドバーンの眼差しを写した歌詞が壮大でダイナミックな楽曲に載せられ、バンドメンバーはステージ上を縦横無尽に動き回り全身全霊のパフォーマンス。こんなの最>>続きを読む

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)

4.7

行き過ぎた愛は時として狂気と化す。しかしそこにあるものは確かな純愛だ。着物と布団、血と石鹸、白粉と紅。赤と白のコントラストがとても美しかった。

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

4.5

ボブがひたらすかわいいし、ふたりとの温度差が面白い。横スクロールの映像かっけー。

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

5.0

1942年ジャワ島の日本軍俘虜収容所において日本人は俘虜たちを力で押さえ込み何かことを起こせば罰を与えていた。しかしそんな日本人であっても誰ひとりとして悪人には見えなかった。それは誰もが戦争という渦に>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.5

美しすぎるカットの数々。構図と色が素晴らしい。小早川の三姉妹がとっても素敵。

くれなずめ(2021年製作の映画)

4.5

忘れたくても忘れられなかった仲間との決別。長回しやシーンの移り変わりが鮮やかでかっこよかった。
他人から見たら一見理解できないノリや恥ずかしい姿も彼らにとってはキラキラした瞬間で最高の別れだ。
友人や
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PASSION(2008年製作の映画)

4.6

私はあなたでは無いから私はあなたの想いは分からないし、あなたは私では無いからあなたは私の想いは分からない。しかしもはやその私すらも分からない。
何かにチカラを借りなくては本音を交わすことも出来ない彼ら
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狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

4.8

青春、バイク、ロックンロール。カメラワークがかっこいいしテンポ感も気持ちいい。そしてとにかく音楽が最高。もうこれはジャパニーズ版さらば青春の光。

undo(1994年製作の映画)

4.6

岩井俊二のファンタジー感と狂気性、退廃的な世界観、不均衡な愛。この手の岩井作品はやっぱり好きだ。山口智子さんの透明感がありながら妖艶で儚さを纏った存在感が素晴らしい。

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