Kanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.8

映画館で鑑賞。上映時間5時間が全く苦にならないくらいに面白い。神や幸福などいつものベルイマン的テーマが描かれているが、非常にドラマとしてわかりやすく、長いものの、ベルイマン入門としていいだろう。ベルイ>>続きを読む

第七の封印(1956年製作の映画)

4.7

‪今日も恵比寿へGO。ベルイマンの代表作「第七の封印」を鑑賞。前から好きな映画だが、改めて衝撃を受けっぱなしだった。ひたすら生と死、神と悪魔、聖と俗を描き、狂気に近い重苦しさがベルイマンの特徴だが、意>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.5

神の沈黙3部作の一つ。神や愛、精神といった見えないものの映像化を試みたベルイマンの功績は大きい。全ての映画作家にとって教科書のような彼の映画は今なお鮮烈な印象を残す。

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.5

ボルヘス原作と聞いて高まる鼓動。見てみると、映像の美しさに陶酔。現実と夢が交錯する幻惑的なベルトリッチ×ボルヘスワールドが広がっていた。スイカ、ダリヤの花、ハンカチーフの赤が目に焼き付いて離れない。

母なる証明(2009年製作の映画)

3.8

カンヌで上映されたこともあり、全体的にヨーロッパのアートフィルム的な雰囲気が漂う。冒頭のシーンからただならぬ映画が今から始まることが予告され、最後までその緊張が持続される。ただ、映画で核心的な役割を果>>続きを読む

哀しき獣(2010年製作の映画)

4.0

韓国ノワールものにハマっている今日このごろ。いつも通り演出は素晴らしく、またしてもすごい映画に巡り会えたと痛感。ただプロットが複雑な上にあり得ない感じで若干わざとらしいあざとさも感じた。いずれにせよ、>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

4.2

演出が過多で、少し中だるみもあるが、やはり面白い。韓国ノワール。ある意味ワンパターンなのだが、一つの型を作り上げたのは単純にすごいと思う。
同じ監督でもコクソンよりはかなりわかりやすく、万人が楽しめる
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セッション(2014年製作の映画)

4.8

いろんな人が勧めるので見たいと思いつつなかなか見られず、やっと見終わった。自分自身も音楽をするので色々考えさせられた。たしかに人を感動させるのは血のにじむような努力がいる。普通を超越することの大変さ。>>続きを読む

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

3.3

観客の多くは自分の人生に当てはめていろいろ考える、そういう機会を与えてくれる映画。そこに特に正解はない。仕事か結婚か、とか、結婚か独身か、とか仕事中心の人生かゆとりある人生か、というテーマはある意味で>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

5.0

小津映画で多分1番好き。次から次へと歴史的に名シーンのオンパレードで、とどめは伝説的なリンゴのシーン。本当に泣けてくる。ユーモアから涙、この映画に人生とは何かが詰まっている。原節子が特段に美しい!

プレシャス(2009年製作の映画)

3.7

とてもとても心に残る映画。愛とは何かを考えたくなった。血縁を超えた、もっと人類に対する愛というか。主人公のプレシャスが人生で初めて本当の愛に触れたときのモノローグが印象深い。
「この人たちは父親や母親
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インフォーマント!(2009年製作の映画)

3.3

実話ベースの企業犯罪モノ、ソダーバーグ、マット・デイモンということで割とシリアスな社会派サスペンスみたいなものを想像していたが、見事に裏切られた。大人なコメディで思わず笑っちゃうシーンがてんこ盛り。モ>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

3.6

有馬稲子が綾瀬はるかに似ている。とても可愛い。もともとは岸恵子のはずだったらしいが、予定が合わず有馬稲子になったとのこと。岸恵子のほうが存在感があったかもしれないが、自分は有馬で良かったと思う。
昔こ
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早春(1956年製作の映画)

4.5

おそらく20年ぶりくらいに見た。デジタルマスターで映像は格段に美しい。岸恵子が現代の女性のように洗練されていることにまず驚いた。
映画は戦後成長期にかかる時代のサラリーマン人生の悲哀を描いているが、小
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万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

前作の「そして父になる」があまり好きではなかったので、パルムドール受賞作とはいえ正直期待していなかったのだが、予想をはるかに超える名作だった。映画に登場する人々は日本の貧困層で、かつ犯罪者でもあり、人>>続きを読む

フロスト×ニクソン(2008年製作の映画)

3.5

トランプの時代にこの映画を見ることは大切なことかもしれない。ニクソンとトランプがいろんな意味でオーバーラップする。米大統領の絶大な権力のもつ危険性。あるいは大統領選自体の欠陥性といったような問題を我々>>続きを読む

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)

3.6

普段絶対見ないような映画を見るのも新鮮でいい。これはまさにそういう映画。最初はまったく自分と接点のない世界観で見始めたことを後悔したが、だんだん面白くなっていき、最後は主人公に完全に感情移入しとても切>>続きを読む

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年製作の映画)

3.3

映画のラスト、最後のひと言が全てを物語っている。ソ連のアフガン侵攻からムジャヒディーンへの武器供与、タリバン台頭、9.11ーという歴史の「皮肉」の一面を描いた映画。9.11を教訓に、米国や国際社会はい>>続きを読む

君のためなら千回でも(2007年製作の映画)

4.6

あまり期待せずに見たが、久しぶりに号泣するほど感動した。勇気やプライドの大切さ、美しさが伝わってくる。ハッサンに人間の真の優しさを見た。かなりオススメな映画。原作も読んでみよう〜。

アメリカン・ギャングスター(2007年製作の映画)

3.5

ベトナム戦争のもう一つの歴史秘話というか。実話に基づいているというのが驚き。こういう映画を見ていると、つくづくアメリカのスケールの大きさに感心させられる。

告発のとき(2007年製作の映画)

4.6

約10年ぶりに観たが、今なお圧倒的な脚本、演技、メッセージ性に打ちのめされる。我が子を戦場に送ることの辛さ。それは戦前の日本であれ、ドイツであれ、米国であれ変わらない。明るい青年の人間性を失わせる戦争>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

典型的に映画館で見るべき映画。最初から最後まで独特の幻惑されるような雰囲気がたまらない。見事な一品。英国の田舎の美しさ、音楽、オートクチュール。全てが調和されている。

インセプション(2010年製作の映画)

4.1

一度観ただけでは理解できないし、ラストも含め、映画の中に謎解きが行われていないので最後まで謎だらけだが、たとえ理解できなくとも十分に面白い。ストーリーよりも映像や音など感覚に訴えかける映画。何年かして>>続きを読む

ゲッベルスと私(2016年製作の映画)

4.8

「神はいないが、悪魔はいる。この世に正義などない」
凡庸の悪についての映画。必見。

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

4.2

多くの人も触れているが、ラストはサスペンス映画史上、良くも悪くも後にも先にもないものとなっている。自分は、後味が悪すぎて「???」だったが。ただ最初から最後まで全く飽きない展開で、傑作の1つであること>>続きを読む

大人のためのグリム童話 手をなくした少女(2016年製作の映画)

3.8

フランス人監督らしい非常にセンスの良い作品。アニメというよりアート作品。ストーリーを追うのがやや難渋なところがあり、これから何度も見てみたい映画。

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

かなりクレイジーな印象を受ける独創的な映画。米国における黒人差別の根深さ、屈折した感情がホラー仕立てで描かれている。最初は退屈な感じだが、どんどん面白くなっていく。特に最後のシーンは、現代米国の現状を>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.2

オリエント急行殺人事件というとあまりに古典で、だれでもストーリー、さらには衝撃的な結末も知っているし、列車の中という「密室」という設定なので、リメイクといっても「だいたい想像できるもの」だと思っていた>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.8

ミュータントをLGBTなどのマイノリティーのメタファーとしてこの映画を見ると、排外主義を強めるトランプ政権の米国のいまの姿が浮かび上がる。映画は、たとえどれほど娯楽性の強いものであっても、現代の社会を>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.4

エンディングが非常に印象的。ハリウッドに代表される従来のアメリカ映画の伝統とは一線も二線も画している。ストーリーを追ったり、登場人物に感情移入したりする際にある種の「わかりにくさ」があるが、徐々に理解>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.8

全く期待していなかったが、予想以上に興味深い映画だった。
たしかにこれまでの映画のヒーローは、スーパーマンやスパイダーマンなど、みんな「マン(男)」だった。
女性が映画のヒーロー(ヒロイン?)だったら
>>続きを読む

プライドと偏見(2005年製作の映画)

4.0

原作が愛読書の一つなので鑑賞。原作の非常に印象的なシーンがちゃんとおさえられていて、ファンとしても楽しめる内容。18〜19世紀に生きた人々の機知や、彼らも21世紀のわれわれと同じように恋や人生に悩み苦>>続きを読む