昼寝さんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

夜行列車(1959年製作の映画)

4.6

遣る瀬無い気持ちを抱えた人々を乗せてポーランドを爆走する列車!

眠れぬ人と眠れる人が邂逅する夜行列車。旅は道連れと言うけれど、人間、旅先で偶然に出会うくらいの関係が1番心地よい。でも本当は愛されたい
>>続きを読む

制服の処女(1931年製作の映画)

4.1

生徒と教師の間に芽生えた性的な危うさはアナーキズムに転換される。「学校ではなく生きている人間が問題です」ウンウンそうだよね〜

寄宿舎の距離感、これがリアルなのかはわからないが、同性愛を想起させるよう
>>続きを読む

砂の女(1964年製作の映画)

4.0

他人の顔もそうだったけど人間の肌を無機物のように撮るのが上手すぎる。人間が何かに侵食されるのはいつも身体と外界の境界である肌から、ということか。何にせよ勅使河原宏は肌フェチだ…

徐々に環境に慣らされ
>>続きを読む

リズム21(1921年製作の映画)

3.7

映像から意味を剥ぎ取ってそこに残るリズム。極度に抽象化・高速化された運動

眠る虫(2019年製作の映画)

4.0

バスの中で幼稚園児たちがはしゃいでいるところで泣いた。僕も昔は幽霊を見ようとしていたのに、いまやバスの外の景色すら見れなくなってしまった…僕はこういうリズムで生きていたい

(1997年製作の映画)

3.2

これはヴァンダの部屋に至るための回り道というか、消化試合というか、負けイベント的なものなのでは…ヴァンダの部屋観てないけど

フォンタイーニャス地区に住む誰ひとりとして他人のことを考える余裕がないのは
>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

そもそも僕が映画を観るのは「共感」なんてものの為ではない。たしかに知らん時代の知らん場所の知らん誰かの話に「これは僕の話だ!」という強烈な実感を覚えることはあるが、それが生まれるのは映画がスクリーンに>>続きを読む

他人の顔(1966年製作の映画)

4.2

仮面をつけ匿名の存在となった男は自由を謳歌するが、気付かないうちに自己は乖離し深い孤独に陥る。自分だと思っていた部分は自分ではなく、自分ではないと思ってた部分が自分である。 という日本初のバーチャルユ>>続きを読む

溶岩の家(1994年製作の映画)

4.9

全く意味がわかんないがそれでいい、と言わせてくれるイネス・デ・メディロスの美しさとロケーション(火山!)の神懸かり!

火山の呪術的な存在感、人よりも偉大な存在が常にそこにいる島の営み

四月(1962年製作の映画)

4.4

キスをすれば電球が輝き、水が流れ、火が灯る! それに尽きる

ニューヨーク23番通りで何が起こったか(1901年製作の映画)

3.4

このタイトルで50秒近く何も起こらないという、焦らしの演出。「それ」が起こったあとに女性が笑って、そのまま手前に抜けて行くのがいい

カメラの方を見たままちょっとずつ横にズレていく謎の少年、あいつはな
>>続きを読む

Terrible Teddy, the Grizzly King(原題)(1901年製作の映画)

2.2

首に役職を書いた札をぶら下げてるのしょうもなさすぎるし、ルーズベルトの話を知らないとなんのこっちゃ…さすがに怠惰だろう

客間におけるオールドミス(1900年製作の映画)

2.3

観てる間ずっと心の中で大悟がアフレコしてた

これを音無しの映像に残すって「わざわざ聞いてやるほどの話じゃない」ってこと? さすがにまだまだそんな文脈は生まれないか

アメリカ消防夫の生活(1903年製作の映画)

2.6

みんなが一斉に飛び起きて滑り棒で降りていくところにウケ

ニッケルオデオン以前/アメリカ映画の誕生(1982年製作の映画)

3.6

途中、たぶん9割くらいまで観た。

アメリカ映画、黎明期から銃をぶっ放して馬を走らせる! みたいなのばっかりで笑ってまう。市民の生活を収めた街の映像が好きだった

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

3.8

トリュフォーの、俺はしちめんどくさい部分も含めて映画が大好きなんだよ映画

映画制作映画はもっとクールに取り繕うほうが好みではあるが、好きなシーンも多い。猫のOKテイクにみんなで喜ぶところ、ド派手な崖
>>続きを読む

(1997年製作の映画)

4.2

ほとんど崩壊している家族関係を息子の奇病が繋ぎ止める…のだけど、マジでかろうじて繋ぎ止めているだけで別に再生へ向かうとかはない。解放を示す父親との交わりのシーンも、愛情萬歳のキスシーンと比べるとかなり>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

4.5

ツァイミンリャンは楽日、青春神話、これの3本を観たけど、どの作品でも都市に潜む幽霊をカメラで捉えようとしている。幽霊は、営業最終日の映画館に、古いマンションの4階に、買い手のつかない空き物件にいる>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

3.9

過去と現在がぐちゃぐちゃに混在する台北。街そのものもそこに住む人々も誰一人として都市の発展と人口の増加についていけない、それでも歪な都市化は進む

きっと開発が進めばゴキブリが出たり排水溝が詰まったり
>>続きを読む

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

4.6

悶々とした一人の少年の青春と迫りくる戦争の陰、過ぎゆく時代の中で本人は輝きとも思っていないような一瞬の輝きを捉えた奇跡のような傑作!この主人公はかつての僕なんだ…

神々のたそがれ(2013年製作の映画)

4.0

もはや映画というよりロックフェスの会場にカメラ持って突っ込んだ、とかドラッグパーティーに潜入した動画とかに近い。なのに画面に映る全てが計算し尽くされている…

汚物にまみれた世界、しかしそれはあくまで
>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.6

フランス映画に出てくる男、街角での偶然の出会いに人生懸けすぎだが、たしかにパリという街にはそうさせる魔力がある。3つ目が好きだな、好きというかあの絵描きの青年は僕なんだ…。上手く行かなかった日の終わり>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

5.0

⛱️🌊🍹

自由に生きることは他者や過去に執着しないこと。こんなにも住む世界の違う人たちをこんなに近くに感じられるなんて、感動した。

妖精たちの王国(1903年製作の映画)

3.0

メリエスの映画、ずっと引きの構図なのがかったるいが、細かいアイデアが豊富でそこはおもしろい

ロベール・ウーダン劇場における婦人の雲隠れ(1896年製作の映画)

3.6

技法として革新的なのは当然としても、ただ婦人が消えるだけじゃなくて一度骸骨になってまた現れるっていう遊び心が良い

幾つもの頭を持つ男(1898年製作の映画)

3.5

「多重露光」という単純な技術から、この映像を思いついてこの精度で仕上げるのは、どう考えても変態なんだよな

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

4.3

今画面上で何が起きてるのかも、今何について喋ってるのかも全くわからず、今画面に映ってるのが誰なのかも主人公のハゲ医者以外は把握できていないうえに、そのハゲ医者も2、3人いて、滅茶苦茶になった。

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.8

こんだけインテリたちが辛気臭い話し合いを重ねた挙げ句に、10歳の子どもの一声で計画が動いて最後なんか知らんけどみんなで歌ってるの最高

保守が反発してるから私は左翼として正しい! とのたまってた市長み
>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.3

「来たりて、見よ」なのでまずは「見た」と言いたい。とにかくラストのヒットラーの写真に銃をぶっ放すシーンが素晴らしい。そこまでやるか。セラピーの極地。

コレクションする女(1967年製作の映画)

3.5

主人公が女を呼ぶときの「アイデェ…」の気持ち悪い発音と語尾の伸ばし方が気にしてないフリしてるけどめっちゃ気になってるヤツのそれだった、フランス語わからないけど身に覚えがあるからわかる

ある現代の女子学生(1966年製作の映画)

3.5

『パリのナジャ』がちょっと意識高めな女子学生なら、こっちがもう少し庶民的な女子学生という印象

猫の頭に機械を繋いで、次のカットは液体に漬けられた小さな脳。ロメールの怖いところ!

パリのナジャ(1964年製作の映画)

3.2

今私、貴重な経験積んでるー!今私、今しかできないことしてるー!って感じでなんかちょっと苦手だったかも

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

4.4

いかにも人生を謳歌しているティンパニ奏者の少年は自分では「やることが全部裏目に出てしまう」と語る

決して立ち止まらずいつもギリギリのタイミングで生きる彼が、魔が差したのか立ち止まってしまったゆえのあ
>>続きを読む

モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.8

街で見かけた女性に一目惚れして結婚、と初対面の女性と意気投合して一夜を過ごす、というロメールの、いや男の妄想欲張りセット。絶好の機会が来たってモードに手を出せない(出さない)のに、ミサで見かけただけの>>続きを読む

ヴェロニクと怠慢な生徒(1958年製作の映画)

3.8

ヴェロニクと怠慢な生徒というか、怠慢なヴェロニクと怠慢な生徒。たしかに分数の割り算やってる暇があるならボール蹴っているほうがいい

港町(2018年製作の映画)

4.0

途中の猫がかわいすぎて感情を全て持っていかれそうになったが耐えた。近隣住民くらいの温度感で猫の家庭環境を把握してる一家、良すぎるだろ…。猫が繁殖する家の横をDOG HUNTINGの服を来たおばさんが通>>続きを読む