hiさんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

ダンボ(2019年製作の映画)

3.4

冒頭のケイシージュニアのサーカス列車のシーンとコレットの空中ブランコのシーンは綺麗で良かった。

ダンボがひたすら可哀想なのはアニメと同じ。幼気なダンボが非常に愛らしい。
しかし、ダンボと母ジャンボの
>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.7

前作では、胡散臭く狂気に満ちたアレハンドロとマット。今作でようやく2人の人間臭さが少しまろび出たように思う。

監督が交代し、物語の全体的な雰囲気も前作とは異なる。ドキュメンタリーのように淡々とした現
>>続きを読む

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

3.9

ドラマシリーズ完結を経て、劇場で再びダウントンアビーを訪れることができたことがまず感慨深かった。

国王夫妻の滞在が決まり、ドタバタするダウントンの「上と下」を描く本作。屋敷とともに貴族にも使用人にも
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

自分の靴紐を結べない10歳のウサギの成長譚。

主人公ジョジョのイマジナリーヒトラー「アドルフ」によるコメディ色が強い本作だが、落とすところは残酷なまでにきっちり落とす、ワイティティ監督らしさを感じる
>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.8

3年ぶりに鑑賞。前回ぼーっと見たときより内容が頭に入ってきて面白かった(当たり前だが)。

ケイトはFBI捜査官だったが、実戦経験の優秀さから麻薬組織の潜入捜査員として引き抜かれる。しかし実際の任務で
>>続きを読む

モンスター・ホテル(2012年製作の映画)

3.8

親が子どもを家に閉じ込めてしまうというよくある話だが、親はドラキュラで家はモンスターホテル。ユニークで毒気のあるモンスターたちのデザインが良かった。

人間ジョナサンがかわいい。吹替は藤森慎吾で、非常
>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.9

主人公オギーと、彼の周りを囲む人々は、それぞれ太陽と惑星に喩えられる。これは良くも悪くも複雑な関係であり、姉ヴィアはその太陽系に苦しんだ。
しかし、太陽は決して知り得ない、惑星の裏側が語られる構成は面
>>続きを読む

ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.0

「ヒーロー」の存在意義、「ヒーロー」のエンタメ化、「ヒーロー」とその仮面の下の姿などのテーマにおいて、昨今のヒーロー作品に多大な影響を与えているだろうアメコミを原作に持つ本作。
10年前の作品であるこ
>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.8

ただただ胸糞悪い物語を描写され、何度も嫌気がさし鑑賞を止めようかとも思った。
最後まで観て感じたのは、「果たしてこの物語を復讐のツールとして受け止めていいものなのだろうか?」という疑問だった。

「画
>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.3

長い間親しんできた一つのサーガが終わってしまったことに、非常に強い寂しさを覚える。

だがフォースは常に我々と共にあるのだ。
タイトルの「スカイウォーカーの夜明け」がじんわり胸にしみた。

くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

3.2

レリゴーした後のシュガープラム、良かった。

魅力的なフィリップ大尉を演じるジェイデンフォーラナイトが素晴らしかった。くるみ割り人形=フィリップ大尉であると思うのだが、彼を目立たせたプロモーションがあ
>>続きを読む

着信アリ(2004年製作の映画)

3.0

特撮技術が良かった。
〇〇かと思ったら△△だった、のパターンは結構ゾッとする。

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.7

見た目を変えるのは容易ではない。なら中身を変えてみたら良い。

自信に溢れるレネーが素敵。人々はそんな彼女に惹かれているのに、彼女自身がそれに気づかないからもどかしい。魔法にかかっている自分に酔うのは
>>続きを読む

ジェニーの記憶(2018年製作の映画)

4.0

ジェニファーの過去が紐解かれていくにつれ、隠されていた悍ましいモノが浮き出てくる。その正体が非常に気持ち悪かった。

これが監督の身に現実に起こったことだと理解するのは辛い。
「私は被害者なんかじゃな
>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

「この瞬間がずっと続けば良いのに!」

子ども向けにしては想像以上にシビア。
黒魔女さん派だったので、若おかみの原作は未読。こんな感じだったのか!
前半、なかなか涙を流さないおっこの代わりに私が泣いて
>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

もう何にも縛られず何にも囚われない存在として人の器から解放されたエルサが美しく、私にとってはひたすら眩しかった。

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

4.3

キューブリック版「シャイニング」へのリスペクトと、キングこだわりの世界観、この2つの両立を成し得た本作。

突然の大きな音でびっくりさせてくる描写が多々ありもちろんホラーではあるのだが、アクションシー
>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.8

新しい発想の描写が次々と出てくる。冒頭からとても楽しい。
ツッコミどころは多々あれど、カラフルで個性的なアイデアが目に楽しい映画だ。
イーサンホーク扮する胡散臭いジョリーと、リアーナ扮するバブルのダン
>>続きを読む

unknown アンノウン(2006年製作の映画)

3.8

密室で目覚めた5人の男たちは全員記憶喪失。怪我人が2人、拘束された者も2人。彼らが誘拐事件に関与していることが発覚してから、恐慌状態はさらに加速する。誰が被害者で誰が加害者か。果たして自分はどっち側の>>続きを読む

スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー/ビリー・ザ・キッド 孤高のアウトロー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ビリーザキッドの話というより、不幸な姉弟、特に弟の物語である。
母を殴り殺した父を銃殺した息子リオは、復讐心に燃える叔父によって姉サラと引き離される。連れ去られた姉を探すため、義賊ビリーと保安官パット
>>続きを読む

セントラル・インテリジェンス(2016年製作の映画)

4.2

秀逸なギャグシーンの数々に、声を上げて笑った。最高のバディがおくる、痛快アクションコメディ。

学生の頃虐められていたときに手を差し伸べてくれたカルヴィンは、ボブにとって生涯の英雄であった。たとえカル
>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.9

「人生はいま目の前にあるのよ」

「何もしない日」を推奨してくれる作品(最高の日に繋げるための「何もしない日」だが)。
幼心に惹かれていたものを思い出させてくれる。プーを始め、100エーカーの森の仲間
>>続きを読む

薔薇の名前(1986年製作の映画)

4.0

学生時代に授業で鑑賞。リメイクドラマが近々放映されると聞き、再度本作を楽しんだ。

S. ホームズシリーズの推理小説のように、謎を解く賢者とその助手が、事件を紐解くミステリーである。舞台は中世の修道院
>>続きを読む

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

心が痛い。冒頭からマーロがずっと辛くて、ドリューは役立たずで、子守のタリーが来てようやく幸せになれたはずが、「タリーなんて子守は最初からいなかった」というオチ。ひどく心が痛む。

あまりにも完璧な子守
>>続きを読む

観覧車(2018年製作の映画)

3.8

暗闇の中で蠢めく悍ましいモノと、ほんのり近場を照らすイルミネーションの電灯が美しい。
父を喪い傷つききった表情の少年がひどく痛々しく描かれており、もらい泣きしてしまいそうになる。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.3

鷺を追いかけて山へ駆けて行くすずに、私は「そのまま彼女を死なせてあげて」と願ってしまった。彼女はそのあと、新しい家族と生きていくことを選んだのに。己の浅ましさと臆病さが情け無い。


ただ一点、周作が
>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.5

抑圧された環境で息を詰まらせる孤独は、異質との出逢いによって全てを破滅させる。
目に見えぬ脅威から身を潜めて暮らす家族の物語。感染の恐怖に惑わされる人間の弱みが見ていて苦しい。病の影に隠れた黒幕の正体
>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

4.4

こんなにアガるお祓いのシーンは、未だ嘗て見たことがない。もっと見たかった。

前半がいろんな意味でキツく、尺的にも長丁場の映画であったが、飽きずにハラハラし最後まで画面に釘付けだった。人の闇とその闇を
>>続きを読む

ザ・マミー(2017年製作の映画)

4.5

ホラーというよりまるでスタンドバイミーのような青春。そして、メキシコ社会の闇の側面を色濃く描いた子どもたちの受難の物語、その犠牲者たちの復讐譚である。ホラーのパッケージに期待をすると拍子抜けしてしまう>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.7

Shallowのサビが頭から離れない。
2人で深い水の中へ沈んで、誰にも傷つけられない世界へ行こう。

パパを待つ犬のチャーリーが、切なくいじらしく可愛かった。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.8

本作はシリーズ6作目ということで、MI:3を意識した、あるいは対になるような構成なのかもしれない。オマージュを感じるシーンがいくつか見受けられた。

ベンジーは相変わらず愛おしく、出番のたびに応援して
>>続きを読む

フェルディナンド(2017年製作の映画)

3.8

自分らしさを実現するのに、檻の中では不自由だ。

闘牛たちの人生は「戦うか肉になるか」の二択であったが、その概念を覆すフェルディナンドのパワフルさに心打たれる。

子ども向けにしてはシビアなシーンもあ
>>続きを読む

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(2018年製作の映画)

3.5

悲劇が悲劇を呼ぶ、ウィンチェスター銃にまつわる事実に基づく因果の一編。
ホラーと少しのミステリーから黒幕が暴かれる演出に、背筋をぞわぞわさせられた。

サラスヌーク扮するマリオンが恐怖を支配するシーン
>>続きを読む

告白小説、その結末(2017年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

聡い人は空想上の友だちを作ることができるが、聡すぎるとその「友だち」の影響力が増し、自分を乗っ取られてしまう。

デルフィーヌが執筆活動を続ける限り、彼女にとってのエルは今後も目の前に現れるのだろう。

テルマ(2017年製作の映画)

3.2

業火で死ぬか寒水で死ぬか。
抑圧された家庭の中で悲鳴をあげる少女にとって、死にさえすればどちらも同じことなのだ。

濡れ衣あるいは被支配を強要された娘による、積もり積もった恨みの復讐の物語であったのが
>>続きを読む

ポイズン あるスキャンダルの秘密/夫の秘密(2018年製作の映画)

2.9

まるで眠っているかのように。

時系列もバラバラ、展開も淡々と静か、結局何を描きたかったのか?の答えが題名(原題)に表れているのかもしれない。夫の死の秘密を追うことではなく、主人公キャサリンの揺れ動く
>>続きを読む