けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.5

世界の終末と家族の命を天秤にかけた決断を迫られる一家の話。

映画『サイン』同様、胡散臭い話を信じ込ませる演出が秀逸。

腑に落ちない部分はあるものの、室内劇とテレビ映像だけで100分保たせるのは、さ
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ラフラフダイ(2022年製作の映画)

3.5

笑いながら突然死してしまう奇病が蔓延した世界の話。

笑いが人と人との絆を築くという内容。

「どうせ死ぬなら笑って死のう!」と、死を前向きに捉えた結末に共感。

にしても、コロナ禍が本作の信憑性を高
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.0

サイゴンの一軒家を舞台に、1人の少女の成長を追った話。

前半は、子供が抱く好奇心や恋心、やや残酷な一面を描くのに対して、後半は恋心を“成就”させるまでを描く。

優しく穏やかな雰囲気から、不協和音を
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

5.0

1台のピアノを中心に展開する三角関係。

取引によるピアノのレッスンが、いつしか取引無しの“レッスン”に。

愛欲や肉欲を、セリフではなく表情で表現している点が秀逸。

浜辺に置き去りにされたピアノ、
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

4.5

前作から4年後の世界。

傷付いた者同士、人を殺めてしまった者同士が相通ずる展開。

過去作以上に心の闇に焦点を当てた分、殺人鬼の出番が少なくなってしまったのは少し残念。

誰が観ても【コレで終わり】
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ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

4.5

続編は、前作の直後から始まる。

40年前の関係者を次々と絡らませた話には過去作に無い深みがあり、“悪に対峙する者も、また悪にならざるを得ない”という展開も面白い。

恐怖演出というよりも暴力描写の過
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ハロウィン(2018年製作の映画)

4.5

名作ホラー『ハロウィン』の40年後を描いた続編。

過去のトラウマが原因で、ヒロインがか弱い女子高生から戦うバアサンに変貌を遂げているのがアメリカらしく、それを体現しているカーティスが素晴らしい。
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ハロウィン(1978年製作の映画)

4.0

幼少期に包丁で自らの姉を殺害した男が、精神病院を脱走し殺戮を始める話。

男に関する描写は殆ど無く、女子高生をストーカーのように追い回すシーンが本編の大半を占める。

それでも不思議と退屈はせず、如何
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イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること(2020年製作の映画)

4.5

アメリカの美しい大自然をIMAXカメラで撮影したドキュメンタリー。

フルスクリーンに映される大自然や宇宙は、圧巻の一言に尽きる。

チョットした旅行気分を味わえた。

あと30分は観ていたかった。
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AIR/エア(2023年製作の映画)

5.0

ナイキの伝説的バスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生秘話。

如何にして自社をアピールするかというプレゼンの御手本を見たかの様。

理屈(理論)も大事だが、最後は本音で相手の心に訴えかけるべし、
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ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)

5.0

2019年に起きたノートルダム大聖堂の火災における、消防士による救出劇。

再現度の高いセットや実際の映像を巧みに使い、この上ない臨場感を演出。

終盤は“感動させよう”という作り手の意図が見えてしま
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.5

世界初のRPGの再映画化。

平たく言うとドラクエ。

全体的にLOTRをコンパクトにして、笑いを散りばめた感じ。

意外性のある展開と、意表を突くVFXの使い方で、最初から最後まで楽しめた。

ハリ
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

5.0

第2部は、復讐を巡る男達の生き様を描く。

前作の演出に加えて、複雑に絡む人間模様をその過去も含めて鮮やかに切り取る脚本が秀逸。

殺陣の見せ方も工夫が凝らされていて、完成度の高かった前作を上回る出来
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屋根の上のバイオリン弾き物語(2022年製作の映画)

5.0

名作ミュージカルの舞台裏を追ったドキュメンタリー。

名作の裏に名ドラマあり。

本編を知らずとも、制作や当時の歴史的背景など分かりやすく紹介されるので、十分楽しめる。

作り手の人生観が反映された作
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髪結いの亭主(1990年製作の映画)

4.5

少年時代に女性理髪師に憧れを抱いた男が、美しい理髪師と結婚する話。

毛糸の水着、結婚式の最中に髭剃り、謎のダンス、突然の入水など、不思議なエピソードが散りばめられたラブストーリー。

要所要所に奇妙
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あのこと(2021年製作の映画)

4.5

法律で中絶が禁止されていた1960年代フランスを舞台に、望まぬ妊娠をした大学生を描いた話。

目を背けたくなるようなリアル且つ繊細な描写で、主人公の肉体的・精神的な苦痛をコレでもかと伝えてくる。

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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0

フリーライターの男を中心に描く、恋愛・不倫・書くことについての話。

今泉監督作品は正直苦手だが、本作は台詞の1つ1つに共感できた上に、会話の無い沈黙のシーンが有意義に感じられ、比較的楽しめた。

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フラッシュ・ゴードン 4K(1980年製作の映画)

3.0

アメコミの映画化にしてカルトムービーを、本日初見で。

やりたいこと全部詰め込んだけど、上手く纏めることが出来なかったような作品。

それぞれのエピソードは魅力的なのに繋がりが希薄なため、「一体いつそ
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ワイルド・ロード(2022年製作の映画)

4.5

犯罪組織の金を奪った男の逃避行。

本編の大半が、高速バスの中を舞台に携帯電話の遣り取りを中心に描かれるのが特徴的。

バスの進行と共に、組織や父親、途中乗車してきた乗客との関係性が明らかになる展開が
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

5.0

地上600メートルの超高層鉄塔に取り残された2人の若者の話。

前半は天辺まで登るスリルで、後半はどうやって地上に降りるか?で、観る者を釘付けにする。

多少のツッコミどころはあるものの、高所の恐怖感
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

架空のペルシャ語のレッスンを行うことで、ナチスドイツの強制収容所生活を生き延びていくユダヤ人青年の話。

いつバレるやもしれないというスリル。

レッスンの“副産物”が見事なオチをつける脚本が秀逸。

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.0

黒澤明の傑作人間ドラマのリメイク。

主に部下の視点から主人公を描いているのが、オリジナルとの決定的な違い。

情緒を優先させた演出により、話のテンポが悪くなっているのが残念。

3:4のアスペクト比
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.5

エスターが孤児院に入る前の前日譚。

ホラーテイストは前作に劣るが、相手を利用しようと企んだ側が逆に利用されてしまうという意外なストーリー展開は秀逸。

話自体は前作を見ていなくても分かるが、見ていた
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エスター(2009年製作の映画)

5.0

赤ん坊を死産で失った夫婦と、孤児院から引き取った養女の話。

徐々に残虐性を増していく養女の行動に衝撃を受けると共に、それに気付かない旦那にイライラさせられる(笑)

単なるサイコホラーではなく、実際
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あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

5.0

台湾の人気作家が自伝的小説を自らのメガホンで映像化した作品。

安っぽいエフェクトと中学2年男子レベルの下ネタ。

これらが甘酸っぱい物語を補い、見事に“青春”を表現している。

「無駄な努力も人生の
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天使とデート(1987年製作の映画)

3.5

結婚を控えた作曲家の前に、リアル天使が現れる話。

話はちっとも進まず、ひたすらおふざけの連続(80年代とはいえ、コレは酷過ぎる)。

それでも、エマニュエル・べアール演じる天使の圧倒的なビジュアルが
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.5

同じ日に出産を迎えた2人の母親の物語。

それぞれ訳アリの出産に、訳アリの産後。

“秘密”が打ち明けられた後の展開は、修羅場と化すどころか意外にも丸く収まる。

とても面白かったが、この話と作中語ら
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3つの鍵(2021年製作の映画)

5.0

同じアパートに住む3つの家族の物語。

不幸は望まないのに、不幸であることを確認しようとしてしまう人間の矛盾。

それも、ある程度は時間が解決してくれる、と。

同じ場所に住んでいても、人生は3者3様
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.5

死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする話。

絶妙で巧みなキャラクター設定と、閉塞感のある密室を活かした演出、『白鯨』及びその書評を伏線とした構成が秀逸。

舞台の映画化のせいか、途中の掛
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おっぱいとお月さま(1994年製作の映画)

4.0

美しい胸に魅せられた少年の話。

幼年期と思春期の男の子における、女性に対する興味の違いが分かりやすく描かれている。

痛みを知り、それとうまく折り合いをつけることが、大人になることなのだ、とも。
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魅せられて(1996年製作の映画)

5.0

母の旧友である彫刻家夫妻の家を訪れる少女の話。

文字通り、男たちが少女に“魅せられて”いくのだが、それも納得のリヴ・タイラーの魅力。

“性”に対するアプローチの上手さは、ベルトルッチの真骨頂。
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ハモンハモン(1992年製作の映画)

4.5

スペインの田舎町を舞台に男女6人が繰り広げる恋愛模様。

みんな心変わりが激しく、ドロドロした関係性になりつつも、不思議と作風はサッパリしている。

動物の使い方、独特なスローモーションが印象的。
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テトリス(2023年製作の映画)

4.5

『テトリス』がいかにして見いだされ、世界中のプレイヤーの手に渡ったか。

ゲームor国家の財産という解釈から、資本主義vs共産主義のスリリングな展開へ。

誠実さと“共通言語”の存在が、互いに氷解を齎
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

4.5

デビッド・ボウイの人生と才能に焦点を当てたドキュメンタリー。

形式も時系列も取っ払って、ボウイ自体を映像で表現することを試みたと解釈。

正直、意味不明な演出もあるが、孤高のアーティストのやることは
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The Son/息子(2022年製作の映画)

5.0

心に闇を抱えた息子に寄り添おうとする父の話。

誰が悪いわけでもないのに息子が病んでいく現状に、皆必死に向き合おうとする姿が只々切ない。

口に出来ない内心が、痛いほど伝わってくる。

近年の映画で、
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仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

4.5

向かいに住む女を覗き見しているうちに恋をし、ある時事件現場を目撃してしまう前科持ちの仕立て屋の話。

ストーカーを行う者と、何故かそれを受け入れる者。

多くは語らずとも、その不思議な心情が伝わってく
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