けんいちさんの映画レビュー・感想・評価

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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.5

『オーメン』の前日譚で、ダミアン誕生にまつわる秘密を明かすホラー映画。

本題からズレているストーリー、CG丸出しの演出、“不適切な”モザイクなど。

総じて、観たかったのは“コレじゃない感ハンパない
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オーメン(1976年製作の映画)

4.5

悪魔の子“ダミアン”に翻弄される人々の恐怖を描く。

意外にも今回が初見。

ストーリー以上に、登場人物そのものから恐怖を感じる(犬も含めて笑)。

加えて、70年代の混沌とした雰囲気がそれに拍車をか
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

エルビス・プレスリーと恋に落ちた少女の話。

2人の出会いから別れまでを、淡々と描く。

少女から母へと変貌を遂げる様を、ケイリー・スピーニーが好演。

ソフィア・コッポラの、特別なポジションにいる女
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

他人の尾行を繰り返す男が思わぬ事件に巻き込まれていく話。

モノクロ映像と仰々しい音楽が、低予算を感じさせない効果を齎している。

時間軸を変化させたり、意外な展開を見せるあたりは、既にノーランっぽさ
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

4.5

精神科医と現代オペラ作曲家の夫婦の話。

時折誰に焦点を当てているのか分からなかったり、説明不足で何をしているのか分からなかったり。

ただ、人物設定とストーリー展開がユニークなお陰で、それらを補って
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

人間が生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界を舞台に描いたアニメ。

抽象画のようなデザインの“魂の世界”が魅力的。

演奏シーンが印象的なミュージシャンの物語も良い。

“大成することも良いけれど、
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クラユカバ(2023年製作の映画)

3.5

集団失踪事件の謎を追って、地下世界に足を踏み入れる私立探偵の話。

『クラメルカガリ』同様のレトロな世界観(同一キャラも登場)は好きだが、ストーリーがイマイチ。

というか、最後まで分かるような分から
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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

4.0

日々迷宮のように変化する炭鉱の町で、地図屋を営む少女の話。

独特な大正ロマンの世界を、紙芝居のような質感のアニメーション映像で。
(メカニックデザインには、『サクラ大戦』を彷彿とさせるものがある)
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

5.0

写真家ナン・ゴールディンの半生と社会活動を追ったドキュメンタリー。

姉の死に色濃く影響を受けた半生と、医療用麻薬オピオイド蔓延の責任を追求する活動の模様とを並行して描く構成。

前者と後者を別々の作
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

5.0

プロレスの道を歩むことになった兄弟の話。

不幸の連鎖を通して、運命とどう向き合うかを描く。

親父が元凶のようにも思えるが、決してそう結論付けない。

終盤の“再会”のシーンが、本作唯一の救い。
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

3.5

「シー・モンスター」と呼ばれる種族の少年が、人間の世界に足を踏み入れる話。

異文化交流がテーマだが、それ以上に“ベスパ愛”が強調されている印象(笑)

終盤の自転車レースは迫力満点。

『受け入れて
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

幼なじみの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間。

ストーリーはシンプルだが、会話の間やちょっとした表情など、演出が極めて秀逸。

韓国映画ともアメリカ映画とも異なる、どこか詩的な映像
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.5

料理への情熱で結ばれた美食家と料理人の愛と人生を描く。

本作に登場する独創的且つ現実的な料理が眼福で、比較的淡白に感じられる人間ドラマに厚みを齎している。

かといって悪目立ちしているわけでもなく、
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愛と哀しみの果て(1985年製作の映画)

4.5

デンマークの資産家の娘と英国の冒険家の恋物語。

アフリカの雄大な映像と相まって、ゆったりとしたテンポと雰囲気が心地良い。
(こういう映画、最近は観られないなあ)

CGではなく本物の動物を使っている
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

地球外からの侵略者と女子高生たちの話。

「コレって、あの映画?」という感想に始まり、後から次々と“オマージュ”が散見。

しかし、独創的な世界観と台詞によりパクり感は無く、寧ろ“再構築”と解釈して楽
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エニイ・ギブン・サンデー(1999年製作の映画)

4.5

アメリカンフットボールに賭ける鬼コーチと選手たちの熱き生きざまを描いたドラマ。

前半はMV的なノリで薄っぺらく感じるが、登場人物それぞれが苦境に立たされる後半からは、ドラマ性が増して俄然面白くなる。
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恋におちて(1984年製作の映画)

3.5

ニューヨークを舞台に、互いに夫、妻をもつ男女の愛を描く。

今や社会派のイメージが強いデニーロとストリープがラブストーリーを演じているのが不思議に思える。

内容は、色々な意味で「80年代ってコレで良
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ナチュラル(1984年製作の映画)

4.5

35才のルーキーとして復活を遂げた大リーガーの半生。

遅咲きするまでではなく、咲いた後を描いている点が珍しい気がする。

野球、恋愛、ミステリーなどがゴチャ混ぜな印象を受けるが、何故か面白い。

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者を題材に描いた歴史映画。

どこに関心を向けるかで、評価(感想)が分かれるであろう内容。

あくまでオッペンハイマーという人物に焦点を当てており、原爆そのものは
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.5

江戸時代の貧乏長屋を舞台に描く身分違いの恋物語。

下肥買いを主要人物に据えている点や、モノクロ映像の中に唐突にカラーを挿入するなど、これまでの時代劇とは一線を画しているのが面白い。

ただ、チャンバ
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春画先生(2023年製作の映画)

4.0

江戸文化の裏の華である「春画」に魅せられた人々の話。

春画を通して表現や解釈のみならず、男女関係の自由も説く異色のラブストーリー。

倫理観に反するような変質的な登場人物達が、実に魅力的。

中でも
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

5.0

続編は、全てを一瞬で凍らせる史上最強のゴーストとの戦い。

前置きが長いのとラストが呆気ないことは否めないが、前作より娯楽性が増して派手になり、とにかく楽しい。

思春期問題と悲しきゴーストのエピソー
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劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

4.5

テレビシリーズの内、宮崎駿演出作品を4作抜粋したもの。

この4作品に宮崎駿の全てが詰まっているような印象。

軽妙なセリフや派手なアクションの中に、さり気無く英国紳士の所作やマナーを忍ばせる粋な演出
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.0

中絶を手助けしたとされる団体の実話ベースのドラマ。

複雑な社会的背景とリアルな堕胎シーンとは対照的に、ポップな楽曲など軽い演出にしているのは、あまり重く受け取らないでほしいという作り手の想いと解釈。
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セント・エルモス・ファイアー(1985年製作の映画)

4.5

名門大学をそろって卒業した7人の若者のそれぞれの人生を描く青春群像劇。

バブル時代のトレンディドラマの元ネタと言われている作品。

ドロドロの男女関係も、80年代の雰囲気が全てを帳消しに(笑)

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ガンジー(1982年製作の映画)

5.0

インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーの波乱に満ちた生涯。

彼の人間性を描くには3時間という時間はあまりにも短過ぎるが、その偉大な功績を伝えるには十分であり、それだけで鑑賞する価値がある。

にし
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.0

ある日突然レッサーパンダに変身してしまった少女の話。

親離れ・子離れをテーマとし、思春期の悶々とした心境をレッサーパンダで表現してしている点がユニーク。

作画や音楽も良い意味でディズニーらしくなく
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

続編は、アトレイデス家とハルコンネン家の戦い。

話が領地の支配から唐突に宗教的な内容になって、何が何だか?

世界観は見事だが、それと面白さとは別。

前作よりは楽しめたが、前作同様やはり私の趣味に
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ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

5.0

シリーズ最終章は、王の帰還と宿命の対決。

前2作を上回るエモーショナルな物語と迫力あるアクション。

権力に拘るが故に病んでいくところや、大軍vs大軍のバトルシーンなど、『LOTR 二つの塔』を彷彿
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ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

5.0

シリーズ第2弾は、“はぐれ山”に辿り着くまでの旅路。

激流酒樽下り、よく喋るドラゴン、異常に強くて華があるオーランド・ブルームなど、前作以上に見せ場が盛り込まれている。

そして、「そこで終わるんか
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ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

5.0

LOTRの前日談の第1部は、ドワーフ達共に旅立つホビットの話。

久しぶりの劇場鑑賞。

公開当時はLOTRとの比較であまり良い印象を持っていなかったが、壮大な風景と派手なバトルだけでなく、会話のシー
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COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

4.0

ロック界を代表するドラマーたちにスポットをあてたドキュメンタリー。

登場するドラマーには皆、誰かしら影響を与えられたドラマーがおり、それを過去のライブや映画などの映像を交えてテンポ良く見せていく。
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ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)

4.0

高級娼館に娼婦として潜入した女流作家の話。

実話ベースの小説が原作。

『ミイラ取りがミイラになる』展開も、仕事とプライベートに区別がつくことで真の愛に辿り着く。

職業の貴賤や、女性が社会から受け
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エマニエル夫人 4Kレストア版(1974年製作の映画)

4.5

夫の赴任先バンコクで性の悦びに目覚めていく女性の話。

主人公が色々な人物に導かれ、性の探究をしていく流れは、どこかキューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』を彷彿とさせる。

有名なテーマ曲、バン
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エイリアン(1979年製作の映画)

5.0

ある惑星で異星人の宇宙船を調査する乗組員達の話。

やはり、エイリアンのデザインと存在感は唯一無二。

登場シーンは少ないながら、船内の閉塞感と船員が一人一人いなくなっていく展開で、終始緊張感を保って
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陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

4.0

偶然知り合った美しい女に翻弄される劇作家の話。

『ツィゴイネルワイゼン』以上に意味不明。

ただ、要所要所にハッとさせられる画があり、鬼才と呼ばれる人の頭の中をそのまま見せてもらったと思えば、まあ納
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