シュウさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

35年以上前に衰退した未来感とアンドロイドの尊厳の問題を扱った問題提起をこのような形でしたのは素晴らしい。

リックとロイの対比を通して描かれる人間の愚かさ
人間は自分たちの都合で作り出したレプリカン
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.7

完全に対極な二人の物語

最初はシャーリーがトニーの無知さ、粗雑さにうんざりして
それを諭し、教育しようとする

しかしトニーは世の中を知っている
人間を知っている
「世界は複雑である」ということを知
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.6

人類の偉業を背負った一人間としてのニールの内面にフォーカスを当てて描かれた作品

英雄と崇められる彼も当然ながら一人間。
生身の人間としての彼が、この大きなミッションに、そして家族に、社会にどう向き合
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地球が静止する日(2008年製作の映画)

1.8

映画館で10年近く前に見た記憶

見てるこっちが静止するくらい、衝撃のつまらなさだった印象

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

4.3

ブランキージェットシティの歌詞に出てきて見た。10年以上前

凄く暖かい気持ちになった記憶

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

4.0

映像は素晴らしかった
バトルシーンも最高。カッコ良い。

最初はアリータに違和感があったが、最後には完全に溶け込んでいた。

ただ原作ありきのためか、映画だけ見ると世界観の作り込みに深みがなく、ストー
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.8

家族が過ごす楽しい日常、とても瑞々しさに溢れる日々
それぞれの役者さんが本当に素晴らしかった。本当の家族のようなやりとり
おそらくそれを引き出した監督の手腕が大きいのだろうが

しかし、その生活はあま
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.8

不朽の名作

ナウシカとユパ様の人や自然との接し方
物事の納め方

支配せず、
理不尽に屈しず、
真の方向へ物事を動かしていく様は素晴らしい

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.6

子育てについて考えさせられる

彼女のギフト(才能)を生かしたいという祖母の思いも
その押し付けを嫌がりふつうに育ちたいという叔父の思いも
共に理解できる

ただやっかいなのは、共に彼女の母の影を見て
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わが母の記(2011年製作の映画)

4.1

親と子の関係が時間軸でどのように変わっていくのかが丁寧に描かれている

主演3名の演技が本当に素晴らしかった

息子におぶられる樹木希林の表情、涙が自然に溢れた

父としての自分、子としての自分
どち
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.7

無駄なく丁寧な描写で内容にグイグイ引き込まれる
シンプルに、ストレートに、深く物語の本質にフォーカスする

犯人にとって最も救いがなかったのは
自分の極の存在として憎んでいた権藤が人格者であり
彼と向
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ガンモ(1997年製作の映画)

2.0

園子温監督が書籍でダーレンアロノフスキーと並べてハーモニーコリンの名前を挙げていたので鑑賞

絶望感しかない町の絶望的な人々の様子をただ描いた作品

本当にこんな町があるのかと、かなりショッキングな気
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.5

とても心温まる映画

主演の二人が本当の親子と後から知って驚き
だから二人の間にあんなに安心感が見えたのかと納得

羅生門(1950年製作の映画)

4.5

人の本質をあぶり出す作品

人は本質的に矛盾を孕んでいるものであり、
どちらも真実である
しかし、その矛盾を自分にも見てしまった時に
自分自身すらもよくわからなくなる

真実を知る彼からすれば、なぜそ
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イルマーレ(2006年製作の映画)

4.1

昔見た。
内容はぼんやりとしか覚えてないが非常に切なく儚い記憶と共になぜか印象に残っている

スピード(1994年製作の映画)

4.5

遠い昔に家族で映画館で見て、その映像体験に衝撃を受けた記憶

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.5

ほとんど実話という狂気

経済というOSが、どれだけの狂気の土台の上に成り立っているか、という側面を見せつけられる

映画として面白おかしく見れるが、これが現実にお金をまわしている人達の実態(あくまで
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.7

男女それぞれの夢を叶えるためのサクセスストーリーを、恋愛を絡めながら描く

話としては王道なのだけど、見終わった後に最高に気持ちよく、幸せな気分になれる

自分が何を大事に人生を選択してきたか
別の選
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東京物語(1953年製作の映画)

4.3

近代科学が作り出した生活形態、その象徴としての"東京"が、人から何を奪ってしまったのかを、丁寧な描写で描いている

日本人の奥ゆかしさ、謙虚さ
それが作り出している奥底のドロドロとした部分
それを、そ
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七人の侍(1954年製作の映画)

5.0

もはやほかの作品と同列で評価して良いのかわからない

冒頭のシーンから人間のエネルギーが溢れ出ている

脆くもあり図太くもある
美しくもあり醜くもある
優しくもあり残酷でもある

人の中にある矛盾した
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ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

4.2

自分と、自分の身内を正当化し、そこに対して不必要な要素を全て排除していく者

他者を貶める共犯となることで仲間意識を醸成し、そこから抜け出す者を貶めることで気持ちを発散する者

一方で
自分の醜態を社
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ファウンテン 永遠につづく愛(2006年製作の映画)

3.5

本筋の話しはシンプル

それに付随させて何か大きな問題意識を訴えようと崇高な映像が続くが、キリスト教への理解の乏しさもあり、そこは理解できなかった。

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.7

外界から隔離された病棟の中で、日々規則に従って生き心を奪われてしまった男たちが、マックという感情むき出しの人間と出会うことで人間らしさを取り戻していく。

日々を楽しむこと
規則よりも感情に従って生き
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

4.3

4者4様の悲劇的結末

精神と肉体の痛みを表現するのが本当にうまい監督

終盤に向けて堕ちていくシーンはただただ見入ってしまった

依存して破滅していく恐ろしさをこれ以上ない形で表現している

そして
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苦役列車(2012年製作の映画)

3.8

人とうまくいかない理由を他者に押し付け
被害者意識に頼って生きていく

ただ実は寄り添ってくる人がいても
それを遠ざけているのは全て自分

全てを失い淡々とした毎日を変えたのは
過去の自分が馬鹿にした
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.0

人と接することで人を傷つけてしまう怖さ

それを乗り越えてありのままで人と関われる関係を作っていく素晴らしさ

魔法という設定で、そのプロセスを浮き上がらせている良作

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.7

久しぶりの恋愛映画

愛の瑞々しさが溢れている作品だった

が、恋愛が中心軸となっている映画は、今の自分は求めていないらしい

マザー!(2017年製作の映画)

4.8

クリエイティビティを発揮する人間の狂気性、そして子を産む母のエネルギーを極端な表現で描ききっている

全く咀嚼しきれていないが、不愉快極まりなく、心の奥底をえぐられるような表現の数々にとにかく圧倒され
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何者(2016年製作の映画)

3.7

今を生きることに全力を傾けられる者と、
うまく乗り切ろうとして今に向き合えない者

自然体で全力でぶつかれる者と
取り繕うという向き合い方しかできない者

気づいた時に修正できる素直さをもつ者と
いつ
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愚行録(2017年製作の映画)

4.5

日常に潜む愚行を、冒頭から見せつけられる

堂々と開き直って愚行をなすものが最も正常に見える

物語の傍観者として最も客観的に世界を見ていた者が、実は日常の人生の一部のように淡々と愚行を繰り返していた
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.2

なんの説明もなく、戦争体験に急に放り込まれる

感情の描写もなく、淡々と人が死んでいく

敵の姿も見えず、恐怖に陥れられて、極限状態で仲間同士の諍いが始まる

多くの命を救う一方で、あっさりと命が奪わ
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祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

4.1

嘘は真実の影
嘘が映すのは人の心そのもの

嘘を土台にした人生は
一つの綻びで崩れてしまうほど弱く
その綻びを表に出さないよう
常に注意深く生きる必要がある

その繊細さ、儚さがあるからこそ
人の心が
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.4

いくら努力しても抜け出せない市井の人々の辛い日常
行き場のない人生を生きる人々のリアルな現実に胸が痛くなる

その弱みをわかった上で喰い物にする人間の残酷さ

見て見ないフリをする人間たち

それがで
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