エドワード・ヤンも指摘したように、おおかたの映画では、ラストでヒロインの高峰秀子をメロドラマチックに処理して、感情を弄ぶチャンスとする。ここで普通、監督は独自性を発揮し、作品に署名する。しかし、成瀬は>>続きを読む
アルジェリア独立から、たった4年後の作品であるがゆえ、画面に緊張感が残っている。FLNを正義の味方とせずに、スケールの大きな歴史的な物語として、そこにある事実として描く。ドキュメンタリー出身のポンテコ>>続きを読む
音が断絶し、意図せずとも二人だけの空間となるラスト。自分の虚像とも言える相手との断片的に聞こえてくる会話の中には、所々に「君」などの人称代名詞。人間のアイデンティティを主題とした作品に相応しいフィナー>>続きを読む