たくさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

3.7

麻薬取引の裏で繰り広げられるある人物の復讐劇を描くクライムアクション。ド派手なアクションと分かりやすいBGMがかなりエンタメに傾いた演出で楽しめたけど、何も残らないっちゃ残らない。
ドニー・イェンらし
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スパイダーマン(2002年製作の映画)

3.8

「ノー・ウェイ・ホーム」の事前学習のため未見の本作を鑑賞。普通に面白かった!

偶然から特殊能力を得たピーターが力の大きさに伴う責任を自覚していく成長物語になってて、慈善を行う一方で捏造報道から犯罪者
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.8

巨大彗星の地球衝突が政治とカネに利用される様子を皮肉たっぷりに描くコメディで、彗星を発見した大学院生と天文学者の話を深刻な危機と受け止めない政治家が完全に狂ってた。彗星をビジネスに利用しようとするIT>>続きを読む

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.8

観応えのある薬害訴訟劇だった。何より自分の身体も無関係ではない現在進行形の話ってところがゾッとする。「キャロル」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督で、主演のマーク・ラファロがプロデューサーに名>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

すごく良かった!
日常における偶然の出会いが人生を思わぬ方向に向けるこの世の不思議な摂理みたいな3話オムニバス。濱口竜介監督は「寝ても覚めても」で捉え難い人の心を描いて怖かったんだけど、本作では直接知
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.6

「ベニスに死す」で一世を風靡したビョルン・アンドレセンの現在の生活と過去の経緯を交互に追うドキュメンタリー。「ミッド・サマー」での変わり果てた姿に驚いた記憶があるけど、それは「ベニスに死す」以来の出演>>続きを読む

雨とあなたの物語(2021年製作の映画)

4.0

良かった!いわゆる難病系ラブストーリーなんだけど、お涙ちょうだいになってないところに脚本のセンスを感じた。時間軸を細かく錯綜させる見せ方が凝ってて、うかうかしてると置いてけぼりを食らう。

小学校の運
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クナシリ(2019年製作の映画)

3.6

1945年からロシアが実効支配してる国後島の現状を描くドキュメンタリーで、島の荒廃した様子とそこにひっそり暮らす人々を淡々と写していくカメラが印象的。

かつて日本人が住んでた頃に残した文化は日本人の
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.5

前作よりエディとヴェノムのイチャイチャ度が増しててなかなか楽しめたんだけど、何も残らないっちゃ残らない。

ヴェノムとの共生を始めたエディがヴェノムの協力によって凶悪犯罪を解決するところから、それによ
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青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

3.6

フリッツ・ラング監督1953年作品。
恋人に振られた腹いせにナンパされた男とデートした女性が、酔って記憶をなくした翌日にその男が死んでた展開。果たして泥酔した彼女がその男に迫られた末に自分の身を守るた
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.7

介護ビジネスの闇を描いてて、老人を無理やり病人に仕立てて後見人を付けた上で財産を毟り取る話に、こないだのブリトニー・スピアーズ裁判を思い出した。
「ゴーン・ガール」「プライヴェート・ウォー」など鋼鉄の
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GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

4.0

驚異的な映像だった。
母豚のGUNDAとその子豚を中心に動物たちの生態を捉えた映像と自然音のみのドキュメンタリーで、モノクロの高精細な映像美から動物たちの繊細な感情が伝わってくるように感じた。ホアキン
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

エドガー・ライト監督最新作。
数々の60年代懐かしのナンバーが登場人物の心情を綴っていくところがオールドファン垂涎な感じなんだけど、自分は「恋のダウンタウン」以外知ってる曲がなくて、特に予習もしなかっ
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道化師の夜(1953年製作の映画)

3.7

イングマール・ベルイマン監督1953年作品。サーカス団での痴情のもつれというプロットが小津安二郎の「浮草物語」(1934年)と似てて驚いたんだけど、インスパイアされたんだろうか。

冒頭の移動中のサー
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巴里の空の下セーヌは流れる(1951年製作の映画)

3.9

パリを舞台に様々な人々がちょっとずつ絡みあう一日を描く群像劇で、滑らかなカメラワークと編集が素晴らしかった。ルーレットを回してその一日の中で接点を持つ人々を選ぶ神視点のナレーションがある意味悪趣味で、>>続きを読む

成れの果て(2021年製作の映画)

3.5

何だか気まずいコントを見てるみたいだった。加害者と被害者が思わぬ縁で繋がるのは成瀬巳喜男の「乱れ雲」と似てるけど、本作は設定にちょっと無理があるように感じた。

姉の婚約者が妹にとって絶対に許せない人
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ面白かった!
殺し屋が普通の職業みたく描かれる不条理な世界線で、殺しのシーン以外がほぼ二人の女子のユルい日常というギャップが最高にハマってた。ちょっとステレオタイプなヤクザのボスが、「オー
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.0

面白かった!
偶然が偶然を呼んである悲劇を招く緻密な伏線の構成が上手くて、ちょっと内田けんじみたいだった。同じ時間軸の出来事を人名によるチャプター仕立てでそれぞれの主観で見せて行くパターンで、こういう
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拳銃貸します(1942年製作の映画)

3.5

雇い主にハメられた殺し屋が逃亡劇の渦中で彼を追う警官の恋人と偶然出会うフィルム・ノワール。雇い主にハシゴを外されるのはトム・クルーズの「バリー・シール」とか、ジャン・ポール・ベルモンドの「プロフェッシ>>続きを読む

一日だけの淑女(1933年製作の映画)

3.8

フランク・キャプラ監督といえばハート・ウォーミング映画の名手ってイメージで、はるか昔に観た「ポケット一杯の幸福」っぽいなーと思って調べたら本作のセルフリメイクと知って驚いた。

ニューヨークでリンゴ売
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.7

「ウォール・フラワー」「ワンダー君は太陽」のスティーブン・チョボスキー監督最新作。心に問題を抱えた高校生男子が悪意のない嘘からかりそめの幸せを味わうミュージカルで、エヴァンの引っ込み思案キャラが「ウォ>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

3.8

トランスジェンダーのサシャが、様々な偏見を受けながら家族の愛に包まれて女の子として前に進んでいくドキュメンタリーにジーンと来た。LGBTを題材とした作品は数多あるし、最近の映画はちょっと行き過ぎなくら>>続きを読む

やさしい女(1969年製作の映画)

3.6

ドストエフスキー原作、ロベール・ブレッソン監督作のデジタル・リマスター上映版。相変わらず説明や感情を極力排したブレッソン風で、本作においては夫婦の気まずさを表すのにこの演出がハマってた。やたらと自動車>>続きを読む

らせん階段(1946年製作の映画)

3.6

障がい者を狙った連続殺人事件と大富豪の屋敷で展開する人間模様がリンクしていくミステリー。使用人の失語症のヘレンが死期を前にした奥様に目をかけられてる感じがちょっと「ナイブズ・アウト」のアナ・デ・アルマ>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.9

ジョナサン・ラーソンのことは全く知らず、代表作「レント」も題名しか聞いた事なかったんだけど、素晴らしいミュージカルだった。ジョナサン自身が舞台で弾き語りながら物語が展開していくという変わった構成になっ>>続きを読む

これは君の闘争だ(2019年製作の映画)

3.7

ブラジルを舞台に、2013年の公共交通機関の運賃値下げデモを発端として国内に反政府運動の気運が高まって行く様子を描いたドキュメンタリー。2015年に高校生が起こした反学校再編法案の大規模な学校占拠がブ>>続きを読む

ドーナツキング(2020年製作の映画)

3.6

アメリカのドーナツ店の9割をカンボジア人経営者が占めるに至った基礎を作り、その功績から「ドーナツキング」と称えられたテッド・ノイの破天荒な半生を追うドキュメンタリー。リドリー・スコットがプロデューサー>>続きを読む

意のままに(2021年製作の映画)

3.4

鬱々とした日々をサイコセラピーで克服しようとする女性がそのセラピストに支配されていく話で、なかなか面白かったけど雑な部分も散見された。原題の"hypnotic"はそのまま「催眠術の」って意味で、邦題か>>続きを読む

皮膚を売った男(2020年製作の映画)

3.7

シリア人青年が恋人と結ばれるための不用意な政治的発言から苦境に陥り、そこから脱するために自らの身体を芸術品として売る話。現実にはありえない筋書きが寓話的だった。

全編を貫くのが「一途に愛する人といか
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アナタハン(1953年製作の映画)

3.3

第二次世界大戦の終戦直前にアメリカ軍の攻撃に煽られてマリアナ諸島のアナタハン島へ漂着した日本人の話で、「アナタハン事件」として知られる実話が基になってるんだね。「離島に漂着した男たちと一人の女」という>>続きを読む

君が最後の初恋(2021年製作の映画)

3.6

ベッタベタな昭和っぽい恋愛モノで引いたんだけど、最後まで観るとちゃんとまとまってた。自暴自棄な感じに生きてる借金取りの男が清楚な銀行員の女性に一目惚れして猛烈アタックしていく話で、父親との感情的なつな>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.7

ジェームズ・ワン監督の最新作で、なかなか面白かった。攻めたタイトルクレジットからB級臭プンプンで、先の読めない展開にワクワクしたし、終盤のスプラッター的なチープさも良かった。

冒頭のホラー演出がYo
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僕らの先にある道(2018年製作の映画)

3.8

NETFLIXオリジナル。偶然出会った男女が恋愛を通して互いに成長する話にジーンときた。父親が重要な役として登場するのは昨日観た「花椒の味」に通ずるところがあり、物語に深みを添えてた。

自作ゲームで
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花椒の味(2019年製作の映画)

3.7

三人の異母姉妹が父の死をきっかけにそれぞれの親類との関係を見つめ直していく成長物語。ほのぼのした雰囲気のなかに、長女のユーシューが父との過去の記憶を客観視点で見つめていく視線が胸に迫ってジーンときた。>>続きを読む

幻の女(1944年製作の映画)

3.5

アリバイとなる女性がほんとうに存在したのかどうかというミステリーが展開して、秘書が密かに思いを寄せる男性に尽くすのが「サボテンの花」的な感じだった。
この時代の映画にサイコパスが登場するのはかなり斬新
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.8

ネタバレ厳禁な作品で、前情報一切無しに観たので楽しめた。

冒頭で示される「過去は決して死なないし、過ぎ去りもしない」というフォークナーの言葉と、題名の文字の一部が反転してるのが本作のプロットに関係し
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