ジェフリーハラダさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジェフリーハラダ

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君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)

3.7

タイトルやヴィジュアルから王道の青春ラブストーリーかと思いきや、並行世界やその理論的バックボーンとなる虚質科学の長台詞などあり、見ごたえのあるSFだった。
こちらを先に見てから、『僕が愛したすべての君
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

中世のフランスが舞台の実話ものなのに、主役級がマット・デイモンやベン・アフレックで、英語で話してるところに違和感があったものの、2時間半、目が離せなかった。
『羅生門』や『カジノ』のように、3人の人物
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

『悪なき殺人』の監督ということで期待通りの重厚なミステリー。未解決の実際の事件がベースなので、すっきりとした結末があるわけではない。
だが、証人が隠し事をしたり、被害者が善人でもなかったり、次々と容疑
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.5

試写で見せて頂いた。クルド系の音楽家の子に生まれ、フランス、ドイツへと移住し、麻薬の売人になった主人公。
金塊強盗で投獄された塀のなかで、ラッパーとして生まれ変わるまでの劇的な実話を映画化。
民族音楽
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.7

映画館で鑑賞。大海洋でくり広げられる、マーベルならではのノンストップ・アクションなのだが、メインは反発しながら助けあう兄弟の物語。
ラストにもあるが、現代の文明と隣接してある海中のアトランティスという
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

オンライン試写でひと足先に。去年のカンヌでパルム・ドールとのこと。
フランスの雪山を舞台にしたミステリーで、後半は法廷ドラマ。2時間半ぐいぐい引き込まれるプロットだが、原作物ではない。
鍵は盲目の息子
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岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

3.5

東日本大震災で家族を失った少女たちが、親切なおばあちゃんとふしぎな古民家で共同生活
『遠野物語』にでてくるマヨイガの伝承がベース
後半は東北の妖怪たちがゾロゾ
前半のヒーリングな物語から、後半へのファ
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街は誰のもの?(2021年製作の映画)

3.8

サンパウロやリオなどのグラフィティ・アーティストらに取材。違法行為であると同時に、アートの社会参加である様を、スケーターやデモと共に路上の人たちの視点から描く。
民族誌的なドキュメンタリーの好編。

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.7

年91歳で主演・監督。落ちぶれたロデオスターが、雇い主の息子をメキシコから連れてくることを依頼される
『運び屋』に近いが、頑な老人が、他者のメキシコの若者や女性に出会い、心を開く物語は『グラン・トリノ
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夢のアンデス(2019年製作の映画)

3.7

『光のノスタルジア』は砂漠がテーマだが、今回はアンデスの山々が歴史の証人
人生を回顧し、73年にピノチェトのクーデターが与えた衝撃を映像、写真、独白、インタビューで映像化
チリに留まり、カメラで抵抗を
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大地と白い雲(2019年製作の映画)

3.8


中国の内モンゴルの草原で暮らす若夫婦。夫はしばしば街へと出かけ、妻は伝統的な暮らしを保持したい、愛し合いつつも心がすれ違い…

広大な風景のなかで、現代のモンゴル族の葛藤が描かれる。静かな展開である
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

女子高生のいじめ自殺事件を取材するTVディレクターの由宇子。父の学習塾も手伝うが、そこである事件が起きる
敏腕のドキュメンタリーの作り手が、逆に追い詰められ。撮影の倫理、取材とは何か、ハラスメントなど
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.5

16ミリフィルムのモノクロがN Yインディーズならではで、心震える!
大人による虐待から姉妹が逃避行するロードムービーだが、その過酷さは80年代ではなく、現代のもの
時おり挟まれるパートカラーに救われ
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THE MOLE(ザ・モール)(2020年製作の映画)

4.2

デンマークの料理人が、スペインの北朝鮮文化交流団に接触。そこから10年スパイとして潜入し、北朝鮮訪問だけでなく、その武器輸出や麻薬取引を仲介する…

本当にやばいドキュメントだが、目が離せない。監督と
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理大囲城(2020年製作の映画)

4.0

外では市民のストライキ、香港理工大学の内には民主派の学生が集結
警察がキャンパスを囲み、学生は火炎瓶で対抗するが、物資は欠乏していく。投降か留まるか揺れる学生たちの議論
2年前まで確かに自由はあった

恋する寄生虫(2021年製作の映画)

3.0

潔癖症な青年が、視線恐怖症で不登校の女子高生を預かることに。弱さや怖さを隠すために突っぱる小松菜奈に、次第に惹かれるようになる。
小説原作の一風変わったボーイミールガール。コロナ時代の「社会的距離」が
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.8

アピチャッポンの『メモリア』をTIFFで見終わり、3日目でじわじわ
アマゾン地域ですべての記憶をもつ男と出会い、奇病を抱えるティルダが媒体となり、土地が持つ軍政による暴力や、モノが持つ記憶を「聴く」シ
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