Joeさんの映画レビュー・感想・評価

Joe

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片思い世界(2025年製作の映画)

4.2

話で魅せるか、役者で魅せるか、競い合う。

試写で拝見。広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんという3人が同じ家できゃっきゃするだけで全てが許されるのですけれど、そこに坂元裕二さんの脚本です。期待値が
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.3

英国領時代の香港で肉弾戦。

これは劇場の大きなスクリーンと音響で楽しみたい作品。殴り合いが好きじゃない人でも、これは挑戦の価値アリです。

1980年前ぐらいの香港。チカラでマフィア的な勢力争いをし
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ショウタイムセブン(2025年製作の映画)

3.8

見せ物。

テレビニュースの看板番組で阿部寛さん演じるアナウンサーが脅迫相手とリアルタイムに対峙する。

序盤の展開はテンポ良く、多少の嘘も飲み込めます。でも、全般的に嘘が下手で、腕力で話を成立させに
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(2025年製作の映画)

3.9

奇っ怪。

権威ある元文学教授の引退シングル生活に敵がやってくる。

ジャンルずらしの作品。余生を一軒家で過ごす主人公。朝食を作り、歯を磨き、買い物をする。変わり映えのない日々の営みが描かれます。この
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.1

とにかく上手い。

期待値が上がってしまう中、それを軽々と上回ってくる上手さ。ある意味で感動をも上回ってしまうのが悔しいと言いましょうか。情が揺さぶられるところを、ツクリの上手さにスゴイと思う方が勝っ
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.0

キラキラとワクワク

話題作ということで、予備知識なく拝見。とにかく展開がコンパクト、早い。よくわからなくても最後まで見入ってしまう濃厚さでした。

映像美、センスの良さが光ります。色づかい、動き、タ
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サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

4.6

期待に応える嬉しい話

震災のあと、コロナ禍を迎えた東北の自然豊かな地域に、東京のサラリーマンが居を構えることから、借り手と借主として始まる人のつながりのお話。

半ば強引な展開が楽しめるかどうかが、
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劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)

4.0

腹が、減った。

スーツのおじさんがひとりで外食する作品の劇場版。果たして、2時間近く、どう楽しませてくれるのか、未知数でした。とにかく展開が丁寧なのにコンパクト、漫画みたいな流れで、原作が漫画なのを
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室町無頼(2024年製作の映画)

4.7

すごいです(語彙力…)

社会性とエンタメを両立した上で群衆やアクションを見せる事に真摯な、室町時代の反権力騒動記。

最も感動したのは、不作・飢饉の中で、特権階級が虐げられる民に更に重課税するような
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嗤う蟲(2024年製作の映画)

4.2

トモロヲさんが持っていく。

田舎の村に移住した夫妻が、恐ろしき村の掟に巻き込まれるお話。派手さや不思議さが少なくて、評価が上がりにくいと思います。でも、村の秘密や住民の行動、主人公に巻き起こることは
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夜のまにまに(2023年製作の映画)

3.7

日常テイストのフィクション

現代の大阪で、普通に暮らしてそうに見えるのですけれど、ひとつひとつ、あり得ない振る舞いばかりです。ノンフィクション風コントと言えばいいでしょうか。スクリーンで見たいシーン
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私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

4.0

楽しい作品。

売れない小説家が大家の先生や編集者と絡み合いながら成功する楽しいコメディ。お話もテンポも良く、滝藤賢一さんのボケとツッコミ具合、良いです。田中圭さんの揺るぎない存在感もバッチリでした。
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ありきたりな言葉じゃなくて(2024年製作の映画)

3.0

嘘は難しい。

テレビドラマの脚本家デビューを目の前に、ひと波乱起こる作家志望者の話。現実・現代を舞台に、起こりそうな、あってもおかしくないお話が展開します。そこの入りはとても嬉しいです。その一方で、
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

3.5

正直、謝りたい。

コンディションを整えてないと楽しめない作品。残念ながら入っていけず、強烈な眠気と闘いながら見ることになりました。当然、こちらが悪い話ですが、冒頭、辛抱強く付き合えるかどうかがカギと
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オアシス(2024年製作の映画)

3.9

幼なじみ3人の行き場のない世界。

予備知識ゼロで拝見しました。清水尋也さんがカッコいいんです。悪い組織に染まった幼なじみたちの因果な境遇。勢力争いの渦中に身を置いてしまうことになり、脅し殴り刺しの暴
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

3.2

独立した映画にしてあると言えば聞こえが良いけれど、これだけ観る人はほとんど居ないと思うと、「そうじゃないだろ」感が強い作品。

これは不満が募ります。「踊る」シリーズをリブートする目的がほとんどです。
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まる(2024年製作の映画)

4.4

寿司が食べたい!

とても面白い作品でした。予備知識ゼロで見ました、正解でした。役者さんとあらすじから出てくる期待値とはズレること必至と思いました。

主題は仏教的です。作家・職人を通した格差のような
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.9

旅と青春。

変化球がほとんど無い、青春とノスタルジー。言語の壁で感動させることもなく、逆にもったいないとすら思わせられるストレートな青春の思い出です。深く語るような作風ではなくて、好印象。

バイク
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室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

3.8

前編だけでスコアは難しい作品。

とは言え、わざわざ前半だけで作品として上映するのは承知の上と思うと、酷評もあると思います。懐かしさで2時間見てられましたけれど、楽しさも面白さも次作に持ち越しでしょう
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石がある(2022年製作の映画)

4.1

映像を作っている人向け作品。二度見る勇気が湧きません。

事前に、河原で水切りしてるオッサンと川を上るらしいと聞いて、覚悟して望みました。入って行けなかったらどうしよう。集中力が持たなかったらどうしよ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

しんどい。

思春期だったころに父とバカンスを過ごした記録がビデオに残っていて、成人した今、娘が見返すという構成。構成で枠組みを提示したあとは、抽象に次ぐ抽象で、具体はアップを多用して見せつけるので、
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.4

大人向けファンタジー

奇才の映像がこれでもかと堪能できました。あらすじを言っても、この作品を語るには全く足りません。ちょっと人を選ぶと思いますけれど、英語圏の妖怪ものと考えて見ると、伝わりやすいでし
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

誰なんだ。

待ってました、黒沢清監督の娯楽作。面白くて笑えて、スリリング。

まず、ヒゲの菅田将暉さんが良いです。冒頭から、ライトに倒産品みたいなモノを買い叩くのですが、まさかあとで出てくるとは笑。
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.7

ひとつの発明

パソコンの画面を使ってシーンが作られている発明的な作品。よく作ってあって賛美を送りたいですけれど、お話として面白いかと言うと、どうでしょうか。構成や展開に破綻もなく、よく考えられている
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.0

ハラハラドキドキ

記憶からほとんど抜け落ちてしまっていて、改めて見ました。

冒頭、被害が出るところや、観光地のかき入れどきだから、サメ騒ぎを隠そうとするところ、秀逸です。この導入があって、懸賞金目
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とりつくしま(2024年製作の映画)

3.8

おそらく見る人を選ぶ作品。

丁寧で質の良さがそこかしこに溢れています。ただ、設定と構成、表現したいトーンは受け止められる、いや、受け止めたいのですけれど、これはなかなか入っていけませんよ。この作品の
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.0

親近感とパッションが溢れる作品。

侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてくるという、仕掛けが面白いです。そして主演の山口馬木也さんと脚本がすこぶる良いです。太秦、東映京都撮影所の時代劇のバックグ
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.3

ヘルシンキ、ヘルシンキ。

なにも考えず、求めず、約2時間を過ごす。そういう作品でした。この企画でこのキャスティングにのけ反りました。

変化球。

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

監督が作りたいもの作った感が強い作品。

偶発的なブッ込みシーンや演出が醸し出す、言葉にし難い「!」、センス・オブ・ワンダーにあふれる山中瑶子監督。作り手ほど目を見張る映像の数々なのでしょう。冒頭の喫
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ブルーピリオド(2024年製作の映画)

3.8

美大受験を描いた青春。

芸大受験の難しさと、同じ受験生たちとの関わりを軸にして、主人公の進路の決断や頑張りが現されています。

芸大志望者たちの姿、競争率の高い東京芸大、ここに面白さが集まっています
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きみの色(2024年製作の映画)

3.9

絵本みたいな作品。

長崎を舞台に、高校生3人がバンド組む話です。タイトルどおり、主人公は人や気持ちが色で見えるという不思議な感覚を持っていて、その一人称の描き方は好きなのですが、その影響で3人の話に
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.4

古典のように洗練されたお話。

ずっと見られずにいた作品で、黒沢清監督の「chime」を劇場で見たあと、やっと配信で拝見しました。

話がとても秀逸で、主人公が夫との想いと計画を進めた結果、そういう行
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Chime(2024年製作の映画)

4.1

夏に冷や汗を感じる作品。

黒沢清監督作品。冒頭から「変」「おかしい」が続きます。日常の中に潜り込む狂気。コントにならないのがスゴイです。

「CURE」ファンに向けて作ってくれたのかと思うシーンの数
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.4

面白いけど、過去ドラマ作の人物が出てくるのは、卑怯。
どう見てもAmazon物流センターを舞台にしたミステリーサスペンス。Amazonとは言ってませんけれども。

そして「そうじゃないかと思ってた」こ
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

金子さんの思いを受け止める2時間。

もう20年以上経ったのですね。ファイル交換ソフトと呼ばれていた、ピアツーピア技術を活かした「Winny」。開発者の金子さんが捕まる顛末から、一審で有罪判決を受ける
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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.3

ストレートに面白い。

冒頭から上手すぎます。キャラクターも状況も盛り込みながら、目を見張るテンポと画づくり、センスあるビジュアルで一気に作品に誘われます。出来そうに見えて、玄人にしか作れないイントロ
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