Joeさんの映画レビュー・感想・評価

Joe

Joe

室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

3.2

独立した映画にしてあると言えば聞こえが良いけれど、これだけ観る人はほとんど居ないと思うと、「そうじゃないだろ」感が強い作品。

これは不満が募ります。「踊る」シリーズをリブートする目的がほとんどです。
>>続きを読む

まる(2024年製作の映画)

4.4

寿司が食べたい!

とても面白い作品でした。予備知識ゼロで見ました、正解でした。役者さんとあらすじから出てくる期待値とはズレること必至と思いました。

主題は仏教的です。作家・職人を通した格差のような
>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.9

旅と青春。

変化球がほとんど無い、青春とノスタルジー。言語の壁で感動させることもなく、逆にもったいないとすら思わせられるストレートな青春の思い出です。深く語るような作風ではなくて、好印象。

バイク
>>続きを読む

室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

3.8

前編だけでスコアは難しい作品。

とは言え、わざわざ前半だけで作品として上映するのは承知の上と思うと、酷評もあると思います。懐かしさで2時間見てられましたけれど、楽しさも面白さも次作に持ち越しでしょう
>>続きを読む

石がある(2022年製作の映画)

4.1

映像を作っている人向け作品。二度見る勇気が湧きません。

事前に、河原で水切りしてるオッサンと川を上るらしいと聞いて、覚悟して望みました。入って行けなかったらどうしよう。集中力が持たなかったらどうしよ
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

しんどい。

思春期だったころに父とバカンスを過ごした記録がビデオに残っていて、成人した今、娘が見返すという構成。構成で枠組みを提示したあとは、抽象に次ぐ抽象で、具体はアップを多用して見せつけるので、
>>続きを読む

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.4

大人向けファンタジー

奇才の映像がこれでもかと堪能できました。あらすじを言っても、この作品を語るには全く足りません。ちょっと人を選ぶと思いますけれど、英語圏の妖怪ものと考えて見ると、伝わりやすいでし
>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

誰なんだ。

待ってました、黒沢清監督の娯楽作。面白くて笑えて、スリリング。

まず、ヒゲの菅田将暉さんが良いです。冒頭から、ライトに倒産品みたいなモノを買い叩くのですが、まさかあとで出てくるとは笑。
>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.7

ひとつの発明

パソコンの画面を使ってシーンが作られている発明的な作品。よく作ってあって賛美を送りたいですけれど、お話として面白いかと言うと、どうでしょうか。構成や展開に破綻もなく、よく考えられている
>>続きを読む

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.0

ハラハラドキドキ

記憶からほとんど抜け落ちてしまっていて、改めて見ました。

冒頭、被害が出るところや、観光地のかき入れどきだから、サメ騒ぎを隠そうとするところ、秀逸です。この導入があって、懸賞金目
>>続きを読む

とりつくしま(2024年製作の映画)

3.8

おそらく見る人を選ぶ作品。

丁寧で質の良さがそこかしこに溢れています。ただ、設定と構成、表現したいトーンは受け止められる、いや、受け止めたいのですけれど、これはなかなか入っていけませんよ。この作品の
>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.0

親近感とパッションが溢れる作品。

侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてくるという、仕掛けが面白いです。そして主演の山口馬木也さんと脚本がすこぶる良いです。太秦、東映京都撮影所の時代劇のバックグ
>>続きを読む

スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.3

ヘルシンキ、ヘルシンキ。

なにも考えず、求めず、約2時間を過ごす。そういう作品でした。この企画でこのキャスティングにのけ反りました。

変化球。

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

監督が作りたいもの作った感が強い作品。

偶発的なブッ込みシーンや演出が醸し出す、言葉にし難い「!」、センス・オブ・ワンダーにあふれる山中瑶子監督。作り手ほど目を見張る映像の数々なのでしょう。冒頭の喫
>>続きを読む

ブルーピリオド(2024年製作の映画)

3.8

美大受験を描いた青春。

芸大受験の難しさと、同じ受験生たちとの関わりを軸にして、主人公の進路の決断や頑張りが現されています。

芸大志望者たちの姿、競争率の高い東京芸大、ここに面白さが集まっています
>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

3.9

絵本みたいな作品。

長崎を舞台に、高校生3人がバンド組む話です。タイトルどおり、主人公は人や気持ちが色で見えるという不思議な感覚を持っていて、その一人称の描き方は好きなのですが、その影響で3人の話に
>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.4

古典のように洗練されたお話。

ずっと見られずにいた作品で、黒沢清監督の「chime」を劇場で見たあと、やっと配信で拝見しました。

話がとても秀逸で、主人公が夫との想いと計画を進めた結果、そういう行
>>続きを読む

Chime(2024年製作の映画)

4.1

夏に冷や汗を感じる作品。

黒沢清監督作品。冒頭から「変」「おかしい」が続きます。日常の中に潜り込む狂気。コントにならないのがスゴイです。

「CURE」ファンに向けて作ってくれたのかと思うシーンの数
>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

4.4

面白いけど、過去ドラマ作の人物が出てくるのは、卑怯。
どう見てもAmazon物流センターを舞台にしたミステリーサスペンス。Amazonとは言ってませんけれども。

そして「そうじゃないかと思ってた」こ
>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.0

金子さんの思いを受け止める2時間。

もう20年以上経ったのですね。ファイル交換ソフトと呼ばれていた、ピアツーピア技術を活かした「Winny」。開発者の金子さんが捕まる顛末から、一審で有罪判決を受ける
>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.3

ストレートに面白い。

冒頭から上手すぎます。キャラクターも状況も盛り込みながら、目を見張るテンポと画づくり、センスあるビジュアルで一気に作品に誘われます。出来そうに見えて、玄人にしか作れないイントロ
>>続きを読む

もしも徳川家康が総理大臣になったら(2024年製作の映画)

3.5

ライト作品。

夏休みに、友達と見にいく想定な劇場映画。そこはかとない北京原人味にドキドキする2時間でした。

大衆娯楽、ライトに色んな人に見ていただく苦労を感じました。

盆休みに親族がいる前でテレ
>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

映像表現が好きな人向け作品。

長回しにつぐ長回し。ビデオカメラで何か撮ってみようとした人には、なんだか撮ったことがあるようなアングルが続きます。それに変な親近感があります。音楽ぶった斬りなどで、その
>>続きを読む

郷愁鉄路~台湾、こころの旅~(2023年製作の映画)

3.9

ノスタルジーに浸る記録映画。

とても印象が良くて、最後まで興味深く見ました。冒頭、山と海の景色の中で、淡々と走り抜ける列車は、なにも思い入れのない私に感動を誘います。シンプルに、美しいです。いい画な
>>続きを読む

化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

4.5

楽しくて面白い、エンタメはコレだという嬉しさ満点な作品。

原作知らずに見ました。とても面白いです。楽しませてくれます。ひとりでも、家族でも、友達とでも盛り上がるでしょう。少し期待せずに見ましたけれど
>>続きを読む

数分間のエールを(2024年製作の映画)

3.0

スゴイ。すごく頑張ったのが伝わってくる作品。

作りたいなら、作ればいいじゃないか、ツールもテクニックも公開されている、と言わんばかりの作品でした。

メッセージがあり、作り手の熱量も感じます。ビジュ
>>続きを読む

ディア・ファミリー(2024年製作の映画)

3.8

良心を感じる作品。

実話を元にした、病に対峙する家族の話。医療に貢献された方を敬います。そして思いを受け止めさせてくれます。自らのお子さんのために、人工心臓の開発に挑む、ビニル製品工場の2代目が主人
>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

伝わる人には伝わる熱量。

漫画を描くのが好きな小学生ふたりが出会い、成長していくのだけれど…というお話。スケールがとても良いです。かけがえのない2人の話。

とにかく絵も動きも洗練されています。そこ
>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

1.0

表現の実験。

収容所の近所に住んでる家族を描き、写り込んだりちょっと煙とかが出てきたりするのをやってみた作品。

上手い。でもテクニックが楽しくも面白くもなかったです。ヒマな人向けです。

朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

3.1

公安怖い。

お話も配役もグッと来るのですが、ツッコミを入れるとなると、だいぶガードが甘い印象でした。

ここ最近の杉咲花さんの売れっ子ぶりに驚かされます。その中での本作、ミステリなのかサスペンスなの
>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

3.8

期待を超えた期待通りの作品。

軽妙さと不快なのに気になってしまう映像と音響がそこにあります。そうだ、これが黒沢清さんでした。

深刻なのに、どうにも可笑しくて。そんなエンターテイナーな部分にホッとさ
>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

4.3

無骨に優しい。

予備知識は監督と主演だけという状態で拝見しました。ドライとウェットのあいだで揺れ動かされる作品。エンタメ性と社会性で振れていく作品。伝えたいものがあり、それを汲み取れて、さらに商業性
>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.0

多感な時期を汲み出す作品。

原作未読、予備知識も役者さんだけという状態で拝見しました。
直接的な表現を避けつつ、意味が拾えない描写までは振り切らず、多少のホッとする和気あいあいなシーンも盛り込んだ、
>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.1

じんわり温かい。

今、最も信頼する今泉力哉監督と、見るしかない魅力MAXな永野芽郁さんの組合せに、初日に駆けつけました。

漫画原作で、男の子が女の子にからかわれ続けている、そのやり取りがかわいい作
>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.3

ドキュメンタリーの面白み

フィクションだけれども、ドキュメンタリーを見ている時の面白さを感じます。吉田恵輔監督への評価と期待を改めて増すように思わせてくれました。

物語性は求めません。まるで実際に
>>続きを読む

ハピネス(2024年製作の映画)

3.0

重たい。

予備知識なく、蒔田彩珠さん目当てで見ました。いきなりロリータ衣裳と重たい話がセリフで始まり、窪塚愛流さん演じる主人公と同じような気分に。あまりにも若いトーンに、なかなかついていけませんでし
>>続きを読む