凜太郎さんの映画レビュー・感想・評価

凜太郎

凜太郎

映画(336)
ドラマ(4)
アニメ(0)

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

現代のアメリカ人の原爆投下に於ける倫理観を考える上で、この映画の日本公開は当たり前にすべきだし、日本軍だって核兵器や生物兵器を開発していたという歴史を私達日本人はどれだけ知っているのだろう。
(私自身
>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

4.2

こんな瞬間を覗き込んで大丈夫ですか…
出演を許諾した生徒、先生、家族の皆様にありがとうと伝えたい。

35人を観ながら、
記憶の隅で埃かぶっていた思い出が湧き立った。

体育館の床の冷たさ、
家庭科室
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

全くもってミステリーではなかった。

日本語版の予告、流石に酷すぎる。
つくった人はこの映画をみたのか?
マーケティングのためなのか?
それか、ファーゴとでも間違えた?

映画の内容自体は素晴らしく、
>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.0

「ボーは恐れている」を見た後に「田園に死す」とこちらを見たくなった。


アリ・アスターもいいけど、
寺山も鈴木清順も最高だよ。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

4幕目の回収がいかれすぎ。

セックスシーン耐えきれずめちゃくちゃ笑ったなー。

"僕らの世界が交わるまで"をついこの前みたばかりなので、胃もたれするぐらいの深層描写がきつすぎ。
いつ交わるのよ??
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.8

時を重なるごとに、減っていく希望。そして増えてくる諦念。
それを表現でいかに覆すか。
ビクトル・エリセが見せる映画愛。


映画という装置を使って、
劇中劇の時間経過と登場人物側の時間経過と、さらにメ
>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.6

まさに音を楽しむ、と書いて音楽。
生への全肯定。

トーキング・ヘッズ最高だー!

和訳も洗練されててよかった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

私は私よ
もともとこんなよ
笑いたかったらきゃっきゃっ笑うわ
愛してくれればあたしも好きだわ

曲名 私は私よ/ 作詞 高田渡

エマストーン凄すぎるだろ!
幼児期から大人になるまでの狂演!!
>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.1

A24のこの路線は基本的にハズレがないはずなんだけど、今回は微妙だったな。
向き合う本質、対象が明らかになってから、
もう一捻り何か欲しい。
エヴエヴやった後なら尚更。

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

笑いに取り憑かれた男は
苦しい。辛い。痛い。

ただ、とてつもなく清い。

グサリと喉元にナイフ刺されるくらいの場面と
クスッとできる場面の絶妙なバランスがとても上手い。

漫才シーンもちゃんと面白い
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

カウリスマキ引退なんてもう言わないで。

無二の友ジム・ジャームッシュへの賛辞。
偉大な師ゴダールへの哀悼。
ウクライナの鎮魂。

フィンランドより全ての映画と人類に愛を込めて。

最後のウィンクとチ
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

きっと、この先も
人生最良の日なんて訪れないのだろう。
それでも日々は続いていく。
繰り返し、繰り返し。
淡々と過ぎる1日にこそ、尊さがある。

あとは、全て時が解決してくれる。


なんと美しい映画
>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.7

ところどころ朝ドラや今泉力哉作品っぽいんだけど、全体的に全くそんなことはなく、
ずーっと喉の奥の痰の苦さを味わっているような感覚。

それでも最後のほんの数十分救いがある。
そのために我々の人生はある
>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.3

日本の村社会特有の醜悪と憎悪。
松竹ホラーや角川ミステリーテイストのような本作。大人でもしっかり怖い。


資本主義と経済成長によって失われた"見えないものを信じる"こころ。民俗伝承。
しっかりと水木
>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.2

原作既読。
発売とほぼ同時くらいに平積みを購入し、
2日で一気に読んだほど、当時どっぷり浸かっていた。
朝井リョウ作品の「桐島」、「何者」は1994年生まれの自分にとって常にリアルタイムで自分を写す鏡
>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.8

移民と人種問題を描くピクサー最新作。
水害が起こる地域が、マイノリティ側という絶妙なリアリティライン。(ハリケーンカトリーナは南部の黒人貧困地域で起きた。)
大人にはわかって、子供にはそこはかとなく見
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

シン・ゴジラでゴジラをやりきった庵野。
それを見てゴジラ-1.0で永遠の0をやりたかった山﨑貴…。

組織劇を見事にやったシン・ゴジラに対して、いつもの家族劇…今回随分とお粗末じゃないか…ゴジラはもは
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

3時間半、全く飽きない映画を仕上げただけでも、4つけちゃう価値ある。

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.2

パリであんまり踊ってはいなかった。

肉体と魂の話。

コメディ要素が多くて、雨の土曜日にサラッと楽しめる。

福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

キャスティングが得て妙。
ある意味でペンと大衆によって一時期殺された方達。
色々なタイミングが重なっているためか、この作品に深みが増している。
素直に傑作だと思う。

震災のときに差別からくる流言で虐
>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

どのヴィジュアルを切り取っても一眼で彼の作品だとわかるのが、ウェスアンダーソン。

ある意味で、彼の映画を見る観客は"夢の中で眠っているよう"。
どうか、「理解できない、難解だ」って言葉でまとめないで
>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

俺にとってのレミもレオもいたことを思い出した。
美しかった彼らは元気にしているだろうか。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

ひとことで言うなら"継承"。
宮崎駿のこれまでの作品達は彼が生涯を通して享受したものを再構築した産物である。

ジブリ作品を通して、種を蒔かれた私たちもまた、それぞれ別々の積み木を積み重ねていく。より
>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.1

映像表現が凄すぎてマジで一瞬だった。

えっ、続くの?だってまだこんなじか…ん?!…俺もマルチバース飛ばされてた?
ってなるくらいの濃密なスパイディー体験。

スパイダーマンの物語はほんと根幹がしっか
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

2学期のはじめ。過ぎ去った夏休みが、現実だったのか、夢だったのか、確かめるために日焼けの痕を眺めていた。


11歳。"少しずつ芽生える自意識"と"無限の好奇心"

31歳。"かけらほどの漠然とした希
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.8

公開日に列島を大雨が直撃。
この時点で、神がかりな作品。
映画館出たら晴れてて、なんかとんでもねぇもんみたな。

ネタバレになりそうなので、作品の感想はまた書く。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.2

最後までゴキゲンで愛に溢れ、ハグで優しく包んでくれる。
ありがとう!ガーディアンズ!!

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.7

誰の人生も、大きな痛みと絶望的な悲しみと、ほんの少しの優しさでできている。
この優しさが永遠であるからこそ、恐れずに未来を歩んでいける。

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.9

どうしようもなく深く、
眠れないほど暗い闇の中で、
そっと挟んでおいた栞のページを開きたくなる、映画だった。

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.0

This is ジャパニーズ・ファンタジア。

大瀧詠一のキラーチューンから始まり、
久保田麻琴、細野晴臣の楽曲が次々に幻想的アニメーションとシンクロしていく。

そして、いよいよノスタルジーが頂点に
>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

原作、テレビシリーズ。
放送当時アクシデントがあった中での2号誕生。
そのシン解釈として、本作素晴らしすぎる。

キャスティングも100点です。

あと、血が噴き出る演出はシリアス、
ダークヒーローを
>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.1

有村架純めちゃ可愛い。
リリーフランキー怖やさしい。
鈴木慶一ホームレス似合う。
くらいの感想。


抑揚はなく、平坦で、牧歌的にならず、
淡々とストーリーが進む。

うーん。結末へ向けて、少し退屈だ
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

寺山修司、お母さん殺さなくてもええんやで。
飯食った後に、愛してるって言ってやれ。

母殺し、子殺し。漠然と抱える虚無感。
それをとぶん殴って、最後は抱きしめとっぱらうってくらい、「田園に死す」のアン
>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.7

ロケ地が高円寺の小杉湯に100万ベット
公開前のこんなどうしようもないコメントに
いいね恐縮です。小杉湯の待合処には原作をはじめ、豊田徹也作品が置いてあります。
是非。

>|