ジジョさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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ひとは社会に「女性」にさせられるのだな。

まっさらな脳は体の性別に影響をうけるのだろうか。ベラを「女性」としていたのは社会の方で、ベラはただ「自分」であったように思う。
それでも「女性」の人生に導か
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カラーパープル(2023年製作の映画)

2.0

宗教色強かったな。。
あれは“赦し”と“贖罪”いうことなのだろうけど、虐げられた記憶はそう簡単に拭えないし、友達になんかなれないよ。アイツちゃっかり最後も参加してたけど、あんなことぐらいで赦されるとお
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

キモ悲しい。
悲惨な状況は人の関心興味を惹きつけ、非凡な貴族的な世界は人に憧れを抱かせる。平凡であることに価値がないということが何より恐ろしい。

憧れの人が持っていた世界の全てを自分一人の中に全て飲
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

2.2

「成長」は自分の意思を無視して進む。そのスピードや失うものに戸惑うけれど、恐れないで!世の中は「美しい」だけでは無いことを知ることは、とても豊かなことだから。成長に苦しんだあの子達にも教えたい。

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クイズ・レディー(2023年製作の映画)

4.5

姉妹だからって仲良くする必要はないけど、もし「姉妹」という関係性がなければ、もっとフラットに関係性を築けるのかもしれない。とも思う。「親子」も然り。血のつながりというのは本当に厄介。
だけど「生まれて
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

3.5

こういう映画が90年代は作られていたよなぁ。。と思っていたら2007年の映画だったという驚き。この十数年で描かれるもの、描かれなくなったものをしみじみ思う。

最後の場面でこれまでの全てが帳消しになる
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.0

自分の中にはイニードもレベッカもいるし、大人になった今はシーモア的な部分もあるけど、俯瞰で見てしまうのは自分の根本にあるものはこれらとは別ものなんだろうな、、。

何かを否定したりキライと認識すること
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.8

あえてあんな暮らししてる男性知人がいたな。憧れなのかな?あの生活は。

木漏れ日の綺麗な穏やかな季節でよかったね。
あの家は真夏は灼熱で家の中にいられないし、冬は外同然で凍死しそうになるはずだから、ほ
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僕が宇宙に行った理由(2023年製作の映画)

2.5

「前澤友作、宇宙へいく」Vlog。
前澤さんは思い出の残し方もお金がかかっている。

宇宙訓練の過程やロケット内の映像は興味深い☆
無理に90分程度にまとめて強引な答えを導き出すよりも、記録として貴重
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

2.8

ディズニーの映画のタイトルはシンプルだな。
邦題もママ、副題ナシは「ウィッシュ」に込めた想いの強さと多様さにあるように思う。
100周年記念作品と思えば腑に落ちる点も多く、アレはあれだよね!な宝探し感
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

2.0

「ウィッシュ」上映前の短編として鑑賞。
「スタジオ」がテーマなだけに建物に収まってしまうこじんまりとした感。実はスタジオの奥に秘密の扉があって、そのさきは無限に世界が広がっている!とかを勝手に希望。
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Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.2

ビヨンセの人間宣言。

『Homecoming』はある種のビヨンセの到達点で、全世界のマイノリティを根こそぎ力付けるパワーがあった。

『Renaissance』は40代に入ったビヨンセが「自分自身」
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

3.5

重い棺を運ぶ2人に世の中の理不尽をみる。
とにかく前へ進むこと、それは戻ることでもあって、その意味を思うと胸がつまる。

2人だけが寡黙であり、他者が発する言葉の洪水が2人の存在をかき消すような描写
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.2

噛む力が残ってないほど体力を消耗した。
得体の知れない圧力とパワーのある作品だった。

どんな形でも2人の愛の形はあるし、それぞれがその形を「これで良いのだ」と腑に落ちるまでの長い年月のお話だったよう
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スリ・アシィ(2022年製作の映画)

2.8

格闘技の強い女の子が実はスーパーヒーローだったのだけど、覚醒してからも基本腕力で戦ってた。彼女のヒーローとしての能力ってなんなんだっけ??
モッサリしたバトルシーンも物語の展開も、もっとトンチキに振り
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

2.0

イマジナリーたちにコミュニティーやルールが必要なのだろうか。どんな存在でも仲間と居場所が必要なのか、、としょんぼりする。自由な存在でいいじゃない。
自分が作ったイマジナリーが他の人とマッチングするのは
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

人と違うことが「良くないこと」だった時代に「いい子」であると評価されることは何よりも誇らしく救われる言葉だったのだろう。

言葉は世の中の状況によりその意味を変えていく。戦時下においての「いい子」は誰
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8

何かに逃げて依存する。
失ったものの大きさに耐えられずに、その穴を埋めようとすることは一歩間違えば自分を見失うことにもなるのかもしれない。

人は聞きたいことを聞き、信じ、見たいものを見て納得する。そ
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.6

ニューオリンズの治安はどうなってんの?と思うけど、住人はイイヤツばかりだったなー。ハートフル☆

あの子が何者であるかなんてどうでもいいし、お互いの気があったらイイね!イエィ!って感じの人間関係が信頼
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ナポレオン(2023年製作の映画)

2.3

基本歴史物はニガテ。
ナポレオンの複雑な人間的な部分とか、語り継がれる合戦の戦略とか、妻との奇妙な関係とか提示されたお題がことごとく響かなくて、終始「無」の気持ち。

単調な合戦を見た後に、悲惨な犠牲
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

過去の負債は消えないけれど、それと対峙しながら目指す未来をつくる。
子供や次の世代に未来を!という思いがあった。

全てを壊さなければ進めなかったことの悲しみを忘れない。痛みをきちんと痛みとして捉えて
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

2.5

藤原紀香の正しい使い方はこれだと思う。

思えば前作の埼玉県の自虐や東京(都会)憧れは、どの地方の人でも自分の知ってる街に置き換えて共感できる「あるある」だったのかもしれないな。

本作は「関西」の「
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フィンガーネイルズ(2023年製作の映画)

4.5

自分の気持ちに自分で答えを出せない人たち。
恋愛に限らず、あらゆるものを数値化してそれに安心する心理は日々加速しているようにも思う。

「1対1の恋愛」のような世の中の「こうあらねばならぬ」を徹底的に
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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

2.8

美しい風景、美しい少年たちと待ち受ける悲劇。実話ベースとはいえ世間が大好物そうな内容に製作者の意図がどこにあるのか図りかねる。
彼らが受けた扱いは現代でも考えたいことではあるけれど、彼らの美しさと儚さ
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.3

映画的にやりそうな展開をことごとく外してくれて心地よかった。
それぞれのキャラクターの過去や内面の深掘りはいらない!という割り切りの快さ。協力し合う人たちの関係が「今、この危機を脱出するためにそれぞれ
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ティル(2022年製作の映画)

3.7

歴史を学ぶ教材のような映画だった。
黒人差別の実話ではあるけれど、それ以外のジェンダーやトランス差別にもつながるものがあり、その構造はとてもよく似ている。黒人差別の過酷さとは比べものにならないけれど、
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.5

「生きろ!」と言いながら「ただ生きているだけで尊いのだ」とは決して思わせてはくれなかった。

役にたたなかったことを後悔し続ける人たち。。

「何かの役に立つ」ことを求められることは、むしろ現代の話で
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.5

「わ!犬!」と何度も声が出そうになった。
激しいサバイバルが繰り広げるなかで、善悪もなく、損得もなくただあそこにいたのは犬だけだった。その存在に癒される。

リーダーに命令されてイヤイヤ行動する兵隊た
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.8

監督の無邪気さが全面に漂っていた。
自分の好きを形にできた喜びは素直によかったね!と思えるし、映画の佇まいはとても可愛らしかったけれど、その物語に感動、共感できないのはわたしがその他大勢側の立場でつい
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

2.0

百貨店が存在する理由も人間本意すぎた。奪ったものへの罪滅ぼしがそれなの?

そもそも「百貨店」そのものが古い価値観の象徴する場所になってしまったように思う。
「大量消費」や「女性はこうだ」とか、「個体
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お早よう ニューデジタルリマスター(1959年製作の映画)

3.0

たぶん初・小津映画。
ヘンなビートのテクノみたいだった。

長屋的な住宅や、田舎あるある的な人間関係の懐かしさとか、今もある普遍的なものとか、まぁいろいろありますよね。

しかし、当時の時代感を思うと
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ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

4.0

30分に死ぬほど要素詰め込んで一気に駆け抜けた☆
狭い世界であれやこれやわちゃわちゃあるけど、過去の出来事や今の感情への奥行きすごかった。

衣装は全部サンローランなのだろうか?おしゃれだけど浮かない
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.2

ずっと誰かを愛しても、ずっと孤独だったんだな。

ハイスミスの恋愛を通して探る人生。誰もがずっと隠していたからこそ、その時代のレズビアンシーンを体験してきた人たちの生の声は貴重。

晩年の差別的な発言
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フローラとマックス(2023年製作の映画)

4.2

フローラとは友達になれそうだな私。

「親」「子供」「夫」だと思うから、それぞれがその概念を当てはめて期待したり失望したりするけれど、人間的には気の合う人たちだったとおもう。

それぞれが、それぞれの
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.1

負のループしか生まないカップルが一緒にいる意味がわかる気がした。

彼らはいろいろヒドイすぎて笑えるけれど、自分がそこにいないかのように扱われる絶望感や、少しでも自分をよく見せたりする部分が自分に全く
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.5

ママはずっと行方不明だった。
最悪の出来事が人生のターニングポイントな時もあるよね。自分の準備ができるまでは逃げ続けてもいいし、立ち止まり続けてもいいけど、そのまま一生を終えることの方が圧倒的に多いか
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