ききさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

きき

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無限ファンデーション(2018年製作の映画)

4.0

女の子たちの即興芝居が一生懸命で切実でとてもいい。
南沙良さんの不安げで心許ない感じ、原菜乃華さんの凛とした力強さ、小野花梨さんのたくみな自然さ、西山小雨さんのファニーでやわらかなたたずまいと唄声。ピ
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恋恋豆花(2018年製作の映画)

3.5

猫背気味に異国の街を歩きカメラのファインダーをのぞき、そしてともかくいっぱい食べるモトーラ世理奈ちゃんを愛でる映画。カメラをむけられるととつぜんモデルとしての本領を発揮しだすのはやっぱりすごい。
バッ
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スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年製作の映画)

3.5

もはやスマホを落とすとか落とさないとかはどうでもいい。
千葉雄大くんのけなげかわいいヒロイン味があまりにもつよすぎて、白石さんがかすんでしまった感はある。
千葉雄大くんと成田凌くんのおいかけっこはいく
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グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇(2019年製作の映画)

3.5

ケラさんの舞台版がほんとうにおもしろくて好きだったので、いやもう池谷のぶえさんが舞台とおなじ役柄だったらどうしよう!とわくわくしていたのですが、あたりまえですがやっぱりちがいましたね。
小池栄子さんは
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

意外とたんたんとすすんでいくので派手なクライマックスの高揚感や爽快感はないが、それがいまも進行しているひとつの歴史の一部をきりとった、地に足ついてる感があってよかったとおもう。共闘するのではなく、それ>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

4.0

大橋裕之さんの描くひとの目ってシンプルな線とマルのくみあわせなのになぜかすごい力があるなあとおもった。劇中の音楽もシンプルだが強い。強力。
ロトスコープという手法の目新しさやはかりしれない労力は、実際
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ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

3.0

役者のみなさんキレキレで、山崎賢人の宏高再現度ほんとすごくて(彼の漫画原作映画キャリアのなかで出色の出来なのではないだろうか)高畑充希も若月佑美もがんばっていましたが、無理にミュージカルにする必要性が>>続きを読む

ファンシー(2019年製作の映画)

3.5

ひとはだれでも、自分以外のだれかに勝手な幻想をいだいてしまうもので、私があなたに「こうあってほしい」という幻想をいだいているとともに、あなたも私に「こうあってほしい」という幻想をいだいている・・・とい>>続きを読む

犬鳴村(2020年製作の映画)

3.0

じわじわこわがらせてくれたり、がしゃーんばしゃーんって大きな音でこわがらせてくれたり、とても王道ホラーではあったんだけど、とちゅうから、え?キャッツ・・・?っておもってしまってからは、やはりどうしても>>続きを読む

ストレイ 悲しみの化身(2019年製作の映画)

3.5

未体験ゾーンの映画はそもそもの情報が少ないうえ、わざとか?ってくらい公になっているキャッチコピーやあらすじが絶妙に的を得ていないことが多いので、だいたい思ってたのとちがう展開になるのがおもしろい。
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37セカンズ(2019年製作の映画)

3.5

ひとりの女の子が自分のためにもがく、勇気と冒険のものがたり。
映画で描かれるのは基本的にやさしい世界ばかりだけど、直接的には描かれなくても世界はやさしいばかりではなく、ここにくるまでたくさんやさしくな
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.5

疑似家族ものはどうしてもどこかふわふわした夢物語になってしまいがちなのが、正直ちょっと苦手なのですが、ああでも夢物語でいいのかな、それはそれとしてたのしめばいいのか、とこれをみてちょっとおもいました。>>続きを読む

転がるビー玉(2019年製作の映画)

3.5

女の子たちがみんなかわいい。なりたい自分といまの自分との乖離にどうしようもなくもどかしさと息苦しさを感じている女の子たち。自分が傷つくことにはすごく敏感なのに、他者を傷つけることにはわりと鈍感な、若く>>続きを読む

グッドライアー 偽りのゲーム(2019年製作の映画)

3.5

はいはいコンフィデンスマンUKですね、とおもいながらみにいったのですが。
結果的に悪くない場所にたどりつくことができていても、決着をつけたい決着をつけなくてはならない過去がある、その重み。いつでもだれ
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

4.0

思いがけずひさしぶりに映画みて泣いてしまった。
現代の高校生がスマホ片手に昭和の純文学みたいな口調でたんたんと独白するシュールさと、陽射しで白くかすんでいく映像と、イクスピアリとたんぼを擁する千葉のよ
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.5

ものすごくわかりやすい、どストレートな映画なんだけど、でてくるみなさんのキャラが濃くて、かけあいみているだけでおもしろかった。
とくに町田啓太さん、彼はイケメンぽい役よりこういうくせの強い役のほうが生
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AI崩壊(2020年製作の映画)

3.0

主演俳優が若干苦手なのと、タイトルでやや嫌な予感するのとでみるか迷ったけど、入江監督を信じて観た。
『シン・ゴジラ』の防衛大臣が総理に、『検察側の罪人』の容疑者が副総理に、『地獄少女』が一流企業の広報
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ラストレター(2020年製作の映画)

4.0

ときどきほんとうにものすごい表情をする、森七菜ちゃんがすごい。おそろしい子・・・!
森七菜ちゃんはもちろんのこと、広瀬すずの少女感もすごい。ワンピースのふたりが少女すぎてこわい。少女という概念と幻想そ
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ロバマン(2019年製作の映画)

3.5

吉田照美がだるだるのスタイルでだらだらのコントをくりひろげている感じで、おもったとおりの期待をまったく裏切らない映画。
ラジオで吉田照美と共演しているとはいえ、欅坂の子はこの映画にでてしまってほんとう
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ポゼッション(1981年製作の映画)

4.0

30年くらい前にもレンタルビデオでともだちといっしょにみたけど、なんかグロい!なんかわけがわからなかった!といいあった記憶しかない。
今回HDリマスター版で映画館でみてみてもやっぱりよくわからなくて、
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his(2020年製作の映画)

4.0

全方向に身勝手なのだが、まわりのひとがわりとすんなり受け入れてしまう藤原季節さんの憎めない愛されキャラぶりよ。宮沢氷魚さんとおそるおそるふれあう感じとか、ぎりぎりのなまなましさでよかったとおもう。
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

おかあさんのクラシカルですてきな靴とか、キャプテンKとフィンケルとか、直接的ではない表現で、でもそうとわかる情景ですべてをさとらせるのすごい。
悲壮感はほとんどなくポップに描かれる戦時下の日常、そして
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

3.5

『空気人形』っぽい観念的で文学的な話かとおもったら、けっこうストレートな王道ラブストーリーだった。蒼井優は感情をわしづかみにするものすごい表情をするし、細い指も浮きでた背骨もすみずみまで美しい。肝心な>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

4.0

すごくおもしろくてひきこまれたし、テレビ的といえばものすごくテレビ的ではあるのだが、もっと骨太に直球で勝負してほしかったような気もする。たびたびうつされる福島さんの不安げな顔はみていてつらかった。
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

「襤褸は着てても心は錦」っていうけれど、そんなわけあるか!少しでもいいもの着たいに決まってんじゃん!というコミカルなしたたかさや浅ましさですすんでいくが、もちろんぜんぜんそれだけではなく、結局どんな生>>続きを読む

M/村西とおる狂熱の日々 完全版(2019年製作の映画)

3.5

あのころ松坂季実子の肉体は衝撃的だったなとか黒木香の二十歳そこそこであの貫禄とんでもないなとかKさんのスタイルの完成度すごいなとか、あの映画で果たして借金いくら返せたのだろうか・・・とか下世話なことを>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

3.5

今泉監督の女優をえらぶ目の確かさよ。でてくる女の子みんなかわいい。愛くるしい。まちがいない。とくにさほちゃん、どうかしているくらいのかわいさ。ともさかりえはさすがのおそろしさ。いけ!ともさかりえもっと>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.0

なんでこんな選民意識まるだしのパリピのえげつない会話を延々ときいてなきゃならないんだって思ったりもしたけど、不安をあおるカメラワークと重低音がどんどん加速していくので、どんどんのみこまれていく感じ。ク>>続きを読む

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

3.5

身もふたもない言いかたをしてしまうと、悩み苦しみそれをのりこえ、苦難と危機に直面しそれをのりこえ、のくりかえしで短調といえば短調なのですが。気球工場のつくりがとてもかっこよくて、あの建物の全容を外から>>続きを読む

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.5

雪や日光の自然な白さがとてもきれい。雪のなか白いハイソックスとローファーでサッカーする少年たちの一瞬の美しさ。そして、いろんなことが過渡期で多感な子どもたちへの、ゆるやかな信仰の強要についていろいろと>>続きを読む

シライサン(2020年製作の映画)

3.0

シライサンのビジュアルがぜんぜん怖くないというのが個人的に致命的だったのと、いろいろツッコミどころも満載なのと。
飯豊まりえの部屋の間取りがなんか変だし(キッチンのでかさよ)あの間取りであらかじめ換気
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ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

3.5

あいかわらず短絡的で自分の正義に正直な使用人のみなさんの安定感。
とくにトーマス。ある意味トーマスのための映画化だったのでは・・・とおもうくらい、おばかさんなかわいさ全開。
メアリーは歳とったなって正
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.0

どんなに愛や明るさに満ちた環境であっても、マイノリティがマジョリティのなかでどうしても感じてしまう、ぬぐいきれないほのかな孤独や不安に真摯によりそっていたとおもうけれども、ちょっとわかりづらかった気も>>続きを読む

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

4.0

実際の事件をほぼ知らずにみたので、たぶん作り手のおもうがままにけっこうな振り幅で感情をあっちこっちにもっていかれた。恋人の視点で、おそらく彼女がそのとき知りえた情報だけでほぼ話が進んでいくので、そのぶ>>続きを読む

シスターフッド(2019年製作の映画)

3.5

いまだ前時代的な価値観のなかで生きづらさを感じる若者がいる社会であることに、あらためておどろいてしまった。
私が若いころの若者はよくも悪くもいまよりもっと無責任で楽観的だったと思うし「生きづらさ」とい
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ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる(2019年製作の映画)

3.5

ところどころ映画の作り手側の「外套」を完成させてほしいんだよ!という熱が強すぎて、もう少しフラットな視点でみたかった気もするけど、ユーリーさんの独特で緻密な創作とゆるぎない哲学はとてもすてき。
「外套
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