ききさんの映画レビュー・感想・評価

きき

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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.0

不意にあらわれた美しい青年にあっというまに家族全員夢中になって、不意に青年が去っていたあとは家族全員タガが外れてゆくのだが、このタガの外れかたがそれぞれすっとんきょうすぎて、いやいややりすぎでは・・・>>続きを読む

マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.5

めちゃくちゃに予定調和で、想定外のことはなにひとつ起こらない王道さをまっすぐに貫く潔さよ。
基本的に善人しかでてこないので、みんなしあわせになるがよい!と思いながらみました。

N号棟(2021年製作の映画)

3.5

不機嫌でいらだっている役の萩原みのりさんがすきです(賭ケグルイみたいなかわいい役もすきだけど)。
萩原さんが終始不機嫌な映画はおもしろいものが多いようにおもうし、萩原さんだけでなく筒井真理子さんのアル
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.5

セックスにいたるまでがかるがるしくていいなあと思いながらみた。
私はどうしてもセックスをおもたくめんどくさく考えがちなので、カジュアルにセックスをたのしめるのはちょっとうらやましい。
さみしさとか不安
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ホリック xxxHOLiC(2022年製作の映画)

3.5

さすがすぎる空間や衣裳のつくりこみ。
原作やドラマ版とくらべておもうところがないわけではないですが、やりたいことははっきりしているし、これはこれでなりたっていたのでは。

玉城ティナさんは非日常的にき
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

おだやかに対等に、こどもを理解しようとするおとなの努力と、やわらかくしなやかに、状況を理解しようとするこどもの聡明さと柔軟さ。
ふたりとも少しおっかなびっくりな、親子でないからこその距離感がいいなあと
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映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.5

テレビ版をだいぶぎゅっとまとめた感じで「事件の新たな輪郭」がなんなのかあまりよくわからなかったけれども、独特のグルーヴ感みたいなものは健在で、ひきこまれるのもたしか。
炭治郎と炭治郎との間に小戸川をや
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.5

初潮とか通過儀礼とか少女特有の残虐性とかいってしまうのはたぶんとても簡単なんだけど、それだけではない何か得体の知れないものも詰まっていた。鳥の造形もまた絶妙な気持ち悪さ。

母の愛情と憎悪、強さと弱さ
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アネット(2021年製作の映画)

4.0

傀儡が傀儡を演じるというアイディアがもう秀逸。
独特な存在感のアダム・ドライバーが、これまたべつの意味で独特なレオス・カラックスの世界のなかで、うたったりおどったり中和されたり誇張されたり、いびつでシ
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.5

自分が失ったものを確かめていく作業はつらい。
不器用に迷いながら、すみれの後ろすがたをおいかける岸井ゆきのさんの揺れつづけるさまや、浜辺美波さんのゆたかなまなざしと圧倒的な存在感はとてもよかったけれど
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チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2022年製作の映画)

3.5

やっぱりドラマの最終回がいちばんのもりあがりで、映画はだいぶおまけ(サービス)な感じはするけれども。
結婚とか結婚式とかにこだわらなくても、ただただいっしょにいるだけでよくない?とも思うけど、同性婚で
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理解される体力(2022年製作の映画)

3.5

『アクターズ・ショート・フィルム2』にて。
柳英里紗さんと三浦貴大さんがともかくかわいい。かわいくて、めちゃくちゃめんどくさい。めんどくさくて、めちゃくちゃかわいい。

ありがとう(2022年製作の映画)

3.5

『アクターズ・ショート・フィルム2』にて。
正直どういう話なのか、何を伝えたい表現したい映画なのかはよくわからなかったけれど。
わからなくても役所広司さんであれば成立する説得力があるということだけはよ
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あんた(2022年製作の映画)

3.5

『アクターズ・ショート・フィルム2』にて。
あんたと呼びあう千葉雄大さんと伊藤沙莉さんのテンポのよい会話だけでもう魅力満載なのに、じょじょに距離感のずれみたいなものも浮きあがってくる絶妙さ。
そこに愛
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物語(2022年製作の映画)

3.5

『アクターズ・ショート・フィルム2』にて。
そこに人がいるかいないかで、心もちは変わるのだろうか。
そこに人がいなくてもあまり変わらないんじゃないかなあと思ったりもしたけど、だれでもいいからだれかにい
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いくえにも。(2022年製作の映画)

3.5

『アクターズ・ショート・フィルム2』にて。
いろんな違和感がぽつぽつと散りばめられていて、こういうことなのかなと輪郭がぼんやりと浮かび上がるけれども、はっきりした答えはくれない。
黒沢あすかさんの、あ
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チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

3.5

性的指向や性自認という限られた情報だけで、見知らぬ他人を憎んだり攻撃できたりするのがすごいと思うが、それこそユダヤ人というだけであれだけのひどい加虐や殺戮ができる人びとがいた歴史もあるし、なんかもう差>>続きを読む

親密な他人(2021年製作の映画)

3.5

黒沢あすかさんのしずかな狂気がものすごい迫力で、それこそ圧力鍋くらいな感じでおそろしいです。説得力のある、圧倒的な狂気。
神尾楓珠さんは長めの前髪のしたで薄暗い目つきをしているのがとてもいい。
どろど
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

3.0

誰もほとんど笑わず理屈っぽく淡々と物語がすすむのだが、その単調な中に突然環境破壊の衝撃映像や長い注射シーンがさしこまれたりするので、まったく油断ならない。
正直ちょっとファッションメンヘラぽいなあと思
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

いろんな葛藤とか焦燥とか若さとか不安とかをぎゅうぎゅうに詰めこんで、よけいな装飾なくダイレクトに訴えかけてくるので、ぜんぶを受けとめるのにとてもエネルギーがいるけど、ほんとにぜんぶすばらしかった。
3
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

悪趣味と変態がすぎるし、登場人物がそれなりにみんなぶっこわれているので終始圧倒されて呆気にとられながらみた。
とっちらかった話のまとめかたそれでいいのか!いやいいよ!もうそれでいいよ!とやけっぱちにま
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.5

原作こんな話だっけなあと思いながらみた。
アレンジされてわかりやすくなったところと、あの子とあの子にもっと活躍してほしかった気持ちと。ラストちょっとまのびしてしまったのがもったいない。
女子高生4人が
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

どんなに上から重ねて飾って大きく華やかにみせても、中身のからっぽさをうめることはできない。
ペテン師という肩書きに妙な説得力のあるブラッドリー・クーパー、どこまでも「転がしてる」感に説得力しかないケイ
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ホテルアイリス(2021年製作の映画)

3.5

小川洋子さんの原作が好きで何十回と読んでいて、だから私の解釈が正しいと思っているわけでもないけれど、上映時トークショーできいた監督さんの解釈と、私のなかでの原作の解釈が違いすぎて、私のみたいホテル・ア>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

生活感にあふれたモノクロの美しい街並みに突然ねじこまれる暴力がものすごくおそろしかった。バディの問いへのおとうさんの答えがすべてで、いつの時代でも、信じるものや生まれた場所がちがっていても、やさしさを>>続きを読む

KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

3.5

西畑大吾さんの若杉公徳漫画の主人公すぎる感じとか山本耕史さんの尾崎豊とか上白石萌歌さんの天真爛漫なかわいさとか岡崎体育さんの仕上がり具合とかみていて楽しかったし、なにより鈴木福くんと木下百花さんのくみ>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.5

こういう実在する大罪をおかしたひとにフォーカスした映画はどういう気持ちでみたらいいんだろう・・・といつもおもう。
同情も共感もなにもできない、犯罪者になるまでの日々をたんたんとながめ、どうして誰も殺さ
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.5

正直よくわからなかった。よくわからなかったけど、あんなふうに外の世界と自分の内側がずれていくのは恐ろしいだろうなあと思いながらみた。よくわからないなりに、ティルダ・スウィントン様のゆらりと浮いたような>>続きを読む

オートクチュール(2021年製作の映画)

3.0

登場人物がほぼ自分勝手で感情的で罵倒が多く仕事に私情をもちこみすぎるので、みていてけっこうしんどかった(冷静な人が3人くらいしかでてこない)。しんどかったけどDiorのドレスや生地はやっぱりとても美し>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.0

猫の演技すごい。手島実優さんとHARIBOのくみあわせのあざとさ、治安の悪い作品にいがちな毎熊克哉さんのふつうに優柔不断でだめな感じとかオズワルド伊藤さんのうさんくささとかよかった。
R15要素はあっ
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DEATH DAYS(2021年製作の映画)

4.0

LITTLE ZONBIESから世界観が一貫してるのがすごいなあと思う。この監督の作品ってすぐにわかる。
森田剛さんとももと佐藤さんと前原さんのだらだら仲間うち感すごくよかった。石橋静河さんとのかけあ
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.5

仕事にしろ健康状態にしろ問題に気づきながら、だいじょうぶ問題ないと自分にもまわりにも言い続けるのってほんとこわい。
しかしハイリスクすぎる設定で、これこの後どうやって処理するのか、いやこれを辻褄あわせ
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.5

アクションはものすごくかっこよくてみてて楽しいけれど、痛快かというとそうでもなくて、意外と溜まった澱のようなものも含まれていて、すごくすっきりするというわけではないけれど。
とはいえどうしても女は男に
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.5

ヒーローはみんなに慕われ明朗快活に負けない戦いをするもの、という古臭いイメージが自分のなかにあるので、まっくらな影のなかに息を殺して沈むように孤独にたたかうバットマンの痛々しさがつらいなあとおもいなが>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.0

記憶を失う病が蔓延したとき、思い出をつくりあげるプログラムで「治療」する世の中になる、という設定が強引すぎる気がして、病も「治療」もなにかべつの目的があるのだろうか、とおもいながらみた。
とらわれてい
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.5

どんなに裏でごたごたしていても、結果的に本人たちがとってもいい結婚式だった!と満足感たっぷりに終えられればそれでいい、というそれだけで走り続ける物語。
だいぶ過剰で極端なのでみていてちょっと疲れるし、
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