科さんの映画レビュー・感想・評価

科

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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.7

観る機会を逃して逃して、やっと観れた

カズオイシグロ作品に触れている時と似た感覚に包まれる中、これはNever Let Me Goと同じ世界線のもう少し後の話なのではないかと思えてくる
それと同時に
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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

ここ数ヶ月の間、同じ夢をよくみる
もう2度と会うことのない大好きな人の夢

私は目が覚めてそれが現実でないと解った時に絶望感に襲われて涙が止まらなくなるけど、そこから希望を見出せるアダムは強いなと思う
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

どう落ちるのかハラハラしてたけど、個人的にはこの上なくすっきりするエンディングだった

崩壊が続いていく感覚、それに対して他人行儀な撮り方が却って心地良かった

これまでも勧められたり、観ようと思って
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The Pirate's Fiancée(英題)(1969年製作の映画)

3.0

めちゃくちゃ眠かったけど終盤がとにかく滑稽でおもしろい

Blue Jean(原題)(2022年製作の映画)

5.0

こういうテーマで自己投影できる映画は少ないのだけど、少し近づけた気がする

商業化された恋愛とか、リアリティの欠片もない薔薇色の人生観を目にすると吐き気がするからあまり目を向けて来れなかったのだけど、
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ミステリアス・スキン 謎めいた肌(2005年製作の映画)

4.4

たくさんの人に見てほしい作品

圧倒的な権力構造が出来上がった上での少年に対する性暴力、ブラックアウトして記憶が抜け落ちることも、記憶がずっとあったまま歪んだ愛情を持ち続けることも苦しい

性暴力を振
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サブマリン(2010年製作の映画)

2.5

観ててあまりにも苦しすぎた

最初から最後までヒロインの性格が悪すぎるし、そんな彼女のことを好きな主人公の気持ちもわからなくはないけどキツイ

いじめのシーンも両親のいざこざも心を抉られた気分

洒落
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薔薇の葬列(1969年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

すごい……

境界の曖昧さ、この時代の混沌さをモノクロながら彩り豊かに描いていてすごいなとしか言いようがない

エディプスコンプレックスの描き方に圧倒される。苦しい…けど美しいな…

"映画に登場する
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Whores' Glory(原題)(2011年製作の映画)

3.5

「笑顔を作って悲しみを忘れようとしても痛みは残ったまま」

幼い性産業従事者から出てくるのがなんとも…

金正日花/キムジョンギリア(2009年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

序盤、この演出は果たして…と思いながら始まった
結果的にそこにツッコミを入れながらではないと観続けられないくらい内容が重くガツンとくるので、ちぐはぐさに助けられた。終盤でそのちぐはぐさが、北朝鮮の映像
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エリザベス 女王陛下の微笑み(2021年製作の映画)

2.0

正直かなりひどかった
ただBBCの昔の映像を繋げてるだけじゃ…?

謳い文句もデザインも宣伝も良かっただけに、期待値が高すぎたのかな 楽しみにしてたんだけど

テレビで流し見する程度ならこれでも良かっ
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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

-

なななななんと市の図書館にありました
これを逃したらもう二度と見れないかも、と思いやっと観ました
しかも無修正版…すげえな

ルーマニア語はわかるわけがなく字幕も当たり前に英語がないので選択肢の中で1
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彼女は愛を我慢できない(2009年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

愛おしい!!

恋愛に盲目なアデル、そんなアデルが気になる公園にいつもいる少年、妻子持ちなのにアデルと愛を育みたい男、木の茂みから突然現れるところから始まり終着まで全てが奇行な男、従姉妹に近所のスペイ
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

すごい…
結果的にどんでん返しがあるってわけではないけど、そういうことか…ってなる

いき過ぎた愛情・作り上げられた理想って怖い

相殺するべくアンパンマンのキャラソンを聴いてる

フィールズ・グッド・マン(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっっっっっっっと観れた。
インターネットミームが与える政治への強すぎる影響、匿名ネット掲示板での発言の拡散性の素早さ、そこから発生する事件

もう8年も前になるトランプ当選が昔のことと割り切れないこ
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.7

徒然草と源氏物語からくる間テクスト性、霊物の女性性に着目して見てなるほど…となった

古典ものって初めの一歩踏み出すの躊躇するけど現代まで名が残ってるくらいだから面白いに決まってるんだよね…モノクロ映
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Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

エストニア・イギリス共作ということで色々と興味深いところがありました

まずmotherlandという言葉
これは日本語にして母国、祖国という意味です。本編でmotherlandという言葉が使用されて
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花様年華(2000年製作の映画)

4.6

度肝抜かれた

時間がほぼ提示されない中(度々出てくる時計も意味をなしてない)鮮やかなドレスとネクタイの変化で時間が経ってることを気付かされるのだけど、社会の移り変わりでやっと明確な時間の経過を認識さ
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.7

なんとも言えない余韻が残る

幸せだった日々が崩れていくという話でもないのだけど、終盤目を背けたくなる

ラストシーンの木たちは幻覚?

男女のモナに対する見方の違い、モナが女性であることが理由で起き
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに観てて胸騒ぎする映画だった スコアつけられないくらいキツイ

平山さんの願望物語?
後輩の意中の若い女に頬にキスされて、妹とその娘に急に抱きついて って悲鳴モノ

役所広治、石川さゆり、三浦
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天使の涙(1995年製作の映画)

4.3

ウォンカーウァイ作品の中で断トツで好きかも
原題『堕落天使』からの第一芬蘭館の字面がなんとも絶妙

セルフパロ効いてて、特に終盤面白いなあと思ったらなるほど、そういうことだったのか

銃乱射シーンとか
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老人Z(1991年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

お年寄りが増え介護の担い手が足りない!全自動介護ロボット開発します!!

主原動力は原子力、本来の目的は老人の軍事ロボット化 という発想がめちゃくちゃ面白いしあり得ない話でもなさそうでちょっと怖さも感
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ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

3.9

毛布にくるまって卵割るシーンがかなり好き
画面反転するところとか全編通して画角とかブエノスアイレスの映像とか、画の質感 最高峰ではないでしょうか…
ただ邦題よりHappy Togetherの方が好き
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恋する惑星(1994年製作の映画)

4.0

パイナップルの缶詰をお供に観た
トニーレオン素敵すぎる…言葉じゃ言い表せない理屈じゃなくて本能的に感じる魅力がある、松田優作見てる時に似た感覚

関心領域(2023年製作の映画)

-

当たり前のように横に進んでいく人たち、煙、川が決して交わることのない領域を表していて不気味

画角がずっと他人行儀かつ長回しが多くて、新しい映画体験でした 現代との交差させ方もなかなか面白かった

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100,000年後の安全(2009年製作の映画)

3.6

遠い未来に託す地下深くの核ゴミ

ブラックジャックの顔が何故つぎはぎなのか
彼の幼少期のエピソードが脳裏をよぎった。

同じ時代に生きていても、注意書きがあってもなお被害は避けられないし、数年単位で世
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死びとの恋わずらい(2000年製作の映画)

4.0

良い意味で期待を裏切られた。個人的に大好き

松田龍平目当てで見始めて、最初の方はその雰囲気にドキドキさせられてたんだけど、途中から色んな役に対する恐怖心勝った。

そうくる!?という終盤の展開 好み
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ジャングルのけもの(2023年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

終盤10分くらいは好きだった

それまでずーっと頭の中が「???」で登場人物誰にも感情移入できなかった

腕時計が愛(むしろ恋?)の象徴として使われてるのかなあ、メイの死後にジョンの愛が生まれる みた
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.2

パリの解像度がまだ高く残っているうちに観れて良かった。

ほとんどの場合ドキュメンタリーといえど目の前にカメラがあれば撮られていることを意識した、どうしても自然ではない人間の動きがそこに残るのだけれど
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.8

作品を通して緑のトーンが活き活きしてて、あたたかくてなめらかな水のかたちを感じられた

すごいロマンチックで、かといって甘ったるくなくて大好きだった。
ロマンス、SFもの、スパイ映画、米ソもの、そのど
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

4.0

トイストーリー2の次に泣いたピクサー映画
良かった〜。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

映画全体を通して流れる空気が素敵で、特に終盤の長回しで泣いてしまった。

過去に 縁とか過去世の関係が今に関わってて、今のここではないどこかの世・世界線で出会ってるんだろうなあと思うほど大切な人との別
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光りの墓(2015年製作の映画)

5.0

どこをとっても素晴らしくて、鳥肌が立った。

夢をみること・夢に入り込むこと、終焉
起きている間の方が、よっぽど死んでいるし、いろんなものをころすために生きている
なにかを産出するよりも、破壊するため
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