ひつじさんの映画レビュー・感想・評価

ひつじ

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

ナチスドイツを倒すため祖国のために原爆を作った天才科学者が、ナチスが倒れたあと目的を失って手段を使ってみちゃう話。戦後、共産党やソ連との関係を疑われた主人公が、みんなに責め立てられながら当時を回想する>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

伝説の救世主として煽てられてのし上がっていく没落貴族の復讐劇。何かしらことを成す度に族長が伝説やら救世主の誕生やらと騒ぎ出すので、全てが茶番で儀式的。絵巻物のように真横に動くカメラとか広大な砂漠を始め>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

戦時中に海岸に追い詰められた兵士が何とかして本国に帰ろうとする話。助けに行こうとする民間の船や、爆撃を抑えようとする空の戦いも並行して群像的に語られる。低音が響く音楽と極端に少ない台詞、全体像が見えな>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.1

地味で友達のいない大学生が、イケてる富豪の同級生と仲良くなって、招待されたお屋敷で家族に取りいってじわじわと侵食していく話。庭園とお屋敷が静謐で美しいのに対して、登場人物は極端なクローズアップで熱く激>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

透視能力を得た男と出会った医者の手記を読んでギャンブルで儲けようと修行を始めた男の半生を書いた小説家の話。物語内物語内物語内物語な構造が、極めて平面的な背景で紙芝居的に繰り広がられてる。バタバタと手作>>続きを読む

プロスペローの本(1991年製作の映画)

4.3

本が好き過ぎて政治を疎かにしたあまりに弟の謀反で島に流された公国の王が、島の精霊の力を借りて復讐する話。兄の語りでご自慢の風変わりな本の紹介とかも交えつつ戯曲的に展開するんだけど、演劇やオペラはもちろ>>続きを読む

数に溺れて(1988年製作の映画)

4.2

夫を溺れさせた3人の母娘が自分に思いを寄せる検視官を利用して疑いの目から逃れようとする話。0から100までの数字が画面内に散りばめられてるっていう突飛な絵作り。順番が逆転したり台詞の中に出てきたりと出>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

4.0

白鳥との衝突事故で同時に妻を失った双子の生物学者が、生命が腐敗する過程の研究に取り憑かれていく話。双子を左右に添えたシンメトリックで静的な構図が、物語が進むにつれて心の安定に合わせて完全になっていくの>>続きを読む

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.8

夫の留守中に自慢の庭園の絵を描いて欲しいと頼まれた人気のイケメン画家がお屋敷の中でやりたい放題する話。全部で12枚の絵が少しづつ完成するにつれてちょっとした違和感や出来事の断片が絵の中に現れて事件性に>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

大人気スパイ小説の作者が、自分の小説と酷似したシチュケーションに巻き込まれていくっていうメタで明るいスパイ映画。スパイものなので裏切りや嘘やどんでん返しが満載なんだけど、物語内物語による構造的な仕掛け>>続きを読む

パージ(2013年製作の映画)

3.2

日々の鬱憤を晴らすために一年に12時間だけ人を殺してもOKなフィーバータイムが設定されたディストピア的なサスペンスホラー。全アメリカ的なビッグイベントのはずなのに、田舎町の家族の物語に焦点を合わせてた>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.4

新幹線からアタッシュケースを運び出すだけの簡単なお仕事のはずのに刺客が現れてどんどん厳しくなっていく話。外国から見たトンデモジャパンな世界観なんだけど、それにも増して登場人物がトンデモでコメディ強めな>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.1

おしゃべりな悪党たちが仕事したりデートしたりひどい目にあったりする話。会話を主体とした日常系コメディみたいな印象だったけど、割とハードでドラマティックだった。悪党どもがどこか間抜けで憎めない感じなのが>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.4

独自の仕事論を語る凄腕の殺し屋が、凡ミスしてお仕置きされて逆恨みする話。ボイスオーバー多めで主人公の内面が語られるのだけど、内容に全く共感できなくて置いていかれるという不思議な感覚。加えてスミスのキラ>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

3.8

弟からの誕生日プレゼントって事で怪しげな体験型ゲームに参加させられて酷い目にあう金持ちの話。主人公と観客の情報量がほぼ同じで、お遊びと本当の間を行ったり来たりさせられるので、主人公にどこまで自己同一化>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

極度の心配性のおじさんが、母親に会いにいく過程でずっと酷い目に遭い続ける話。大袈裟で残酷だけど、ギリギリ現実にあり得る範囲のバランスの不幸なので、可哀想ながらも笑って見てられる。それが終盤だんだん虚構>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.0

父ちゃんの夢を息子と共に叶える的なファミリードラマ。そこに女の人を絡ませて、最後にお仕置きをするっていう構図が気持ち悪かった。冒頭の少年時代のシーンがピークな感じ。

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

3.7

同窓会に乱入した様子のおかしい男が、あの頃に戻りたいと過去を振り返るのだけど、どこまで振り返っても素晴らしい過去が見つからない話。昔の韓国の風景が決して美しくない雑味のようなもの混みで映させれるのだけ>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.7

輸送中の殺人犯に逃げられた刑事が、地元の刑事と協力して犯人を追いかける話。装飾された昔の大阪を眺めているだけでも楽しい。異文化交流バディものとして楽しめるけど、犯人のやべー感じが突出してるし、何となく>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.5

人生の様々なステージで女がひたすら酷い目にあって、男が常に間違ったことを言う話。演出も語りもシンプルなので、メッセージが直球で伝わってくる。全ての挿話があり得そうなバランスのものばかりで、男の側に一定>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.6

超能力研究所的な所から逃げ出して身を潜めていた女の子が、時を経てひょんなことから組織に追われるようになるサスペンス。情報を小出しにしながらも中々話が始まらなくて、何となく結末も想像がつくよう感じかなと>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.9

熱血刑事と武闘派ヤクザがサイコなシリアルキラーを追い詰めていく変則バディサスペンス。相反するようでほとんど似たもの同士の2人が、言葉では反発しながらも顔で意気投合していく感じが面白い。殴り合いとかカー>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

没落した貴族の女の子が女王陛下に取り入って地位を確立していく話。豪華で整えられたシンメトリックな内装や庭園が美しければ美しいほど逆に馬鹿馬鹿しく見えてくるようなクソ貴族たちのお戯れコメディ。みんなクソ>>続きを読む

ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-(2009年製作の映画)

4.0

ライブ映像だけだと飽きちゃうかもらっていう配慮なのかもしれないけど、飽きるはずがないのでヘンテコな演出は無い方が良かった。ライブの映像自体は盛り上がるところをちゃんと捉えてた感じで最高。アベフトシのア>>続きを読む

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)

3.0

幽霊と結婚するっていう謎の制度に巻き込た警察官が、幽霊をひき逃げした犯人をバディ的に捜索する犯罪コメディ。終盤意外な事実が明らかになってから急に主軸がブレてくるけどそれが逆に新鮮だった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

マッドな研究所で育てられた見た目は大人な女の子が、小物な感じの男に拐われて、各地を旅しながら心も体も成長して自由と進歩と幸せを手に入れるロードムービー。中世の絵画のような平面的で整えられた風景や建築の>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.1

冒頭からノンストップの珍道中から村の救世主的な展開に繋がっていくんだけど、昔のファミコンみたいな雑なストーリーをスペクタクルとアトラクション性だけで無理やり乗り切ってる感じ。ほとんど主人公なくらい子ど>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

アメリカ先住民のオイルマネーをひも的に搾取するだけでは飽き足らず、無自覚を装って全部奪い取ろうとクズ白人が暗躍する西部劇。ミステリーっぽい語りをちらつかせつつも基本的にはクズのクズっぷりとか胡散臭い台>>続きを読む

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.4

イケメンで凄腕のトレジャーハンターが、軍隊いらずの破壊力を持つ黄金の棺をナチス軍と奪い合う話。宝が大きすぎるので、手に入れても全く安心できなくて最後までずっとピンチが続いてる。ほとんどセリフがなくって>>続きを読む

エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

3.2

軍事的な圧政に苦しむ島を舞台にタフな傭兵軍団が義理と人情を胸に大活躍する派手目のアクション。最初偵察とか言ってたから割と知的な展開かなって思ってたら、目を疑うくらい人を殺して、爆笑するくらい爆発させて>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

時代に取り残されたかつてのエースパイロットが、古い価値観の良さを証明するために古巣に戻って若手を調教する話。古い価値観が指摘されて新しくアップデートされていくのではなく、観客も含めた周りを巻き込んでそ>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.5

高度に文明化されながら慣習と歴史に囚われた世界で女王殺しの濡れ衣を着せられた騎士が、やべー女の子と出会って真犯人を探そうとするファンタジー。都合の良いおとぎ話に疑問を投げかけるようなメタな構造になって>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.6

音楽家と俳優の倦怠夫婦ドラマ。ファミリービデオみたいな気軽で断片的な撮影の連なりを美しい音楽がまとめ上げてる。淡々とした中に整えられた構図とか熱いロングテイクとかテクニカルなフックが散りばめられてるい>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.6

盗賊仲間に裏切られて投獄された上に娘も奪われたリュート弾きが、なかまを集めて仕返ししたり人々を救ったりするファンタジー。予告だとコメディ要素みが強そうだったけど、適度に悪くてふざけてる感じがちょうど良>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

3.4

エッグマンがナックルズを騙してソニックに復讐する話。前回バディだった警察官が父ちゃん的な立ち位置になってて、まさかの家族ものになってる。テイルスとコンビを組んだり海中神殿が出てきたりするので前回よりゲ>>続きを読む

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.2

一曲目から本当にそこにいるみたいな圧巻の存在感。オーディエンスの涙にもらい泣きした。思ってたよりライブ以外のパートが多かったけど、その全てが次の曲を最高に聴かせるためのMCみたいな役割になってる。衣装>>続きを読む

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