猫の姿をふと探してしまう自分がいる。ソファの片隅、折り重なって寝ている三匹の猫、三匹とも死んでしまって随分な時間が流れているというのに。旅に出ると軒下や路地の奥を覗き込んでしまう自分がいる。猫がいると>>続きを読む
よくできたシナリオ。死にまつわる迷宮に誘い込まれて固唾を呑む展開。さいごは哀切で涙腺がゆるむ。ただ画面の強度、無理矢理すぎる色彩の脈動に眼を奪われ、ストーリーへの没頭を時折邪魔されてしまう。古典的なド>>続きを読む
井浦新の目が印象に残る。象嵌された穴のようで、覗き込んでもその底に何があるのか窺うことはできない。無垢にも偏執にも繋がる目。形をとる一歩手前の目。作品はいささかバランスを欠いていて、音楽は異様に大きく>>続きを読む
かなりの期待をもって映画館に突入したのですが、開戦早々に討ち死にしてしまいました。とっても可愛い女の子がいて、年甲斐もなくのぼせちまって、なんかの折に思い切って話しかけたら思いっくそ気持ち悪がられたよ>>続きを読む
法廷もんは面白い。ただあまりレベルが高いとは言えない訴訟内容で、タイトルの哲学的崇高さにはやや及ばぬ鑑賞後感。しかしアウシュビッツでのロケシーンには我知らず居ずまいを正してしまったし、裁判の行方には固>>続きを読む
2017年はナチ/ユダヤものの豊作年として記憶されるかもしれない。身近な人がアウシュビッツを旅行したのも2017年だったし、新書でポーランドの歴史を読んだのも2017年だった。そして締めくくりがこれ。>>続きを読む
照明を抑えた焦点深度の浅い絵作りで、しかもスタンダード。好みの画面。何十年もに渡るストーリーというのも好み。かなり長めのカットがあるかと思えば劇的になるはずのシーンを二つの短いインサートショットですっ>>続きを読む