masayaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

4.2

メジャーデビュー30年のスピッツ。帯広の築百年の建物で行った無観客ライブを気鋭の松居大悟監督が撮る。メロディアスなセットリスト。リラックスしたメンバー。温かな光と色の効果でいつも以上に親密さを感じるラ>>続きを読む

ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.9

誰もが思う。あの時、違う選択をしていたら、人生はどの様に転がっていっただろう?
いくつかの分岐点で枝分かれした4通りの生き方をどこまでも追いかけ、人生の無限の可能性と共に、自身の軸さえ見失わなければ、
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.1

それは学校で起きた暴力事件。新聞を禍々しく飾って、数日間で忘れさられるような。でも彼女にとって、彼にとって、彼らにとっては決して一言で片付けられる出来事ではなかった。断片的な情報と各々の視点から、先入>>続きを読む

劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ(2023年製作の映画)

4.1

地方アイドルグループの、一番内気で地味な子に運命的な一目惚れをしたガチヲタ女子。推しが居れば毎日が輝き、推しが辛そうならこっちも辛い。人生を推し事に全力投球するその熱狂に共感しかなく、推す方推される方>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.1

11歳の私が父親と2人だけで過ごしたあの夏の休暇の日々。今はもう聴くことが出来ない父の想いを、唯一残された8ミリテープの断片的な映像から探ろうとする。幼かった私には見えなかった、想像すらしなかった父の>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.0

世界で一番黒い絵具で描かれた、世界で一番黒くて「邪悪」な絵を追って、興味を持ったらとまらない露伴先生遂に日本を飛び出しパリ・ルーヴル美術館へ!描く者の性か、いや、それはずっと遠い過去から続く、呪いにも>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.9

両親亡くしてからつつましくも賑やかに暮らしてきた四人兄妹、二番目のお兄ちゃんはある使命を帯びて地球に潜入していた土星人だった⁉︎しょうもな設定とシュールギャグ畳み掛けにゲラゲラ笑い、最後に俺何で泣いて>>続きを読む

それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)

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生き別れになった母親との偶然の再会。母親は自閉症の弟と母子2人だけで生きていた。ベタな家族愛ストーリーと分かっているのに周到に準備された泣かせ所に結局心動かされてしまう。はじめ凍りついていた母子関係、>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

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ちょっぴり不気味で、滑稽で物哀しい一人の亡霊の物語。肉体を持った生の時間など、ほんの僅かしかない。死に至っては一瞬だ。それに比べて死後と生まれる前の時間の長さの途方のなさよ。壮大な展開が一回りした後に>>続きを読む

500ページの夢の束(2017年製作の映画)

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明後日に迫ったスター・トレックの脚本コンテストの締切。原稿を手に、ウェンディは施設を抜け出して困難な旅に出る。出会う人は時に温かく、時に信用できない。彼女は前進する。ロサンゼルスへ、そして本当に届けた>>続きを読む

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!(2017年製作の映画)

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冷戦終結期の冗談みたいな実話エピソードを元にしたキューバ映画。当時の世界の混乱状態を背景にしながら、ハートフルで自由でロマン溢れる映画だった。絶対絶命の時に次々繰り出される強気のジョークに、何故か泣か>>続きを読む

日の名残り(1993年製作の映画)

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英国名門貴族の館に仕えた老執事の回想記。大きな時代の潮流に翻弄される弱き者たちの物語。全ての人が善意と良心の下に生きようとしたにも関わらず、誰一人として胸を張って正義を為したと言うことは出来ない。痛み>>続きを読む

ごっこ(2017年製作の映画)

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ポスター写真に油断していると腰を抜かすようなハードボイルドだった。シャッター通り商店街のレオンとマチルダ。全ての登場人物が狂気を内包していて、それぞれが思い描く情愛をなぞる時、それは隠し切れない牙を剥>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

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かつて同じ時を過ごしたチワワちゃん。刹那的な享楽主義者で、眩い輝きで周囲を魅了しながらどこまでも孤独で。青春を誰よりも速く駆け抜けて、そして居なくなった彼女の横顔を追う。めくるめく映像に集約された〈僕>>続きを読む

ぼけますから、よろしくお願いします。(2018年製作の映画)

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ひとつの家族に「老い」が訪れる。認知症を患い、次第に塞ぎがちになる80代の母。どこか昼行灯な父が、95歳で母に代わって家事を始めた。この生々しくて愛に溢れた撮影は監督が二人の愛娘だったからこそ。普遍的>>続きを読む

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

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発明家気質の男が、妻を救う為に始めたトライアンドエラーの果てにインド中の女性を救う話。さすがインドとというかこのテーマでも笑い泣き踊るがっつりエンタメ。アクションもサスペンスもないけど、男が痺れるヒー>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

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私は私からは離れられない。たとえどんなに不様で、歪で情けない私でも。双極性障害で人と同じように生きることに困難を感じる寧子と、仕事や交際相手の問題を一人抱え込んだまま静かに沈んでいく津奈木。不器用で真>>続きを読む

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

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あの日命を救ってくれた親友に70年ぶりに会う為に、脚が悪くて頑固なアブラハム老人は地球を半周する旅に出る。彼と親友が生まれ育ち、そして別れたポーランドへ。その旅は彼の人生にとって目を逸らしてきたもの、>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

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呪われた夢と憂い顔のアポロ計画。歴史的偉業を英雄的視点から一旦離れて見た時、一人の繊細な男の苦悩の人生があったかも知れない、という話。制御不能の宇宙船、小窓の向こうで回り続ける宇宙。大きな犠牲を繰り返>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

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迷子の女の子をお母さんの元に送り届ける為に、バジュランギは国境も法律も宗教も習慣も飛び越える。
ボリウッドの美麗な映像も踊りも勿論あるけど、小さなムンニーの笑顔が見たい、ただそれだけが物語の原動力にな
>>続きを読む

移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

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序盤の弱小都市を狩っては文字通り喰らって燃料にする巨大移動都市ロンドン登場どーん!!はテンション上がったし各種都市やメカのデザインもワクワクした。まあ思ってたのとはちょっと違ったけど、目や耳で楽しめる>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

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60年代アメリカの根深い差別意識の中、正反対の二人が旅の途上の様々な出来事を通じて絆を深めていく王道ロードムービー。社会の不正を正すのは暴力ではなく品性と勇気であるべきだと。誇り高い男と情に篤い男が選>>続きを読む

洗骨(2018年製作の映画)

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思いがけない衝撃作。予告編で想像する物語のずっと先まで見せてくれた。生きること死ぬことは隔絶された別世界ではなくて、隣り合って、時には混ざり合って存在していて、自分たちがその中で先祖から繋がれてきた血>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

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比喩の映画。散らばった色んな比喩表現を追いかけては惑わされつつ、所々差し込まれる美しい映像に魅せられていたらそれもメタファーであると気付いて愕然とする。技巧的な原作を換骨奪胎して大胆に映像化してる。見>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

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コペンハーゲンの警察の緊急ダイヤルに寄せられたSOS。耳から入るだけの限られた情報、限られた時間で命を救えるか。一つ一つの音が手掛かり。先入観、そして正義感や使命感すらも、時に悪手となって解決を阻む。>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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黒人差別団体KKKに黒人刑事が潜入捜査するという奇想天外でクールで痛快な物語を通して見えてくる、人種間の憎悪と憎悪の果てしない対立の連鎖。怒りと憎しみは、我々を幾重にも深く分断していく。それはけして、>>続きを読む

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

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アメリカの潜水艦でロシアの大統領助けに行くぜ!という空前絶後に破天荒なプロットに海の男の友情とか特殊部隊の脱出劇とか浸水の恐怖とか艦船軍事系メカとか満載で盛り上げまくる。出てくる奴らみんな見せ場があっ>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

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もし、この努力が報われなかったら私に何が残るんだろう?一つのことに打ち込むことは、不安が常につきまとうことを意味する。犠牲にしてきたものは。将来は。葛藤し、それでも自分なりの答えを導き出そうとするヒロ>>続きを読む

ソローキンの見た桜(2018年製作の映画)

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日露戦争での捕虜収容という歴史の片隅に置き去りにされそうな出来事をベースに、戦争というもっとも不幸な形の国と国の交わりをきっかけに燃え上がったわずかな期間の恋の物語。日本の桜は一時に咲いて散るが、その>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

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一人の女性の淡々と進む日常の中に、哀しみの種は少しずつ撒かれる。彼女は止めどない荒波のような悲哀をその小さな身体に受けながら、自分自身を形成し、その居場所を築いていく。歴史の教科書に載ることなどないけ>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

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原作は最初の方しか読んでないけどかなり楽しめた。序盤から盛り上がるストーリー展開に雄大な風景、迫力の戦闘シーン。登場人物、特に脇役のキャラの濃さが良かった。大沢たかおの王騎将軍やばい。

連休中のファ
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中島みゆき「夜会工場VOL.2」劇場版(2019年製作の映画)

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言うまでもないが...最高だった。初回上演から30年(!)を迎える「夜会」の伝説のアクトの数々を繋ぐ二時間。舞台特性上ご本人がずっと出ている訳ではないのだけど、居ない時にも常に濃厚に漂う彼女の気配。劇>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

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愛でもない、恋でもない。寂しさなのか執着なのかもう判別出来ない複雑な感情。子供にはまだ難しい、大人たちが理解できる筈もない。年頃の彼女達だけが持ち得る一瞬の輝きと長い憂うつと、それぞれの決着の付け方。>>続きを読む

居眠り磐音(2019年製作の映画)

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春の日ざしのような穏やかな佇まいを持った、凄腕の青年剣士。一生背負う過去と向き合い続けながら、もう会えない人達を思い続けながら、彼は今を生きることに決めた。
平成の大人気小説の現代的な感覚を生かしつつ
>>続きを読む

空母いぶき(2019年製作の映画)

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憲法で不戦を誓った我が国と、その国民の生命と権利を守る存在としての自衛隊がもし有事に直面したならば。一人一人の政治家は、自衛官はどうするか。報道は、国民は。いつか起きるその時について意識せざるを得ない>>続きを読む

芳華-Youth-(2017年製作の映画)

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激動の70年代中国、国策として作られた人民解放軍の文芸工作団に集った若者たちの物語。無情な戦争を経て、彼ら、彼女らが青春を捧げた時代は足早に去り、新しい時代に彼らの居場所はない。美しい映画だった。そし>>続きを読む