まほにさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

まほに

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かくも長き不在(1960年製作の映画)

3.9

最後のシーンがなんとも衝撃的
記憶を失うほどの壮絶な体験をしたことが一瞬でわかり、それまで誰しも持てなかった確信をあんなことで確定してしまうなんて。
とにかく悲しい

私は確信する(2018年製作の映画)

3.7

実在する事件を基に作られている
姿を消した妻の行方をめぐり夫が容疑者となり、遺体のない殺人事件として裁判が行われる。
主人公のノラは架空の人物であるが、事件の第三者である我々を表しているようだった。
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.4

余計な演出が排除されている分、距離が近くリアルに感じる。
どんな目に遭っても生きるしかない世界
不器用ながらもがむしゃらに生きる姿が痛々しく苦しい
最後、あの後にきちんと弱音を吐け助けを求められただろ
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菊花の香り 〜世界でいちばん愛されたひと〜(2003年製作の映画)

2.9

純愛と涙を誘う展開の2000年代初めの韓国メロドラでイメージするような作品
ヒロインのヒジェを演じたチャン・ジニョンが物語と似た運命を辿ってしまったことが何よりも悲しい結末になる

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.3

全て狂気的だし何もかもが兎に角不快
他に言うことはない
ここまで作り込めるセンスは作品として良いことではあるけど、本当不快すぎてずっと胃がムカムカする。
ただ、オテサーネクのストップモーションだけは好
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

3.7

それだけで評価上げたくなるほど、かかる曲全部マッチして雰囲気良すぎる。
友情も恋愛も純粋で可愛くて愛しい
何事にも全力になれるその若さが大人である今の自分には眩しい

ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.5

近未来でサイケデリックさがありながらも退廃さを感じる作り込まれた世界観
複雑で難解に見えてよく考えてみたら意外とテーマはシンプルなことだった
ただこの作品を言葉で表現するのは難しい
最後、水辺でかかる
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スワンソング(2021年製作の映画)

3.7

変わりゆく世の中で変わらない思い出たちもあれば変えられる感情もある
飛び込んできた仕事の依頼をきっかけに過去を清算していくロードムービー
切ないけど不思議と清々しい気持ちなれる終わりがとても良かった

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.3

対象的な二人の女性であるけど、強い信念を持ってることは共通項。
対立するかと思えば意外と影響されたりしてそんな二人が可愛く思える
完全にどちらかに寄ることなく、ここではレネット、あちらではミラベルと二
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.4

時間軸が行き来したり物語に抽象的な部分も感じ分かりにくさも否めないが、全体的に文学的であり美しい作品だった。
後半に主人公であるジェーンが夫人に言われる印象的な台詞、人知れず愛する人を失った彼女に些か
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不器用なふたりの恋/フェア・ラブ(2010年製作の映画)

1.3

何ひとつハマれなかった
年齢差の恋愛はまだしも友人の娘っていうのが一番にキツい
そこを乗り越えるような魅力も男女のお互いに見出だせなかった

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.6

良い意味で思ってたのと違った
あらすじと序盤のストーリーから想像していた展開とは全然違い、ハートフルな着地点で単純に困惑した。
でも、悪い作品ではない。なんせニコラスの演技は良い
ヒューマンドラマと認
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恋するモテない小説家(2017年製作の映画)

3.0

邦題とジャケットから想定していたより面白かった
頭を使いたくないし感情も昂らせたくない気分だった自分には丁度良かった
ストーリー展開はだいたい予定調和だけどゆるくコミカルで優しい気持ちで観られる

キャンディマン(2021年製作の映画)

3.0

これが続きとは知らずに観てしまった
これだけでも話としては特に破綻してないけど前作を観ていたほうがもう少し楽しめたのかもしれない
終盤で集合体的なブツブツにゾワっとしたくらいで、全体的にあまり恐怖感は
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母の残像(2015年製作の映画)

3.7

人間の主観的な視点は写真をトリミングするかのごとく相手のほんの一部分しか見えてないことがよく表されている
それを表すかのような中盤での次男に対するシーン
それまで見えてなかった部分が解放されると、もの
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

3.9

四肢全てと五感のほとんどを奪われ夢と現実の間でさ迷い続ける
唯一の希望すらも奪われる絶望
命について否が応でも考えさせられる
観てる最中もひたすら辛いが、観終えた後により一層辛くなる。

潔白(2020年製作の映画)

3.3

冒頭の葬儀シーンに一瞬で心掴まれた
しかし、いかんせん登場人物に中年男性が多いので名前と顔を一致させるのに手こずった。
それでも二転三転と変わる状況に最後まで楽しめたけど、後味すっきりした気分で終わり
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ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

2.9

正反対の二人で何もかも合わなさそうに見えたけど、逆にそれがいいのかな。
ベルイマン監督作品に精通していたら違う目線でもっと楽しめたかも
今の自分にはただ美しい島の景色を堪能して、映画のように自転車で島
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THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

3.6

同じ民族が国境を挟み敵対することがなんと虚しいのか
自由であることが幸せであると決め付けることの傲りを感じ、幸せとは何なのかを考えさせられた。
他作品と比べキム・ギドク監督特有のドギツさは少なく観やす
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C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

3.2

生まれながらに特別だった主人公ザックの物語であり、強情な父の成長物語でもある。
タイトルの伏線回収が気持ちいい
終わってみたらこれだけで家族愛を感じられる

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

1.8

狂った町"ヤバ"
どんな悪事も何処吹く風なのに酒を断ると執拗に責め立ててくる
とにかく不快感しかない映画
狩りのシーンはオーストラリアという土地柄もあって、先住民とダブって更に嫌な気分になった。
恐い
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

4.0

どのシーンを観ていても画力があって心揺さぶられた
たった1秒を観るために何倍もの時間を要するあの不便さがもどかしいけど、とてもかけがえのないものに思える。
村人総出で映画を待ちわび、協力し、喜ぶ、その
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

3.8

動物と精神病患者たちが見捨てられ取り残された街を舞台に戦争の不条理さをユニークに描いた作品
戦争を描きながらも全体的にハッピーで朗らかな気持ちで観られる
身に迫る危険も実は全て理解しながら見ないフリを
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親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.7

ソ連の冷たさを肌で感じる
今の情勢と照らし合わせると、最後の台詞が重くのしかかる。
何故あの台詞をチョイスしたのだろうか
あれから何か変わっているのだろうか

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.8

なんとなくで観ていると湧く疑問点は次第に明かされていき、とうとう終盤で合点がいくと感嘆とする。
そしてじっくり考えながら観ると自分が思っていたよりもずっと深く、色んな解釈が出来そうな話だった。

悪い男(2001年製作の映画)

3.6

矛盾しているが純粋であり屈折した愛
凡人である自分には何故?が止まらなくなる
理解出来ないし全く共感も持てないような愛情だけど憎いほど画は美しい
キム・ギドク監督にしか描けなかった世界観がある

女神の継承(2021年製作の映画)

1.7

端的に言って自分に合わなかった
原因が定かではないけど、モキュメンタリーがダメだった感じがある。
頭の中でドキュメンタリー風フィクションという概念が過って興醒めしてコメディ観てる感覚に陥ってしまった、
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.9

駄目な親によって人生が左右されて、逃れたいのに結局親しか頼れないという。
徹底的な悪なら情が捨てられるのに、優しい一面があるのが憎みきれず厄介で残酷に思える。
とにもかくにもビリー役のラナ・ロックウェ
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.7

ブラックボックスが題材なだけに音の使い方にこだわりが感じられ、こちらの聴覚も研ぎ澄まされるような感覚に陥り音によってかなり緊迫感が増していた。
先の読めない展開と張り詰めた空気に最後までスリルが感じら
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.0

いかんせん"ゴドーを待ちながら"を知らないので、この物語にしっくりくることはなかった。
芸術としては成立したのかもしれないけど、現実的に考えるとモヤモヤする。
成功体験談を身にしてほしかったと思う

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

4.3

中国で大ヒットしたのも頷ける
笑いあり涙ありでとてもとても良かった
親子それぞれの愛情が優しく心に触れる
終盤で既に泣いていたのに、ダメ押しとばかりのどんでん返しで更に泣かされる結果となった。
監督・
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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

3.6

理不尽が溢れ過ぎてるこの世の中をシニカルに描かれている
私自身が理解しきれず拾いきれてないところもあっただろうけど、全体的に皮肉たっぷりでなかなか面白かった。
そしてコロナ禍な社会を映画に上手く落とし
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ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.3

初めは必要悪みたいなものかと思っていたけど、蓋を開けたらめちゃくちゃで気分の良いものではなかった。
とくに切羽詰まってる時の弱味につけこんでるのなかなかに悪どい
申し訳ないけど医療制度に関しては日本で
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.6

子供だからこその純粋さが時に牙を向くのではないかと心が落ち着かなかった
自分の幼い頃にも髪は短く快活で男勝りな子いた(なんならお兄ちゃんのお下がりの水着も着てた)ので、トムボーイって身近にいたと思う。
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パーフェクトマン 完全犯罪(2015年製作の映画)

3.3

偽りで手にした栄光と本当の自分とのギャップでどんどん追い詰められていく
自業自得とはいえ転がるように落ちていき最後まで目が離せない展開にハラハラした
モヤモヤはするけどある意味この終わり方で溜飲を下げ
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ホワイト・バレンタイン(1999年製作の映画)

3.8

この年代の韓国映画らしい、胸がくすぐったくなるような純粋さがある。
そして胸が苦しくなるほど切ない
近くにいるのに核心になかなか触れないもどかしさ
そのどれもが自分には愛おしかった