このレビューはネタバレを含みます
舞台があって、そこに世界が広がっていて、でも誰もいなくて、そこにポツンと佇んでいる。「見る」よりも「いる」ことが何よりも保障されたカメラの存在を、戸惑いながらも見る。「存在」に存在感はなく「不在」にそ>>続きを読む
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ほとんど君たちはどう生きるかやん、とか思ってしまった。
物語に”ウェスアンダーソン感”が吸い付くのではなく、場所に貼り付いている。そしてその場所は水平線でこちらへとつながっている。配信され始めた新作短>>続きを読む
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出たいと思っていたこの世界はすでに終わっていて、今この時間はその瞬間の引き延ばしにすぎなくて、瞬間はもうすぐ過ぎ去る。それを無理にでも延ばしたいと思うことと、誰かのために早く終わらせようとすること─映>>続きを読む
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彼女の絶望の淡白な描かれ方に、彼女の希望の美しい描かれ方に、周囲の人々の振る舞いのなだらかな描かれ方に、不信と不安を感じた。人生がそんなに美しく過ぎるわけがなく、希望の先にはさらなる深い絶望が待ち受け>>続きを読む
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何が起きているのか分からないというのは、世界が存在している唯一の証拠なのかもしれない。自分の眼差しの愚かさを、時間を棄てる怠惰さを、無視して眼前の世界は不吉に目眩く変化していく。カメラが作為と時間の中>>続きを読む
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(鑑賞時のメモ、殴り書き)
異形すぎる。という感想が自らの無知と偏見から来る嘆かわしい語彙であることを含めて、異形すぎると思う。なんてったって、カメラの前から映画が消失するのだから。
この感覚は凱里>>続きを読む
風に触れ、水に触れ、食物に触れ、他人に触れる身体は、心とつねに触れ合っている。心が動き、身体が動く、身体が風を切り水に濡れ時に暴力的に時に優しく他人と接する、光を浴び闇を歩く。心がある限り、身体は世界>>続きを読む
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人と夢。現実とフィクション。夢を見、冒険を、幻想を見、世界を反射的に描き、示唆的で風刺的で教育的で娯楽的で芸術的である創作、一時代を築いたスタジオジブリ、宮崎駿。人々の多くは彼らの作品を愛してきただろ>>続きを読む
美しい、完璧に近いアンビエント・ムービー。夏の思い出はいつも取りこぼすけど、夢はぜんぶここにあるからいい。
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ステレオタイプにジャンル化された開放的─解放的な夏が革命記念と大不況の上を空虚に滑稽に滑り回る。風刺的ではない、人生と夏の持つ風刺性そのものだ。
ロメールだ、タチだ、いやゴダールだ、ロイアンダーソンだ>>続きを読む