ヒロインが岩下志麻な分だけいつもより若干観やすくはなっているが、僕にとっては3.5点の映画に過ぎない。
だが、あとで内田樹先生のレヴューを読んでびっくり!
先生、参りました🙇
原節子が嫌いだ。
美人だとも思わない。
むしろ、女優としての魅力に欠けていると思う。
演技も下手だと思う。
半世紀前の婦人雑誌の表紙を飾っていた女性モデルの、彫像のように凍りついた笑顔。
小津映画の退>>続きを読む
このストーリーで3時間というのは、どう考えても長い。
一瞬、最後まで観ずに返却してしまおうかと思ったが、貧乏性なのでもったいないから、最後まで観てしまった。
映画がこれだけ退屈だと、原作にも手が出しに>>続きを読む
かなり悲惨な物語ではある。
その手の映画は嫌いではないが。
むしろ、ラストのカタルシスに不満。
一度も会いに来ないで、ひたすら金の無心の手紙だけを送りつけてきた息子が、もはや金のなくなった母に、いった>>続きを読む
つまらない。
主演男優に疑問符。
ベラミ(美しい男友達)というんだから、さぞや美男かと思いきや、あれれ、なんだか残念な感じ。(てなことを、残念男子の筆頭である僕が言うのもなんですが。)
イギリスではこ>>続きを読む
若き詩人リュシアンは、侯爵夫人とのロマンスが露見してしまい、夫人とともに田舎からパリへと逃れる。
やがて、夫人と別れたリュシアンは売れっ子の新聞記者となり、新進女優と暮らしはじめる。
はたして彼は詩人>>続きを読む
ヒロインの演技などはたしかに素晴らしくて、これがかのドライヤーか、無声映画恐るべしと思ったが、宗教嫌いなので5点は入れたくない。
映画を観て思ったこと:
大江健三郎に『狩猟で暮らしたわれらの先祖』と>>続きを読む
ドルジェル伯の舞踏会での荘厳な舞踊のような様式美に痺れた。
事前の予想を大幅に超えてきた。
この監督に注目してみたい。
まわる まわるよ 三角形がまわる
まわる まわるよ 三角形がまわる
まわり>>続きを読む
先日観た『ボヴァリー夫人』(監督:ソフィー・バーセス/2014年/ドイツ・ベルギー・アメリカ合作/原作:ギュスターブ・フローベール)のことを思い出した。
こんなはずはないなと思った。
これがフローベー>>続きを読む
今回原作の読後に観てみると一段と興味深かった。
その一つは、プルーストの『失われた時を求めて』との関係性だ。
『失われた時を求めて』の「私」はアルベルチーヌを籠の鳥にしようとし、本作のハンバートはロリ>>続きを読む
小さき人たちの渾身の戦いの記録。
長くて暗いテーマだから、あまりほかに観る人もいないだろう。
天邪鬼の僕としては、永久保存版にして何度も観よう。
砂浜に打ちては返す波のように、人は水俣を繰り返すだろう>>続きを読む
六四天安門事件34年目の今日、記念に何か読もうと思ったが、今読んでいる鄭義の『中国の地の底で』は、まだ読み終われそうにないので、『亡命』のDVDを観ることにした。
このDVDは、「異人」である僕にとっ>>続きを読む
日本の入管・難民制度の非人間性と、その抑圧の中で懸命に生きているクルド人親子の姿を描いている。
映画『東京クルド』でも描かれていたが、仮放免者は就労が禁止されている。
おまけに生活保護の受給も認めら>>続きを読む
赤坂憲雄の『排除の現象学』を読んで以来、「寅さん映画」から目が離せなくなってしまった。
そして、見れば見るほど、「異人」車寅次郎の立ち居振る舞いが、かつての僕自身の姿にそっくりなことに驚かされる。
特>>続きを読む
解体作業に従事しているクルド人青年と入管職員とのやり取り。
『職員 まだやってる仕事
解体の仕事でしょ
青年 そうだよ
職員 それだけ?収入源としては
他にお父さんとか >>続きを読む
パリに住む自称作曲家のアメリカ人、ピエール。
自尊心が高くて、地道に働きもせず、他人から金を借りては暮らしている。
そこに、伯母が死んで、莫大な遺産をいとことピエールが相続するという電報が飛び込む。>>続きを読む
陰々滅々感が、笑っちゃうくらいどストライクな映画。
ベルイマン『野いちご』を思わせる。
雨が降っている。
リカルド・レイスは、夜ごと死せるペソアと対話する。
豊満な女と痩せた女がいる。その年最後の花々>>続きを読む
余白があって、いつまでも心のどこかに残っているような作品だ。
異人を愛するものは、必ずや傷つかざるを得ないのかも知れない。
このレビューはネタバレを含みます
世評の高い映画ではあるが、僕にはどうしてもピンと来なかった。
愛する人といっしょになれない。
その辛さは分かる。
でも、それって死ぬほどのことだろうか?
まして、若い頃ならまだしも、彼には妻と娘がいる>>続きを読む
この映画を観るために読んだロバート・コンクエストの『悲しみの収穫―ウクライナ大飢饉』で、ホロドモール※1や、富農撲滅運動※2のあまりの凄惨さに圧倒された。
映画への期待はいや増すばかりだった。
だが、>>続きを読む
イタリア映画祭2021のオンライン上映で視聴。
とにかく、この映画だけは観たかったのだ。
僕もまた、いつの日か《「すべてが美しい」》と言うだろうか?
マッテオは、なぜああいう選択をしたのだろうか?>>続きを読む
ゴンクール賞を受賞したロマン・ガリの『夜明けの約束』を映画化した作品。
ガリと母親との異様なほど濃密な紐帯を描き尽くしており、僕のようなマザコン男にはたまらない作品だ。
母とは、なんと大きくて、頼りに>>続きを読む
これまでにもケン・ローチは『ケス』や『わたしは、ダニエル・ブレイク』など数々の重い映画を世に問うてきた。
だが、この映画は、それらの映画を凌駕して、さらにずっしりと重い。
過酷なノルマと非人間的な職場>>続きを読む
何故だろう?
人はみな壊れた心を持つ。
観光地の土産物屋に売っているハート型で真ん中がギザギザに割れたペンダント。
ニーナ、コンスタンチン、マーシャ。
何故だろう?
人はみな壊れた心を持つ。
だが>>続きを読む
寅さんがひょんなことからウィーンへ行く話。マドンナは竹下景子。
以前、勤めているとき、寅さん映画ばかり観ている人がいるという話を聞いたが、赤坂 憲雄の「排除の現象学」で、フーテンの寅が社会から排除され>>続きを読む
2020年大統領選挙を見ても、アメリカが深く病んでいるのは明らかだ。
だが、その病巣を取り上げても、あくまでもポップに仕上げるのが、マイケル・ムーア流だ。
スナック菓子を食べながら観られる社会派映画な>>続きを読む
久しぶりにウッディ・アレン節を聴いて、心ゆくまで笑った。
戯画化された登場人物達の中で、マフィアの用心棒チーチの造形が秀逸!
さんざん笑った後、ラストシーンの名台詞を聞いて、この物語が一人の若者のビル>>続きを読む
父親との確執に苦しんだ者にとっては、何とも心を揺さぶられる映画だった。
エドゥアールの鳥の仮面の美しさが忘れられない。
アルベルト・モラヴィアの小説のゴダールによる映画化ということで期待したが、あまりピンとこなかった。
やはり「オデュッセイア」を読まなくては。
小説で、ボロボロに泣かされていたので、用心していたのだが、やはり泣かされてしまった。松たか子はやっぱりいい!ドラマ『藏』(1995年)を思い出した。
川口恵子さんの『映画みたいに暮らしたい!』に出会わなかったとしたら、僕がこの映画に出会うことはなかったかも知れない。
こんな美しい映画評論を他に知らない。
『彼女に庭があるわけではない。
—中略—>>続きを読む
う〜む。さっぱり分からない。返却する前にもう一回観るか。
そうだ、あとで安部公房の評論をもう一度読んでみよう。
※ 安部公房の評論:
『裁かれる記録―映画芸術 論』
やっとこの映画にたどり着いた。
安部公房のエッセイで、ルイス・ブニュエルの「忘れられた人々」、「黄金時代」、「アンダルシアの犬」のことを知ってから、すでに40年近くたってしまった。
この映画には、感化>>続きを読む