mononcleさんの映画レビュー・感想・評価

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旧作邦画好きです。<押繪と旅する男><ユメノ銀河><砂の上の植物群>などの幻想味漂う隠れた逸品のごとき作品を愛します。ヨーロッパ系耽美派作品も好むところです。今年度上半期ベスト3は<羊の木><羊と鋼の森><LOVELESS>

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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.5

'70年前後の熱き時代状況はよくわかる。だが、若松孝二役の井浦新は格好良すぎるのではないだろうか。一生懸命、粗野に務めていたが、品性の良さは隠しきれない。女性の助監督がいたというフィクション?は、なか>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

4.0

斬る、斬られるよりも女性という生物の特性があぶりだされた作品。構造は、全くちがうのに、男二人×女一人の構図からは、黒澤の《羅生門》と同質の匂いを感じさせる。蒼井優が、キャリアを積んで京マチ子の如き魔性>>続きを読む

ゾンからのメッセージ(2018年製作の映画)

3.5

つげ義春と横尾忠則と眉村卓の作品をミックスして反転させたようなゴツゴツとした肌触り。三氏に映画を見ていただいて、感想をお聞きしたいところである。傑作かはたまた大いなる失敗作か判断がつけようがない。今年>>続きを読む

散り椿(2018年製作の映画)

3.8

岡田くんは、ほかのだれよりも腰の構えができており、武士の身体性が身についていた。時代劇の作品依頼がないときでも、ふだんから武道の稽古をしているのではないだろうか。あの伏し目がちの構えは、実際に〇〇流と>>続きを読む

教誨師(2018年製作の映画)

3.5

名作《12人の怒れる男たち》を上回る閉塞的な密室劇。
果たしてカメラは最後まで接見室から出ることはないのだろうか?死刑囚6人の生と向き合う教誨師の主人公の過去が、後半明らかになる。大杉漣の最後の主演作
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太陽の塔(2018年製作の映画)

3.0

喋り過ぎです。
インタビュー集にしたかったのか?映画にしたかったのか?頭でっかちの伯父さまたちが次から次へと現れては語るなか、菅原小春が渋谷駅の<明日の神話>を背景に背負いながら踊る姿がなにより雄弁で
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

簡単に言ってしまえば、男女の三角関係。石橋静河演じる女性は、水が低きに流れるように、手近かな男性から男性へとつきあう男を変えてゆく。定職を持たない3人の生活感を通して眺める函館の街は好きになれない。ほ>>続きを読む

野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.5

見ておきたかった映画の一本。
ようやく初見だが、それほどの鮮烈さはなかった。主人公の病性がテーマなのだろうか、感情移入がし辛い主人公である。いまは亡き、佐藤慶、室田日出男、青木義朗の強面陣が再見できる
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泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

4.2

昨今の将棋映画に外れなしといったところか。
まわりの人たちの応援をエネルギーに変えていく終盤のシーンでは、落涙ものでした。それにしても、喫茶店の女の娘はもったいなかったな〜はじめて勤めた会社でも隣席の
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

ようやく話題の映画をみることができた。だが、前半の台詞の間の悪さ、拙劣な脚本のゾンビ映画をなぜ見せられるのか困惑していたところ、後半では前半の不可解さが謎解きされる。その特異な構造がいちばんの魅力なの>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

4.5

たしか4回目の鑑賞。
終盤、山崎努はちらっと出るだけかとおもったのだが、想像より出番は多い。つくづく記憶の不確かさをおもい知る。資産家の象徴である権藤邸のセットも意外と小振りである。最近、亡くなった菅
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.2

全編に漲る緊迫感。
雪山で発見された犯人は一体誰なのか?意外とそれは。。自然と野性の法則を知り尽くしたハンターの主人公の過去も終盤に明かされてゆく。銃撃戦の顛末は、一体あれでいいのだろうか?と首を捻ら
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1999年の夏休み(1988年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

リアルタイムで見てから早30年なのか。
この作品のどこが、それほどよかったのかはなはだ疑問。少女漫画を実写化すると、こんなに陳腐な作品になりますという典型的サンプル。少女が少年を演じる着想や出演者4人
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菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.0

力作ながら散漫な印象の作品。構想30年の入魂作という触れ込みだが、《64》に見られたような骨太さと精巧さはない。杜撰なシナリオと脈絡のない展開に期待値が高いが故の落差から途中で出ようかとすらおもう。キ>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

D.D.ルイスに当て書きされたような仕立て屋の主人公。
これを邦画にするなら、主役はやはり田村正和だろうなと・・。妻役が、すこし芋臭いのだが、ストイックな彼とのバランス上ちょうどいいのだろう。朝食時の
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羊と鋼の森(2018年製作の映画)

4.5

オープニングから魅き込まれる調律音と森のイマージュ。
静寂と余韻。抑制された台詞と無言の対話。ピアノの調律師が主人公であることをわきまえた演出。ピアノを弾く努力派の姉と天才肌の妹が、あのような結末を辿
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あしたはどっちだ、寺山修司(2017年製作の映画)

3.3

天井桟敷元劇団員やその周辺の関係者が、現在でもなんらかの形で寺山に関わっている。その事実が、寺山の人となりを表しているようにみえる。記念館館長を務めるのは、《書を捨てよ町へ出よう》の主役だった佐々木英>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

家族とは?親子とは?と問いかける構造は、《誰も知らない》を思い出させる。もっとも印象深いシーンは、花火?を見上げる疑似家族を俯瞰で捉えた構図。置かれた場で咲きなさいという言葉が似合い、この家族の状況を>>続きを読む

モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.5

映画は淡々と緩やかに日々が流れてゆく・・。
守一は、気難しそうでありながら、来る者は拒まず受け入れてゆく暮らしぶりが心地よい。あの穴は、なんのために掘ったのだろうか?うつらうつらが数回、うかつに聞き漏
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.5

このアート色は《アメリ》と共通の匂いを感じる。
ジブリにはないアート性。一部のアート好きにはたまらないのだろうが、一般の方からすると、置いてけぼりを食らってしまったような印象なのでは。しかも《アメリ》
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港町(2018年製作の映画)

3.5

牛窓の漁村に暮らすお年寄りに密着したドキュメンタリー。親を亡くして育った82才のおばあさん。17才の息子?を福祉施設に奪われた過去を嘆くが、町の住民と交流しながら、快活に歩き想田監督をそこかしこに誘う>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.5

デビュー作《父、帰る》以来のズビャギンツェフ調が還ってきた。寡黙な映像言語と硬質なストーリー展開はデビュー作に劣らない。破綻して離婚間近かの夫婦の暮らし、息子の失踪と捜索、そしてその後、と物語はおおよ>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

90才の爺様が主人公の映画は、そうざらにない。途中でぷつっと逝ってしまうのではと何度も心配になる。20才の人たちが、この映画を観てどんな感想を持つのだろうか。それぞれの年代毎に感じるものは異なるのだろ>>続きを読む

デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり/ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴット(2015年製作の映画)

3.3

デイヴィッドは、精神疾患から復調して幸福な演奏家人生を送れているが、留学中の精神不安から自殺未遂を経て廃人になってしまった天才ピアニスト=渡辺茂夫や精神病院で末路を遂げた天才ダンサー=ニジンスキーのこ>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.5

前作=《愛、アムール》の続編仕立てで、続投するJ.L.トランティ二アンが、作品の骨格をつくっている。多人数の家族の物語としては、錯綜しており集中していないと関係性が判別しづらくなる感はある。個人的には>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

イーストウッドの創作欲は衰えない。米寿を迎えたいまも高打率の良質な作品を放ってくる。反戦から少数民族、誘拐、天災、航空惨事、テロリズム、、など社会性あるテーマながら一級のエンターテイメントに仕上げてい>>続きを読む

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

4.2

なんともひやりとする切れ味の鋭い青春群像劇である。
後半、虐める側と虐められる側が反転するあたり、苛めの構造は表裏一体を成しているように窺える。そして、亡くなるであろうと予測した人物ではなく、意外な人
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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

3.3

愛情深きご両親と毎日が夜のような沈鬱な空気に包まれたフィラデルフィアの暮らしが、あの映像世界を育んだのでありますね。

でも、もうすこし具体性のあるエピソードが欲しかったです・・。

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

この微妙な肌触りの作品を、キネ旬の高齢批評家たちがよくぞベスト1に評価したものである。手放しで好きな作品とは云いがたいが、現代の実相を描いて秀逸である。

石井作品は《川の底からこんにちは》《舟を編む
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羊の木(2018年製作の映画)

4.8

原作力と演出力の成せる業。しかも、原作が山上たつひこなら尋常でないのが頷ける。過疎の港町に受け入れられた仮釈放の謎の6名。という設定からおもしろくない訳がない。松田龍平、田中みん、市川実日子ら6名夫々>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.0

ここ数年、ゴッホの他殺説は、研究者のあいだで記されているから意外なストーリーではない。ゴッホと弟テオが一卵性双生児のごとき存在であったことも。
だが、ゴッホの映画化作品中、もっともゴッホ自身の精神性と
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砂漠のシモン(1965年製作の映画)

2.5

ラストの飛躍的展開が印象に残る。物見台?で数日過ごす長身のシモンの姿を撮りたいがためにつくられた作品なのかな〜と。

ついでながら、ゴーゴーはカラダにわるそうだ。
___◉ブニュエル映画祭

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

2.7

二度目ながらこんな映画だったのかというぐらい憶えていない。有名な眼球にメスを入れるシーンと冒頭の自転車のシーンのみ。もっとアヴァンギャルドなイメージの連続かとおもったら意外と凡庸。《皆殺しの天使》につ>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

2.5

せっかく、事前に澁澤龍彦のブニュエル評を読み返していたのに、この不可解さはなんだろう。扉を開けるか窓を開けてくれ!それにキレイどころ数多集めておきながらフェティッシュ度は期待はずれ。薄暗がりでドレスの>>続きを読む

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年製作の映画)

3.8

ジャコメッティ然り、良質なアーティスト映画が続く。

タヒチのゴーギャンに、商品として売れる作品を許容できない芸術家心理の歯痒さを見る。<売れる=求められている>ということが市場原理なのだが、ゴーギャ
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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

3.8

F.ショーは、まったく発展途上にある。表現の可能性が無尽蔵にあるにもかかわらず、精々会場を変えることで満足してしまっているのが、焦れったくて仕様がない。だが、ドリスのショー展開をみていると、ここ3年の>>続きを読む

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