mononcleさんの映画レビュー・感想・評価

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旧作邦画好きです。<押繪と旅する男><ユメノ銀河><砂の上の植物群>などの幻想味漂う隠れた逸品のごとき作品を愛します。ヨーロッパ系耽美派作品も好むところです。女優は杉葉子、北原三枝、モダンなタイプが好みです。

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港町(2018年製作の映画)

3.5

牛窓の漁村に暮らすお年寄りに密着したドキュメンタリー。親を亡くして育った82才のおばあさん。17才の息子?を福祉施設に奪われた過去を嘆くが、町の住民と交流しながら、快活に歩き想田監督をそこかしこに誘う>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.5

デビュー作《父、帰る》以来のズビャギンツェフ調が還ってきた。寡黙な映像言語と硬質なストーリー展開はデビュー作に劣らない。破綻して離婚間近かの夫婦の暮らし、息子の失踪と捜索、そしてその後、と物語はおおよ>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

90才の爺様が主人公の映画は、そうざらにない。途中でぷつっと逝ってしまうのではと何度も心配になる。20才の人たちが、この映画を観てどんな感想を持つのだろうか。それぞれの年代毎に感じるものは異なるのだろ>>続きを読む

デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり/ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴット(2015年製作の映画)

3.3

デイヴィッドは、精神疾患から復調して幸福な演奏家人生を送れているが、留学中の精神不安から自殺未遂を経て廃人になってしまった天才ピアニスト=渡辺茂夫や精神病院で末路を遂げた天才ダンサー=ニジンスキーのこ>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.5

前作=《愛、アムール》の続編仕立てで、続投するJ.L.トランティ二アンが、作品の骨格をつくっている。多人数の家族の物語としては、錯綜しており集中していないと関係性が判別しづらくなる感はある。個人的には>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

イーストウッドの創作欲は衰えない。米寿を迎えたいまも高打率の良質な作品を放ってくる。反戦から少数民族、誘拐、天災、航空惨事、テロリズム、、など社会性あるテーマながら一級のエンターテイメントに仕上げてい>>続きを読む

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

4.2

なんともひやりとする切れ味の鋭い青春群像劇である。
後半、虐める側と虐められる側が反転するあたり、苛めの構造は表裏一体を成しているように窺える。そして、亡くなるであろうと予測した人物ではなく、意外な人
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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

3.3

愛情深きご両親と毎日が夜のような沈鬱な空気に包まれたフィラデルフィアの暮らしが、あの映像世界を育んだのでありますね。

でも、もうすこし具体性のあるエピソードが欲しかったです・・。

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

この微妙な肌触りの作品を、キネ旬の高齢批評家たちがよくぞベスト1に評価したものである。手放しで好きな作品とは云いがたいが、現代の実相を描いて秀逸である。

石井作品は《川の底からこんにちは》《舟を編む
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羊の木(2018年製作の映画)

4.8

原作力と演出力の成せる業。しかも、原作が山上たつひこなら尋常でないのが頷ける。過疎の港町に受け入れられた仮釈放の謎の6名。という設定からおもしろくない訳がない。松田龍平、田中みん、市川実日子ら6名夫々>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.0

ここ数年、ゴッホの他殺説は、研究者のあいだで記されているから意外なストーリーではない。ゴッホと弟テオが一卵性双生児のごとき存在であったことも。
だが、ゴッホの映画化作品中、もっともゴッホ自身の精神性と
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砂漠のシモン(1965年製作の映画)

2.5

ラストの飛躍的展開が印象に残る。物見台?で数日過ごす長身のシモンの姿を撮りたいがためにつくられた作品なのかな〜と。

ついでながら、ゴーゴーはカラダにわるそうだ。
___◉ブニュエル映画祭

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

2.7

二度目ながらこんな映画だったのかというぐらい憶えていない。有名な眼球にメスを入れるシーンと冒頭の自転車のシーンのみ。もっとアヴァンギャルドなイメージの連続かとおもったら意外と凡庸。《皆殺しの天使》につ>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

2.5

せっかく、事前に澁澤龍彦のブニュエル評を読み返していたのに、この不可解さはなんだろう。扉を開けるか窓を開けてくれ!それにキレイどころ数多集めておきながらフェティッシュ度は期待はずれ。薄暗がりでドレスの>>続きを読む

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年製作の映画)

3.8

ジャコメッティ然り、良質なアーティスト映画が続く。

タヒチのゴーギャンに、商品として売れる作品を許容できない芸術家心理の歯痒さを見る。<売れる=求められている>ということが市場原理なのだが、ゴーギャ
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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

3.8

F.ショーは、まったく発展途上にある。表現の可能性が無尽蔵にあるにもかかわらず、精々会場を変えることで満足してしまっているのが、焦れったくて仕様がない。だが、ドリスのショー展開をみていると、ここ3年の>>続きを読む

離婚しない女(1986年製作の映画)

2.5

「荒井くん、プロデューサーから急かされてね。大至急一本書いてくれないかね?ショーケンと倍賞姉妹のカップリングだし、北海道が舞台だからなんとかなるよね」という声が聴こえてきそうな杜撰なシナリオと演出。神>>続きを読む

ジャコメッティ 最後の肖像(2017年製作の映画)

4.0

主人公の一筆のストロークで、この手の作品の出来はすでに窺えてしまう。

小栗監督の《FOUJITA》との大いなる落差である。そして、モジャモジャ髪に猫背の風貌。偏執狂的な物の配置へのこだわりや完全主義
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月と雷(2017年製作の映画)

4.0

映画マニアの知人の勧めあり、二番館にておくれて鑑賞。
フシギな肌触りの作品である。草刈民代演ずる高良健吾の母親は、無気力かつ男好きのする謎の人物像なのだが、こういう人もいるんだろうなとおもわせるあたり
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.8

無愛想な体裁が魅力のカウリスマキの作品が、前作から軟化している。《ル・アーブルの靴磨き》での変化にいたって失望したものだが、今作での変調ぶりは、馴染んできたのかこちらが慣れたのか、前作ほどは気にならな>>続きを読む

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

3.5

まわりの映画好きな小父さんたちが、ぞっこんの惚れ込みようの推薦作。ということで見に行ったのですが、後半のエピソード、前世からの〇〇とか、夫婦の純愛をみせられて一気にトーンダウン。前半は、鎌倉の古色蒼然>>続きを読む

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

2.0

年を取るということは、抑制が利かなくなるということか。
途切れることなく終始入っている音楽を1/10にすれば、+1ポイント、台詞を1/3に、尺数を60分カットすれば、+0.5ポイントで合計1.5ポイン
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仁義(1970年製作の映画)

3.5

アラン・ドロン、美男ぶりにくわえて陰影を纏った姿は撮影当時34才。J.P.メルヴィルの演出は《サムライ》同様、いたって寡黙。アンリ・ドカエの撮影による青みを帯びたメルヴィル・ブルーがフレンチ・ノワール>>続きを読む

静かなふたり(2017年製作の映画)

3.0

パリの古書店、老店主と若き女性との出会いの設定だけで魅力的な作品。主人公の女性が纏う遠目には黒づくめに見える、ダークグリーンのセーターにダークブラウンのストールの組み合わせに感心する。猫のいるアパルト>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.0

売れないミュージシャンの彼を支える彼女との暮らし。よくありがちな話をそうさせないのは、やはり魚喃キリコの原作の力なんだろう。市川実日子と小西真奈美が好演した《blue》もそうだが、彼女の作品は、クリエ>>続きを読む

(2016年製作の映画)

2.0

この作品の悪口はいくらでも書ける。
これが《さよなら渓谷》や《セトウツミ》を撮ったおなじ監督の作品とはおもえない。1.展開にそぐわない音楽(テクノサウンド)のセンスの悪さは見る気を萎えさせる。2.台詞
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軽蔑(1963年製作の映画)

2.5

やはりゴダールは苦手だ。
異色なキャスティング、ジャック・パランスは西部劇に限る。それに、喋る巨匠フリッツ・ラングをはじめてみる。

前半のしつこいまでの倦怠カップルのやりとりは敵わないが、赤とイエロ
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ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス(2015年製作の映画)

3.8

オハッド・ナハリンのバットシェバ舞踊団初の振付作品は、観客8人だったようだが、後年はイスラエルの国民的カリスマの存在に。映像から察するに、その身体運用には独自性があり、感情と官能と風景構築のバランス能>>続きを読む

ル・コルビュジェとアイリーン 記憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.3

白〜ベージュ〜ブラウン+ライトグレーで統一された主要人物たちのファッション・カラーが見事な風景を奏でている。コントロールされた色彩は、風景をつくり空間を形作る。コスチュームデザイナーの色彩設計に感嘆し>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.9

虚実ないまぜの容疑者役の役所広司は、殆ど接見室から出ることがなく、闇を抱えた初老の男を巧みに演じていた。事実がどこにあるのかは不明だが、是枝監督の精緻なドラマ構成は、緊張感を生み退屈させない。主題とは>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

4.0

巷の評判から察するに、どんなヘンタイシネマかとおもいきや、それほど驚く内容ではなかった。犯人が意外なところと共感すべき登場人物が見事にいないのが、かえって清々しい。主演のイザベル・ユペールは御年64才>>続きを読む

きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.0

この手の作品は、見る前から想像できてしまう。シネマサロンの課題でなかったらみなかったのだが、意外や感動作品だった。特別なストーリー展開はない。児童施設の冷酷な規律や重労働、体罰、小児愛があったりと閉鎖>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.8

近年の黒沢作品は好悪が分かれる。<クリーピー偽りの殺人>は前者。<ダゲレオタイプの女>は後者。そして、この作品はそのいずれでもなく評価がむずかしい。<美しい星>同様、終末感漂う世界に異星人が登場する作>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.2

じつは、ジャームッシュの出世作<STRANGER than paradise>は、苦手な映画十指に入る。だが、31才で撮った作品と63才で撮ったこの新作は、似ているようでじつに大きな隔たりを感じる。本>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.8

昼なお暗きローキーな美しき映像。森を背景にした家と異界である森に限定した閉塞的な環境設定。そして、他国の宗教をとやかくは云いたくはないが、すべての人が原罪を背負って生きる一神教の神の世界は、とかく厄介>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

3.5

メットガラと企画展の準備風景をデザイナーの視点ではなく、プロデューサーとMET(メトロポリタン美術館)のキュレーターの視点で描かれているところが興味深い。一晩で数十億を捻出するメットガラ観覧の配席への>>続きを読む

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