mononcleさんの映画レビュー・感想・評価

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旧作邦画好きです。<押繪と旅する男><ユメノ銀河><砂の上の植物群>などの幻想味漂う隠れた逸品のごとき作品を愛します。ヨーロッパ系耽美派作品も好むところです。女優は杉葉子、北原三枝、モダンなタイプが好みです。◎2017今の処best3__パターソン、愚行録、沈黙ーサイレンスー

静かなふたり(2017年製作の映画)

3.0

パリの古書店、老店主と若き女性との出会いの設定だけで魅力的な作品。主人公の女性が纏う遠目には黒づくめに見える、ダークグリーンのセーターにダークブラウンのストールの組み合わせに感心する。猫のいるアパルト>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.0

売れないミュージシャンの彼を支える彼女との暮らし。よくありがちな話をそうさせないのは、やはり魚喃キリコの原作の力なんだろう。市川実日子と小西真奈美が好演した《blue》もそうだが、彼女の作品は、クリエ>>続きを読む

(2016年製作の映画)

2.0

この作品の悪口はいくらでも書ける。
これが《さよなら渓谷》や《セトウツミ》を撮ったおなじ監督の作品とはおもえない。1.展開にそぐわない音楽(テクノサウンド)のセンスの悪さは見る気を萎えさせる。2.台詞
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軽蔑(1963年製作の映画)

2.5

やはりゴダールは苦手だ。
異色なキャスティング、ジャック・パランスは西部劇に限る。それに、喋る巨匠フリッツ・ラングをはじめてみる。

前半のしつこいまでの倦怠カップルのやりとりは敵わないが、赤とイエロ
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ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス(2015年製作の映画)

3.8

オハッド・ナハリンのバットシェバ舞踊団初の振付作品は、観客8人だったようだが、後年はイスラエルの国民的カリスマの存在に。映像から察するに、その身体運用には独自性があり、感情と官能と風景構築のバランス能>>続きを読む

ル・コルビュジェとアイリーン 記憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.3

白〜ベージュ〜ブラウン+ライトグレーで統一された主要人物たちのファッション・カラーが見事な風景を奏でている。コントロールされた色彩は、風景をつくり空間を形作る。コスチュームデザイナーの色彩設計に感嘆し>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.9

虚実ないまぜの容疑者役の役所広司は、殆ど接見室から出ることがなく、闇を抱えた初老の男を巧みに演じていた。事実がどこにあるのかは不明だが、是枝監督の精緻なドラマ構成は、緊張感を生み退屈させない。主題とは>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

4.0

巷の評判から察するに、どんなヘンタイシネマかとおもいきや、それほど驚く内容ではなかった。犯人が意外なところと共感すべき登場人物が見事にいないのが、かえって清々しい。主演のイザベル・ユペールは御年64才>>続きを読む

きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.0

この手の作品は、見る前から想像できてしまう。シネマサロンの課題でなかったらみなかったのだが、意外や感動作品だった。特別なストーリー展開はない。児童施設の冷酷な規律や重労働、体罰、小児愛があったりと閉鎖>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.8

近年の黒沢作品は好悪が分かれる。<クリーピー偽りの殺人>は前者。<ダゲレオタイプの女>は後者。そして、この作品はそのいずれでもなく評価がむずかしい。<美しい星>同様、終末感漂う世界に異星人が登場する作>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.2

じつは、ジャームッシュの出世作<STRANGER than paradise>は、苦手な映画十指に入る。だが、31才で撮った作品と63才で撮ったこの新作は、似ているようでじつに大きな隔たりを感じる。本>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.8

昼なお暗きローキーな美しき映像。森を背景にした家と異界である森に限定した閉塞的な環境設定。そして、他国の宗教をとやかくは云いたくはないが、すべての人が原罪を背負って生きる一神教の神の世界は、とかく厄介>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

3.5

メットガラと企画展の準備風景をデザイナーの視点ではなく、プロデューサーとMET(メトロポリタン美術館)のキュレーターの視点で描かれているところが興味深い。一晩で数十億を捻出するメットガラ観覧の配席への>>続きを読む

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(2016年製作の映画)

2.5

整体では、この主人公のような体癖の人を刺穴と呼んでいる。ちなみに、人と交わらずに閉じこもっている人を閉穴と呼ぶ。閉穴は、べつにひとに迷惑をかけないが、刺穴は他人を攻撃することで自我が成立っており、質が>>続きを読む

ふたりの旅路(2016年製作の映画)

1.5

桃井かおりとイッセー尾形の芸達者なふたりを配しながらこれは辛い作品である。ラトビア人の監督はなにを描きたかったのだろうか?単なる依頼仕事なのだろうか?お尻がむず痒くなんとも居心地がわるい。それに、神戸>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

4.0

夫の留守中に起きた妻の悲劇。終盤、予想外の進展になるのだが、あんな仕打ちはないだろう。日本人には違和感があり、なんとも後味の悪さがのこる。<目には目を>のイスラムの宗教観への問題提起なのだろうか。だが>>続きを読む

家族はつらいよ2(2017年製作の映画)

3.8

2作目にして常連の役者陣の関係性もこなれてきている。
頑固で融通が効かない父親役の橋爪功、いざという時に頼りにならない長男役の西村雅彦、ぎすぎすした次女役がはまる中島朋子、面倒なことをいつも押しつけら
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STOP(2017年製作の映画)

1.5

主役の夫婦が、韓国人のメンタリティーになってしまっている。夫婦の関係性が見ていられぬほどに違和感がある。日本人の夫婦は、あんなにベタベタしないし、哀しいことに直面したときの反応が、哀号!哀号!の世界な>>続きを読む

美しい星(2017年製作の映画)

3.8

リリー・フランキー毎回ながらの怪演ぶり!しかも今回は主役だが、演技巧者ぶりにいつも感心させられる。
三島の原作は読んだことないが、ほんとうにこんな話を半世紀以上前に書いたのだろうか。三島と云うより、星
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パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

3.5

アサイヤス好みの女優はわかりやすい。胸がフラットで長身の無機的中性美タイプである。私と好みがおなじだからわかりやすいのである。そして、どうやら、いまのミューズは、クリステン・スチュアートらしい。
アサ
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.4

たしか、音楽がまったくなかったような。。
重く沈鬱なる空気感。いい加減なつくりの作品ではないのだが、迫ってこなかったのはなぜなのか。単純にヒロインが好みではないからか。犯人?と取り巻くその状況に意外性
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

この手のハリウッド候の作品は、苦手なんだけどな〜と後悔しながら見ていた前半。フレッド・アステアや'30年代のミュージカルへのオマージュと聞いていたのに。。だが、女優志望とジャズ・ミュージシャンの主人公>>続きを読む

話す犬を、放す(2016年製作の映画)

4.0

《櫻の園》の杉山紀子役は、18才の永遠なる少女像をフィルムに焼きつけた。そのつみきみほが、46才になりもどってきた。18才時の面影に崩れはないものの28年の積年は、やはり感慨深い。作品に衒いのある演出>>続きを読む

愚行録(2017年製作の映画)

4.5

これはコワイ!
なんと云っても感情移入すべき主役が途中からあれ〜?なのである。従来の映画のセオリーを覆している。主だった登場人物の6人は、過去に名門私大で交流がある。物語は、大学での出会いから後年の事
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お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

4.3

昨今流行のユル〜イ映画にみせながらじつは奥深い。
座敷に佇むお父さんと伊藤さんと彩の三人の空気感。会話の間の取り方の自然なテンポ感。これは、撮れそうで撮れない撮影監督と演出家の力量である。《彼らが本気
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.2

失礼ながら、荻上直子監督は《かもめ食堂》で才能のすべてを使い切ってしまったとおもっていた。以降は、唯一《トイレット》が健闘したもののあとの作品は、すべて二番煎じのスローシネマであった。

だが、今回は
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.8

矢口史靖は、毎度ながら良質のエンターティメント作品をつくり続けている。今回は、過酷な経験をともに得ることで、バラバラだった家族が再生するありがちなストーリーだが、そつなくまとめている。スマホに支配され>>続きを読む

牝猫たち(2016年製作の映画)

3.5

今月の映画サロンの課題作品と云うことで足を運ぶ。ロマンポルノは殆ど見ていないが、当時の作品は、ずっと湿度感があり濃厚な空気に彩られていたのだろうな、と推測する。主役級の女性が3人ともに好みでないことも>>続きを読む

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)

3.3

不服だ!
この作品は、ぜひD.クローネンヴァーグに監督してもらいたかった。いやポランスキーでも好い。シーレはもっと倒錯的で偏執狂だったはずである。でなければ、あの画風は生まれない。女性たちが、顔を顰め
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.0

二番館にて、おくればせながら鑑賞。
佐藤泰志にはエキゾチックでフォトジェニックな函館は似合わない。旅行者が入り込まないだろう殺伐として淋しげな函館が似合う。熊切和嘉、呉美帆、そして山下敦弘監督三者三様
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新宿スワンII(2016年製作の映画)

1.1

はやくも今年度ワースト決定!!
チンピラ、暴力団のありきたりな抗争ドラマ。いまどき、なぜこんなテーマの作品をつくるのか、お金の無駄使いとしか云い様がない。人気漫画の映像化らしいが、着想力はない。依頼さ
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淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

3.5

斎藤達雄と桑野通子が連れ立って歩くロングコート姿の格好良さ。モガぶりで有名な桑野は、当時としては抜群の長身(162cm)だが、意外と丸顔で垢抜けない顔立ちではある。日本人離れした183cmの斎藤は、当>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.3

日本の八百万の神と西洋の神との宗教観の相違を描いて感慨深い。征服者のごとく遠征するキリスト教の布教活動と多くの殉教者を出した日本の暗部の史実とが表裏を成しながら圧倒的な映像力で迫る。仏教の宗教観による>>続きを読む

人生フルーツ(2016年製作の映画)

3.3

初めて来るのであろうミニシアターに、わんさか老人たちが詰め寄せ、毎日満席+立ち見がでるほどの盛況ぶり。私も二度目のチャレンジでようやく入ることができた。

この手の作品は採点がしずらい。お年のわりに身
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

1.5

会場が明るくなったときのなんとも云えないムード。「こんなトンデモハプンな作品だったのか!」「となりでやってるヒトラーの忘れものにしておけばよかった!」「80分っておそろしいほどに長いな〜」など無言のた>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

4.0

《孤独のススメ》にも共通するスウェーデン発オジサンシネマ。偏屈な初老(といっても設定59才らしい)の主人公と町内人たちとの交流が、意固地な伯父サンの日々にゆるやかな変化を及ぼしてゆく流れは同様だが、少>>続きを読む