たいしさんの映画レビュー・感想・評価

たいし

たいし

映画(22)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.6

世界注目の若手俳優ティモシー・シャラメがドラッグ依存の難役を好演。目を覆う程に堕ちていく様を容赦なく描写。息子を懸命に救い出そうと苦闘する父親に、胸が張り裂ける。 幼少期の映像とのコントラストで、ドラ>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

3.8

イギリスの田舎町で念願の書店開業をした未亡人フローレンス。土地の権力者に阻まれても奮闘するのだが… 困難を事実と噛み締め、ゆっくり悲しみ、心落ち着かせるように本を読む姿に好感。 自然や町の風景、衣装や>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.5

早くも2019年の代表作誕生。
‪白人至上主義団体KKKへの潜入捜査に黒人警官臨むという荒唐無稽だが、実話ベースの物語。‬
人種差別問題を根底まで描いており、ただひたすらにリアル。一向に消えぬ差別
>>続きを読む

バンブルビー(2018年製作の映画)

3.5

過去のシリーズ作と違い、音楽やファッションなど、時代性が色濃く反映された設定。
80年代音楽界の代表選手たちが次々と登場。ヒロインのかたくなな「ザ・スミス推し」は微笑ましい。
バンブルビーが声を失
>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.5

親類の死や師弟関係…スパイダーマンシリーズのエッセンスとアメコミ要素(一コマの描写力やコマ送り映像)がミックス!新感覚スパイダー映画。

3Dは吹き出しに動きが、IMAXだと空中シーンの臨場感も倍増
>>続きを読む

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.0

戦争映画のイメージを覆す、豪華絢爛な世界観。
富と名声を身にまとった権力者を狙う主人公の詐欺計画、というメインライン。

戦没者の上に立ち、戦争で稼ぐ“戦争成金”への風刺が作品全体で効いてる。

戦争
>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.8

ウトヤ島での銃乱射事件が収束に至るまでの72分間をノーカット撮影。 姿見えない犯人、逃げまどう人々、鳴り止まぬ銃声…。 映し出される惨劇に、観客も72分間息張り詰め、ただ重厚な時が過ぎるのを待つ… パ>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.6

音楽面をチョイ掘り♪

カーラジオでリトル・リチャードが流れるシーン。運転手トニーは、サム・クックらの名も挙げ、“兄弟だろ?”と一言。

実は、彼らも黒人アーティスト。そして、観客が白人か黒人かで、音
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.0

音だけを頼りに捜査を続けるオペレーターに、観客は5感も刺激され思索を促される刺激的映画。

“通話”シーンメインの本作を、脚本段階でファントムフィルムが配給権を買ったのなら、勇気ある決断!お見事!
>>続きを読む

PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(2019年製作の映画)

3.0

2116年、沖縄・名護市の元米軍基地が舞台の一つ。‬
‪名護市は、①宜野座一家を紐解く切り口②軍航空機の存在見直し要素では。‬
‪各省庁間のパワーバランス、現に技術化が進む武装ドローンの使用など思
>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.5

快作!埼玉愛溢れる、映画史上最大の茶番劇。
終始、劇場は笑いの渦。映画館では稀な光景!
ダサイタマあるある・ご当地風刺など多彩なブラックユーモアは観客の共感ポイント。草
一方、埼玉の住みやすさなど統計
>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ビニールハウスは人間の隠喩?ジョンスの空想劇?

村上春樹 の短編小説「納屋を焼く」を映画化。
ジョンスがビニールハウスに火をつけるシーン。そもそもベンは犯人でなく、ジョンスによる虚像なのでは?
また
>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

殿を女王に据え変えた、英国版“大奥”。
寵愛を求める女性同士のバトルが国家の存亡と絡み合う、息もつかせぬ物語。
ブラックコメディ監督が、宮廷舞台劇ならではの重苦しさを見事に払拭。
欠点を抱える主人公3
>>続きを読む

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

-

終戦直前、脱走兵がナチスの軍服を拾って着用し、虐殺の限りを尽くす独裁者と化す衝撃の実話物。
服装の変化だけで、人間の残虐性が表出する“ごく普遍的な”事象を描写。ハンナ・アーレント提唱の“悪の陳腐さ”に
>>続きを読む

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)

-

息もつかせぬ知略の応酬。華麗なるアクション。蜘蛛の巣(WEB)・毒針…張り巡らされた蜘蛛のシンボル。それを掻い潜る色褪せぬリスベット。 対するは、冷酷にして影が匂う敵(妹)。洞察に富んだ姉妹像・対比構>>続きを読む

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

-

20世紀最大の名作「ライ麦畑でつかまえて」執筆者 J・D・サリンジャーの半生を紡ぐ。 小説が社会現象を呼び、人々の狂騒に苦悩する中、外部から遮断し彼はただひたすらに執筆に専念する道を選ぶ。なるほど、真>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

-

同監督制作の検察映画「HERO」のイメージをスクラップ&ビルドした印象。バディー制、セットにエレベーター使用、お馴染みのキャスト・スタッフ、自分勝手でまっすぐな主人公像…。一方で、それらイメージを裏切>>続きを読む

天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

-

平穏な夫婦だった、夫がノーベル文学賞を受賞するまでは…。受賞までの40年間を追い、舞台裏に隠された光と陰を描き出す。 夫を献身的に支えてきた妻をアカデミー常連のグレン・クローズが好演。嘘で固められた過>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

-

子供目線でDVの恐怖を繊細に描き出す社会派スリラー。離婚調停後、親権を持つ母と暮らす姉弟。一方、傲慢で子供を偏愛する父は、隔週で息子ジュリアンと会うのだが、喪失感から徐々に家族に牙を剥く。 現代社会の>>続きを読む

七つの会議(2018年製作の映画)

-

企業が達成すべきノルマとは、“自社の存続”か、“ユーザーの命の保証”か。 忠義心ある侍等と比喩される日本人は、経済成長の中どちらを守ってきたのか。 本作は、正に日本経済史の縮図。 池井戸潤 同名小説映>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

-

映画史上最大級のトラウマ舞踏劇_! ベルリンの女性舞踏団に降りかかる人智を超えた現象を描く新感覚ホラー。 ホドロフスキーのように儀式的で、タルコフスキーのように詩的。女性ならではの美しさ・ミステリアス>>続きを読む

ともしび(2017年製作の映画)

-

歳帯び、慎ましい生活を送る老夫婦だったが、夫の収監により生活に変化が訪れ_。
台詞や状況説明を最小限に抑え、観客に思索を促す刺激的な映画。
老いや孤独による恐怖心を忍ばせる一方、演劇塾で悲鳴に似た
>>続きを読む