きょさんの映画レビュー・感想・評価

きょ

きょ

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

4.0

雪溶ける、忌まわしい記憶

キューブリック版と原作、双方へのリスペクトを感じる本作。
能力による戦闘がメインであったが、個人的には会話の詩的表現がとても気に入った。

しかし近年、名作を世襲するような
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X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

4.0

人の心はそれほど単純ではない、多分


差別や偏見というテーマと人間模様を丁寧に描いてきた本シリーズ。
他のMARVEL作品やヒーロー映画全体と大きく異なっていて、それが魅力だと思っていた。

が、本
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

4.0

あ、まだ付き合ってなかったんだ


109シネマズプレミアム新宿、初体験。
ホテルのようなロビー、広々とした座席。
施設としての上質さは満点。
ただ、ポップコーンとドリンクが飲み食べ放題なので、ほぼ全
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

5.0

騙されやすい変態へ

ストーキングを題材にした作品、という前情報で鑑賞した為、主人公の内情を追求した作品を予想していたが、全く異なった作風。
しかし、期待とは違う方向性(主にプロット)で楽しませてくれ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

忌まわしき、あの第九番


何という刺激的なシニー。
暴力性そのものを映画として昇華させ、完璧なエンターテイメントに仕上げている。
そこに残虐性への批判は無く、むしろ一種の快楽として。

犯罪者を洗脳
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

大金叩いた超大作オカルト映画


あれ、この間チョコレート作ってませんでしたっけ?
長すぎる上映時間と多すぎる固有名詞に圧倒された。
映像美、迫力。あるにはあるが、砂すぎる。

IMAXで鑑賞

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

5.0

ほら、世界はそんなに悪くないでしょう?


遠くない未来、暗闇の世界に包まれる。
社会人になり最初の休日に観る映画としては、自分への警告の様である。
意識が空に飛ぶと、音楽が流れだし、人々が踊り出す主
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ツーリスト(2010年製作の映画)

5.0

果てしなく良い女

タイトルに尽きる
ロマンチックすぎ

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

破壊者の魂を追う壮大な叙事詩


前置きとして、自分は今作でJ. Robert Oppenheimerの全てを分かったつもりなど毛頭ない。
史実を描く上で、映画に必要な場面だけを切り抜いたプロットは必
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ダイバージェント FINAL(2016年製作の映画)

3.0

壮大にした割に尻窄み

相変わらず古着のポッケくらいガバガバな設定。
話が進んだようで、いまいち進展していない。
終わり方それでいいんかい。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

5.0

永遠の日常・終わりゆくクソヤバい世界


自分の漫画人生において、浅野いにおの占める割合は非常に大きい。
作家性そのものが好みだし、絵柄もドンピシャ。
そんな作家の傑作が、映像化されるとなれば観にいく
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

ほぼ裁判

つくづく思う。
アカデミー賞は肌に合わない。
毎度、質の高いつまらなさを感じてしまう。しかし映画通ぶって鑑賞を続ける。

今作はミステリでは無い。
開始30分で察したが、その後はリーガルハ
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

5.0

学園闘争への憧れとノスタルジーへの酔い

生きていたわけではない。しかし懐かしき古き良き時代に対する良さが十分に映像化されており、憧れが強まる。

印象的なのは少年少女の生き様。
各々が信念を持ってお
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

5.0

愛は死をも救済するか

自分は世界にとって邪魔者で、たった1人孤独に過ぎていく日常はあまりにも平坦。
生きていく理由も分からず、忸怩たる思いは行き場を失う。

鬱蒼とした日々を送る若者にとって、今作は
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.5

騙し、騙され

真相が二転三転していく構成で、次々に明らかになる事実を追う集中力。
前日の予定で疲れており、加えて映写トラブルで少しだけ離席した為上手く掴めず、後々解説を読んだ。

しかしThe Be
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

多様性玉転がし

起源は中国にあるという。
球を蹴り合う「蹴鞠」は紀元前1世紀から存在したとされ、それらに競技規定が加わり今日のサッカーがある。

だけどそんな事はどうでも良くて、負け犬も希望を持て!
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

1.0

つまらん過ぎておもろい

何がおもろいねんこれ。真面目に観るのもアホらしい。
脚本家のセンスは皆無で、掘り下げの無さが全編浮き彫りに。
どこを切り取っても雲のように軽い。
もはやファスト映画では。
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

5.0

皆が信じるものが"真実"

鮮やかに、未熟な自分を隠す。
同監督の『フェイブルマンズ』でも描かれていた少年時代の家庭環境と孤独が、今作でも主人公の人間性に深みを与える設定として活きている。

堂々と周
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

つれもなく
なり行く人の言の葉ぞ
秋より先の紅葉なりける

ストーリーが王道すぎたが、舞台上のような画と無駄のない台詞回しがシュールで良かった。
くすりと笑える部分もあり。

しかし自分は、現実からフ
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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

5.0

強く優美であれ

祝ジョニースクリーンカムバック
豪華絢爛な宮殿に、ざらつきを感じるほど甘い彼の色気がよく似合っていた。

社会が悪いと環境を恨む現代の立場が弱い女性は、自分自身で立ち上がる力が無いだ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

5.0

終点のないキチガイ地獄

これほど冷たさとユーモアが共存した悪夢は他にあるまい。
進んでいく物語に翻弄され、主人公と同じ様に不安と恐怖を覚える。
しかし、彼の人生を追体験することで、不完全な人間の見て
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ジャヌスとサムの酔っ払い道中(2023年製作の映画)

5.0

僕らは青春に酔っている


シュールな笑いと、静かな空気感。
フランスの喜劇が、少年少女の複雑な胸懐をありのままに映し出す。
突然鳴り出す激しいロックも、つまらない田園風景に囚われた彼らの感情の暴発を
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ダイバージェントNEO(2015年製作の映画)

3.5

ガバガバな反理想郷 2

前回よりは脚本が面白い。
観客の意表をつく展開が多く見られた。

ただやっぱり期待以上の結末は見られなかった。

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.0

祝anoちゃんYouTube開設

コメディ風味のインディジョーンズ
ハリー以外まともな役が一つもないダニエルだけれど、悪役も似合う。
映画自体が面白いかは別問題。
ブラピがイケすぎていた。

ダイバージェント(2013年製作の映画)

3.5

ガバガバな反理想郷

設定に穴が多すぎる。
結局なんやねんという感じ。
思ったより死ぬけれどいまいち感情移入できない。

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

4.0

風の谷の〜(高音)

胞子が雪のように舞い、進化した食虫植物が皮膚を狙う。
どこの場面も気持ち悪すぎる。

現代の舗装されていない田舎道も無理なのにこんな自然にまみれた、しかも衛生面のかけらもないよう
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

世界をおっぱいで股にかける。

重なった単旋律の調和。
完成されたベラを迎えた、彼女を主旋律とする美しい聖歌。いかに人間が複雑で、人格形成に幾つもの層を要するか。
まさに赤子が初めて歩いたような、そん
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ファンタスティック・フォー(2015年製作の映画)

1.0

完全なる失敗作

本当に勿体無い。
全てがつまらなさ過ぎて逆に眠気が飛んだ。

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

5.0

青春の幕が上がる

ポスターが醸し出すB級お馬鹿コメディ感とはまるで反対の、上質な青春を描いた作品だった。
センチメンタルなシーンも独特の爽やかな空気感があるため非常に観やすい。

自由な感性と独創性
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

5.0

袋の中の

街で奇妙な老人を見かける。不気味な雰囲気を纏い、今日までどう生きてきたのか不思議に思う。
そんな関わりを持ちたくない様な人種を言語化したのが原作で、映像化したのがウェスアンダーソン。
明確
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

5.0

世界の神戸牛

こんなに真正面からヴィーガンを、文字通り切り刻む映画は、もはや公開に漕ぎづけた事に拍手を送りたい。
夫婦が最も殺したのは倫理観だろう。
ブラックコメディではあるものの、関係が上手くいっ
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ピノキオ(1940年製作の映画)

5.0

木彫りキッズ誕生!

運命の赤い糸なんて表現を多くの場で散見するが、人は他の様々な色の糸とも繋がっているに違いない。

「糸が無ければ自由で気まま」などと歌っているピノキオも、悪い大人に騙されてしまう
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

ぶちころ大喜利

序盤のセールに狂った客が1番面白かった

人名が沢山出てくるタイプのやつなので覚えるのが大変
口頭で説明された把握できてない展開が絶対ある

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