きょ

ジャヌスとサムの酔っ払い道中のきょのレビュー・感想・評価

5.0
僕らは青春に酔っている


シュールな笑いと、静かな空気感。
フランスの喜劇が、少年少女の複雑な胸懐をありのままに映し出す。
突然鳴り出す激しいロックも、つまらない田園風景に囚われた彼らの感情の暴発を表しているようで、実に爽快。
様々な感情を揺さぶられる、久々に良い映画に出会えた。

男女間の友情に、一切の違和感がないのが良い。
恋愛感情なぞお互い微塵もない関わり方。
こういう映画にありがちなNerdいじめが無いのも良い。
地元に囚われ、鬱蒼とした人生を送るか否か。若者ならば誰もが持つ不安を、リアルな人間関係を通して描いていた。

自分も高校時代、仲の良い女友達が居た。
同じ部活に所属しており、てっきり卒業してからも関わるものだと思っていた。
だが、20代になった今、スクリーンに映る彼らの行く末を、自分は察している。
昔はこう言う大人を嫌っていたが、今はあえて言おう。
青春は終わりがあるから美しいのだ。
きょ

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