なべさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

セブン(1995年製作の映画)

5.0

 今年のGWは「セブン」と「羊たちの沈黙」の地獄の2本立てでスタート。全席自由席なので、整理券をゲットしに開場前の目黒シネマに並んだ。ディスクでは繰り返し見倒したお気に入り作品だけど、映画館での鑑賞は>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

 公開翌日に観てすぐにレビューを書き始めたんだけど、自分でも驚くほど悪口しか出てこなくて、しばらく寝かせておいたテキスト。その後、MBSで放送された「幕前〜第一幕 クモオーグ編」を連日浴びるように見倒>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

 なんと!ついに映画で老いを感じてしまった。いつか来るとは思っていたけど、エブエブだったかぁ〜。
 とにかくスピード感がすごくて、なんとか最後までついていけたけど、もう振り落とされないよう必死だった。
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別れる決心(2022年製作の映画)

2.9

 粗いな。疑われることで愛を感じる女と、容疑者だとわかっていても惚れてしまう男。好きな話なんだけど、ソレの容姿や行動に、「これは惚れてしまうわ!」と思える魔性が感じられなくて。メイクや衣装でもっときれ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.0

 エガースの解釈の余白が大きい不定形ミニマムな作風が好きなんだけど、ノースマンのポスターから伝わるイメージがウィッチやライトハウスとは違い過ぎて、あまり期待値を上げすぎないように用心しながら鑑賞した。>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

2.9

 ようやく公開。海外ではとっくにディスクが販売されてるというのに遅すぎる。オールタイムベストのサスペリアのルカ・グァダニーノの新作ならばと、何度も海外盤Blu-ray(日本語字幕も収録されてる)を買お>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

 予告編を観たときから、「あ、これ絶対おもしろいヤツやん!」と楽しみにしてたマーティン・マクドナーの新作。きっと「スリー・ビルボード 」みたく偏見や思い込みをぐちゃぐちゃにしてくれるに違いないと期待し>>続きを読む

大魔神(1966年製作の映画)

4.0

 現在、大映4K映画祭なんて素晴らしいお祭が催されてる。時代劇の大映といわれた黄金期の名作がきれいになって一挙上映。市川雷蔵の大菩薩峠が観たかったのだが日が合わず、特撮時代劇の大魔神を観てきた。
 デ
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オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)

4.7

 ずっと前に観たんだけど、レビューするのに作品と向き合うのがしんどくて、少し寝かせておいた作品。
 韓国映画がおもしろい!と日本に紹介され始めた頃、レンタルで観て衝撃を受けたパク・チャヌク復讐三部作の
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

2.5

 絶海の孤島に集うセレブたち。登場人物は犯人と容疑者、そして探偵のみ。スターの共演に画面を彩るブランド品の数々。前作同様、あのアガサ・クリスティスタイルを踏襲してブノワ・ブランが帰ってきた!
 いや、
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.8

 これはズルい。そりゃ泣くってば。
 そもそもオリジナルはさほど好きな作品ではないんだけど(ディスクも買ったことないし)、名画座で何度も(じゃない方の映画として)観たし、テレビでやってたらついつい観ち
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.8

 予告編を観て楽しみにしてた作品。「もう終わりにしよう。」のジェシー・バックリーの緊張した面持ち、リンゴが一斉に落ちる印象的なカット、トンネルの向こうに見える人影…どれもこれも好みだ。これが期待せずに>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.6

 元々は韻律に基づいた英文学。言葉選びやリズムにこだわった古典なので、英語で味わうのが本筋なんだろうけど、そんな英文スキルは毛頭なく、翻訳された「サー・ガーウェインと緑の騎士」を大昔(たぶんファンタジ>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.6

 コゴナダのアフター・ヤンがあまりによかったので、デビュー作も観てみた。
 本作もまた切り出された何気ない日常が、モザイクのように配置されていく小津安二郎スタイル。でもそこに建築物が加わるのがコゴナダ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

 カリスマシェフと客による極上のグルメミステリー。いや違うな、狂気のフルコースディナーサスペンスか。ちょっとした違和感が次第に恐怖に成長していく過程はミッドサマーに酷似している。
 どうやっても料理と
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2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

2.5

 観なきゃよかった。わかってたのに。そもそも「花様年華」の続き(ウォン・カーウァイは続編とはしていないらしいけど、そんな言い訳は通用しない!)などあるわけないのだ。あれほど美しく閉じられた封じられた恋>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

5.0

 随分前に観たんだけど、感じたことをうまくレビューできなくて、ずっと悩んでた。おもしろさを伝えたいんだけど、ストーリーを紐解いてもそこにおもしろさはなくて、書いては直し、書いては直しを繰り返してた。>>続きを読む

私はゴースト(2012年製作の映画)

2.7

 会社の同僚に観てと言われて視聴。タイトルからすでにネタバレしてるから、開始早々、はいはい、「この女性がゴーストなのね」とわかるからこれがオチではないのだ。
 もうどう考えても神経質そうな白人がやるべ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

 クローネンバーグがやらないなら俺(私)がやる!そんな心意気すら感じるジュリア・デュクルノーの長編第二弾。「RAW 少女のめざめ」を観たときから彼女の変態ぶりに注目していたが、こちらの予想を上まわって>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.5

 マーベルシネマティックユニバースを観るのはエンドゲームでもうおしまいにしようと思ってた。この先ダークナイトのように深淵を覗き込むような世界観は望めないし、うす〜いキャラクターのヒーロー盛りみたいな作>>続きを読む

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

3.5

 久しぶりに見るナヴィの青い勇姿。ディスクは持ってるけど、あのパンドラの見晴らしのよい奥行き感と広がりはやっぱりスクリーンで見なきゃね。というわけでIMAXへ。
 さすがにいま観ると話が古くさい。でも
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.6

 「湿地」に続いて2本目のアイスランド映画。どんよりとした鉛色の空、寒々しい空気、低い彩度、光合成するには足りない日光。独特のムードがハリウッド産の映画を見慣れた目には新鮮。
 なんだけど、開始早々、
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

1.0

 ひどい脚本。神に裏切られたゴアの神々への復讐を描くのにこのストーリーはないわ。悪ふざけが過ぎる。せっかくのクリスチャン・ベイルの熱演を踏みにじった罪は重いぞ。おもしろいアイディアがあるなら許せるがそ>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.6

 どうしよう。何も思い出せない。あんなに楽しかったのに。若い頃のタランティーノを思い出してさえいたのに。

 おいしいものを食べて、そのときの味や食感が永遠に記憶に残ることってあるでしょ? 初めてハー
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

5.0

 なんて思慮深くきめ細やかな映画なんだろう。
 描かれていることがとても尊いのに、言葉でうまく説明できない。観てとしか言えない。伝わってくるのはコミュニケーションの何かだと思うんだけど、ここに美しさと
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イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)

4.0

 昔、美人姉妹のお姉ちゃんの方から「なべさん、イベント・ホライズン観た?」と電話がかかってきた。あまり興味はなかったのだが、「ちょっと変わった怖いSFだからぜひ観て」と強く推された。邦画を観ないぼくに>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

 昔ロードショーで観たときには、ラストシーンで号泣してしまい、呼吸困難で死ぬかと思った。いかついDVDボックスもBlu-rayも買ったけど、これは劇場で観るべき映画と開封もしてない。そんな名作が日本初>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

 裕福なインテリ黒人ニューヨーカーのひねくれたストーリーテリングがおもしろくて、今回はどこに連れて行ってくれるのだろうと楽しみにしてたジョーダン・ピールの新作。
 ははーん、仰ぎ見る恐怖か、なるほど、
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

5.0

 ウォン・カーウァイの作品群が4Kリマスター上映されるってことで、一番好きな花様年華をチョイス。連日満員でいい席が取れるまで時間がかかってしまった。昔観たときより明るく、鮮やかになってた気がする。デュ>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

5.0

〈本文は4Kレストア版とほぼ同じ〉

 ああ、やっぱりいい。赤いテーマカラーにもマギー・チャンのチャイナドレスの着こなし。独特なハイカラーが映える。たぶん20着以上あったよね、数えてないけど。もうっと
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カウンセラー(2021年製作の映画)

4.0

 製作費はわずか120万円だったらしい。なるほどシークエンスは限定的だし登場する役者も少ない。それなのにこんなに濃密で緊張感ある42分間が撮れちゃうんだ⁉︎
 確かに、そこでそんなモノ出さない方がい
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イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.0

 そういうことではないのよ、もっと、そうもっと変態成分が欲しいの。これではクローネンバーグが撮る意味がない。クローネンバーグ味が足りない。
 いや、他の監督の作品ならそれなりにおもしろいと思う。でもク
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ハイ・ライフ(2018年製作の映画)

2.5

 クレール・ドニの信者には悪いが、“ソラリスをつくろうとして己の中がもはや空っぽだとバレてしまった老婆の失敗作”というのがぼくの印象。
 開始5分で彼女の独りよがり映画だと気づいた。伝えようという気が
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ザ・プレデター(2018年製作の映画)

1.0

 「プレイ」の出来ががよろしくて、続けて一作目を観直し、ついでに評判のあまりよろしくないザ・プレデターも観てみた…。

 ひどいな。新しさにこだわるあまり、いろいろ足し算しすぎて、オリジナルがどんなだ
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イグジステンズ(1999年製作の映画)

4.0

 見覚えのあるシーンがいくつもあり、あれ?これ観たっけかと思ったが、のけぞるくらい生理的な興奮を味わったのできっと初鑑賞。
 本作以降、クローネンバーグはオリジナル脚本を書き下ろしてないので、これが彼
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

4.0

 遺伝子や殺し屋王座決定戦、対エイリアンなど、足し算の脚本では一作目には及ばないと気づいたのか、原点・“狩る者と狩られる者の戦い”に立ち返った「プレイ」。米国ではHulu配信なので今か今かと待ち構えて>>続きを読む