順さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

順

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JSA(2000年製作の映画)

4.3

政治的分断へのダイレクトな反駁。南北兵士の交流をひとときの理想として描きながら、けれども逃れがたき現実を直視する無常の時間だった。
まばたきの隙さえ与えてくれないほどの緊張感。物語を象徴するラストの1
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.9

説明しにくい不気味さと違和感に終始包まれた。黒人差別もシニカルに取り上げている。

バッタ君町に行く(1941年製作の映画)

4.4

人と対比して虫が愛らしいキャラクターを得て生き生きと表現されている。ワクワクが止まらない。
"人間たちが見えるぞ"
"まるでアリみたいだ"

組積壁の目地や石畳の溝を冒険する虫たちの動きの豊かさも。
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.9

暴力性の強い残忍な青春映画。画面の強度に引きこまれる。

アラバマ物語(1962年製作の映画)

4.4

ハイセンスなオープニングから期待が高まり、叙情性を備えた社会描写に揺さぶられ続けた。
差別の根強いなか黒人を弁護する白人主人公の正義を眺める一方で、そんな父の背中を見ながら道徳心や社会への認識を募らせ
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

4.6

笑えるし、最後にはじんわりとした感動にも包んでくれる愛の物語。
大森くみこさんの活弁と鳥飼りょうさんのピアノ伴奏付きで鑑賞。

パーフェクト・レボリューション(2017年製作の映画)

3.4

脳性麻痺の主人公の描写においては偏見や無理解への払拭が真摯に狙われていたのに対して、ミツについてはセックスワーカー設定に現実味がなかったり「人格障害」の描かれ方が曖昧に感じられたりだったので、作品自体>>続きを読む

嵐電(2019年製作の映画)

3.9

不思議な魅力の映画だった。学生映画ノリの寒さはありながら井浦新さんの演技に安心して、ほのかに寺山修司の実験映画に似た異様さも覚える。ローカル路線に根ざした三つのストーリーの邂逅が面白い。
嵐電に乗りた
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.0

シリーズの単純な続編ではない、あくまでも別作品として。
しょーじき中盤までは主役3人にあまり感情移入できないままだったけど、テンポよく見られたしキャラクターと声がそれぞれ見事にハマっていた。
旅風景が
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

4.4

全編美しくて、いつまでもじんわりと余韻に浸っていられる。
どのカットを切り取ったとしても部屋に飾りたくなる一枚になりそう。

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.2

ただただ面白くて愉快。ハッピーになれる。「多様性の尊重」をことさら強調せずに、さらりと描いている。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

LAが舞台のティーンムービー。主人公たちにとって身の回りで起きていることが世界のすべて。ワル仲間のうち無口だった少年が、ラストで雄弁に夢を語りかけてくるのがとても良かった。

マイティ・ソー(2011年製作の映画)

3.8

雷神トールの現代的な恋物語と弟への愛
めっちゃ展開早い

プレーン・クレイジー/飛行機狂(1928年製作の映画)

4.0

ミッキーは動物たちを良いように使って飛行機をとばすしミニーに強引なキスをする。動きが仕上がっていて全く見飽きない。悪い顔のミッキーが痛快!

デカメロン(1970年製作の映画)

3.9

刺激的だけど本能的・必然的な生の営み。中世社会を覆ったカトリック的な禁欲主義への揶揄が現代的に描かれている。

ローマの休日(1953年製作の映画)

4.4

時代も国境も越えるオードリー・ヘプバーンの魅力。

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.4

分かりやすい悪役がいるので安心して見られる。長瀬智也はどこでも強い。

となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.0

自分が歳を重ねるごとに、観たときの味わいが深まる。

蒸気船ウィリー(1928年製作の映画)

4.0

娯楽アニメーションの原点にして最高峰。とても愛らしくユーモラス!
世界中が虜になるね。

はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.3

脳内でアレンジが出来上がり音が加わっていく序盤のシーンからもうワクワクして好き。音楽の幸せに浸りたいときに。

7番房の奇跡(2013年製作の映画)

3.4

知的障害者の冤罪をテーマに父と娘の愛を描くファンタジー。
あまりノれなかったけどコメディタッチな刑務所内の交流にほっこり。
娘イェスン役のカル・ソウォンが可愛い。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.3

刹那的に生きる男女の逃避行。執着のない生きざまに憧れさえ抱く。
フランス語の台詞すべてが詩的で美しく、色彩感覚も見事で一切のカットがまばゆい。
煙草をくわえるジャン=ポール・ベルモンドのかっこよさとア
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ナンシー(2018年製作の映画)

4.0

嘘と愛情のスリラー。中盤から主要3人の表情から目が離せず、余韻も含めて不思議な魅力を感じる映画だった。
スクリーンサイズの演出が憎い。

透明人間(2019年製作の映画)

3.6

透明人間の個人的な執着が主人公セシリアの私的な範囲を荒らす物語で、こう書くとスケールが小さい…。
息遣いさえ聞こえない透明人間はしばらく得体が知れず、緊張感が維持される。後半になるとアクション展開が加
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

政権の汚れを暴こうとするサスペンス。
忖度なしに政治絡みの腐敗を糾弾するという点において画期的だけど、あくまでもフィクション。人物描写やストーリーは明快で、政権に与している人間は常に立場を守る悪人だし
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.8

実話ベースの虐待告発映画。
見ているだけでつらく、虐待シーンは目を覆いたくなる。事件の犯人はただ悪者として描かれていて、本作ではその背景にまで配慮はされない。親に守られぬ恐ろしさ。被害者の友人ジャンホ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.6

寓話のようで現実的な人間ドラマ。引き込まれる映像とホアキン・フェニックスの怪演によって、悪行さえも美しいまでに気高い。

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.5

古典。フランケンシュタインの作った「怪物」によるパニックを映す。
一方、人が身勝手に生み出した心ある生物の命を一方的に奪う行いについて、人間至上の倫理観への警鐘も読み取れる。
怪物を製造する過程や初登
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.9

常に危うい少年少女の「遊び」を見守りながら、やがて迎えるラストシーンはとてもやるせない。
戦争孤児のその後を想像させる。