人生が突然暗転した人々の苦しみを描く場面が、押し付けがましくない程度登場して、その全てに引き込まれた。
日本やハリウッドにある既存の映画表現に、自国のコメディタッチな表現を混ぜ込もうとしている、挑戦的な映画だった。
半沢直樹や七つの会議とは違う歪み方をした主人公の描かれ方が新鮮だった。
出来事は、簡単な動機に始まり、簡単に終わる。
しかしその過程は激しく、人生にはこれが当たり前に溢れている。
個人的には無垢であることの滑稽さと素晴らしさを全身に浴びることができた、まさに「映画」だった>>続きを読む
この映画を理解するには、ある程度この年代の歴史を知る必要があった。
それでも、捻れた倫理観の上で展開される"処理"の話には気分が悪くなった。
静かで、衝撃的な映画だった。誰しも人生に、この透き通った破滅を抱えているものだと思う。
ひとりぼっち同士が、不器用に、不安定に繋がっていく話。
孤独と仲間は同時に存在するし、それはきっと温かい。
新海誠監督のここ3作品の中では一番好きな映画だった。
「思い出」と「地震」の二大テーマがあり、これらを観客がどう思うかという話だ。
映画である以上、感動はするしファンタジーでもあるので、見る人それぞれ>>続きを読む
「多様性」をテーマに据えているように思えた一作目に比べて、かなりグラフィックや世界観の掘り下げといった、娯楽映画としての観せ方に代わっていると感じた。
もちろん悪いことではなく、迫力のある映像は必見。
出てくる人間たちが終始愛の行方に東奔西走している、邦画のグロテスクを存分に生かした作品だった。
今までの同監督作品に比べて、より大衆向けよ分かりやすい物語と、ハリウッド的なアクション、程よい程度の歌とダンスが楽しめる。それにしても愛国主義的だと取られかねない内容を、よくも漢の熱さとダンスの熱量で>>続きを読む