nayanabudbudaさんの映画レビュー・感想・評価

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セブン(1995年製作の映画)

4.5

これは僕の中での衝撃が大変に大きい映画でした。そうか、こういう体験をするために映画を観ているのか、と思ったのです。圧倒的な画面の美しさ、散りばめられた要素を完璧に回収して一つのかたちにする巧みさ、「言>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

3.5

「理解できたか」と言われるとムムム。しかし、面白かったことは面白かった。

群像劇、すべての人々の生活が関係ないようでいて交差している、危うい橋を渡っていたかと思ったらラストの圧倒的な蛙の大雨によって
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.5

正直なところ、全くよく理解できていない。

主人公は自らの現実を忘れ去るために病人たちのグループに来ていたにも関わらず、「自らの現実」を投影した存在であるマーラを見てしまったことにより、非現実の中に現
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.3

自身の信仰のありかた、これから歩むべき信仰の道をどのようにして考えればいいのか、決めばいいのか、に迷っている僕に対して大切な人が観せてくれた映画です。
3つの宗教に本気で向き合うパイがどのように成長し
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.5

すべての人が危うい橋を渡っていくような前半から、抜けるような美しさのラストへの変化が圧巻でした。僕はまだこの映画に対して語るべき言葉を持たない気がしますが、何か語りたいという気持ちもあり、揺れています>>続きを読む

ゴッド・ブレス・アメリカ(2011年製作の映画)

4.0

友人と観ました。ロキシーがめちゃくちゃに可愛いです。とにかくとてつもなく彼女が可愛くて驚いてしまいました。彼女は利発で、それでいて純真さをのこした素敵な少女です。とりあえず彼女に会うためだけにでもこの>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.3

誰かにとっての幸せの形を誰もが認めてくれるわけではない、それはどう考えてもおかしいのですが人間同士が生きる社会ではそれが当然のようになっている、理不尽を噛み締めさせられる映画でした。
僕たちは皆、いつ
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.8

単純に非常に楽しい物語だと思いました。
深夜のパリで出会う「黄金時代」の人々……僕もよく生まれる時代を間違えたな、と思うことがあるけれど、過去は過去でとっておいたほうがいいのかなと思ったり。それに気づ
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

-

「重要なのは完成ではない 願いを持続することなのだ」
観ている間に個人的にショックなことがあり集中できなくなった作品です。見はじめのときは、きっとこれは自分にとって最高の映画になるだろうという予感があ
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.8

東ドイツを母一人のために生きながらえさせようとする、空しい物語、と言ってしまえばそれまでですがその問題は息子にとっては何よりも深刻です。なにせ母が彼女の唯一の心の支えであった社会主義祖国を失ったことに>>続きを読む

聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

3.0

生きとし生ける者の平等、というものに思いを馳せる作品です。台詞はありませんが祈りの言葉、料理を準備し片付ける音、そんなもので溢れていますから、下手に台詞があるよりも臨場感があります。実際はもっともっと>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.5

むかし、絶交された友達と冒頭だけ観たのですが、彼女を思い出すと何度でも傷ついてしまうので、ずっと観ていませんでした。僕は未だに彼女のことを考えるとかるい絶望感に囚われるのです。
しかしまあ、僕もそのこ
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

1.0

中上健次が好きなので、観ました。中上健次的だという話をどこかで聞いたので。そういう観点で見ると、この物語で咲くのは夏芙蓉ではなく、椿です。

しかしながら、僕にとって、この物語はなにも中上健次的ではあ
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少女邂逅(2017年製作の映画)

3.0

中学生の頃、今思えばいじめられていたのですが、僕は鈍感だったので気づいていませんでした。休み時間になるたび殴られていたのですが、その相手を「休み時間になるたびに殴ってくる人」と認識していたせいで、いじ>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.0

正直なところ僕にはあまり響かない作品でした。
決して退屈と思ったことはないのですが、そもそも人間関係が複雑すぎてよくわからない、というのがあります。この作品はよく相関図を見てから観るべき……とも言える
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.8

ミュージカル映画であることすら知らずに観ました。最初はドンが量子化学の教授に似てるとかいろいろ気を取られるところがあったのですが、面白かったです。爽快な物語で、ミュージカル映画を苦手な人でも観やすいの>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

僕には「終わりの時間」を気にせずに観られた映画はあまりありません。映画が始まってしばらくすると、あと何分あるんだろう、と考えてしまうのです。この映画は、むしろ「あと何分しかない」と思わせる映画でした。>>続きを読む

みちていく(2014年製作の映画)

4.3

何かが起こっているようで何も起こっていない、それがこのけだるい映画の雰囲気の中におけるすべてなのかもしれない、とおもいました。不思議な雰囲気の映画でした。僕はかなりこの作品が好きです、心をそれこそ軽く>>続きを読む

将軍様、あなたのために映画を撮ります(2016年製作の映画)

2.2

ドキュメンタリー映画ははおそらく初めてです。僕は朝鮮という国に昔から興味があったため、この作品を面白く観られるかなと思ったのですが、うーむ、微妙……なぜでしょう、金正日の肉声やその言葉、そしてなにより>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

4.5

自分の中の奇妙な行動力、それに突き動かされてなにかことを起こしたあとで、アメリのおぼえたなにもかもすべてが調和するような感覚を僕も覚えたことがある、と思いました。そして再度その感覚に突き動かされて、ま>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

観るのは二回目です、二回観る内容か? と言われるとどうなのかはよくわからないのですが、僕にとって「映画っていいな」と思わせてくれた何よりの作品なので思い入れがあります。

とにかく伏線の回収が鮮やかで
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.3

マチルダの凛とした凄絶な視線がひどく美しい映画でした。ギリギリを生きる張り詰めた美しさの中にときにかがやく笑顔がうまれ、緊張を一気に解きほぐすようなそのギャップにうたれます。
マチルダは利発な少女です
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カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

4.0

#リモ止め 僕は正直映画ファンではありません。この緊急事態宣言下の5月を「有意義らしく」過ごそうと、また、忍耐力を養おうと一日一本映画を観ることを自分に義務付け、実践して4日目の人間です。映画館にも数>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

3.3

楽しい映画でした。
青春は誰にでも訪れるもの、それをどのように消費していくかはその人によるけれども、誰よりも馬鹿をやって、誰かのために本気になる、そんな経験を持っている人のまえで僕は何も言うことができ
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

3.8

周迅は好きな俳優です。ただ美しいだけではなくてどことなく陰があり、彼女には彼女なりの考えがある、ということを感じさせるのです。そこが魅力的なのでしょう。

牡丹という少女を探す馬達の物語が蘇州河流れる
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ウンギョ 青い蜜(2012年製作の映画)

3.8

非常に良い映画でした。何よりもウンギョを取り巻く清新なかがやき、彼女の柔らかさ、温さに癒やされます。再びこの雰囲気に身を浸したいと思うときがくるのではないかとおもいます。
パッケージや日本語タイトルの
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ピアッシング(2018年製作の映画)

3.0

「一日一本映画を観る」一日目です。殺そうとする者と、自傷する者(自らによって自らの死を望む者)との間で奇妙にすれ違い、すり合わせ、共鳴する、その寄せては返す波のようなリズムが素敵でした。ミア·ワシコウ>>続きを読む