マさんの映画レビュー・感想・評価

マ

悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)

4.3

テキサスの中産階級白人一家は殺人鬼←確かに、マッチョな通過儀礼から逃れることが出来ないレザーフェイスはシンプルに可哀想。

REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

4.3

まず映画単体で評価することが不可能なのと、普通に脚本も何もかも問題だらけ(特に女性に関する描写)な事、暴力やテロリズムを賞賛する気は微塵も無いのは前提とするけど この映画は問題点も含めて、"面白い(I>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.3

くすんだ世界に閉じ込められてる(それに対抗し続ける)クィアこそが 閉じ込めてるヤツらの何倍も 本当に"生"きているというテーマは言うまでもなく事実だけど、それを理解した上で、理解された世界でもくすんだ>>続きを読む

倫敦(ロンドン)から来た男(2007年製作の映画)

4.4

窓の外にあって、本来手の届かない様なモノを偶然獲得した時、元々自分がそのレベルに達せてない以上 中途半端に持て余し、結果日常に与えられる変化は微妙なものにしかならない。それは主人公がそうなのはもちろん>>続きを読む

マッスルモンク(2003年製作の映画)

4.5

この頃のジョニー・トーはバキバキ過ぎる、全てのシーンが不必要に全力で脳が追いつかん。アクションは勿論、笑いもゴアも、とにかく全力。アンディ・ラウが身体張ってバイク事故起こしまくる。
展開も何もかもむち
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ザ・ミッション 非情の掟(1999年製作の映画)

4.4

ジョニー・トーの中で1番スマート? 展開もテーマもシンプル、全監督作のベースだけが詰まってて、形態として超プレーン。
仕事中に遊びたい!仕事を遊びにしたい!という情熱だけで1本の筋を通してるのは、分か
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我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)

4.4

罪を倍ガケする事で懺悔を実行していく、ナ・ホンジンの"哀しい獣"かと思いきや どんどん上の方に、ある意味感動モノの様な方向へ吹っ切れていく。
露悪を何かキラキラしてる美しい風のモノでコーティングしてる
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.5

人の苦しみと生き様は全部(ポップ)カルチャーに詰まるんだよ!と言わんばかりに固有名詞が次々登場し、背景から音楽 セリフにまで徹底的に緊張感を高めていく エンタメと個人を分離出来るわけがない というのを>>続きを読む

ディヴァイン(2016年製作の映画)

4.3

むちゃくちゃ分かりやすい!メイクマニーが勝利への道か分からんが、金を稼ぐ事自体より、その結果目指せるものやflexが重要 なのは前提として それすら出来ない、成せない徹底的な貧困。
細かい理論や部分を
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BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

4.3

2020年代のスラッシャー映画にロジックなんて必要無い、ワラワラ飛び出てくる(2024現在では既に廃れてる)流行語と、しょうもない言い争いだけ詰まったこの映画は"映画"なの? オチが100点

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

4.6

アメリカン・サイコ以後の「アメリカン・サイコ」、何も無い場所を突き進み何も得ないクズとなるか、パトリック・ベイトマンに憧れて物真似をするマヌケになるか どちらにしろ何も無い 虚無。自信を失ったら迷惑メ>>続きを読む

アサシネーション・ネーション(2018年製作の映画)

4.7

法の奴隷とクズしか居ない社会で"hoe"と呼ばれる人々が唯一リアルなのは当然のことで、それはSexyy Redが2023〜2024年代の米ヒップホップ業界の中で最も人間として息をついていることとも自然>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

何となく罪悪感を感じてるcolonizerの陳腐過ぎる言語化、ただいくら陳腐でも、その絶望を表現する事に意味はある と思いたいけど。実際はギミックに溺れ死んでるだけかもしれない。
コメディとして魂を込
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.4

母親からしても別に子供が無制限に可愛いとかあるわけない!怖い!ウザい!ってちゃんと表現できる人への信頼感、だからと言って見捨てる事が問題解決になるとも考えていない。吉田恵輔のミッシングでも同様のテーマ>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.6

そこで生きている人間の姿を視野へ入れてない人にはクズとしての生き方しかない、という当然の話。一つ一つの描写がめちゃくちゃ細かくて油断出来ないけど、その細さに目を配らせず、クズとしての道を自然と享受して>>続きを読む

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

4.3

恥ずかしげもなくむちゃくちゃ懐古趣味的な映画でありつつ、振り返ってみると 未来への希望溢れる展望とか、またそれは子供が大人になるにつれて気づく現実の無惨さなのかもしれんけど、とにかく楽観的に未来を傍観>>続きを読む

プリンス・オブ・シティ(1981年製作の映画)

4.5

正しい事をしたいなら正しくなければいけない、けど1度腐敗した人間は二度と元に戻れない 本人視点だと怖すぎ。詰んでることを認知してやっと始まるとしても、詰んでる以外のなんでもない。
チンケな表現だけど、
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ザ・インシデント(2011年製作の映画)

4.3

S・クレイグ・ザラーの「関心領域」 or誰しもキ○○○という事実が停電から露出しても、暴力との関係性を適切に取ろうとするいつものザラー。

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期(2020年製作の映画)

4.4

限界まで甘やかされてもやっぱり男達の世界(笑)に閉じこもる、ドアを開けて外の空間へと逃げて話は中盤で完結する(残りは消化試合)。しょうもねーよ。掌握出来ない苦しみに向き合う能力が無く、だからそういう問>>続きを読む

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.4

1作目から地獄に突き進んでるのは目に見えてたけど、やっぱりその通りで 絶対的に閉じている「男達の世界」とか崇拝するには値しない。思慮の足りないマッチョ思考の行く先が詰みなんて随分前から分かってんでしょ>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.5

未だにポリコレ(笑)を目の敵にしてる人とか映画を早送りで観て酷評する人からやたらと好かれてる映画第1位だから何となく観るの避けてたけど やっと観た。が、(当たり前なんだけど)映画内で描かれる「男達の世>>続きを読む

藁の楯(2013年製作の映画)

3.8

例え人を殺さないことが殺人への抵抗だとしても、国が死刑制度を取り入れてる以上意味無いでーす みたいな話にも... 濱口竜介 PASSIONの授業シーンがこの映画の要約として 良くも悪くも当てはまる。

第七の封印(1956年製作の映画)

4.4

(別にキリストでは無くても成り立つ)何か を信仰することに対して溢れる疑問。十字軍の遠征で何も得ることが無かった主人公が 終末を迎える時に神(悪魔)なんて頼りになるか?という話をしてる時 死(そのもの>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.3

「七人の侍」くらいまでの暴力に対する悲痛なイメージが一気に抑えられて、完全にエンタメとして作っている一方 戦国時代の一旦飲まれるとどうしようもない空気感と とりあえず人間の全てを肯定する黒澤明の極端な>>続きを読む

ホワイト・バレット(2016年製作の映画)

4.2

マーティン・スコセッシの救命士みたいな 人命を救えないことに嘆く話かと思いきや、別に救えない時は無理だししゃーないねで終わる。
ある意味(と言うか毎度おなじみかもしれんけど)ジョニー・トーの男達の世界
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REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

4.3

デンジャラス・プリズンの主人公が敵を無条件に人形にする神であったように、自らを「モノ化」してきた男に対し ゴアを無限に適用できる人形として それぞれをオブジェクトに変化させていく。ミソジニー的な撮影や>>続きを読む

ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.4

スティーブ・ジョブズには精神疾患が... みたいな話は糞の数ほど(時には差別と合体しながら)語られてるけど、いわゆる スラング的な用いられ方をされる"Autistic"な人間ではなかったという事は予想>>続きを読む

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

スピルバーグが真剣なのは承知なんだけど、中盤の ホロコーストをギャグのような演出と編集で切り抜く感覚に良い意味でも?悪い意味でも?ゾッとする。まさにショア(観れてない)や死霊魂に映る、生き延びた人々が>>続きを読む

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

4.1

現実はただ全体的に淘汰されて終わりかもしれないけど、フィクションならサメにも(無責任な あくまで想像として)ナラティブを与えることが出来る。追い込まれた動物と戦争の遺物に潰される なんてカタルシスしか>>続きを読む

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)

4.4

口に出した途端全部他人事になる病気なのかなんなのか知らんけど、言うべきことを全部言って、それを大資本で撮って、結果人を殺す。卓上でのリアリズム(笑)みたいなもんがどんだけ空虚か。

キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.2

戦争ってどうでもええ ただの喜劇。愛国心と虚栄だけで命を投げていく人々への冷笑にも プロパガンダにも見える。

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.5

まさかの、「マッドマックス」ではなく「アラビアンナイト 三千年の願い」から大きく手法と演出を流用し、フュリオサという マッドマックスという伝説を淡々と「語る」映画になってた。勿論派手なシーンは沢山ある>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.6

ドキュメンタリーや現実そのものが大きな壁としてある中で、「サウルの息子」は映画体験を利用した語りでアウシュヴィッツの地獄を視聴者に突きつけていたけど、今作は劇映画として、もうイメージだけで存在する(想>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

4.5

映画は越えられる壁と越えられない壁があって、今作はどう考えても越えられない方の壁を向いてる... 表現として、かつて存在していた(今も存在している)地獄に どうリーチするか。
ドキュメンタリーや再現映
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