惨めさんの映画レビュー・感想・評価

惨め

惨め

ミッキー17(2024年製作の映画)

2.9

米国選挙(2024年11月)前に公開する前提での風刺が悪い方向に出てて切ない、多分トランプが負けると思ってたんでしょ。今頃ユルいトランプ批判みたいな事やったって意味ないし、やるにしたって戯画化し過ぎ >>続きを読む

天使の恍惚(1972年製作の映画)

3.7

孤独で自己満足な考え方でしかない(んなの皆わかってる)けど、熱意はそういう話じゃないしだから戦争なんでしょっていう。カラーになるタイミングとか思想に対する映像表現としての姿勢が正直過ぎる、自分で天使の>>続きを読む

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.3

最近の作品と比べて若く冷静ぶってて、同時にキング牧師とマルコムXの言葉を考察して賢者気取ってるし 何より作品のテーマと相反し 結局歳とるにつれて先鋭化せざるを得なくなってる(気がする)スパイク・リーに>>続きを読む

シークレット・サンシャイン 4K レストア(2007年製作の映画)

3.8

別にそんな突飛な意思でも話でもなくて、下心から着いてくるソン・ガンホが守護者になってく部分も別に褒められないけど よくある喪失についてはシンプルかつ丁寧に向き合っててなんか小綺麗過ぎる。

エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

3.7

戦後の白人の罪悪感ってヤバすぎ! メタファーとして写してる悪魔の話も別に精算付けられてるわけじゃないし

Baby Invasion(原題)(2024年製作の映画)

4.9

狂気しかない画面外を確認出来る時代で悪あがきせずに正しい表現だけし続けて、ヴェネツィア国際映画祭に提出する 本当の良心を携えた数少ない人間。"マインクラフト/ザ・ムービー"を指しながら「戦争とか色々大>>続きを読む

裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

3.6

アメリカ人の糞威圧的な刑事ドラマのお約束がどんだけ馬鹿げてんだって話だけど、(今作は置いといて)これを違和感抱かずやってる人達のしょうもなさはヤバい。オチがロマンチックなクリシェで雑に洗脳させられてる>>続きを読む

ぼくらベアベアーズ ザ・ムービー(2020年製作の映画)

4.1

マイノリティがマイノリティであることの必然・必要性 / 認めてもらう為にプロップスを築かなければいけない という要求は、当事者自身ですらコミュニティの中で「誰がどれほど認められてるか」というヒエラルキ>>続きを読む

ロングレッグス(2024年製作の映画)

4.5

誰かを殺す事で自分の生が成り立ってる罪悪感を、ただ何となく感じてるだけでも辛いのに 親が好かれと思って個人の人生を殺してた監督の重みは想像しようが無い。けど本人は大味な演出でチャラく見せてるからそうい>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.5

当時は分かんないかもしれないけどファシズム政権の方が分かりやすい。石投げるのが正常なら死ぬまで苦しんでも 10年後情勢的に後悔しない行動した方がマシだと思うけど 普通に倫理が全然回復しない可能性もある>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.9

SNSで自閉的に予習してても、人多い所で塊になった人の声聞いてるだけでグロッキーになるこっちがダメだって。もっと根本的に原罪を抱えてなきゃいけないから徹底して逃げ場は無いが、それでミサンドリー1歩手前>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.1

ある程度資産を持ってる人間にとって それを持ってない人は視界にすら入ってないらしく、その事実は資産家に対するヘイトを正当化できるくらい惨い。こっちの人生を振り回す事がアイツらの手遊びであるなら、怒りは>>続きを読む

あの歌を憶えている(2023年製作の映画)

3.6

記憶ってもっと信用ならないものだろうが、ミシェル・フランコがその穴を突かず(突きすぎず)にウェットでひょろひょろのセラピーをやってるのは面白い。ゾッとする瞬間が無いわけじゃないけど引き際は小綺麗すぎる>>続きを読む

ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.1

巨大なレイピストへ対抗する為に苦い思いして頑張った結果、シオニズムとかいうもっと陰湿な病理が幅を効かせちゃった。国が現時点で本物のレイプ魔にコントロールされてる以上、再現される収容所のガス部屋と言うよ>>続きを読む

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.3

先進国に産まれた人って行動か自殺かどちらか選べない限り死ぬまでクズでしかないという、行動しても報われることは無く こんな所に産み落とさないで笑。

アネット(2021年製作の映画)

3.8

殺す奴は殺されたくないんで防御しつつ場外から攻撃する、過激でも挑発的でもない臆病者。自分の話なら、やっぱ初期作の男の想像に無責任な感じは歳取って後悔してんの?

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.3

子どもは純粋で自由 と言うよりも、統制や不自由がイマイチよく分からないので ただ大人の理不尽な態度に困惑する。アハマッドからカメラがぶれるのは過去を生きてきた2人のジジイが映る時だけで、権威を引きずる>>続きを読む

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

4.3

マリリン・モンローについて基本的にその待遇の正しくなさしか教わってきていないので、正しくないとは思うけど それを言っても壁打ちにしかならんし、その上でビリー・ワイルダーは全然冷静な表現者であるだろうと>>続きを読む

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

4.7

グリンゴと殺された聖女の責任を背負わされ、別に隠しもせずキリストとして生かされることが苦しみなら、救いはもっと現実的な自己とか生活の獲得に置き換えられる。尚且つ 親子の関係に重ねられるアンチキリストな>>続きを読む

エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

3.5

フェミニズム擬きみたいな話なのに衣装やメイクの馬鹿げ方は度を超えてる。イメージは奇っ怪でザック・スナイダーとしか言えず、主張したい事は多分間違って無いから厄介。何だかんだ映画の主軸が単純な女性の力って>>続きを読む

エレファント(2003年製作の映画)

4.5

動線を管理してる以上別に現実味が溢れる物と切り取る気は(最初の車から)無いけど、それが劇映画的に無意味なやり取りの積み重ねと連結して 全ては意味が有る事として雑に浮き出る。一歩間違えたらムカつくプロモ>>続きを読む

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.1

おじさんが「男ってホント駄目w」みたいなノリで男女論を語る時 「本当に駄目」の意味する所は保身が第一な野郎の防衛であり、その前提を上辺の政治論じゃなく苦痛として身に落とし込む時 その視点が語られる時は>>続きを読む

切腹(1962年製作の映画)

4.2

沈痛化を認めるなら歴史を上から黒線引いてった方が良いと考えて 実際の所は自覚しながら恥の上塗りを繰り返す。知ってるからってどうしようもないが、1人でも空気を読まないキチガイが居れば簡単にパニックになる>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.8

再鑑賞、wavの引っ付いた音を避け 音楽は空間に存在する空気の振動として徹底的に捉えながら 部屋の移動で出力元とその位置関係を調整する論理的な思考。企業ロゴをザッピングしてエンディングを挟むイキりはあ>>続きを読む

ジャングルのけもの(2023年製作の映画)

2.5

クラブ来てんのに小説開いてクソつまんねぇ台本読みあげてるだけみたいな会話して 何時まで経ってもクネクネしてる気持ち悪い大人。小説実写化の悪い所が出まくってる。

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.7

同じリズムか周期の秩序で押し並べられてる以上 場所そのものがずっと生きてない状態であって、なら人が死んでるかって言ったらそうでもなく、狂いもせずに中途半端な所で馬鹿みたいにごちゃごちゃやってる。別に >>続きを読む

Broken Rage(2024年製作の映画)

3.8

何も無い空間におふざけのみ(コメディ演出無し)を積み上げ続けるのもそういう作業をしているだけで、作品に対するZ世代(笑)のリアクションを勝手に想像してパニックになるくらい前後不覚の老人が、自分の経験を>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

4.1

障害者の息子がメディアで磔にされる事を真正面から否定するほど切実なヤツは、基本は空気の読めないバカとして刑務所に逆戻りさせられる。ただ純粋な怒りが輝けるのは映画みたいに客観視が成功した時だけで、実際キ>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.3

もったいぶってる割に前半は「もしも自分があの人と...」みたいな妄想以上でも以下でもなく、だからといって別にくだらなくもない。現実に対して人の脳が身勝手ってだけで、それは冷静に理解してる。

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.9

ゲイセックスよりもゲイを想起させる行動の9割はホモソーシャルを前提とした行為に含まれるんだけど、そういう意味で言葉のコミュニケーションは無いので 単純化すりゃ想定出来る三角関係の話は避けているのかもし>>続きを読む

タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

3.7

何かを犠牲にして協調性を得る人達の寓話だけど、結局全部どうでもいいし過度なストレスに振り回されてるだけ。仕事は程々にしようってそんな話の為に70分も使うのは本当にしょうもないと思う。なんだかんだ皆序盤>>続きを読む

オーダー(2024年製作の映画)

3.8

他の人種を殺戮してる時間がしてない時間よりも圧倒的に長いせいで、平等や人権は冗談でもなく彼らの世界を"奪う"モノと簡単に解釈された。体系化した宗教、ナチズム、銃があれば組織・思想として過激化 構築され>>続きを読む

スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.1

ラブ&ポップと同じく あの頃 はもう無いのでその状態を前提とした非合理性やアンモラルな感覚は外側から監視する、文字通りドアの隙間から覗き 鋭く覗き返されることしか出来ない。ラフに撮ってるようで、セック>>続きを読む

犯罪者たち(2023年製作の映画)

4.4

水は外から採ってくるとしても 逸脱を求めて水道水を飲んだって間抜けにしか見えねーよ、無意味な時間稼ぎで物理的にテーマを表現しようとした結果 本当に形だけのクラシカルな演出と明らかなバランスの悪さが楽し>>続きを読む

イゴールの約束(1996年製作の映画)

3.8

父親は父親のコミュニケーションっぽいなんかを使って間の問題を誤魔化してくる、DV→じゃれ合い→タトゥーの組み合わせは流石に疲弊。困窮してないクズも気持ち悪いけど、困窮してるクズはもっとどうしようもない>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.7

再鑑賞、ニューヨーカーの当事者性に目線を置いているようで 結局愛よりも福祉の方が大切である、みたいで元も子もない。ベニー・サフディは典型的な偽リベラル?として嫌われ者のエリック・アダムズ市長と当たり前>>続きを読む