ゑさんの映画レビュー・感想・評価

ゑ

夜間郵便(1936年製作の映画)

3.8

当時イギリスで流行ったバルコンタッチ(ドキュメンタリー風劇映画)のひとつ。お手本みたいなきれいなショットが続いて丁寧に作り込まれているのがよく分かる。
良くも悪くもヌーヴェルヴァーグ的なパンクチュアル
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

川辺の戦いでカエルが這い上がってくるとこに1番宮崎駿の作家性を感じられて全部これでいいのにって思った。そのシーン、スペインの映画館では客に大ウケで大爆笑だったらしい。なんでだ。

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

4.0

ポリティカル×青春×ホラーと詰め込みすぎで大丈夫か?と思ってたけど意外とまとまってる。 
元ネタPCゲームらしい。台湾ニューシネマとか1984年参考にしたりしてコンセプトしっかり固めてたおかげでメディ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.4

石橋英子の音楽よかった。製作きっかけがそこからきてるということに納得。
アイルランドのミニシアターで見終わった後に後ろのカップルがわけわからん…て言ってておもしろかった。私もです笑
内容的にはクロード
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.1

内容が激ロマンチックで極端に好みが分かれそう。
でもやっぱ思ったのはムードを作り上げる天才。日本のアニメに通じる独特のエモさを放ってる気もするけど、そこまで少女趣味でもなく適度にセクシーで、かといって
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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.1

なんかちょっと傲慢じゃないか?アートってずるくて理不尽なものもたくさんあって、誠実なものだけしか許されないならそれはそれで多分気持ち悪い世界なのでは。じゃないとバンクシーはこんなに怒り続けてられないと>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

同人誌読んでる感覚に近いから基本なんでもありだと思ってるし楽しかったけど、マジカル・ニグロ的な配役が気になっちゃった。ティムバートンともノーランとも全く違うバットマンが見たいけどやっぱそんな簡単じゃな>>続きを読む

NIMIC/ニミック(2019年製作の映画)

4.5

品のいいクラシック音楽に蝿が飛ぶような音混ぜるとか、不気味さを感じさせる表情を持った美しい女性とか、タイトルの意味に幅を持たせてエンドロールで全体を語るとか、今の作品にも通じる癖の片鱗がよく見える。物>>続きを読む

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

4.4

60年代シリーズの3作目。欲望の翼・花様年華の続編として制作され、特にレスリー・チャンへのオマージュが強く散りばめられている。
な〜んも知らずに見ちゃった!(笑)いつか欲望の翼見て答え合わせしよう。
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シンプルメン(1992年製作の映画)

4.0

オフビートセンスがずば抜けてる。理解の範囲を超えそうで超えないというか、そういう次元にないものというか、独特の余韻が好き。

《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐって(1975年製作の映画)

4.8

主演のデルフィーヌ・セイリグの演技すごかったんだなと改めて。時代を生き抜いてきた人だし煩わしいとこもあるけど、映画の中のジャンヌディエルマンとは全く違う人間だった。撮影スタッフ女性なのもいい。25歳の>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

前作で語ったことを全部ひっくり返せるこの度胸なんだこれ。主張し合って争った先で毎回何か得られるものがあると思うなって感じ。バリー・コーガンが良。

そばかす(2022年製作の映画)

3.8

名称を得て自分が何者であるか分かるからこそ、苦しいこともいいことも多分同じぐらいにある。今必要な物語。いろんな人に見てほしい。

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.3

セカイ系を代表する作品の一つだと思う。この人のメカっぽいSF雰囲気が好きだからこれ以降の作品で何でやめたん…て思ってる。
小難しい言葉並べてナレーションが長いの、共感性羞恥みたいなものが呼び起こされて
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夜空に星のあるように(1967年製作の映画)

3.8

それまでBBCでドキュメンタリー演出をしてきたケン・ローチの劇場デビュー作。
チェコヌーヴェルバーグのミロス・フォアマンから影響受けていたらしい。
やりたいことは変わらず、でも手法や技術が荒削りで良く
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

全話好きだったけど3話目が特に。
小倉をあんな綺麗に撮れる人他にいない。
あとめちゃくちゃ黒沢清!てカットがあって痺れた。この人のホラー作品がいつか見たい。
ホン・サンスとロメールも見る。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.3

貴族のお人形遊びって印象だけどウェスアンダーソン作品で1番見返したいって思うことが多い。学生運動が好きなだけかも。

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.5

作品もだけど色んな人のレビュー読むのが楽しい。それだけ映画好きに見られてるってことでもあるから本当にすごい。あとみんなワークショップのつまらなさで文句言ってて笑う。
個人的はふみさんが歩いて帰る現実逃
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

渡すのに相当な根気と時間を要するからこそ、子どもたちがどんな将来を歩むことになっても持てる大きな財産が「思考すること」だと思う。数年後にまた見たい。

害虫(2002年製作の映画)

5.0

ファムファタールの定義はそのままに、だけど自分が持ってたイメージとは全然違う視点からざくざく語られてって目から鱗。日本でしか生まれない人物像だと思う。それとも2000年代前半にはこの空気感が共通感覚と>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

時代背景とかあまり考えずに見てたから、くだらないコント!みたいな印象にしかならなかったけど、植民地時代のインドが舞台らしい。
いやでもだって原作ロアルドダールだしぼんやりイギリスのどこかって設定かなあ
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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

5.0

東京藝大の映像研究科主催のオンライン配信+トーク付き。申し込みすれば誰でも見れるやつ。しかも無料。ヤバ。

濱口監督が語るオムファタール。恋しくて主演の石田法嗣。魅力が分からないようで分かる、でも分か
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.8

なんかストレートに女はうるせー!男はサイテー!みたいなコメディバトルで楽しく見れるやつかと思ってたら想像と全然違くて草。あとパフォーマンスで煽るとか不貞行為あたりのこととか日本人の価値観とはかけ離れて>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

人生2回目。「ミニシアター上映会で人集めるには恋する惑星でも流しときゃOK。みんな好きでしょ」と言われたことがあり、当時は不服だったけど、的を射てて何も言えね〜。だって私も好きだもん。洒落ててレトロ、>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.6

このテーマじゃなかったら見てないわ絶対。マーゴット・ロビーかっけェ〜〜

白鳥(2023年製作の映画)

4.0

幸か不幸か私にはピーターのような経験がない。屈強な精神を貫いた先に何を描くがその人の人生観な気がした。曖昧な終わりはわざとだと思う。

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

4.8

まじでずっと続きが気になってる。そのせいで印象に残ってるのかも?種だけ蒔いて帰るなよ!

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

なんとなくバグダッドカフェを彷彿とさせる一部構成。子どもたちのための冒険物語ではなく、思ったより意味もなく、どこか退屈で見終わった後に謎の虚無感が湧く。コロナ禍のロックダウン意識してたらしい。時が経つ>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.3

演出もお話もとてもいいんだけどほんとに微妙にちょっとだけ好みじゃなくてなんだかすごく悔しい気持ちになった。ただ異常なほど綺麗な映画。映像、特に照明がすごい。日光や火の灯りを計算しつくしてる感じ。天気い>>続きを読む

クワイエットルームにようこそ(2007年製作の映画)

4.4

自分のことまともだと思えないからこの映画の世界に入り込めたら普通の側でいられるのかもしれないがそれはそれでまあつらい。メラメラメランコリック。蒼井優かわい〜

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.9

濱口竜介、色んな人から勧められてはいたけど時間長いものが多いから面倒でずっと敬遠してて、これはサンクスシアターの期限切れるし駆け込みで38分ならいけるか〜と思って見た。セリフといいカットといい見逃しち>>続きを読む

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